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「死ぬまでにしたい10のこと」の実力派女優サラ・ポーリーが長編映画監督デビューを飾った感動ヒューマン・ドラマ。原作はアリス・マンローの短編『クマが山を越えてきた』。認知症という悲劇に直面した老夫婦の心の葛藤と深い愛を静かに見つめる。主演はジュリー・クリスティ、共演にゴードン・ピンセント。結婚して44年になるグラントとフィオーナ。決して良き夫とは言えない過去もあるグラントだったが、いまはフィオーナを深く愛し、夫婦仲良く穏やかな日々を送っていた。ところがやがて、フィオーナをアルツハイマー型認知症の悲劇が襲う。物忘れが激しくなったフィオーナは、ついに自ら老人介護施設への入所を決断するが…。
製作年: |
2006年 |
---|---|
製作国: |
カナダ |
原題: |
AWAY FROM HER |
受賞記録: |
2007年 ゴールデン・グローブ 女優賞(ドラマ)
2007年 NY批評家協会賞 女優賞 2007年 LA批評家協会賞 ニュー・ジェネレーション賞 |
監督: |
サラ・ポーリー |
---|---|
製作: |
ジェニファー・ワイス 、 シモーン・アードル 、 ダニエル・アイロン |
製作総指揮: |
アトム・エゴヤン 、 アトム・エゴヤン |
出演: |
ジュリー・クリスティ 、 オリンピア・デュカキス 、 マイケル・マーフィ 、 ウェンディ・クルーソン 、 アルバータ・ワトソン 、 ゴードン・ピンセント 、 クリステン・トムソン |
脚本: |
サラ・ポーリー |
原作: |
コリン・タウンズ 、 アリス・マンロー 、 アリス・マンロー 、 コリン・タウンズ |
撮影: |
リュック・モンテペリエ |
音楽: |
ジョナサン・ゴールドスミス |
「死ぬまでにしたい10のこと」の実力派女優サラ・ポーリーが長編映画監督デビューを飾った感動ヒューマン・ドラマ。原作はアリス・マンローの短編『クマが山を越えてきた』。認知症という悲劇に直面した老夫婦の心の葛藤と深い愛を静かに見つめる。主演はジュリー・クリスティ、共演にゴードン・ピンセント。結婚して44年になるグラントとフィオーナ。決して良き夫とは言えない過去もあるグラントだったが、いまはフィオーナを深く愛し、夫婦仲良く穏やかな日々を送っていた。ところがやがて、フィオーナをアルツハイマー型認知症の悲劇が襲う。物忘れが激しくなったフィオーナは、ついに自ら老人介護施設への入所を決断するが…。
製作年: |
2006年 |
---|---|
製作国: |
カナダ |
原題: |
AWAY FROM HER |
受賞記録: |
2007年 ゴールデン・グローブ 女優賞(ドラマ)
2007年 NY批評家協会賞 女優賞 2007年 LA批評家協会賞 ニュー・ジェネレーション賞 |
監督: |
サラ・ポーリー |
---|---|
製作: |
ジェニファー・ワイス 、 シモーン・アードル 、 ダニエル・アイロン |
製作総指揮: |
アトム・エゴヤン 、 アトム・エゴヤン |
出演: |
ジュリー・クリスティ 、 オリンピア・デュカキス 、 マイケル・マーフィ 、 ウェンディ・クルーソン 、 アルバータ・ワトソン 、 ゴードン・ピンセント 、 クリステン・トムソン |
脚本: |
サラ・ポーリー |
---|---|
原作: |
コリン・タウンズ 、 アリス・マンロー 、 アリス・マンロー 、 コリン・タウンズ |
撮影: |
リュック・モンテペリエ |
音楽: |
ジョナサン・ゴールドスミス |
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
110分 | 日本語 | 1:ドルビーデジタル/ステレオ/英語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
CCRR8819 | 2009年02月04日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
16枚 | 0人 | 0人 |
