海洋天堂 / ジェット・リー
海洋天堂
/シュエ・シャオルー
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全体の平均評価点: (5点満点)
(24)
解説・ストーリー
「HERO」「エクスペンダブルズ」の世界的アクション・スター、ジェット・リーがアクションを封印し、わが子を想うごく普通の父親を好演した感動のヒューマン・ドラマ。監督は、「北京ヴァイオリン」などの脚本を手がけ、これが監督デビューとなるシュエ・シャオルー。中国、チンタオ。水族館で働くシンチョンは、妻に先立たれて以来、自閉症の息子ターフーを男手ひとつで育ててきた。ところがシンチョンに癌が見つかり余命がわずかと判明してしまう。これまではターフーの面倒をつきっきりで見てきたシンチョン。しかし、息子の将来を案じた彼は、残された時間でターフーにひとりで生きる術を一つひとつ教え込んでいくが…。
「HERO」「エクスペンダブルズ」の世界的アクション・スター、ジェット・リーがアクションを封印し、わが子を想うごく普通の父親を好演した感動のヒューマン・ドラマ。監督は、「北京ヴァイオリン」などの脚本を手がけ、これが監督デビューとなるシュエ・シャオルー。中国、チンタオ。水族館で働くシンチョンは、妻に先立たれて以来、自閉症の息子ターフーを男手ひとつで育ててきた。ところがシンチョンに癌が見つかり余命がわずかと判明してしまう。これまではターフーの面倒をつきっきりで見てきたシンチョン。しかし、息子の将来を案じた彼は、残された時間でターフーにひとりで生きる術を一つひとつ教え込んでいくが…。
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「海洋天堂」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
「HERO」「エクスペンダブルズ」の世界的アクション・スター、ジェット・リーがアクションを封印し、わが子を想うごく普通の父親を好演した感動のヒューマン・ドラマ。監督は、「北京ヴァイオリン」などの脚本を手がけ、これが監督デビューとなるシュエ・シャオルー。中国、チンタオ。水族館で働くシンチョンは、妻に先立たれて以来、自閉症の息子ターフーを男手ひとつで育ててきた。ところがシンチョンに癌が見つかり余命がわずかと判明してしまう。これまではターフーの面倒をつきっきりで見てきたシンチョン。しかし、息子の将来を案じた彼は、残された時間でターフーにひとりで生きる術を一つひとつ教え込んでいくが…。
「海洋天堂」 の作品情報
「海洋天堂」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
海洋天堂の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
97分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/中国語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
KIBR1255 |
2012年04月11日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
15枚
|
1人
|
0人
|
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/中国語
海洋天堂の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
97分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/中国語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
KIBR1255 |
2012年04月11日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
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15枚
|
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ユーザーレビュー:24件
「平凡にして偉大なるすべての父と母に捧ぐ」にやられました
ジェット・リーがノー・アクション、ノー・ギャラで出演しているらしいです。
オープニングから、父と息子の両方の足に縄を結び海へ投身自殺しようとする場面から、意表を突かれました。
我が子を残しては逝けない。余命いくばくもない父の悲壮な決意が伝わって来ます。
自閉症の息子を男手一つで育てるシンチョン(ジェット・リー)は、癌に冒され、余命僅かと宣告されます。自閉症の息子を一人残すことが不安な彼は、一人でも生きていけるように、息子に、生きる術を教えます。
「ビューティフル」もそうでしたが、残り少ない時間を息子の為に懸命に使う父親の姿に感動してしまいます。
この映画の親子が幸せなのは、彼らを取り巻く人々、近くの雑貨屋の女主人、水族館の上司、養護学校の校長、サーカスの女性団員等の温かい支えがあるからだと思います。多分、真面目で懸命な父親の人柄が周りの人々をそうさせているのでしょうね。
シンチョンと近所の雑貨屋のチャイさんとの大人の恋模様、お互いに惹かれていても気を遣い、押しつけないところが好きです。
演じるジェット・リーの抑制の利いた演技が秀逸です。
強い絆で結ばれた父子の残りわずかな日々が美しく、子を思う親の気持ちがずしんと伝わって来ます。そして彼らだけではなく、人と人の結びつきに希望を見出そうというメッセージが、伝わって来ます。
それにしても『平凡にして偉大なるすべての父と母に捧ぐ』 この決め台詞には、やられました!
