ノン子３６歳　（家事手伝い）

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私の好物である「ちっぽけな人間がいじいじしている」系の作品なんですが、これはどうもダメでした。「映画秘宝」で第1位ってのが期待値を上げすぎたかな（笑）。

坂井真紀演じる主人公ノン子は、東京で芸能人になるもパッとせず、マネージャーと結婚するも離婚して出戻ってきた36歳。まあ、ダメ女のお話ですな。今は全くやる気のない人生でのらりくらりと生きている。坂井真紀のテキトーぶり全開の演技は見ているこっちがムカツクくらいで、なかなかよいです。彼女は「赤い文化住宅の初子」でも、ものすごくいい加減な女教師を演じており、ちょっと似ています。夜の商店街で店先に出たゴミ箱を自転車に乗りながら蹴り倒していくシーンはすごくいいですね。自転車を左右にぐりんぐりんさせながら、ダーン！ダーン！と蹴り上げてゴミ箱の中身が次々とまき散らされるんですよ。嫌でしょう？こんな女（笑）。

ベッドシーンは全然キレイじゃない、ってのがいいです。もぞもぞしてるのがとてもリアル。ああ、やっぱり寝ちゃうのかあーって、情けなさが出てます。しかも、鶴見真悟の方に、しかもそこに！？ってところにボカシが入ってて、結構笑えます。

芸能人をやっていたというノン子ですけど、話が進むに連れ、水着ギャル程度のお仕事だというのがわかります。で、マネージャーでもあった元夫にもうひと花咲かそうと言い寄られる。まあ、アホですよね。嘘に決まってますよね。一蹴するのかと思ったら、前向きに考え始めるノン子。おいおい。なんでやねん。で、ノン子に好意をよせる若い男はひよこ売りからスタートして世界を目指すと言う。まったくみんなイタいよ！イタ過ぎるよ！

そんな3人のダメ人間を熊切監督は淡々と描いています。自分でもコントロールできない欲望やこだわりから逃れることができた。そんな小さな希望がノン子に生まれるまでを描いた作品と言えるでしょう。それはそれでいいのですけど、終始乗り切れなかったのは、マサルを演じる星野源にあまり魅力を感じなかったから。坂井真紀と鶴見真悟がハマリ過ぎてたせいなのなあ。なんでひよこ？なぜ、世界を目指す？というワケわからなさの妙が味わいとしてにじみ出してこないんですよねえ。残念ながら。大人しそうに見えた彼が最後に暴れまくるんですけど、それもなぜそこでキレる？ってのが、おかしみになるはずなんですけど、どうもイマイチ…。柄本佑くんだったら、ハマり役だったんじゃないかなあと思うんだけど。

まだ最後まで観てませんが
坂井真紀のおっぱいがいっぱい（←シャレじゃないですｗ）見れる映画です。
まあ色気は感じられませんがｗ

そこを期待したいなら観ても良いでしょう！

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ねんがら煙草を吸ってるシーンがものすご嫌で　こんな女最悪やと思います　相手の男も馬鹿で阿呆　元旦那も情けない助平男で　こうゆう登場人物でドラマを持たせるのは大変です　配役的には成功してるのでしょう

どうも熊切和喜さんと山下敦弘さんを混同してしまうのですが　それは背の高さが同じってことではないのでしょうが＜おい　この情けない男女達の物語に共通するところもあるのでしょうね　お二方ともお会いしてお話もしたことがあるので　仕事の充実振りは嬉しい限りです

混同すると言えば　今回は撮影がいつもの橋本清明から　山下組の混同じゃない近藤龍人に代わっているんですね　それで彼の仕事がまことに素晴らしい　光がいいんですね　つまり照明もいいとゆうことです　何気に冴えない地方都市の風景描写などいいんですけど　ふっとガラスの向こうや　山を仰ぐ坂井真紀にあたる光が優しくていいんですね　室内に射す外からの光線もキャメラのパンなどと組み合わせて凝った撮影を敢行しています

このぐちゃぐちゃだらだらしたお話に一条の光を　主人公の心理を清新な空気で満たしてくれるんですね　坂井真紀の濡れ場など大したことのないシーンですが　ここでの撮影や照明などはやはり日活ロマンポルノへのオマージュでもあるのでしょうね　長まわしに懐かしさを感じます

ほんとにささやかに　悪魔のいけにえなアクションに　ひよこぴよぴよな　スペクタクルがラストに用意されていて　退屈な作品ではありませんよ　お勧めします　

　ヒロイン、ノブ子（坂井真紀）の実家が“神社”ってところに意味がある、という前提で推論（妄想）する。
神社は古来、共同体の中心、共同体のカミを祀る所だ。ノブ子は一度共同体を飛び出したものの、挫折して再びそこへ帰らざるを得なくなった。本人には忸怩たる思いがあるのだが、共同体のメンバーは変わらず彼女を受け入れている。だってカミを祀る特別な家の娘だもの。宮司の父親が不機嫌なのはほんのご愛嬌、共同体は優しげな触手でしっかりと、ノブ子をとらえている。
　と、そこへ見知らぬ若者が一人、訪れる。場所、まさに神社の境内、目的は神社の祭礼に露店を出すこと。
マサル（星野源）は閉鎖的な共同体に遠方から現れ、共同体を揺り動かし、何か新しいものをもたらす客人（まれびと）ではないだろうかと、感じないではいられない。カミは外からやって来るという折口信夫説である。
　しかも初めての日、マサルは“チェ・ゲバラ”の顔のプリントされたＴシャツを着ている。考え無しに重要な役の衣装を選ぶとは思えない、彼は舞い降りた革命家でもあるのだろう。共同体に変革をもたらす新しいカミの降臨であり、苦悩するヒロインを再び解放する救世主の到来だ。

・・の、はずだった。が、この革命家はあまりにひ弱で、この共同体では「まれびと」は歓待されず侮辱されるばかりで、若者はちょっとだけ荒ぶるさまを見せ、ひよこの群れで一瞬境内を埋め尽くしただけで、終わってしまった。
革命は挫折、新しいカミは来ない。ヒロインはもう外に自由は求めないだろう。緑豊かな故郷の田舎町で、ゆくゆくは老いた両親の世話をして、共同体の日常をくり返すのだろう。
　しかしひよこの黄色が境内に照り映える一瞬は輝かしくも美しかった。

　酷評も聞いた映画ですが、なかなか面白かったです。自意識過剰に陥らない視野の広さ（妄想を許す余地）を感じました。まあ、それはカメラがロケ先、埼玉県の寄居町とか、の美しい風景をのんびり映して楽しませてくれたせいかもしれませんが。　
　鶴見辰吾とのラブシーンは一見の価値ありです。

特典映像も、じっくり楽しんでください。
ヘリコプターで何台もカメラをまわして撮るハリウッド大作も、本作のように軽トラにカメラ積んで押して撮るのも同じ映画なんだなあ、と感じました。
地元の協力や、映画の神様が降臨したようなロケ地の偶然を利用しての撮影。スタッフ全員が映画作りを楽しんでいるんだなあ、
確かに制作費かけ興行成績を塗り替えた映画が、制作費が安い作品にアカデミー賞をさらわれるんだから、映画関係者は、いつもそんな夢を持ちながら製作に携われるんだろう。

「おくりびと」のような明解なテーマもなく、ダメな人間同士がダメな方向にどんどん流されていくんですが、共感できる人は共感できるのかなあ。個人的には、人それぞれ、ということしか分からなかったんですが。