収録時間:
110分
字幕:
日本語
音声:
1:ドルビーデジタル/ステレオ/英語
レイティング:
記番:
CCRR8819
レンタル開始日:
2009年02月04日
在庫枚数
16枚
1位登録者:
0人
2位登録者:
0人
DVD
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
110分 | 日本語 | 1:ドルビーデジタル/ステレオ/英語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
CCRR8819 | 2009年02月04日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
16枚 | 0人 | 0人 |
収録時間:
110分
字幕:
日本語
音声:
1:ドルビーデジタル/ステレオ/英語
レイティング:
記番:
CCRR8819
レンタル開始日:
2009年02月04日
在庫枚数
16枚
1位登録者:
0人
2位登録者:
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すごく静かで上品な映画です。女優で本作が初監督となった、サラ・ポーリーの佇まいが表れてくるかの作品となってるいように感じました。それは雪が持つ透明感で、白さや冷たさといったじっと冷静に物事を見据える視線と、なぜか感じる相反する暖かさの、両方を合わせ持つかの空気感を覚えます。
アルツハイマー型認知症により記憶を失くしつつある妻と、かつては浮名を流したが共に老いた今、彼女の存在の大切さを噛みしめる夫の、それぞれのこれからの物語だと感じました。
見ず知らずの男女は出会い、幾年もの時を経て、失意と発見などの体験を得た後、ようやく築きあげられる夫婦という関係。その基となるのはやはり記憶で、こつこつとレンガを積み重ねて家を築く時の、レンガをしっかりと固定するセメントのようなものなのかもしれません。そしてようやく完成した家は、2人が落ち着いて余生を過ごす居心地の良い場所となるのでしょう。しかしそのセメントが風化し、レンガを繋ぎ止めることが出来なくなった今、2人の家は崩壊を始めてしまいます。
様々な体験が、良いこともあり悪いこともたくさんあったけど、苦さは時を経て甘酸っぱい味となり、心地良い記憶で繋ぎ止められた家は、崩壊のきざしを見せることで、より一層の甘美なイメージで補完されてしまう。それは失うことへの恐れに対する、溺れる者が縋るための確固たる足掛かりで、消え入りそうな今という時を、若かりし頃の良き思い出で塗り固めることになるのかもしれません。
気の遠くなるような年月を共に過ごし、相互に思いやれる関係となり一つとなった者達は、記憶という接着剤が乾きはがれ落ちたために、再び二つの存在へと戻ります。
片割れどうしの存在とはいえ、夫は記憶がしがらみとなって、甘美な記憶の虜囚となって、過去へとしがみ付こうとするのです。それは、記憶を失くし今を生きる妻には苦痛でしかないのですが、夫の愛情であるのもまた間違いないことなのです。
人は生き、生きた証として記憶を刻み、関係を絆へと深めるのでしょうが、この絆が共有できないのであれば、もはやそれは動きを封じ込める鎖となってしまう、生きることを止めることと等しくなってしまうのでしょう。
夫のとった行動は、自己中で不義理に見えるかもしれませんが、老いたとはいえ、今を生きる人間の当たり前の行動だと思います。過去に、記憶に縛られることが必ず正しいわけではなく、“残された者”とはならず、今とこれからの生を、少しでも良いものとするために最善の努力を払っただけなのではと思います。
これは苦渋の決断であって、英断ではなかったかもしれませんが、生命への讃歌は十分に響いてくる良いラストだと思います。
私的には、忘れることは、やがて迎える死への緩衝剤と捉えてます。
記憶の虜囚とならず、日々向える出来事に、常に新鮮でいられる無垢の存在となることは、幸せなことなんだろうと思ってしまいます。不謹慎に聞こえたら申し訳ない。
