斯界の達人が某所で
このグループを取り上げておられたので、聴いてみました。
地中海沿岸から北欧、東欧に至るまで
ヨーロッパ大陸は良質なジャズロックの宝庫ですが、
いわゆる「ジャーマン・ロック」的ではない
ドイツの正統派のジャズロックについても興味を持っていた
ところだったので、良いタイミングでした。
それにしても、DISCASさんでこういう
ユーロ・プログレ的なものを聴かせてもらえると、
本当に助かります。細々とでいいんで、
今後とも入荷をよろしくお願いしますね。

一聴した印象は、マハヴィシュヌ影響下だったり
民族音楽や現代音楽を取り入れたりした
ユーロ・ジャズロックと言うより、
なんだか同時代の和ものみたいだな、ということ。
音やビートの粒立ちが比較的大きいんですよね。
石川晶さんや稲垣次郎さん、三保敬太郎さんらが展開していた、
創造性と大衆性を併せ持った
日本特有のジャズロックに近い感触の音楽が、
時を同じくして遠くヨーロッパにも存在したということに
新鮮な感慨を覚えました。
時代性というのもあるんでしょうね。
ジャズロック→クロスオーバー→フュージョンと
呼称が変わるごとに明るくクリアな音像になっていくのは、
もう少し後のことですから。

ドイツものというと、ややもすれば
前衛的なものや奇天烈なもの、あるいは非常に神秘的なものを
期待されがちだけど、こういう熱く直球勝負な
ジャズロックもあったということは、
もっと広く知られるべきだと思います。
とはいえ、全編で印象的なプレイを聴かせる鍵盤奏者は、
あのジミー・ジャクソン。本グループの他にも、
Haboob、エンブリオ、アモン・デュール�Uなどを渡り歩いた
特異な米国黒人プレイヤーです。
なので「ジャーマン本流」の方も要チェックです。