コンテイジョン

本当に致死的な感染症が発生したら？じわじわと怖くなるような、妙なリアルさがありました。
ミッチ（マッド・デイモン）の妻ベス（グウィネス・バルトロワ）は、香港出張から帰国後、咳と熱を発症して２日後に急死します。同じ頃、香港、ロンドン、東京でも人々が謎の死を遂げます。
フリーランスのジャーナリスト・アラン（ジュード・ロウ）がブログ上で発信した不確かな情報により、人々はパニック状態に陥ってしまいます。

映画は、単にパンデミックものかと思いきや、人間の言動によってパニックを引き起こしたり、大切な人を助けると他者 を犠牲にしなければならなかったりなど、物語は人々の「良心の質」を問う事までに及んでいると思います。
映画冒頭で、グウィネス・パルトロウがあっさりと死ぬのも驚きでしたが、ケイト・ウィンスレットは多分助かるのだろうと思っていたら、彼女程の女優をあっさり殺してしまうのも驚かされました。ひたすら娘を守ろうとする愚直なまでのマット・デイモン、胡散臭さと狡さを醸し出したジュード・ロウも中々良かったです。
劇中では、どんなスターでも、あくまでただの人として扱われ、特別扱いは一切ありません。ドラマ性は希薄になる分、描かれていく映像は、まるで真っただ中にいるかのように臨場感たっぷりに描かれていました。

ウイルス以上に恐ろしい、不確かな情報で恐慌に陥る社会の描写。
どうやって感染が広まっていくのか、人間のどういう言動がパニックを引き起こすのか、そして。。。と言うことが描かれていて超リアルでした。
ブログやメディアは、今や無視して進むことはできないですからね。

患者家族であるマット・デイモン一家をサイド・ストーリーにしてるのも上手いと思います。
二日目から始まる物語が、ラストで真相を知らされる仕組みもお見事というか、マットデイモンがちょっと可哀想でした。

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ハァ・・なんじゃこりゃ・・

アクションでもなく、ホラーでもパニックでもないこれは一体何なんだぁ？
何かのウイルス感染が世界に広がり人々が死んで行く。それだけ・・

見た事ある有名人が一杯出て来るのでスゲーと思ったが、話が全然進展しない。
１時間過ぎても進展しない。ラストになっても進展しない。これ、オチ無いじゃんよ！
再生３０分でつまらない駄作と予感したものが当ってしまったよ・・

「マット・デイモン」の映画って大人しいのが多い気がする・・
ってか、最初に登場してすぐ退場したあの女性が主人公だったとは・・

顔を見た瞬間すぐに分かったが、香港のバスで死んだ女性は「ジョシー・ホー」と言って
何とマカオのカジノ王「スタンレー・ホー」の愛娘である！
ちょい役ではあったが、まさかの出演にビックリ＾＾
この女性がホラー映画「ドリームホーム (ＤＶＤ解禁日未定)」で立派に主役を張るので注目＾＾

ま、「起伏が無く地味」な内容が大嫌いな人は、か〜なりイライラするドラマなのでご注意を。。。

ソダーバーグ監督の作品とは相性が悪くて、「チェ」２部作で「最長不倒記録」というほど寝てしまった私ですが、これは大丈夫でした。感染の広がりを淡々と追うという作品のコンセプトが、ソダーバーグの作風にあっていたのではないかと思います。

映画館でこの映画のチラシを手に取った若い女の子たちが、
「ものすごくキャストが豪華！！絶対観たい！！」
と言ってたけど、その豪華な出演者たちの扱いがけっこう軽いのにはびっくりしてしまいます。
感染者第１号のグイネス・パルトロウが、顔の皮をベロ〜ンと剥がれて開頭されてしまったのには口あんぐり。ケイト・ウィンスレットの最期もあっけないし、マット・デイモンはちっとも事態を把握できないでいる普通のおっさん（でも好きだけど）。それぞれを綺麗に撮ろうという気持ちがないんですね。だからこそ感染の広がりをリアルに感じることができるんでしょうけど。

登場人物の中で最もエモーショナルなキャラクターだったのが、ジュード・ロウの自称ジャーナリスト。この人物の、映画の中での比重がかなり高くなっているのは、、こういう状況に陥った場合、不正確な情報が流布することがいちばん怖いというこのなのだと思います。

