クリーピー　偽りの隣人

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私は香川照之が好きだ。乳（チチ）なんかいくら揉まれたっていいし、髪グシャなんか屁でもない。
──と思ってる女性は広い世間に何人かはいるはずだ。

とは言っても半沢直樹は観てないので私が視聴した映画は「鍵泥棒のメソッド」「ゆれる」と本作くらい。
「ゆれる」では、世の中に気を使いながら、弟への嫉妬や羨望を押し隠し、なんとか
上手くやっていこうとする陽と陰の性格を怪演。
セリフと動きは明らかに「陽」なのに、言葉の端から、ふとした立ち居振る舞いから
陰々滅々と漂ってくる「悪のうごめき」と「絶望」。
そんなの香川照之じゃなくて誰が出来る・・・

さて、「クリーピー偽りの隣人」である。タイトルが隣人はウソつきでクリーピー
だとバラしているので、香川サイコパスという前提でストーリィについてゆける。
もう、香川はおかしい人なんだとわかっているし、時々で変わる性格も、うん二重人格だものねと納得。（なんの「驚き」もない展開である）香川の胡散臭さだけが画面から匂う。
ご丁寧に予告編でもガッツリ、藤野涼子ちゃんがネタバレしてくれてるんで、もう香川は「誘拐犯」だと、うちの隣のバアさんでも知ってるんだとさ。

しかし、元警察で犯罪心理学者の西島秀俊の方は良くわからない。
警察時代の失態は、過剰な自信ゆえの事だし、川口春奈への質問も、
「よく思い出せ、うりゃぁ」と言われて思い出せるもんじゃない。（逆に逃げてくわ）
妻の竹内結子へは思いやりの言葉十分、だが「チョット待って」が多すぎるだろう。
そして東出昌大、どうしてバディと行動しないのかなー。
ボケッと玄関待ちして香川に引っかかるなんて！ 開いた口がふさがらなかったよ。

このまま香川の勝ちか・・イヤな話だったなぁ。
どうしてこんな男がのうのうと・・・と不快指数MAXになる終盤、
西島夫婦が反撃に出る。このまま香川の狂気の海に溺れるところを竹内結子の絶叫が
リアルに戻す。辛かったろうなぁ、怖かったろうなぁ、イヤだったろうなぁ・・・。
こんな事、絶対起きませんように。

黒沢清監督ということで、後味が悪いだろうことは覚悟していました。
高倉（西島秀俊）がまだ刑事だった頃の冒頭のシーンから、すでに違和感というか警察の無能ぶりが感じられたのですが、これは高倉の人物や経歴を知るためのシーンだったのだと思います。
高倉は、犯罪者のプロファイリングに失敗し警察を辞めて、現在は大学の犯罪心理学の教授という設定です。
その彼の講義の中で、サイコパスの三つの型についての言及がありました。
確か、「秩序型」「無秩序型」「両方の混合型」と言っていたと思います。
未解決の殺人事件では、混合型サイコパスの犯罪が多いというような説明があったように記憶しています。（確認していません。スミマセン。）
本作のタイトルにあるクリーピーな隣人・西野（香川照之）が、この混合型のサイコパスなのかなと考えながら観ていったのですが、高倉夫妻が引越挨拶に行った時から西野の気味悪さは全開でした。
高倉が調べている6年前の日野市一家失踪事件と、現在置かれている高倉たちの状況が似ていると気が付き始めた辺りは、ちょっと不気味でした。
でも、不気味だったり奇妙だったりするものの、警察含め対応が間抜け過ぎて緊張が持続しません。
ストーリー展開の不自然さで言えば、容疑者宅を訪問するのに野上刑事も谷本刑事も一人で出かけて行くなんて危険すぎるでしょう。
高倉の妻・康子（竹内結子）にしても、シチューを届けに行こうなどと何故考えたのか不思議です。
心理学者でありながら、妻の様子（態度、服装、言動）の変化に気づかないのも有り得ない。（一般人でも家族なら気が付くと思う。）
そして、一番の恐怖の場である西野家の防音扉の向こうにある部屋も、そこで繰り広げられているおぞましい光景も、観ている間からずっと違和感。
普通の家庭にあんな部屋をいつ築いたのでしょう？（作ったのは西野に違いないけど）
そういう事が気になるだけでも、この映画は成功作とは言えないのじゃないかな。（気が散って集中できない。）
とは言え、あれこれ結末を予想しながら、観ている間だけは面白かったと思います。
香川照之の演技力が際立つ作品でした。
「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です。」と言っていた女の子・西野澪が、「ソロモンの偽証」の藤野涼子だとは気が付きませんでした。