このレビューは気に入りましたか?
26人の会員が気に入ったと投稿しています
自戒を込めて
ご近所に自閉症の息子さんのあるお宅があります。
年子のご次男とうちの息子が同い年で、赤ちゃんの頃からのお付き合いです。
子供の成長には個人差があり最初は気にならなかったのですが、いつまで経っても歩けませんし言葉もありません。
「ちょっとおかしい。」周囲が噂をはじめ私も内心思いましたが、よそ様の事、遠巻きに見守るだけでした。
「あの子、自閉症なんや。」
しびれを切らせたご家族に言われて医者に診せたそうで、お母さんから直に聞いたのはかなり経ってからでした。
ドライに話す彼女に周囲は「同情」しつつも、「暢気やねぇ。」と噂しました。
私も当時少なからずそう思いましたが、今思えば事実を知るのは恐かったでしょうし、そう言うしか無かったのでしょう。
年月が経ち息子さんは成長し、近所の人達も外で出会うと挨拶もしますし声もかけるようになりました。
ときにはこちらの呼びかけに、にっこりしてくれるようにもなりました。
しかし大人しく静かな時と躁状態の時があり、昼夜問わず頻回に奇声やドンドンと暴れる大きな音が聞こえるようになりました。
周囲は苦情は言いませんが、私も含め「可哀想に。」「大変やなぁ。」場合によっては「うるさいなぁ。」と、一歩退いた反応に終始してきました。
家中がご長男にかかりっきりになる中、ストレスからかご次男が小学校高学年になって引き籠もりになりました。
うちの息子が毎朝欠かさず誘いに行きましたが、卒業まで登校出来ませんでした。
当時私は息子を少しばかり誇らしく思ったものの、忙しさにかまけて同じ母親としての手は全くさしのべませんでした。
息子達も皆成人したある日の事です。
自閉症の息子さんが我が家の前の道に座り込み、渋滞になったのです。
身体も大きく力も強くなった彼をなだめる方法が分からず、何より予期せぬ動きをされる恐さがあっていい大人の私が何も出来ず、あわててお母さんを呼びに走りました。
道の真ん中で幼児のようにニコニコと遊び、しかし周囲を混乱させている我が子を見て、彼女はどんな気持ちだったか。
「(知らせてくれて)ありがとう。」お礼まで言われた私は身の置きどころが無く、暫く自己嫌悪に陥りました。
その後いつだったか、彼女の口から「この子を殺して私も死のうと何度も思った。」と聞いた事もありました。
息子達ももう二十代後半になり、ありがたい事にうちは社会人として自立しています。
しかし彼女は今も仕事と息子さんの世話に追われ、でも毎日元気に頑張っています。
ここまで来るのにどれだけ苦労があったのか、私なぞ想像も出来ません。
これからの苦労を予想も出来ません。
だた無知と無理解しか無かった自分が恥ずかしいばかりです。
「平凡にして偉大なるすべての父と母に捧ぐ」
胸にくるのは感動と、忸怩たる思いです。
アクションを封印したジェット・リーは必見。
誠実で朴訥な父親像は素晴らしいものでした。
レビュー400本目は、自戒を込めて。
このレビューは気に入りましたか?