このレビューは気に入りましたか? 7人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
別に不幸を望むわけではないんだけど、このテーマでハッピーエンドで終わるのなら
深みはあまり出ないのではないだろうか。涙を誘うような演出がないことには非常に
好感がもてるのだが、どうも最初からしっくりく来ない。もちろん他人事ではなく、同じ
ようなことになる可能性もあるのだから感情移入してもよさそうなものなのだが、それ
も全くといっていいほど感じなかった。
唯一のアクセント(!?)である夫のとった行動は解釈も様々で純粋に妻のためだけ
とは到底思えない。むしろ、ホーム入所の時に妻が夫に求めた行為、夫が妻のため
とも自分の現実逃避ともとれる行動。本作のテーマはアルツハイマーとか夫婦愛とか
ではなく、人生がここまで来た状態での性にあるのではないだろうかと思える。人間
にとって非常に大事なことであるのは当然なことで、それをアルツハイマーというサブ
テーマを通して描いたのだと私は思う。とすればハッピーエンドのように記憶が戻って
終わったことにも納得ができる。
このレビューは気に入りましたか? 7人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
(エンディングについて触れていますので、ご注意ください)
グラントはこの施設では異邦人だ。彼と入居者たちを繋ぐものは妻フィオーナしかいないが、彼女が扉をしめてしまった以上、ただ黙って眺めることしかできない。コミュニケートできる言語もなく、孤独な旅人のようにソファに沈み込むグラントの物憂げな表情。そこに、観客は何を見いだすのか。昔の浮気の罰を甘んじて受けようという贖罪の気持ちか。それとも、フィオーナは何があろうとも自分の妻なのだという言い聞かせる苦悶か。はたまた、妻の恋を見届けようという包容力か。
本作の素晴らしさは、そこかしこで、こうした豊潤なイマジネーションを掻き立てる力を持っていることだ。何となく余韻が残る、雰囲気が良いと言った表層的なものではなく、幾重にも解釈可能な深みを持つ。こんなものをデビュー作で撮ってしまうなんて、サラ・ポーリーの才能恐るべしとしか言いようがない。そして、ジュリー・クリスティとゴードン・ピンセント。このふたりの演技が本作を紛れもない名作へと押し上げている。
衝撃のエンディング。その捉え方は十人十色。夫婦とは何か。愛とは何か。幸福とは何か。このエンディングを何度も反芻することによって、自分の信条を再確認できる、そんな近年屈指の名ラストシーンではないだろうか。
妻の幸せを願う余りのグラントの取った行動。私はこれを否定する気は毛頭ありません。これもまた、ひとつの愛の形だろうと思う。しかし、そのプロセスに置いてグラントは、ふたたび別の女とたやすく寝てしまった。妻をどんなに深く愛していても、そして、全ては妻の幸福のためであろうとも、名前もロクに覚えられない女性と寝てしまう。私が妻なら、その人を心から愛してくれた方が良かった。そして、こう言うだろう。「グラント、私はあなたの肌を知っている最後の女でありたかった」と。
フィオーナはきっとすぐにグラントを忘れてしまう。そして、グラントはマリオンと余生を送るのだろう。あの一瞬の輝かしい抱擁を美しい記憶として抱きながら、そして重い十字架として背負いながら。
このレビューは気に入りましたか? 6人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
非常に表現に優れた作品だと思いました。
多くをセリフで語らないのに、情景や登場人物のしぐさで感じさせる映画です。
44年という歳月を共に過ごしてきた妻が認知症にかかる。
夫の負担を考え、施設に入ることを決断するフィオーナ。
昔は過ちもあったが今は妻を心から愛し、離れたくないグラント。
施設に慣れるために面会できなかった1か月の間に妻は夫を忘れ、他の男性を愛するようになっていた・・・
そのことを知った時のグラントの驚きと落胆、悲しみ。
自分たちの今まで共に過ごしてきた44年間は何だったのかだろうかと、今までの存在全てを否定されたような気持ち。
