レミニセンス

サスペンス要素やＳＦ要素に期待し過ぎると肩すかしになるかもしれません。
単刀直入に言えばラブストーリーだと思います。

個人的にメイ（レベッカ・ファーガソン）の宿命が過酷過ぎてうるっとしてしまいました。

ラブストーリーだとわりきれば、良作だと思います。

レミニセンス（２０２１年・アメリカ、カラー、１１６分）

梅田のお初天神の近くに、カツオのたたきがめっちゃ上手い店があって、久しぶりに映画通の悪友Ｙ氏と飲んで食べて．．．。
Ｙ氏　‘久しぶりやなあ。近況は言わんでもええから、最近観たやつをまず言うてくれ’
私　‘そないせかせんと、まずはナマで乾杯やろ。ここはサッポロもあるしな’
Ｙ氏　‘せやせや、互いにビールはサッポロが１番！　これだけは昔からウマが合うなあ。ほいで何やねん、観たやつ’
私　‘昨日、レミニセンスゆうの観たけど、途中からハナシが超複雑になりよって、ようわからんかったわ’
Ｙ氏　‘ああ、レベッカが出てるやつやろ。人の記憶を見せたりするやつや。俺は好きやな、あの作風。ヒュー・ジャックマンはどうでもええけど’
私　‘俺はタンディ・ニュートンのほうが好きやな。なんか品（ヒン）があるし、目で訴えるものを感じるやろ？’
−−−− ここでカツオの藁焼きたたきが登場、ちょっと会話が途切れてほうばる −−−−

私　‘今度、「ブッシュ」を観ようと思うねん。タンディ・ニュートンがライス国務長官を演じてるから’
Ｙ氏　‘レベッカの冷た〜〜い感じがええやろ。インポシブルの新作を観にいこう思うとんや’
私　‘ほんでレミニセンスやけど、何べんもあの水槽の装置に寝っ転がって記憶を見せるやろ。途中から分からへんようになったわ’
Ｙ氏　‘メモせんかい！　メモ、メモ。
私　‘ややこしすぎて、メモする気も起らへんかった。飲んでるロックはぬるうなるしな’

レベッカ・ファーガソン扮するメイが、麻薬王セント・ジョーから大量の麻薬を盗んで逃亡した．．．
ヒュー・ジャックマン扮するニックが麻薬の売人になりすまし、セント・ジョーのアジトへ潜入するも、バレて捕まってしまう．．．
危うく殺されかけたところを、タンディ・ニュートンに助けられる．．．
このあたりまではスンナリとアタマに入っていたのですが、以降、ドツボにはまって何が何やら？？？
ただ、タンディ・ニュートンの射撃の正確さと機敏さ、これはカッコよかったですね。

因みに、ストーリーの解説をＹ氏に求めても、忘却で仕方なし。（そのくせレベッカ・ファーガソンのことだけはよく覚えている）
なんか、見ている映像が、過去の記憶のものなのか、現実のものなのか、区別がつかなくなりました。（涙）
しかも、誰の記憶映像なのか．．．
登場人物は一気に増えるし、ああ、もうどうにでもしてくれ！

断片的に覚えているのは、過去の記憶を追体験させる装置が、戦時中の尋問装置であったこと。
ニックは「客の過去を見る」
ワッツは「客の本性を見抜く」
‘幸せの最中に終わる話を．．．’ これ、誰が言ったセリフだったかな。

