ジェシー・ジェームズの暗殺

アメリカ人の多くは、ジェシー・ジェイムズのこと、よく知っているのでしょう、仲間も含めて。
僕は初めて聞いたので、映画がかなり押し詰まるまで、人物の関係がよくわからず、苦労しました。
初めて見る人はWikipediaとかで少し予習すると良いかも。
タイトルが「暗殺」なので、殺されることを知ってもネタバレにはならないですよね。
映画は、冗長といえば冗長なんですけど、ていねいで美しいとも言える。
いろんなところに凝っている感じです。
役者さんたちの表情をうまくとらえていると思った。

アメリカの伝説のアウトローを扱った映画です。この方、人気で、過去に何度も映画化されている。これはブラピが主人公。そして、配役を見ると、なかなかの有名どころが出ている作品です。これは楽しみ！！と思ってみたのですが・・・

なんだこの眠い展開は・・・アウトローの痛快な出来事を描くわけではなく、晩年を描いていますが、中身がないので、全然面白くない。派手なアクションはなくて、このアウトローの内面を丹念に描いていくのであれば、まだ分からんでもないのですが、そんなんでもない。

人が色々出てきて、うだうだ言って、なんで殺したり殺されたりするのか説明がないまま進んでいって、最後・・・ん？これはブラピが主人公じゃなかったのか？なんて思ったり。

役者たちはそれぞれがそれぞれらしくて良かったんだけど、中身がなかったなぁ・・・心理モノなのであれば、もっとしっかりとそこを描かないと、伝わらんよ。

2013年４月末に公開のブラピの新作「ジャッキー・コーガン」を見に行く前に
同じアンドリュー・ドミニク監督×ブラピ主演作品である本作を見ておこうと思って鑑賞。

淡々とした、地味なドラマでしたね。
若者がカリスマに憧れるも、自分の能力とのギャップに悩む気持ちや
カリスマと思われていても実は虚像なのかもしれない…といった人間の内面的な部分は深く描かれていたし、
主演の二人（ブラピ＆ケーシーアフレック）をはじめ、サム・ロックウェル、ジェレミ―・レナーなど
脇を固める人たちもみんなすばらしかったです。

ただ、ジェシー・ジェームズはアメリカでは誰でも知ってる強盗なんでしょうけど
私は知らないから思い入れもないし、「結局タイトル通りの話かー」という感じで、物語的にはそんなに魅力なかったかな。
（「ジャッキー・コーガン」ももし同じような作風なら、DVD鑑賞でいいかも…と思ってしまいました^^;）

ケーシー・アフレックは特にすばらしかったですね。当時、高評価されて、アカデミー賞にも助演でノミネートされてたけど、
あの年は「ノーカントリー」のハビエル・バルデムの一人勝ちだったもんね、かわいそう。
その後ももっと露出してもいい実力だと思うけど、なぜあまり出ないんだろう？と考えたんですが
もしかしてライアン・ゴズリングとキャラかぶってるから？役とられてしまうのかも…
あの無気力で繊細で不思議な魅力…ライアンの方が強力だもんね。

◆総評
記憶力に自信があればお勧め！ぼんやりみてるとおいてかれるよ〜

◆所感
物語序盤でどんどん人物が出てきて、俳優さんの顔を覚えられなかった私は一気に話に乗り遅れてしまいました。最終的にレギュラーキャラ(？)がブラピさん含め3人まで絞られるのですが、その時にはすでに状況についていけてなくって、「3人で何がしたいんだろう？何で一緒にいるんだっけ？？」と言うような思いで見ておりました。

もう一度見直せばわかったのでしょうが、そこまで見たいとも思わず返却しちゃいました。もうひとおしな感じ。
その辺が残念だったので2点です！

英雄ジェシー・ジェームズを知らないから入り込めないのか、
この映画の言わんとすることが分からない。
彼を崇拝しながらも悔いしか残らないボブにも、同情を
寄せられない。ボブに彼の期待する喝采が送られていたら、
英雄を暗殺しても自信を持ってその後の余生を送れたのだろうか？
ジェシーの英雄像が伝わらず、何となく恐怖政治を敷いている
かのような振る舞いが大半だったためなのだろうか。
誰も彼もが不幸な末路をたどったことだけは確かだが・・・。