20人の会員が気に入ったと投稿しています
"海の天国"(「海洋天堂」)、美しいタイトルのような作品。
投稿日:2012/08/10
レビュアー:まみもぉ
アクションスターとしてのジェット・リーをほぼ知らないので、
冒頭、小舟の上のふたりが、
山口良一と尾美 としのりに見えました。親子でなく兄弟にも。
海面は穏やかに波打って、その上に浮かぶ小舟が揺れて…美しい風景。
楽しそうな、そうでもないような不思議なふたり。
ロープにくくりつけられた重しが映しだされても悲壮感はなくて、
飛び込んだ海中の色がまた美しくて、
その中を舞うように泳ぐ彼。遊んでいるようにも見えました。
ハンデキャップのある主人公のお話し。
嫌いではないですがどちらかと言えば、苦手です。
この作品は、父と子が主役であるというところに惹かれました。
『お母さんは?』、その母親に興味が湧きました。
癌に侵され余命わずかであることを知る父とすでに成人している21歳の息子。
すべきことをし尽くして絶望して無理心中…を図ったのではないことは、すぐわかりました。
衝動的な身投げにも見えませんでしたから、不自然なその行為がひっかかってなかなかお話しに入り込めず、
観れば観るほど、ふたりの演技が素晴らしければ素晴らしいと思えるほど、辟易していきました。
あの子を大福を母親は見捨てたのかと。
すでに、母になる前から結婚前から心を病んでいたのかもしれませんが、
優しい心誠に愛されながら、心身にハンデがある我が子を受け入れられなかった?、
強いばかりが母じゃない?でも、その命を絶った時、大福はかわいい盛りのまだ体は軽い年齢だし、ありえないでしょう…と
考えなくてもいい現実的なことばかりが気になって、暖かい青とその色を撫でるように流れる音楽が切なかったです。
妻に先立たれ残された息子がいきなり21歳になるわけでなく、
その間の時間、ハンデがあるならなおのこと、
自分が居なくなった時のためのことをするのが、教えていくのが、生活苦というわけでもなさそうだし、
施設は16歳までとわかっていたのだから、それからのことを考えるのは自然なことで、
片親で頼れる親戚等、近くにいなければなおのこと…。
これは創作物だと言いきかせるには設定が病名が現実的過ぎました。
そのうち自然治癒してくるかもしれない、なんとかなるだろうと
現実を見て見ぬふりをするような、先送りするような、楽天的な父親には見えませんでしたから、
大福の感情といっしょにひらひらと動く手のひらが愛おしくみえるたび、
感動しなければいけない義務感でくだびれてしまいました。
自分に合わなかった作品や私的に★ひとつふたつな作品は、
感想が言葉にならないので、レビューは難しいのですが、
この作品、親子の戯れる様子、亀のお話しとか、
両想いでありながら互いを想いやるゆえ踏み込めず寄り添う柴と心誠、
両手足が熱帯魚のヒレのようにしなやかで美しかった鈴鈴のお話し。ドナルドの隣に座ってしょげる大福。
…良いシーンがたくさんありました。
辟易しながら、演技に映像に感心しながら、どうにもこうにも困り果ててしまった良作でした。
このレビューは気に入りましたか?