なんだか世間の評判が思わしくなく
興行成績的にも芳しくなく
「爆死した」と言われている作品なようですが
ボクは面白かったです。
SFってサイエンス・フィクション
科学小説という意味がありますが
違う解釈もある。
少なくともボクの中では
それが最も大事なものだと思っています。
SFのSは「切ない」のSです。
切ないフィクション
切ない虚構
それがボクのSFです。
SFは切なくなければいけません。
切なさを殺してはいけません。
狂おしいぐらい
苦しいぐらい
切なくて丁度いい塩梅なのです。
そういった意味において
今作は「切ない」です。
海面上昇という深刻な問題を抱えた近未来の人類。
最も大事な財産は「大地」となり
貧困層は生きる希望を「過去」に求めた。
冒頭からゾクゾクするような絶望漂う世界が描かれ
「記憶」という「甘美な果実」にすがる人々の
悲喜こもごもが紡がれる。
記憶という題材はSFというジャンルにおいて
心をくすぐられる優良なもの。
この「記憶」のために
ヒュー・ジャックマン演じるニックと
レベッカ・ファーガソン演じるメイの人生が
交差しながら狂いはじめる。
「グレイテスト・ショーマン」に続いての
この二人のコンビ
とてもイイです。
画面に二人だけのシーンの実に相性の良いこと。
今回も歌声を披露する役のレベッカでしたが
「グレイテスト〜」が吹き替えだったように
（どうみても唄っているように思えるのですが）
今回も実際には唄っていないのでしょうか？
兎に角この二人はナイスコンビです。
中盤、ちょっとズレがあり
ひょっとして失速しちゃう？と思ってしまいますが
そこから華麗にズレを元に戻すどころか
切なすぎて死んじゃうよ！な
グッドな展開を見せる物語。
これはたまりませんでした。
レベッカ・ファーガソンの
「記憶から消したくない名場面」がまた生まれました。
（「グレイテスト〜」の歌唱シーンは
そこだけ何度も観るぐらい好きです）
ただ、そこからがいけなかった。
切ない、で止まっていればいいのに
３歩ほど踏み出し過ぎました。
そこに「面白い」って思える大地はないのに・・・・
行き過ぎは行けません。
とても残念でならない。
でも総合すれば観てよかったと思える面白さでした。
そういえば、この作品のアレ
あの作品のココと
既視感を覚えることが多いというのも
この作品の評価が思わしくない理由のようです。
しかしそれはつまらないことなのか？
その既視感を覚える部分の元ネタとなる作品を知らなければ
気になることなどないし
そうであってもその優れた演出なりを
好きな俳優が演じていればそれでいいのではないか。
とボクは思います。
あなたは未来を選ぶのか
それとも過去か
ボクなら・・・・

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X-MENのウルヴァリンでお馴染みのヒュー・ジャックマンが主演でした。
アツく激しいキャライメージが強いですが、本作では地味目でした。
これはこれでありかと思いました。

さて本作ですが、近未来を舞台にしたSFサスペンスものでしたが、他のレビュアーさんもおっしゃていましたが、水没都市の設定はいらなかったような出来上がりでした。

枝葉が増えてしまった分、サスペンスの要素が薄まってしまった感があり、わたくし的には残念に思えました。
また水没都市といいつつ水浸しの町の描写は何か違和感を感じてしまいました。
ヴェネツィアみたいに舟で移動とかなら分かりますが・・・
映像的にはありですが、実際的では無い気がします。

突然姿を消した謎の女性の目的は何だったのか？

自分の恋心に気がつかない振りをし、いろいろな人の記憶を探して、消えた女性を追い求めていきます。
できれば女性が消えたあたりのエピソードもしっかりと作りこんで欲しかったです。

彼女の謎を追っていく展開は、緻密な組み立てで面白かったのですが、途中から雑な展開になります。
荒廃した世界のマフィアのボスに何の準備も無く乗り込んでいくとか、ないわ〜って思いながら観ていました。
案の定、かなりピンチに。

そしてクライマックスにいろいろな謎が解けますが・・・
地主のくだりがわたくし的にシックリ来ませんでした。

ストーリーや設定にもう一工夫あると良かったです。

アメリカでは大コケしたようだが クリストフノーランとかがかんで
良くぞ企画を通したと称賛したいね ガキ映画ばかりでマーベルやら
ワイスピも絆がどうの責任がどうのとな寝言にうんざりの諸君には
勧めたいね

最近バラードの「旱魃世界」を読んだばかりなのだけど 真逆の水が
溢れて世界を侵食している 同じく滅亡のランスケープが良い
映画館によってバラつく画質は 今作は幾らかぼんやりとした画面で
それはそれで ごく普通の昔からある映画の姿ではあるのだ 一興だ

題材はこの種映画では凡庸ではあるのだが その暗いロマンティシ
ズムは本当に悪くないよ 現代映画の中での地味ながら貴重な存在感
を まがりなりにも新人監督が それを成立させていて立派に合格だ
要らぬ銃撃戦やら格闘シーンはもっと簡素でよく 物語をもう少し
整理して100分に収めたなら この監督の才能はモノホンだけどね

色々な映画が思い浮かぶんだけど 「ストレンジデイズ」やら
「デジャヴ」だね その冷たく諦念に近い未来感ではスピルバーグの
「プレイヤー1」ではないかな それはグローバリズムの中での
格差社会で貧乏人共が仮想現実の中に逃避する事を それで良いでは
ないかと肯定している映画なんだよね ゴジラが出たのどうのは
どうでもよい事なんだよ 未来の光と闇の認識に驚くべきだ
そう言えば そのラストを誰も覚えてない「アップグレード」も
そんな映画だよ 仮想現実の中の甘い記憶に浸る映画は増えるだろう
ね 良いんだか悪いんだか 知らんけど