今までのことに囚われる心と、これからのことを考えねばならない現実。
こういう認知症の話はわかりきってて、救いのない話もお涙頂戴物も見る気さらさらなかったのですが、さむこさんがほめているし、
素晴らしいレビューがいくつもあるし、と思って見始めた映画でしたが、ファーストシーンからすぐ引き込まれてしまいました。
乱れ髪すら美しいジュリー・クリスティーと後姿が悲しいゴードン・ヴィンセントの深みのある演技、静かで美しい自然、抑え目の演出。
見終わった後もいろいろと考えさせられる作品です。
優れた映画は見る人によって様々なとらえ方ができます。
この映画はまさにそう。
この映画のラストが素晴らしい。
どうとらえばよいのか、とらえ方によって、この映画の評価も好き嫌いも大きく分かれることになりそうです。
レビューを読んでみると、ほんとにさまざまなとらえ方がされていて驚かされます。
ハッピーエンドととらえる方も落ちがないととらえる方もいる。
だから映画って面白いなと思います。
私がどうとらえたかをここに記すのはなんだかすごく無粋なことのようにも感じるのですが、何年かたってこの作品を見直したとき、恐らくまた違った感想をもつと思います。
その時のために記しておくことにします。自分のためです。ごめんなさい。
映画をまだご覧になっていない方はラストにふれますので、ここから先は読まないほうが良いと思います。
グランドはすべての段取りをして(この段取りのつけ方にも賛否両論あると思いますが、私は良いと思います。オーヴリーの妻も全てわかっていたし、もう良い大人。いろいろ考えた末の結論。これからを生きていくもの同士が考えた最良の方法だったと思います)フィオーナの前に立つ。
すると。。。
フィオーナは思い出すのです。グラントを!
皮肉なことに思えるか?
いいえ。
私には悩み苦しんだグランドへの神様からのプレゼント、最後の奇跡のようなものに感じました。
恐らくすぐまたフィオーナはグラントのことを忘れてしまうでしょう。
でもグランドは、一瞬でも自分のことを思い出してくれたフィオーナのことを心に抱き、生きていけるのです。
フィオーナの中で自分は消え去ってはいないことを知り、ましてや自分への罰ではなかったと・・・
認知症という重いテーマを描きながら、消え去らない大切なものはあるということを伝えてくれる。
心にいつまでの余韻の残る素晴らしい映画だと思います。
このレビューは気に入りましたか? 5人の会員が気に入ったと投稿しています
入力内容に誤りがあります。
内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。
ユーザーレビュー:85件
投稿日
2009/03/01
レビュアー
ひろぼう※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
すごく静かで上品な映画です。女優で本作が初監督となった、サラ・ポーリーの佇まいが表れてくるかの作品となってるいように感じました。それは雪が持つ透明感で、白さや冷たさといったじっと冷静に物事を見据える視線と、なぜか感じる相反する暖かさの、両方を合わせ持つかの空気感を覚えます。
アルツハイマー型認知症により記憶を失くしつつある妻と、かつては浮名を流したが共に老いた今、彼女の存在の大切さを噛みしめる夫の、それぞれのこれからの物語だと感じました。
見ず知らずの男女は出会い、幾年もの時を経て、失意と発見などの体験を得た後、ようやく築きあげられる夫婦という関係。その基となるのはやはり記憶で、こつこつとレンガを積み重ねて家を築く時の、レンガをしっかりと固定するセメントのようなものなのかもしれません。そしてようやく完成した家は、2人が落ち着いて余生を過ごす居心地の良い場所となるのでしょう。しかしそのセメントが風化し、レンガを繋ぎ止めることが出来なくなった今、2人の家は崩壊を始めてしまいます。
様々な体験が、良いこともあり悪いこともたくさんあったけど、苦さは時を経て甘酸っぱい味となり、心地良い記憶で繋ぎ止められた家は、崩壊のきざしを見せることで、より一層の甘美なイメージで補完されてしまう。それは失うことへの恐れに対する、溺れる者が縋るための確固たる足掛かりで、消え入りそうな今という時を、若かりし頃の良き思い出で塗り固めることになるのかもしれません。
