鬼龍院花子の生涯

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宮尾登美子さんの原作は読んでいませんが、調べてみると映画と原作は幾分違うようです。この映画は特に、鬼龍院鬼政（仲代達也さん）に焦点を当て、養女・松恵（夏目雅子さん）の目を通して、鬼政を取り巻く女達の生き方を絡めて描いています。

これまでは途中で飽きるか寝てしまうかで最後まで到達したことはありませんでしたが、今回は初めから引き込まれて目が離せず途中で何度も泣き最後まで全く飽きることがありませんでした。自分もこの映画の良さが理解できる年齢になったのだなと感慨深いものがあります。

「目千両」という言葉がありますが、仲代達也さん、夏目雅子さんは本当に目に魅力・迫力があります。その他の役者さんも凄い演技でグイグイ引き込まれ自分自身が鬼龍院の若い衆になって同じ時を過ごしているかのような錯覚に襲われます。

仲代達也さんについては何も言うことはありません。鬼龍院鬼政の半生を演じ切ったというか、他のキャスティングは考えられません。

鬼龍院歌（鬼政の正妻・岩下志麻さん）がガラス戸の後ろから登場するシーンでは、あまりのオーラに痺れました。また、腸チフスで隔離され、恋しい鬼政を思い出す場面で、自分の太ももに彫られた龍の刺青を撫でて鬼政と過ごした蜜月を懐かしむ姿に泣かされました。この後、死ぬまでの演技は最高に美しいです。

流行した「なめたらいかんぜよ」という言葉は、鬼龍院歌が使っていた表現です。土佐女の気丈さでしょうか。養女の松恵は優しく大人しい性格のため激しい言葉を使うような女性ではありませんでしたが、ある出来事のために一変してこの啖呵を切ります。鬼政の娘として、歌の娘として、ケジメをつけたんですね。この後の鬼政との別れの場面も泣かされます。

大人のための映画です。是非一度ご覧になっていただきたい。




※説明するのも野暮ですが、梅宮辰夫さんは、鬼龍院花子の許婚・権藤（誠直也さん）を紹介した大阪の侠客役です。宴席で成田三樹夫さんの隣に座っています。

※演技ではなく本気なので、闘犬の場面は恐ろしいです。

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評価：★★★★☆（4.0）

　題名にまでなっているにも関わらず、ほぼ鬼龍院花子の話ではありません。描かれるのは父親である侠客・鬼政の方。仲代達也が少々やり過ぎかと思えるくらいのねっとりとした演技でもって、自分勝手で一本気で暴力的で、それでいてどこか魅力のある男を演じています。
　自分の妾と義理の娘を争わせてそれを見物したり、あるいは実の娘の婿と決めた男の当てが外れるや、その男にも義理の娘にも代償を払わせようとしたり、ほとんど理に寄らない鬼政の行動は振幅が激しくて目を話せません。彼は思い込みが強くて自惚れ屋で、さらに自分が思っているほどには強くもない。しかし、無知にもとづく蛮勇は気持ちがいいくらいです。
　鬼政の、自分の直感だけに順った無茶で無軌道な生き方はまさにアウトローそのもの。周囲の人間は否応なくその渦に巻き込まれていきますが、一方で彼も社会のもっと大きな渦の前には力無く飲み込まれていきます。
　ヤクザ映画の痛快さや泣かせ所を十分盛り込みつつ、人間社会の力学というものを強く感じさせる作品ですね。弱く愚かな花子が運命的に不幸な結末を迎えるのが、よけいにその感を強くさせます。
　そして、仲代達也の演じる鬼政が放つ強烈な吸引力が、この話に深い説得力を与えていました。彼の体臭までが感じられるような演技は、慣れてしまうと癖になるような気がします＾＾；

DVDカヴァーの画はちょっと手に取るのもはばかられるような
卑猥な感じの写真だけれど
そんなシーンは映画のほんの数分だけ。

なんでその写真を使ってあるのでしょう。
若いころはそのせいでせっかく興味を持っても
観るのを諦めた口。

仲代達也っていい顔している。

岩下志麻も若くてなんてきれいなんでしょう。

夏木マリ姉さん若くて細くていい体。
若い頃からいい女なのねぇ。やっぱり。
心なしか人相は今のほうがいい気がする。
年を取ったほうが輝く人もいるのだ。
積み重ねてきた経験による自信というか。
悟りというか。

当時はこんなに息の長い俳優になるとは
思われてなかったかもしれないけれど
今となっては、あぁ、あの人が！と言うような人が
いろんなところに実は出演している。

山本圭なんて私には「ひとつ屋根の下のイメージ」しかなかった(古)。。

彼が2枚目(?)であの夏目雅子の相手役だなんて・・・

梅宮辰夫なんてどこにでてたの？
キャスト一覧で初めて出演していたことをしる。

あ、役所広司 も。
アゴいさむとか。。

夏目さんの子供時代に仙道敦子が子役で出演してたり。

夏目雅子さんは骨髄バンクのCMなんかでしか
観たことがなかったから、
美人の代名詞として使われたりするときに
少し疑問をもったりしていたけれど、

これはもう美人です。

神々しい美しさだけでなくて、
度胸も肝も据わった男も女憧れる美人です。

肝が座っている女性って私にはとても魅力的です。

やくざ映画初めてみたけれど
共感できることもある。

理不尽なことは嫌いだけれど
物事筋を通して覚悟を決めて生きたいもの。

夏目雅子の代表作。
「ナメたらいかんぜよっ！！」と彼女が啖呵を切るシーンはあまりにも有名。
仲代達矢扮する極道の親分と、その家の養女である夏目雅子との微妙な関係の描き方がうまい。
しかもこの二人の濡れ場は凄い。
男性でなくともムラっとくるかも。
いや、あの、夏目雅子のぷるっとした胸に。
仲代さんの彫り物入れたお背中にも目が釘付けだけど。
それはさておき、闘犬や絵金の屏風絵など土佐の風物をさりげなく登場させるところも巧いし、なにより登場人物の個性がしっかりしている上に波乱万丈のドラマが繰り広げられるので最後まで飽きさせない。
今はこうゆう濃ゆ〜い（というかある意味泥臭い）作品を作れる人がいなくなってしまってちょいと寂しい気もするなぁ。

夏目雅子演じる松恵が養女としてもらわれた鬼政の家に、じき鬼龍院花子が生まれ、松恵がこの家に関わるのが終わるころ、花子も生涯を閉じる。実際には花子が主役ではない。鬼政の生き方と、対照的な松恵に焦点が当てられている。

パッケージの写真のシーンや、「なめたらいかんぜよ」のセリフはあるものの、映画全体はまったく違う雰囲気。

夏目雅子は、掃き溜めの中の鶴のように美しい。
仲代達矢，夏木マリなどはすごく熱がこもった演技で、ちょっと怖かった。闘犬のシーンもあって前半はテンション高すぎて、見るのを中断しようかと思った。後半、松恵と一緒になる山本圭が好演。少しほっとする。
岩下志麻は、この人にしかできない醍醐味をここでも見せてくれる。
正直疲れる映画でもあった。体力をつけてから見ることを勧める