ルネッサンス

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モノクロームの美しさに酔いしれました。最初はモーション・キャプチャーなる技術を駆使した人物たちの動きに目を奪われるのですが、案外それは見ているうちに慣れてきてしまいます。むしろ、強烈に惹かれるのはシンプルなワンカット。特に、光と影のコントラストが鮮やかな人物の横顔です。主人公カラスが思慮深げに雨降る夜の街を眺める。その時、スクリーンの右半分は真っ黒で、左半分にはカラスの横顔の輪郭と小さな雨粒しか映っていない。この圧倒的に情報の少ないモノクローム画面が美しいことこの上ないのです。モノクロ好きには、堪らないカットが満載でした。日本の切り絵がふと頭をよぎったのは、私だけでしょうか。

また、街の全景や小物のディテールが、この手法だからこそ違和感なく見えます。例えば、空中に現れる小型モニター画面。最近のハリウッド映画でもよく出てきますが、どうしても嘘っぽいんです。でも、このメタリック・モノクロームの世界では、未来の乗り物も尖塔のような建物も小型のハイテク機器も、その存在感がとてもリアルで臨場感豊かに映ります。

物語が似ているからと、SF映画の金字塔と言われる「ブレード・ランナー」と比べるのは、ちょっと酷な気がします。近未来映画の新たな表現方法として十分に評価されるべき作品ではないでしょうか。すでに何でもアリとなってしまったCGで誤魔化したハリウッドの近未来大作を見るより、よっぽどお勧めできます。惜しむらくはエンディングに向けての盛り上がりにやや欠ける点でしょうか。ここをもっと盛り上げておけば、カラスが選んだ道の切なさが際だち、余韻の残るエンディングになったかも知れません。でも、エキセントリックな美しさを堪能したので、鑑賞後の満足感はとても大きかったです。

「斬新なヴィジュアル」に惹かれてレンタルしてみました。
プロの目からのレビューはＪＵＣＥさんにお任せして、一般人の私の感想では、確かに斬新ですが、何故モノクロでなければいけなかったの？を考えさせられた映画でした。
このような映像の映画を作りたかったの？
この映画のテーマを表現するにはこれしかないと思ったの？
と、考えた時、このテーマでカラー作品だと、あまりにありふれた凡作になってしまう可能性があったからかと思いました。
異様な表現が生む緊張感といおうか異次元感というものが、この映画のテーマをにあっていたのかもしれません。
２０５４年の時代設定ですが、あまり世界は進歩していなみたいです。今テーマに挙がっている新技術が実用化された程度。
技術革新に対する夢が無くなってしまったのか。

作品中にちょこっとだけ色が出てきて、非常に新鮮でした。
やっぱり色のある世界にいたい。
とりとめのないレヴューになりましたが、それなりに楽しめました。レンタルして損はないと思います。

「実写でもなくアニメでもない。誰も見たことがないビジュアル革命！」とは公式ＨＰでの宣伝コピーだけど、ちょっと大げさ。
確かにハイコントラストの光と影だけで描かれる映像のインパクトは強烈だし、丁寧につくり込まれた「近未来都市パリ」の映像も美しく一見の価値はあると思います。しかしアニメにモーションキャプチャーというのも日本では士郎正宗の諸作品をはじめとしてもはや珍しい話ではないし、そんなに革新的な映像かな？という気もしました。むしろその個性的な映像表現以外にとりたててホメるところが見当たらない作品のような気もします。

何よりも脚本が弱い…つかアートしてればそれで満足みたいなフランス映画だからこんなものかもしれないけれど。楽しみは観る側が自分でみつけろと。確かに世界観が描けていれば、それだけでひとつの作品として成立するものだとは思うけど、果たしてこの作品がそこまで行きつけてるのかどうか。個人的にはｍａｓａｍｕｎｅさんが指摘されてるように、「ブレードランナー的」な映像や設定がちりばめられているものの、それを超えるあるいは迫る世界観を提示できているようには思えませんでした。


ところで全くの蛇足ですが、ブレードランナーと言えば、リドリースコットによるディレクターズカット版（ユニコーンが出てくるやつ）以外の版は長らく入手不可状態だったのですが、ついにコレクターズボックスが発売されましたね！ハリソンフォードのモノローグとラストの「シャイニング」空撮入りの劇場公開版はもちろん、新たに「幻のワークプリント版」も入っている５枚組みで、まさにファンには涙モノ…だけど高いんだよなー。レンタルの道は果てしなく遠そうだしな。

まあ、日本ではウケない映画。
欧米の若い子たちにもキツいかもなあ。

ストーリー・ラインはモノクロだからというわけではないが往年のフィルム・ノワール的なノリで、ハードボイルド風味。これに近未来的な設定を持ち込んで、結果的にいろんな意味で「ルネッサンス」って話。

SFアクション映画をアートの世界に持ち込んだ（ヨーロッパのアートな映画の時代感覚に戻した）面白さがあるのだが、60〜70年代ヨーロッパ・フィルムを喜んで観る人にはジャンル的に受け入れられなさそうだし、かと言って「これブレード・ランナーの焼き直し？」とか「日本のアニメの影響受けてる？」とか言ってる連中が多いうちは、日本では到底受け入れられないだろう。

もう一つ。SFをヴィジュアルだけではなくドラマで見せたがる欧米映画の難点として「字幕だけでは説明が足りない」という要素がある。吹き替えだとしても情報量が足りなくなってしまうことがあり、そうなると字幕にのみ頼る人たちからは往々にして「ドラマの説明が足りない」とか「脚本が悪い」とか言われてしまうこと。この作品も要所要所説明台詞で字幕では表現しきれないところがあって、ある側面でしか語りきれてないような気がする。

あと、「モノクロにする意味があるのか」という意見も出ているが、モノクロはカラーに比べて殊更「光と影」の表現に優れているところがある。ハーフトーンも極力削っているので実写のモノクロよりもメリハリがつきすぎて視覚的に辛いという人もいるだろうが、その辛さがこのドラマのポイントでもあるので、私はこの表現で大正解だと思う。カラーが当たり前だからいろいろと勘繰る輩も多いのだろうが、「モノクロにする意味」を問う前に「カラーにする意味」を考えればその答えは自ずと出てくるだろう。

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始めは白黒画像が観にくい〜、とおもってしまいましたがすぐに慣れます。
ストーリーはアニメにありがちな未来、人類、不老不死、ですが謎掛けがきちんとしてあってわかりやすく入り込みやすい感じです。
アクションもよく考えてあって素晴らしいです。
ですが、謎が解けてからの展開はわかりやすく、モノトーン画面にも飽きてきます。
もうちっと最後までかじりつかせてほしかったな。

なんだか外国製とはおもえぬ、日本の超大作アニメのようなストーリーでした。
わかり易いよ。