アメリカのTV局で起きたセクハラについての話を描いています。ただ・・・セクハラの部分に関しては曖昧な感じで描いておりまして、なんかよくわからない。まぁ、セクハラってそういうもんなんだけど、映画なんだから、ちゃんとそこを描かないと・・・って思ってしまいます。

このセクハラの部分がもやもやのまんま終わってしまうのが、この映画の致命的な面白くなさにつながっています。この騒動自体は事実なんですが、中身に関しては憶測ですよ、という感じのことが一番始めに出ていましたので、変だな、と思ったのですが・・・社会派ドラマではなく、とりあえず描きましたっていう感じの物語だったのかな。

ただし、物語としては面白くないですが、日本にいてはよくわからないアメリカの部分が出ていて興味深かったです。トランプの熱心な応援メディアとして有名なFOXテレビ。いや、その前から保守派の番組が多く、それもゴテゴテの面白かったらいいだろう、みたいなノリのところなんですが、なぜそうなのかが少し見れてよかったです。アメリカだったら当たり前なんだろうけど、日本だと分からないからなぁ。

FOXがウケたのはゴリゴリの保守論調もあるのでしょうが、その層に合わせた出演者たちの雰囲気というのも大事なんだなというのがよく分かります。教養があって美しい女性を出す、そんなのは当たり前だけど、違う「足なんだ、足！！」という話、わからんでもないですね。なるほど、だからウケたんだと思いました。

最終的に巨額が動いていったこの騒動。泣き寝入りはしない、女性の地位向上だなんだと言っても結局は金なんですよね。その論調を焚き付けた者、うまくのっかった者は儲かり、なんか共感したりして庶民の絶大な応援の声というやつを無償で得る行為っていうのは気に食わないなぁ、と思って終わりました。まぁ、それがアメリカなんだろうけど。

女性の見た目というのは、見た目重視の職業は人気になったり憧れになったりもするけど、真面目な番組のときもやはり見た目なのか。
偉いからって恋人でも家族でもないのに人気を取るための一部の楽しみにするのは人としてきちんと見ていないと思う。

いまいちだった。

異様な世界の話で多少は興味をひかれたけど、それだけだった。自分のいる世界とはかけ離れすぎていて「へー・・」って思っただけ。キッドマンが上司への性的奉仕を断ったがためにクビになったというのはひどい話だが、その要求に応じたことでキャリアアップして何億円も稼げるようになった女子たちについては、自分で選んだ道なんじゃないのって言いたくなった。世の中にはもっともっとひどい目にあってる女子がいっぱいいるわけで、こんな程度の話を映画にされても同情する気にならない。
でも、まあ、セロンはけっこうかっこよかった。