15人の会員が気に入ったと投稿しています
ただそのままで生きていてほしい。
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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海に浮かべた小さな船。
まるで穏やかな休暇を楽しんでいるかのような父と息子。
父は、息子と自分の足首に縄を巻きつけて言う。
「さあ、行こうか。」
水族館で働くシンチョン(ジェット・リー)は、妻に先立たれて以来ひとりで自閉症の息子ターフーの世話をしてきたが、肝臓がんで余命わずかの宣告を受ける。
息子の将来を悲観して心中を図ったのだが、泳ぎが得意なターフーは、自分で縄を解き浮きあがってしまったのだった。
女性監督のシュエ・シャオルーは、長年ボランティアとして自閉症の子供たちと関わってきたというだけあって、ターフーの行動描写は自閉症の特徴をよく表しているように思いました。
人と目をあわすことができない。問いかけをおうむ返しする。歩き方。物がいつも同じ場所にないと気がすまないなど。
シンチョンは自分の死後ターフーを世話してくれる施設探しに奔走するが、21歳のターフーが入所できる場所はなかなか見つからない。
体は大人になっても世話をする人は必要。でも、親はどんどん年をとり体力がなくなっていく。障害のある子供を抱えた親の苦労はどこの国でも同じなのですね。
小さい頃から父親と一緒に水族館で過ごしていたターフーは、泳ぎがとてもうまい。水槽の中ではまさに水を得た魚のよう。ターフーが水槽の中から見た外の世界とそこにいる父親を映したカットがありましたが、きっとターフーには世界はこんなふうに、他の人間とは違って見えるのだろうなと思いました。
アクション俳優としての印象が強いジェット・リーですが、この映画ではごくごく普通のおじさんです。
病が進み、次第に唇は干からび、激しい痛みに襲われる様子は痛々しかったです。それでも息子の世話はしなければならないのです。
シンチョンの、
「親孝行して欲しいなんて思わない。ただターフーがターフーのままで生きてくれればいい。」
というせりふにはぐっときました。
障害があろうとなかろうと、まさに親が子供に望むのはそういうことですものね。
エンドクレジットの後に出る、「平凡にして偉大なるすべての父と母へ」という言葉にも感動しました。
シンチョンが死ぬ場面も、音楽で泣かせに走ることもない、控えめだけど、素直にいい映画だったと思える作品でした。
このレビューは気に入りましたか?
11人の会員が気に入ったと投稿しています
「死」から「生」へと転換する海のイメージ
投稿日:2012/04/13
レビュアー:よふかし
主演がジェット・リーでなければ観なかったかもしれないなあと思いながら劇場を後にしましたが、観てよかった、良い映画でした。
自閉症の子供がいて、自分には死期が迫っている。どうしよう。冒頭で悲観した父(ジェット・リー)は入水自殺を図るのですが、こうした辛い思いは同じ境遇に置かれた方にはきっと共通するものがあるでしょうし(ボランティアに行ったときにそういう話を聞きました)、家族は孤立しがちで、事実そういう選択をしたケースも少なくないと聞きます。報道されないので、あまり見えてこない部分でもあります。
死ねなかった父親は、現実的な選択をして、自分が死んだあとに息子がひとりでも生きていけるようにと、懸命に努力する。少しずつ近所の人や、福祉・医療関係者に助けてもらいながら。
その意味では必ずしも奇をてらった話ではないのですが、その珍しくない物語を淡々と、しかし軽快に描き出します。人々の善意がとても心地よいのですが、感動の押しつけがましいところがありません。たぶん、とてもアクション・スターには見えない(見事に!)ジェット・リーの、世間との距離感のせいなんですね。いままで孤立していて、ようやく人の手を借りることを決意したけれども、べったり甘えることには躊躇がある。それは息子への愛情と責任感、あるいは自分の誇りの裏返しなのかもしれない。まっとうで、悩みもある、等身大の男を演じきっています。リーに思いを寄せる隣の家の女性との関係も、とてもいい距離感で描かれています(息子とサーカスのピエロの女性の出会いは、少し作り過ぎかなあと思うところもないですけど、このくだりがないと映画としては辛いかなとも思います)。
タイトルからして海なのですが、この映画には海(水族館)のイメージが全編に溢れています。シンプルではありますが、死のイメージで始まった海が、次第に生を育む豊かな海のイメージへと変貌し、やがて生と死を超越した「天国」のイメージに結実する。父から息子へ、たしかに「未来」は伝わったのだとすっと思いいたる、見事な海の表現だと思いました。70点。
このレビューは気に入りましたか?
