ルパンの消息

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えっ、２時間近い作品だったんだ。
そう思えるくらいあっという間でした。

「長い長い殺人」もそうだけどｗｏｗｏｗは侮れないなあ。
見応えありましたよ。

未解決事件の「３億円強奪事件」の時効当日に、同じ管内で起きた女教師自殺。あれから１５年・・・
自殺ではなく、当時高校生だった３人組が女教師を殺したとの情報が入る。殺人となると時効成立まであと４８時間。
１５年前「３億円強奪事件」の犯人ではとの容疑者を取り調べていた刑事が取調室で容疑者を前に時効を迎える。その刑事が指揮官として、またしても時効目前の本件に挑む。

殆んどが取調室での状況。そこに回想シーンとして過去が蘇る。
主役の刑事（上川隆也）、所轄の刑事が指揮官を取ることに納得のいかない刑事たちを実に上手くあしらっている。
冷静に一人一人の仲間達の長所を感じてか、気がつけば期待以上の働きをしてくれる。
同期の刑事に対して、女教師の過去を洗えと命令。それに対して「何故それを俺に？」といぶかしる同期。「時間がないからお前に頼むんだ」その一言で飛び出す同期。お前にしかできないとの思いが伝わった。
随所にそんな何気ない一言があった。

容疑者となった３人もそれぞれ好演。
脇役の刑事たちも小気味よかった。

残念なのは・・・
原作を知らないおかんでも先が読めたとこ・・・

配役はしょうがないかな。遠藤さんが時効成立で自由の身になったとたん「ああ、この人が犯人なんだな」と思わせるし。
それと、目線をおくるシーンが多い。「あっ、この子妹だ」ってすぐわかっちゃうし。柏原くんと女教師の関係も態度ですぐ気がつくし。金庫の遺体の身体が柔らかいなんて・・・もっと早く気づけよ！の連続。

とどのつまりが、参考人としての喫茶ルパンのマスター遠藤さんを取り調べた経緯。「あちこち行ってたそうです。韓国で３日も遊んでたらしいですよ」なんて。もう！！子供でも知ってるでしょう。海外旅行に行っている間は時効は停止するって！
あんなに時効のスリルを楽しむ犯人がそんなこと知らないはず、ないっしょ！

などなど、突っ込みどころ満載。
だけど、楽しめました。わかってるのに楽しめた。不思議・・・
きっと皆さんの演技力なんでしょうね。

そうだ、署長の長塚京三さん、まるで全てを分かっていて、所々でアドバイス！みたいな。だったら最初っから指揮とれよ！！
なんだけど、それじゃお話にならないか。

当時高校生だった３人。そしてもう一人の女教師。最後それぞれの方向に散っちゃったけど・・・抱き合って喜びあう、なんてないのね。あんなにお互いのことを思っていた１５年なのに・・・

余談　　鬘にはちょっと笑っちゃいますね。ばればれ。

あっという間の２時間。
けなしたわりにはお勧めです！

　しばらくレビューをさぼっていて、久しぶりにマイページを開いたら「お気に入りレビュアー」に登録してくださっている方が３人も増えてました。レビュー投稿しない方がいいのか？（笑）
　いや、ありがとうございます。

　なかなか面白いドラマで、やっぱりWOW WOWドラマは質が高いなあと思いましたね。
　トリックそのものや、二転三転する展開はスリリングで非常に面白いです。テンポも悪くない。
　ところが、観終わってみると面白かったのに満足感が薄いんですよね。
「なんでだろ？」
と思いつつ、皆さんの賞賛レビューを読んでいるうちにべっちさんのレビューで、理由が判明しました（って、そんな大げさなもんでもない・・・笑）
　これは、原作の咎ではなく、演出の水谷俊之の力不足なのでしょう。登場人物の中での主要な人物についての描きこみと言うか描写が希薄なのです。一通りの人物紹介のようなものはあるものの、それがあまりにもわかりやすい表層的なものであるために、ドラマとしての深みが出てこないんですねえ。横山秀夫原作としては「震度０」もそんな感じだったなと思ったら、なるほど同じ人でした（笑）
　下手な映画よりも楽しめる２時間ドラマであるとは思いますけど、やっぱりＴＶ的と思ってしまいますね。