結構嫌われ者のソダバーグ（←誰がゆーた？）ですが、個人的にはかなりスキ（というか「セックスと嘘とビデオテープ」がスキ）
なので、地味という評判（←どこの評判やねん）の「コンテイジョン」を観てみました♪

あまりに面白くてビックリ！！！
なるほどねーっ！っと感心しまくりのテクニカルな映画でした（（φ（・д・。）

ほとんど「シュミレーション映画」といっても良いぐらいに、現実に則して物語が進むので、
非常にリアルに人間の怖さや汚さに嫌悪感を感じるんやけど、良心や道徳心という人間の美しさも、
同時に非常に強く感じたっすね。

幸運も不運もありえる範囲内に留めて、実際に起こり得る範囲内で、物語が進行するんで、
ドラマチックではないドラマが、非常にドラマチックになり、なんてことない描写が胸を打つ。

こういう淡々とリアルを積み重ねる映画の中で、どのようにドラマを魅せるのか？
どのように娯楽映画として成立させるのか？
映画職人ソダバーグらしいテクニカルな映画の成形の仕方に、非常に感心したっすね（（φ（・д・。）やるねー

淡々とドラマチックと娯楽映画が、ザ・ハリウッド映画内で、並立で成立することを証明したのがスゴイっすね。

小手先だけのイメージが先行するソダバーグ監督すけど、いや、もう「職人監督」といって問題ないでしょう！
※ソダバーグは、職人監督と呼ばれたいんやって！

あ、でも、そんなにオススメできるかというと、やっぱ地味かなという気がするので、ふわっとオススメです←コレばっか！

個人的満足度　８１点！　オススメ度　７０点！

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　この物語が何故、第２日目から始まるかは後で判ることですが、それよりもレヴュアーが惹きこまれたのは、物語の展開が実に淡々と進行するということでした。
　主要な登場人物をオスカー受賞者で固めたというのは、映画がショービジネスである以上、口上の一つとして見ればいいと思うのですが、それでもってドラマティックな展開に持っていかないのは見事な演出だと思います。
　物語は正体不明な伝染病が日本、アメリカ、中国などで同時発生的に顕在化する導入部から、有効な治療法が見つからないままパンデミック化していく過程と、その状況に立ち向かおうとする人々の活動を絡めて描いています。ＣＤＣ（アメリカ政府の疾病センター）の指揮官にローレンス・フィッシュバーン、その部下で実際に感染地域に乗り込む医師にケイト・ウィンスレット、普通の市民として疫病にさらされるマット・デイモン、、その妻で初期の疫病の犠牲になるのがグゥイネス・バルトローといった具合です。あ、ＷＨＯ（世界保健機構）の調査員としてマリオン・コティヤール（好きです♡）も出ております。
　その中でレヴュアーが引っかかったのがジュード・ロウ扮するウェブを中心として情報を流しているジャーナリストです。彼は扇動的で、ネタを最初に手に入れることにのみ熱心で、かつ、裏で利害関係者に接触して、その利益誘導を行う代わりに対価を得ようとする人物であります。先に挙げた人々が、個人的な弱点はあっても家族や市民の命を第一に考えているのに対して、おのれの利益のみを追求するのに汲々とし、かつ、いかにも政府が真実を隠していて自分は正義の追求者であるかのような顔をしているのです。
　この人物を見て、ぞっとしたのは、これが現実のマスコミでも該当する部分があるのではないかと思ったからです。作劇上、彼にイエロー・ジャーナリズム的人格を代表させてはいるのですが、現実のマスコミでも責任者探しにのみ熱心で、果たして正確な情報を提供しているのかと思われるケースが、まま見られるからです。さしずめキリスト教で言う”偽の預言者”でしょうか。
　その対比によりＣＤＣ、ＷＨＯ、また市民の真摯な努力が際立つということになります。もちろん、リアルな物語ですから、その間にも疫病により犠牲になる人々は続き、暴動や略奪など極限状況での人間の暗い面も描かれます。しかし、地道な努力により次第に災厄の収束の見通しも見えてきます。これは偶然でしょうが、昨年、我が国を襲った災厄にイメージを重ねていました。悲しみは消えなくとも希望を持たねばならないということを。