8人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
「平凡にして偉大なるすべての父と母に捧ぐ」にやられました
投稿日
2012/04/07
レビュアー
ミルクチョコ
ジェット・リーがノー・アクション、ノー・ギャラで出演しているらしいです。
オープニングから、父と息子の両方の足に縄を結び海へ投身自殺しようとする場面から、意表を突かれました。
我が子を残しては逝けない。余命いくばくもない父の悲壮な決意が伝わって来ます。
自閉症の息子を男手一つで育てるシンチョン(ジェット・リー)は、癌に冒され、余命僅かと宣告されます。自閉症の息子を一人残すことが不安な彼は、一人でも生きていけるように、息子に、生きる術を教えます。
「ビューティフル」もそうでしたが、残り少ない時間を息子の為に懸命に使う父親の姿に感動してしまいます。
この映画の親子が幸せなのは、彼らを取り巻く人々、近くの雑貨屋の女主人、水族館の上司、養護学校の校長、サーカスの女性団員等の温かい支えがあるからだと思います。多分、真面目で懸命な父親の人柄が周りの人々をそうさせているのでしょうね。
シンチョンと近所の雑貨屋のチャイさんとの大人の恋模様、お互いに惹かれていても気を遣い、押しつけないところが好きです。
演じるジェット・リーの抑制の利いた演技が秀逸です。
強い絆で結ばれた父子の残りわずかな日々が美しく、子を思う親の気持ちがずしんと伝わって来ます。そして彼らだけではなく、人と人の結びつきに希望を見出そうというメッセージが、伝わって来ます。
それにしても『平凡にして偉大なるすべての父と母に捧ぐ』 この決め台詞には、やられました!
自戒を込めて
投稿日
2012/06/07
レビュアー
まりこ
ご近所に自閉症の息子さんのあるお宅があります。
年子のご次男とうちの息子が同い年で、赤ちゃんの頃からのお付き合いです。
子供の成長には個人差があり最初は気にならなかったのですが、いつまで経っても歩けませんし言葉もありません。
「ちょっとおかしい。」周囲が噂をはじめ私も内心思いましたが、よそ様の事、遠巻きに見守るだけでした。
「あの子、自閉症なんや。」
しびれを切らせたご家族に言われて医者に診せたそうで、お母さんから直に聞いたのはかなり経ってからでした。
ドライに話す彼女に周囲は「同情」しつつも、「暢気やねぇ。」と噂しました。
私も当時少なからずそう思いましたが、今思えば事実を知るのは恐かったでしょうし、そう言うしか無かったのでしょう。
年月が経ち息子さんは成長し、近所の人達も外で出会うと挨拶もしますし声もかけるようになりました。
ときにはこちらの呼びかけに、にっこりしてくれるようにもなりました。
しかし大人しく静かな時と躁状態の時があり、昼夜問わず頻回に奇声やドンドンと暴れる大きな音が聞こえるようになりました。
周囲は苦情は言いませんが、私も含め「可哀想に。」「大変やなぁ。」場合によっては「うるさいなぁ。」と、一歩退いた反応に終始してきました。
家中がご長男にかかりっきりになる中、ストレスからかご次男が小学校高学年になって引き籠もりになりました。
うちの息子が毎朝欠かさず誘いに行きましたが、卒業まで登校出来ませんでした。
当時私は息子を少しばかり誇らしく思ったものの、忙しさにかまけて同じ母親としての手は全くさしのべませんでした。
息子達も皆成人したある日の事です。
自閉症の息子さんが我が家の前の道に座り込み、渋滞になったのです。
身体も大きく力も強くなった彼をなだめる方法が分からず、何より予期せぬ動きをされる恐さがあっていい大人の私が何も出来ず、あわててお母さんを呼びに走りました。
道の真ん中で幼児のようにニコニコと遊び、しかし周囲を混乱させている我が子を見て、彼女はどんな気持ちだったか。
「(知らせてくれて)ありがとう。」お礼まで言われた私は身の置きどころが無く、暫く自己嫌悪に陥りました。
その後いつだったか、彼女の口から「この子を殺して私も死のうと何度も思った。」と聞いた事もありました。
息子達ももう二十代後半になり、ありがたい事にうちは社会人として自立しています。