気の遠くなるような年月を共に過ごし、相互に思いやれる関係となり一つとなった者達は、記憶という接着剤が乾きはがれ落ちたために、再び二つの存在へと戻ります。
片割れどうしの存在とはいえ、夫は記憶がしがらみとなって、甘美な記憶の虜囚となって、過去へとしがみ付こうとするのです。それは、記憶を失くし今を生きる妻には苦痛でしかないのですが、夫の愛情であるのもまた間違いないことなのです。
人は生き、生きた証として記憶を刻み、関係を絆へと深めるのでしょうが、この絆が共有できないのであれば、もはやそれは動きを封じ込める鎖となってしまう、生きることを止めることと等しくなってしまうのでしょう。
夫のとった行動は、自己中で不義理に見えるかもしれませんが、老いたとはいえ、今を生きる人間の当たり前の行動だと思います。過去に、記憶に縛られることが必ず正しいわけではなく、“残された者”とはならず、今とこれからの生を、少しでも良いものとするために最善の努力を払っただけなのではと思います。
これは苦渋の決断であって、英断ではなかったかもしれませんが、生命への讃歌は十分に響いてくる良いラストだと思います。
私的には、忘れることは、やがて迎える死への緩衝剤と捉えてます。
記憶の虜囚とならず、日々向える出来事に、常に新鮮でいられる無垢の存在となることは、幸せなことなんだろうと思ってしまいます。不謹慎に聞こえたら申し訳ない。
投稿日
2009/02/14
レビュアー
MonPetit※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
別に不幸を望むわけではないんだけど、このテーマでハッピーエンドで終わるのなら
深みはあまり出ないのではないだろうか。涙を誘うような演出がないことには非常に
好感がもてるのだが、どうも最初からしっくりく来ない。もちろん他人事ではなく、同じ
ようなことになる可能性もあるのだから感情移入してもよさそうなものなのだが、それ
も全くといっていいほど感じなかった。
唯一のアクセント(!?)である夫のとった行動は解釈も様々で純粋に妻のためだけ
とは到底思えない。むしろ、ホーム入所の時に妻が夫に求めた行為、夫が妻のため
とも自分の現実逃避ともとれる行動。本作のテーマはアルツハイマーとか夫婦愛とか
ではなく、人生がここまで来た状態での性にあるのではないだろうかと思える。人間
にとって非常に大事なことであるのは当然なことで、それをアルツハイマーというサブ
テーマを通して描いたのだと私は思う。とすればハッピーエンドのように記憶が戻って
終わったことにも納得ができる。
投稿日
2009/05/13
レビュアー
ガラリーナ※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
(エンディングについて触れていますので、ご注意ください)
グラントはこの施設では異邦人だ。彼と入居者たちを繋ぐものは妻フィオーナしかいないが、彼女が扉をしめてしまった以上、ただ黙って眺めることしかできない。コミュニケートできる言語もなく、孤独な旅人のようにソファに沈み込むグラントの物憂げな表情。そこに、観客は何を見いだすのか。昔の浮気の罰を甘んじて受けようという贖罪の気持ちか。それとも、フィオーナは何があろうとも自分の妻なのだという言い聞かせる苦悶か。はたまた、妻の恋を見届けようという包容力か。
本作の素晴らしさは、そこかしこで、こうした豊潤なイマジネーションを掻き立てる力を持っていることだ。何となく余韻が残る、雰囲気が良いと言った表層的なものではなく、幾重にも解釈可能な深みを持つ。こんなものをデビュー作で撮ってしまうなんて、サラ・ポーリーの才能恐るべしとしか言いようがない。そして、ジュリー・クリスティとゴードン・ピンセント。このふたりの演技が本作を紛れもない名作へと押し上げている。
衝撃のエンディング。その捉え方は十人十色。夫婦とは何か。愛とは何か。幸福とは何か。このエンディングを何度も反芻することによって、自分の信条を再確認できる、そんな近年屈指の名ラストシーンではないだろうか。
