ＧＲＩＭＭ／グリム

本シリーズの製作は、デビッド・グリーンウォルト。元は映画監督さん。けれど、大した実績を残せずに90年代にＴＶ界に転向。『パフィー／恋する十字架』、そのスピンオフ作品の『エンジェル』、そして『ユリイカ』等でプロデューサやディレクタをつとめた。本シリーズはＮＢＣの看板になりつつあるようだし、 100話を超えればヒット作の仲間入り。彼も重役待遇だ。壮大な物語世界を用意しているようだから、今後どうコントロールして行くか、楽しみである。

第09話(09) 父親の影　OF MOUSE AND MAN
レナード・ドレイクの遺体が発見される。同棲相手のナタリーは家庭内暴力に苦しんでいた。殺される前夜もナタリーはドレイクに暴力をふるわれていたが、仲裁してくれたのは、同じアパートの２人の男だった。１人は小さなリサイクル・ショップの店員、もう１人はやり手の弁護士だった。
……というお話し。
マウズハーツ＝ハツカネズミ族のマーティが、同じ環境のナタリーに惚れて一念発起する。しかし、そこに立ちはだかったのが、ラオジンシュランガ＝ヘビ族だった。ヘビに睨まれたネズミという図式が、本編のメインストーリーである。ちなみに、私は“ヘビ vs.マングース”という見世物はキライだ。(笑)
モチーフとなっているのは、ジョン・スタインベックの小説“二十日鼠と人間”らしい。すべてのエピソードがグリム童話から取られているわけではないと知って、ちょっと残念に思った。――まぁ、童話集には 100話くらいしか収録されていないはずだから、その後はどうするんだろう、と疑問に思っていたので、ちょっと納得。(笑)

第10回(10) 臓器ビジネス ORGAN GRINDER
少年の遺体が川で発見される。上流にある滝から落下したらしい。検視の結果、遺体の首には刺したような穴が２つ見つかり、大量の血液が抜かれていることが判る。
その頃、街ではストリート・チルドレンが姿を消す事件が頻発していた。
……というお話し。
ガイアー＝ハゲタカ族の起こした臓器売買事件のエピソードなので、ちょっとだけグロい描写がある。これにフクスバウ＝キツネ族の薬屋が絡む。裏で仕入れた人間の臓器を売買していた、という設定。このフクスバウの妹が中盤から登場し、モンローとの恋愛関係をにおわせる。ところで、狼族とキツネ族が結婚すると、生まれた子供はどうなるのだろ？　オオカミキツネか？　種族がドンドン増えるな。それとも、ベッセンとして生まれるとは限らないのだろうか？　ちょっと気になる。(笑)
モチーフになったのは、“ヘンゼルとグレーテル”。パン屑を落として歩く、というディテールが、本作品に転用されている。

本シリーズに欠かせないのは、特殊メイクだろう。ベッセンへの変化はコンピュータ処理だとしても、役者さんへのメイクは欠かせない。クレジットから察すると、バーニー・バーマンが携わっているようだ。『スタートレック』シリーズや『ザ・リング』シリーズ等の有名作品から低予算の作品まで、賑やかなフィルモグラフィを持っている。(笑)

本ディスクにも特別収録がある。
・『水滸伝』ダイジェスト

オススメ！

昨年(2013)、ケーブルＴＶで第１シーズンがオンエアされているのを毎週観ていた。シーズン序盤は世界観の確立に手間取って、どこか手探りをしている様子だったが、中盤から拍車がかかり、終盤は密度が濃くて面白かった。最終話の放映が終わった次の瞬間、“2014年、第２シーズン放送決定！”のキャッチが……。ここのところ『テラノヴァ』も『THE RIVER／呪いの川』も第１シーズンで打ち切りだったので、継続するドラマと出会えて嬉しかった。(笑)

第01話(01) グリムの末裔　PILOT
ポートランド市警のニックは、或る日、女性の顔がバケモノに変わるのを見る。
その夜、育ての親である叔母のマリーが突然訪ねて来る。そして、自分たちがグリム一族の末裔であることを伝える。バケモノの正体を見分ける力を持っているが故に、悪いバケモノを狩る宿命なのだと話す。
その言葉を証明するように、ニックたちは２人組みのバケモノに襲われる。
……というお話し。
主人公ニックがグリムとして覚醒するストーリーと並行して、少女の拉致事件が描かれる。いずれの被害者もピンク色の衣類を身につけていたことから、モチーフは“赤ずきん”ってコトだろう。ピンクってところが現代風だな。(笑)
ニックの“裏の相棒”となるモンローと知り合う重要な１話でもある。

第02話(02) 通過儀礼 BEARS WILL BE BEARS
入院した叔母マリーの病室で見知らぬ女に襲われたニックの体から、少量の毒が検出された。状況から叔母を狙ったものと判断され、殺人未遂事件として捜査が始まる。
しかし、監視カメラに女性の姿は映っていたものの顔は識別出来ず、捜査は難航する。
そんな折り、若い女性が署に助けを求めて飛び込んで来る。
……というお話し。
マリー叔母さんに再び刺客が送り込まれる一方で、クマ族の“成人の儀式”が行われる。バンジージャンプよりも他人を巻き添えにする分、確かに罪深いな。(笑)
こちらは、“三匹のくま”という童話がモチーフらしい。私は知らないが……。ライオンが販売している“ 3匹のこぐま”というキャンディを思い出してしまった。(苦笑)
面白いのは、クマ族の留守宅に忍び込んだ男女が兄妹だったこと。彼らは空き巣ではない。住人がいない間、その家で生活するだけ。住人の高価な衣類を着たり、酒を飲んだり、ベッドを使ったり。２人でジャレ合っている姿から、てっきり恋人同士かと思った。そんな雰囲気だった。怪しげな兄妹だ。(笑)