しかし彼女は今も仕事と息子さんの世話に追われ、でも毎日元気に頑張っています。
ここまで来るのにどれだけ苦労があったのか、私なぞ想像も出来ません。
これからの苦労を予想も出来ません。
だた無知と無理解しか無かった自分が恥ずかしいばかりです。
「平凡にして偉大なるすべての父と母に捧ぐ」
胸にくるのは感動と、忸怩たる思いです。
アクションを封印したジェット・リーは必見。
誠実で朴訥な父親像は素晴らしいものでした。
レビュー400本目は、自戒を込めて。
"海の天国"(「海洋天堂」)、美しいタイトルのような作品。
投稿日
2012/08/10
レビュアー
まみもぉ
アクションスターとしてのジェット・リーをほぼ知らないので、
冒頭、小舟の上のふたりが、
山口良一と尾美 としのりに見えました。親子でなく兄弟にも。
海面は穏やかに波打って、その上に浮かぶ小舟が揺れて…美しい風景。
楽しそうな、そうでもないような不思議なふたり。
ロープにくくりつけられた重しが映しだされても悲壮感はなくて、
飛び込んだ海中の色がまた美しくて、
その中を舞うように泳ぐ彼。遊んでいるようにも見えました。
ハンデキャップのある主人公のお話し。
嫌いではないですがどちらかと言えば、苦手です。
この作品は、父と子が主役であるというところに惹かれました。
『お母さんは?』、その母親に興味が湧きました。
癌に侵され余命わずかであることを知る父とすでに成人している21歳の息子。
すべきことをし尽くして絶望して無理心中…を図ったのではないことは、すぐわかりました。
衝動的な身投げにも見えませんでしたから、不自然なその行為がひっかかってなかなかお話しに入り込めず、
観れば観るほど、ふたりの演技が素晴らしければ素晴らしいと思えるほど、辟易していきました。
あの子を大福を母親は見捨てたのかと。
すでに、母になる前から結婚前から心を病んでいたのかもしれませんが、
優しい心誠に愛されながら、心身にハンデがある我が子を受け入れられなかった?、
強いばかりが母じゃない?でも、その命を絶った時、大福はかわいい盛りのまだ体は軽い年齢だし、ありえないでしょう…と
考えなくてもいい現実的なことばかりが気になって、暖かい青とその色を撫でるように流れる音楽が切なかったです。
妻に先立たれ残された息子がいきなり21歳になるわけでなく、
その間の時間、ハンデがあるならなおのこと、
自分が居なくなった時のためのことをするのが、教えていくのが、生活苦というわけでもなさそうだし、
施設は16歳までとわかっていたのだから、それからのことを考えるのは自然なことで、
片親で頼れる親戚等、近くにいなければなおのこと…。
これは創作物だと言いきかせるには設定が病名が現実的過ぎました。
そのうち自然治癒してくるかもしれない、なんとかなるだろうと
現実を見て見ぬふりをするような、先送りするような、楽天的な父親には見えませんでしたから、
大福の感情といっしょにひらひらと動く手のひらが愛おしくみえるたび、
感動しなければいけない義務感でくだびれてしまいました。
自分に合わなかった作品や私的に★ひとつふたつな作品は、
感想が言葉にならないので、レビューは難しいのですが、
この作品、親子の戯れる様子、亀のお話しとか、
両想いでありながら互いを想いやるゆえ踏み込めず寄り添う柴と心誠、
両手足が熱帯魚のヒレのようにしなやかで美しかった鈴鈴のお話し。ドナルドの隣に座ってしょげる大福。
…良いシーンがたくさんありました。
辟易しながら、演技に映像に感心しながら、どうにもこうにも困り果ててしまった良作でした。
ただそのままで生きていてほしい。
投稿日
2012/03/01
レビュアー
パープルローズ
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海に浮かべた小さな船。
まるで穏やかな休暇を楽しんでいるかのような父と息子。
父は、息子と自分の足首に縄を巻きつけて言う。
「さあ、行こうか。」
水族館で働くシンチョン(ジェット・リー)は、妻に先立たれて以来ひとりで自閉症の息子ターフーの世話をしてきたが、肝臓がんで余命わずかの宣告を受ける。
