アビス＜完全版＞

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　深海版【未知との遭遇】の話。

　水中撮影が素晴らしくて、普通に深海で行っているかのように見える撮影技術に圧巻の時間でした。

　アメリカの潜水艦が謎の沈没をして、救出するために民間の石油掘削業者に仕事が回ってきて特殊部隊と一緒に救出作戦をするけど。実際の目的は潜水艦の核兵器で…。という。そこにソ連との疑心暗鬼合戦で核戦争勃発かの危機があったりして。

　圧巻の水中撮影の中、特殊部隊のリーダーがだんだん狂気に憑りつかれていったり、謎の発光物体との接触があったりと、危機また危機の連続とそれの突破のアクション映画としても楽しかったです。潜水艇チェイスとかも見たことないものでフレッシュなアクションでした。そして単純に水が浸水してきて、窒息の恐怖という人間の本能の怖さもあってよかったです。そこに離婚した主人公夫婦の絆がまた深まって…というラブストーリーと
王道の展開をしっかりと描いていて飽きずに3時間近い長さも飽きることなく見られる映画でした。

　いい映画なんですが、主役のリンジーが本当に馬鹿で嫌な女（私はそう思いました）で、この女を見ているのが苦痛でした。マイケル・ビーンが狂気に満ちた軍人を上手く演じていましたが、その大尉がいっぺんこうしてみたかった、と言ってリンジーの口をテープで塞ぎます。大尉も嫌な奴でしたが、この時は大尉に声援を送っていました。
　冷戦時における核戦争の危機がメインですが、その中に夫婦の愛情が描かれている作品です。最後の方では、リンジーがいい嫁さんになったので、最初の方であんな嫌な女に設定する必要があるのか、と思いました。最初から、そういう風に描いてれば良いのに。
　ところで、あの宇宙人？は、あんな海の底で何をしてたんでしょうか。

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何年も前の作品なので、ネタバレ含むでお願いします。（そういう私は初めて観たのですが）

パニック、アクション、愛の劇場、そして社会への警告。
そこにエイリアンが絡んできます。

事の発端はエイリアンとの接触による潜水艦事故。
それが、人間の勘違いから第３次世界大戦勃発へと繋がるのですが、発端であるエイリアンから警告を食らうという実に迷惑な話である。（恐らく私の曲がった見方ですが…）

前編に渡って深海が舞台。かなり息苦しさを感じます。過呼吸になりそうです（苦笑）。
でも、その息苦しさが緊迫した雰囲気を伝えており、パニックあり、アクションあり、ロマンスありという展開で１７１分という時間も退屈しません。
映像は綺麗です。公開当時は最先端の映像技術だったのでしょうね。今観ても見劣りしません！

エド・ハリスがカッコよく、画面に登場するだけでビシッと決めてくれます。

ただし、前途の様に盛り込みすぎの感が拭えず、結局ラストに象徴される、核、戦争への人類への警告をしたかったのだ！と分かった瞬間、途中までの展開は、どうでもよかったのだと思ってしまいました。

面白さ：★★★★☆
対象年齢：中学生以上（長くても退屈しなければ小学生でも）
食事中に見られるか：大丈夫でしょう

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　『アバター』でジェームズ・キャメロンをＳＦの真髄を熟知していると書きましたが、本作もそうだと思います。
　ＳＦとしては王道のファースト・コンタクトものとしてよく出来ていて、海底で異星人と出会うというのはアイディア賞だと思います。このシーンは本当にきれいで、かつ地球人と異星人との意思の疎通が実に感動的に描かれています。異星人もヒューマノイドではないのですが、独創的な姿で美しいのはＳＦ者としては高い評価を与えたいと思います。
　また、海底の石油採掘基地や潜水艇、終盤近くで主演のエド・ハリスが核爆弾を止めるために異星人の住む深海へ潜るための特殊な潜水服などのデザインや撮影方法などが物語にリアリティを与えていると感じました。（このエド・ハリスが着用する潜水服が深海の水圧に耐えるため、酸素を溶かし込んだ特殊な液体を通して呼吸するというもので、実際に研究されているようで、マウスによる実験を見たことがあります。
　俳優さんたちの顔ぶれも所謂スターを起用しなかったのも良かった。エド・ハリスも本作からメジャーになりましたが、独特の存在感があり、愛情と責任感を持った寡黙な男を魅力的に演じています。一方、異星人を敵と見なして攻撃しようとする海軍特殊部隊の隊長が『ターミネーター』で未来からターミネーターを阻止するために送り込まれた戦士、カイル・リースを演じたマイケル・ビーンなのは面白いところです。彼にしても悪人という描き方でなく、軍人としての硬直した思考が核のスイッチを押させるということをキッチリと表現しているのはさすがです。
　よくＳＦ映画の評価として人間が描けてないというのがありますが、本作は登場人物それぞれの描き方、ＳＦとしてのアイディアの双方が高いレベルで調和している傑作だと思います。『アバター』をご覧になって、本作を未見の方は是非、ご覧になることをお勧めします。