妻の幸せを願う余りのグラントの取った行動。私はこれを否定する気は毛頭ありません。これもまた、ひとつの愛の形だろうと思う。しかし、そのプロセスに置いてグラントは、ふたたび別の女とたやすく寝てしまった。妻をどんなに深く愛していても、そして、全ては妻の幸福のためであろうとも、名前もロクに覚えられない女性と寝てしまう。私が妻なら、その人を心から愛してくれた方が良かった。そして、こう言うだろう。「グラント、私はあなたの肌を知っている最後の女でありたかった」と。
フィオーナはきっとすぐにグラントを忘れてしまう。そして、グラントはマリオンと余生を送るのだろう。あの一瞬の輝かしい抱擁を美しい記憶として抱きながら、そして重い十字架として背負いながら。
投稿日
2009/03/17
レビュアー
双子ママ※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
非常に表現に優れた作品だと思いました。
多くをセリフで語らないのに、情景や登場人物のしぐさで感じさせる映画です。
44年という歳月を共に過ごしてきた妻が認知症にかかる。
夫の負担を考え、施設に入ることを決断するフィオーナ。
昔は過ちもあったが今は妻を心から愛し、離れたくないグラント。
施設に慣れるために面会できなかった1か月の間に妻は夫を忘れ、他の男性を愛するようになっていた・・・
そのことを知った時のグラントの驚きと落胆、悲しみ。
自分たちの今まで共に過ごしてきた44年間は何だったのかだろうかと、今までの存在全てを否定されたような気持ち。
今までのことに囚われる心と、これからのことを考えねばならない現実。
こういう認知症の話はわかりきってて、救いのない話もお涙頂戴物も見る気さらさらなかったのですが、さむこさんがほめているし、
素晴らしいレビューがいくつもあるし、と思って見始めた映画でしたが、ファーストシーンからすぐ引き込まれてしまいました。
乱れ髪すら美しいジュリー・クリスティーと後姿が悲しいゴードン・ヴィンセントの深みのある演技、静かで美しい自然、抑え目の演出。
見終わった後もいろいろと考えさせられる作品です。
優れた映画は見る人によって様々なとらえ方ができます。
この映画はまさにそう。
この映画のラストが素晴らしい。
どうとらえばよいのか、とらえ方によって、この映画の評価も好き嫌いも大きく分かれることになりそうです。
レビューを読んでみると、ほんとにさまざまなとらえ方がされていて驚かされます。
ハッピーエンドととらえる方も落ちがないととらえる方もいる。
だから映画って面白いなと思います。
私がどうとらえたかをここに記すのはなんだかすごく無粋なことのようにも感じるのですが、何年かたってこの作品を見直したとき、恐らくまた違った感想をもつと思います。
その時のために記しておくことにします。自分のためです。ごめんなさい。
映画をまだご覧になっていない方はラストにふれますので、ここから先は読まないほうが良いと思います。
グランドはすべての段取りをして(この段取りのつけ方にも賛否両論あると思いますが、私は良いと思います。オーヴリーの妻も全てわかっていたし、もう良い大人。いろいろ考えた末の結論。これからを生きていくもの同士が考えた最良の方法だったと思います)フィオーナの前に立つ。
すると。。。
フィオーナは思い出すのです。グラントを!
皮肉なことに思えるか?
いいえ。
私には悩み苦しんだグランドへの神様からのプレゼント、最後の奇跡のようなものに感じました。
恐らくすぐまたフィオーナはグラントのことを忘れてしまうでしょう。
でもグランドは、一瞬でも自分のことを思い出してくれたフィオーナのことを心に抱き、生きていけるのです。
フィオーナの中で自分は消え去ってはいないことを知り、ましてや自分への罰ではなかったと・・・
認知症という重いテーマを描きながら、消え去らない大切なものはあるということを伝えてくれる。
心にいつまでの余韻の残る素晴らしい映画だと思います。
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