グリム童話は実は戦いの記録だった、という番宣のコピーが伝える通り、アクション・ホラー系のＴＶドラマである。さまざまなモンスターが登場するが、普段は人間として生活している、というアイデアが面白い。
本ディスクには、特典が２つ収録されている。

・『８分でわかる『SUITS/スーツ』のココがスゴい！』
・『SUITS/スーツ』第１話『弁護士の条件』（日本語吹替版）

どちらもまだ観ていない。けれど、『キャッスル』や『BONES』等とは若干作りが違い、広告宣伝に力を入れている様子がうかがえる。レンタルだと、チョット得した気分になれる。(笑)

オススメ！

第１話を見た時の印象は良かった。
方向性としては、【チャームド】や【スーパー・ナチュラル】みたいな退治物かと。そして、刑事という立場上、法も味方に出来る。
これはもう最強だぁ！
。。。。そう思った。だが、どうも第一印象とは違うのです。
ニックは、グリムである前に刑事なのだ。なので、退治物ではなく、あくまでも刑事物という位置づけが正しい。
特殊な犯人（魔物）を逮捕する為に、博識なモンローに協力を仰いで捜査を進める。そして最後は逮捕する。
うーん。今ひとつ、【グリムの末裔】である意味が感じられない。
ただ単に、魔物の存在を知っている刑事なのだ。
それに、今作はグリム童話をモチーフとしているという触れ込みですが、あからさまに原作をなぞっているのは第１話くらいのもの。
後は、ストーリーをなぞるほどではなく、それらしい登場人物（魔物）が配置されている程度。
多分、童話に詳しい方なら、細かい一致を見つける事が出来て面白いでしょうが、凡人には難しい。
そもそも、日本では寝る前の読み聞かせが一般的ではない。
なので、【シンデレラ】や【眠れる森の美女】や【赤ずきん】といった定番の物語しか頭に入っていないのです。後はディズニーで映像化されている物程度。
そういう意味では、童話の存在を忘れがちになります。
その上、【三びきのやぎのがらがらどん】や【ジャックと豆の木】といったグリム以外の童話も混ざっていますし。
シーズン１だけでは今ひとつ勢いを感じられず、マンネリ感におそわれます。
ただし、今後【グリム】の秘密も色々と出てくるでしょうし、本国アメリカではシーズン３が放送中。
打ち切りの多いアメリカで続いてる事を思えば、これから面白くなると期待して良いでしょう。

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とうとう、ジュリエットに本当の事を話す事にしたニック。
でもねぇ、タイミングが悪い。っていうか、言い方が悪い(-_-;)
「信じられないだろうけど」と言いつつも、嬉々として語るニック。
目を輝かせながら魔物の話をされたら、誰だって引くわ。。。
案の定、ジュリエットはどん引き　爆
もう少しうまく話せば良いのに。。。
そして結局はモンローの助けを借りようとするニック。毎度毎度のお約束ですな。
だが、アダリンドの毒が回って倒れてしまうジュリエット。
これはそのまんま、【眠れる森の美女】と言う事でしょう。
目は覚ましたものの何だかおかしいぞ。。。

そしてまさかまさかのニックの母ちゃん登場。
死んでなかったのか？！
という事は、今までグリムとして戦ってきたのだろうか。
俄然、続きが気になる終わり方でした。





モチーフとなった童話。
第２１話【ハンスぼっちゃん　はりねずみ】−彼は皮を脱ぎ捨てると火に放り込みました。すると、人間の姿になりました−
第２２話【いばら姫（眠れる森の美女）】−姫は死にはしないが、百年の眠りにつくのだ−


今回のゲスト。
第２１話【セルフコントロール】
ブリンカーホフは【イベント】のリチャード・ピール。
ラリーは【ゴースト〜天国からのささやき〜　シーズン４】のサム・ルーカス。
第２２話【黒服の女】
ケリーは【WITHOUT A TRACE／FBI 失踪者を追え！　シーズン４〜５】のアン・キャシディ。
アキラ・キムラは【フラッシュ】のエディ･チョイ。

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デーモンフュアーの一件で知り合ってしまったモンローとジュリエット。
お礼に食事に招待したいというジュリエット。秘密がバレる事を恐れたニックは落ち着かない。
モンローと口裏を合わせるものの、やはりちぐはぐ^^;
思えば、以前にもハンクの前で他人のふりをした２人。
モンローがニックに対して【コーヒーでも飲んでてくれ。場所は分かるだろ？】とか言ってしまって、微妙な空気が流れたっけ。。。
ウソがつけないなら最初からつかなきゃ良いのに。
最初に事件の容疑者として捕まえているわけだし、それがきっかけで知り合ったと言っておけば済む事なのだ。
無駄に苦労を背負い込む２人なのでした。。。

そして、第２０話のモチーフは【シンデレラ】。
日本でも有名な話ですが、特に魔法使いのおばあさん以外は出てこない。
どうなるのかと思いきや、シンデレラ側に問題があるという流れ。
これはなかなか面白い展開でした。





モチーフとなった童話。
第１９話【三びきのやぎのがらがらどん】−トロールが「待て」と彼の前に飛び出てくると、「この橋は有料だ。渡るなら俺に１ペニー払え」と言いました−
第２０話【灰かぶり姫（シンデレラ）】−２人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ−


今回のゲスト。
第１９話【目撃者】
サルは【デクスター】のエンジェル・バティスタ。
第２０話【幸せの余波】
ルシンダは【スーツ】のカトリーナ・ベネット。
スペンサーは【クラッシュ】のロジャー・ポール。