　まあ、この作品自体が横山秀夫のデビュー作というので「若さ」も見え隠れするんですよね。
　ストーリーの端緒が、ある殺人事件の時効２日前で、そこには３億円事件の容疑者だった、喫茶ルパンのマスターも絡んでくると言う展開は、ちょっと作りすぎと言う感もありますしね。
　４８時間（実際、捜査にかかってからは２４時間）で、実際何ができるの？と思っちゃいますよね。これが時効１ヶ月前とか、せめて１週間くらいの時間があった方がリアリティも出るし、逆に緊迫感も出せると思うんですよね。「２４」じゃねえんですから（笑）
　刑事訴訟法２２５条もねえ・・・ミステリー好きなら常識とも思えるものなので、トリックというにはちょっと弱いです。まあ、１５年前に描かれた作品ですからしょうがねえっちゃあ、しょうがねえか・・・。（「第三の時効」の元ネタなんですね）

　で、それを映像化するに当たっていいキャストを揃えたなあとは思うんですよ。みんなそれぞれ主役を張ってもおかしくない人たちが微妙な力関係の役柄を演じるので、原作を知らなければどう展開するのかとても読みづらいです。遠藤憲一がルパンのマスターってのは、
「じゃあ、最後まで絡んでくるな」
と言うのは感じちゃいますけどね。
　あ・・・ファンの人には申し訳ないけど佐藤めぐみはいかんと思います。
「私が実はキーなのよ」オーラを出しすぎです（いや、演出の問題か）
　なのに、最後の謎解きの部分での演技はさむいです（あ〜、ごめんなさ〜い！）
　と一部を除き、うまいキャスティングをしたのは評価できますけど、前述のように人間の描写がいまひとつなんですよ。横山秀夫の小説と言うのはトリックや犯罪のデティールよりも（それもまあ、大切なんですけど）そこに関わる人間の心理や葛藤を行間で読ませるのが主なんですよ。そいつをいかに演出で表現できるかと言うのが映像化するときのキモなんですけど、そういう意味では成功しているとは言いがたいですねえ。　
　まあ、単純に娯楽サスペンスドラマとしては、かなりの線だと思うので、別にけなすわけじゃあ無いんですが、人間をうまく描写できていないので犯罪トリックのデティールばかりが前面に出てきちゃいます。べっちさんがおっしゃるように情念を描写することができれば、もっともっと上質なドラマになったのになあ・・・・。

　とても面白いストーリーで楽しめただけに、ちょっと残念でした。
　と言ってもおかしな民放ドラマよりははるかによくできてるんですけどね。やっぱりWOW WOWは侮れんわ・・・。

ＷＯＷＷＯＷ制作の「長い長い殺人」が面白かったので、これも観てみました。
結果は、それ以上に面白い出色の出来。ストーリィの骨格がよくできています。
かの三億円事件と高校教師殺害事件を絡み合わせ、時効成立までに解決できるかという切迫した状況でサスペンスを盛り上げ、最後は、堂々の大逆転一本勝ち。
まず話がよく練られている。そして展開が面白い。
その中に友情、そして愛情をこれでもかというぐらいに盛り込み、人を思いやる心のたいせつさが伝わってきて、心が揺さぶられます。
友情と愛情がからむ複線的に張り巡らされた人間関係が見事で、
最後は納得の大団円。
また、主人公の上川隆也が無能にみえるぐらいに脇の刑事たちのひとりひとりが目立たないながら事件解決につながる貴重な行動をするのも、目新しさがありました。
反目しあいながらも、それぞれの刑事が自分のスタイルで職務を真剣に遂行するという、警察のあるべき姿でしょう。
うまくいきすぎのところもありますが、ストーリィの面白さに焦点があてられているために映像的な面白さが希薄なのですが、なかなか楽しめる佳作。

一つ一つ紐解かれていく展開がスピーディで非常に面白い！
小どんでん返しが一杯で飽きないなぁ
最後の大どんでんも満足だったし。
ＴＶのサスペンスドラマみたいやったけど、面白ければよろしっ！ｗ
久しぶりに火サス見たくなりましたわｗ

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三億円事件の時効直前まで容疑者を拘留、尋問をしていたにも
関わらず逮捕・起訴をすることが出来なかった男。
彼は云いようもない屈辱を感じつつ、所轄から転勤することに
なる。
あれからさらに１５年後、かつての上司から直々の依頼を受け
出所の曖昧な告発文に基づき自殺と処理された怪死事件の再捜査を
行う主人公は事件の背後にあの事件の容疑者がいたことに辿り着く
のだった。。。
人気作家、横山秀夫幻の「処女作」のドラマ化。
最後の落とし方に詰めの甘さを感じたが、贅沢キャストが持ち味の
ＷＯＷＯＷ「ドラマＷ」だけに激しい攻防が繰り広げられている。
横山作品は「震度０」に続いての二度目となる。
主演は前作に引き続いての上川隆也。
今度はきっちり「白黒」付けました。