警察署で起きた、人質にナイフを突きつけたサイコパスを、
いきなり射殺する・・・
滑り出しはスピーディーで、良かったです。

その事件で負傷した刑事の西島秀俊は、今は大学で犯罪心理学を
教えています。
心機一転、引っ越した先の「隣人」が香川照之でした。
西島秀俊は、香川照之に不信感や、犯罪の匂いを嗅ぎ、
やがて、6年前に起きた1家疾走事件との関連を、
疑うのです。

香川照之の住宅の禍々しい監禁部屋、奥につながるドアを開け閉めするさいの、ギギーッという、音が重たく暗い音が多用されます。
それが中々効果的で、ドーッと恐怖心を感じました。

ただ、西島の妻の竹内結子が、香川照之に洗脳されて、
骨抜きにされる描写は唐突で、ちょっと説得力に欠けました。

なぜそこまでのチカラが香川照之にあるのか、
映像や会話から、理解出来なかったですね。

でも、ラストの展開は、私は好きでした。

「隣人」は、一般的には、選べませんよね。
香川照之が隣人だったらとゾーッとする映画でした。
現実にも、この人と出会いさえしなったら、
こんな不幸に巻き込まれなかった・・・そういうケースが、
多いので、どうやって防げるのか？、
考えてしまいました。

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「あの人、お父さんじゃありません」
インパクトあるキャッチコピーに、豪華な配役。
とてもよくできたCM.　それだけでした。

映画館に行かなくて、本当に良かった。
なんか無茶苦茶でした。

生徒からの勧めで未解決事件の現場にいったら、後日警察時代の後輩が大学に訪れ、
一緒に捜査しましょう。
→なにそれ、西島さんを見張っているの？

不快感をもち、気持ち悪がっている隣人にシチューをおすそ分けする嫁の結子ちゃん。
→えっと・・・そんなに近所付き合いをしたいの？

隣人の言うとおりに急になる結子ちゃん。
→結局、薬づけにされただけじゃん。洗脳かと思ったよｗ

毎回夕食時にTシャツ姿で上腕二頭筋を見せる西島さんｗｗｗ
→サービスショットですｗ

他人になりすます。←これが見どころのはずが、香川さんの演技力のみに頼り切り、
全く手口などわからず、薬漬けにし、邪魔ものを殺すって酷すぎる。

ラストに向けて盛り上がりより、無茶苦茶な展開で・・・・。
原作者からクレームこなかったのだろうか？って思える作品でした。

あと、西島さん、結子ちゃんのような美男美女が引っ越しのあいさつにきたら、
一番ビビるｗｗｗ

ハッキリした失敗作(？)だと見受けられるのに、この人気はなんだ！！
これが、黒沢清監督の潜在的人気なのか？
待機人数は3000人に達している(ブルーレイと、DVDを合わせた一位二位登録者数)
それもレンタル開始して丁度二ヶ月を経ている。
ジャンルはドラマ・・となってますが、どう見たってサイコ・サスペンスか、サイコ・スリラーです。
人物描写は荒くて浅い。
脚本も緻密でなく、会話が不味い。
人間が描けていない。
その証拠に、共感できる登場人物が一人もいないのだ。

私がハリウッド的な作りだと思ったのは、冒頭の警察署内で、
サイコパスな容疑者が、一般人を人質に逃走を図る下りと、
西島秀俊警察官の取る行動・・・・この行動は日本の警察官は、
取らないのが一般的で有る。
しかしこのエピソードは、本編の内容とあまり深く関係は無い。
西島秀俊が警察官を辞める原因ではあるが・・・・。
それと、ラストの締めくくり方・・・・これも非常にハリウッド的な
終わり方なのだ。
香川照之の棲家の、倉庫なのか？監禁部屋なのか？禍々しさが
ビジュアル的には面白かった。
失敗作だと思うけれど、見所や音響の使い方、魅力がないと言ったら
嘘になる。惹きつける細部は多いのだ・・と思います。