理想の女（ひと）

スカーレット・ヨハンソン目当てで見ました。
世間知らずで身持ちも頭も固い美しい新妻、メグ―ミセスウィンダミア。色っぽい雰囲気が、少し役柄と彼女のイメージは違うかもしれませんが、まあ美しいことは美しいです。

男性にはいると喜ばれる女、女性には帰ると喜ばれる女ミセスアイリーンを、ヘレン・ハントが知的にそれでいて美しく演じています。

１９３０年代のイタリアの避暑地、アマルフィが舞台で、
大恐慌もなんのそのの、お金持ちの避暑地ライフで、
男と女とはいったい何なのか・・・とゴシップとパーティに
明け暮れた彼らの生活が描かれています。
お金持ちがメインの映画は、いいですね〜。
衣装や建物が豪華で、アマルフィの美しい風景とともに、目の保養になりました。

「過去に聖人あり、罪人に未来あり」など粋なセリフもいっぱいです。オスカー・ワイルド原作だからでしょうか。

ラストは、結構、あっと思う展開になります。
いったい誰が、理想の女か・・・考えながら見るのもいいかもしれません。

オスカー・ワイルドの「ウィンダミア卿夫人の扇」という戯曲が基となっているとの事。

社交界の遊びに現を抜かす人々の模様を、舞台をイタリアに移して観客もリゾート気分を味わいながら、案外そこには愛と絆の物語が鏤められています。

パッケージ写真はスカーレット・ヨハンソンが大きく写されていますが、実はヘレン・ハントが主役です。
最初のうち彼女を見ると、あらゆる男性を手玉にとって・・・という設定に、？が付きますが、流石オスカー女優だけあって段々と魅力的に見えてくるから不思議です。

登場人物たちのウイットに富んだ会話の数々を楽しみながら、軽いミステリー風な展開をお楽しみ下さい。

素材で勝負という感じの若妻（スカーレット・ヨハンソン）と圧倒的なスキルをもつ妖艶な熟女（ヘレン・ハント）との対決（まるで某国王室の故事のよう）。結果は明らかだけど、それだけじゃないお話なんだよね。しかし、ヘレン・ハントは凄いな〜。高級娼婦のようでもあり、か弱い乙女のようでもあり、さらには、慈愛に満ちた母親でもあるような女性を見事に演じきるのだから。古典文芸ものであるにもかかわらず、重苦しさはないし、時間も90分ほどでいい感じ。「大人のドラマ」を期待して観ていると、最後にはとっても純粋な童心に戻ることができるという不思議な映画。観て損なし。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

冒頭からヘレン・ハント演じるアーリンがいかす。
スカーレット・ヨハンセンがやけに幼く見え、これは何かあるのではと思いましたが（とんでもないカマトトとか）、結局なにもなしで見たまんまの子供でした。

イタリアでの社交界の様子が面白い。
特に三人のおじさんたちがなかなかです。
ここいらの台詞がなかなか良くて引き込まれました。
この三人のうちの一人、タピィ、男ならばかくありたいと思うほどいいですね。
あのしゃべり方が大変に魅力的です。
結局この映画、ヘレン・ハントとタピィ役のトム・ウィルキンソンがさらって行ってしまいました。
スカーレット・ヨハンセン、あまり良いところがなかったようですが、あんまり頑張ると台なしになりかねないのでこのくらいで丁度良かったのでしょうか。そこまで自分で計算していたのであれば恐るべしスカーレットなのだが、どうなんでしょうか。

もう少しアーリンの描写が欲しかったのですが、このくらいの時間でまとめたのは正解でしょうね

エレガントな映画です。
女性はどうやらヘレン・ハントの役に厳しいようですが、役のなかで彼女は娘の夫から金をまきあげようとして夫婦に接近したのではありません。
なぜか必死で庇いたくなるような外面内面とも素敵な女性を演じてます。
そして金持ちおじさんの素敵なこと。酸いも甘いも知り尽くした
懐の深さ。優雅な時代の正に古典を感じさせる人物です。
IT長者や土地成金では逆立ちしてもこんな雰囲気は出ません。
優雅なイタリアでの別荘生活、素敵なドレスでのパーティー、そして最後の複葉機で飛び立つ場面は、大恐慌で戦争の足音の聞こえるという時代背景があってこそより心に残る一瞬の美しさとなりえたのかもしれません。