息子の将来を悲観して心中を図ったのだが、泳ぎが得意なターフーは、自分で縄を解き浮きあがってしまったのだった。
女性監督のシュエ・シャオルーは、長年ボランティアとして自閉症の子供たちと関わってきたというだけあって、ターフーの行動描写は自閉症の特徴をよく表しているように思いました。
人と目をあわすことができない。問いかけをおうむ返しする。歩き方。物がいつも同じ場所にないと気がすまないなど。
シンチョンは自分の死後ターフーを世話してくれる施設探しに奔走するが、21歳のターフーが入所できる場所はなかなか見つからない。
体は大人になっても世話をする人は必要。でも、親はどんどん年をとり体力がなくなっていく。障害のある子供を抱えた親の苦労はどこの国でも同じなのですね。
小さい頃から父親と一緒に水族館で過ごしていたターフーは、泳ぎがとてもうまい。水槽の中ではまさに水を得た魚のよう。ターフーが水槽の中から見た外の世界とそこにいる父親を映したカットがありましたが、きっとターフーには世界はこんなふうに、他の人間とは違って見えるのだろうなと思いました。
アクション俳優としての印象が強いジェット・リーですが、この映画ではごくごく普通のおじさんです。
病が進み、次第に唇は干からび、激しい痛みに襲われる様子は痛々しかったです。それでも息子の世話はしなければならないのです。
シンチョンの、
「親孝行して欲しいなんて思わない。ただターフーがターフーのままで生きてくれればいい。」
というせりふにはぐっときました。
障害があろうとなかろうと、まさに親が子供に望むのはそういうことですものね。
エンドクレジットの後に出る、「平凡にして偉大なるすべての父と母へ」という言葉にも感動しました。
シンチョンが死ぬ場面も、音楽で泣かせに走ることもない、控えめだけど、素直にいい映画だったと思える作品でした。
「死」から「生」へと転換する海のイメージ
投稿日
2012/04/13
レビュアー
よふかし
主演がジェット・リーでなければ観なかったかもしれないなあと思いながら劇場を後にしましたが、観てよかった、良い映画でした。
自閉症の子供がいて、自分には死期が迫っている。どうしよう。冒頭で悲観した父(ジェット・リー)は入水自殺を図るのですが、こうした辛い思いは同じ境遇に置かれた方にはきっと共通するものがあるでしょうし(ボランティアに行ったときにそういう話を聞きました)、家族は孤立しがちで、事実そういう選択をしたケースも少なくないと聞きます。報道されないので、あまり見えてこない部分でもあります。
死ねなかった父親は、現実的な選択をして、自分が死んだあとに息子がひとりでも生きていけるようにと、懸命に努力する。少しずつ近所の人や、福祉・医療関係者に助けてもらいながら。
その意味では必ずしも奇をてらった話ではないのですが、その珍しくない物語を淡々と、しかし軽快に描き出します。人々の善意がとても心地よいのですが、感動の押しつけがましいところがありません。たぶん、とてもアクション・スターには見えない(見事に!)ジェット・リーの、世間との距離感のせいなんですね。いままで孤立していて、ようやく人の手を借りることを決意したけれども、べったり甘えることには躊躇がある。それは息子への愛情と責任感、あるいは自分の誇りの裏返しなのかもしれない。まっとうで、悩みもある、等身大の男を演じきっています。リーに思いを寄せる隣の家の女性との関係も、とてもいい距離感で描かれています(息子とサーカスのピエロの女性の出会いは、少し作り過ぎかなあと思うところもないですけど、このくだりがないと映画としては辛いかなとも思います)。
タイトルからして海なのですが、この映画には海(水族館)のイメージが全編に溢れています。シンプルではありますが、死のイメージで始まった海が、次第に生を育む豊かな海のイメージへと変貌し、やがて生と死を超越した「天国」のイメージに結実する。父から息子へ、たしかに「未来」は伝わったのだとすっと思いいたる、見事な海の表現だと思いました。70点。
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