「ひとよ」 / 佐藤健
「ひとよ」
/白石和彌
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全体の平均評価点: (5点満点)
(22)
解説・ストーリー
「凶悪」「孤狼の血」の白石和彌監督が桑原裕子の同名舞台劇を実力派キャスト陣の豪華共演で映画化したヒューマン・ドラマ。最愛の子どもたちを守るために暴力夫を殺害し警察に出頭した母親と、事件によって人生を大きく狂わされた3兄妹の15年ぶりの再会の行方を描く。出演は佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優、佐々木蔵之介、田中裕子。タクシー会社を営む稲村家の母・こはるは、3人の子どもたちの幸せのためと信じて、家庭内で激しい暴力を繰り返す夫を殺害する。15年後、長男・大樹、次男・雄二、長女・園子の3人の子どもたちは、それぞれに事件によって運命を狂わされ、心に深い傷を抱えたまま今の人生を送っていた。そんな3人の前に、出所したこはるが突然姿を現わすのだったが…。 JAN:4943566311950
「凶悪」「孤狼の血」の白石和彌監督が桑原裕子の同名舞台劇を実力派キャスト陣の豪華共演で映画化したヒューマン・ドラマ。最愛の子どもたちを守るために暴力夫を殺害し警察に出頭した母親と、事件によって人生を大きく狂わされた3兄妹の15年ぶりの再会の行方を描く。出演は佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優、佐々木蔵之介、田中裕子。タクシー会社を営む稲村家の母・こはるは、3人の子どもたちの幸せのためと信じて、家庭内で激しい暴力を繰り返す夫を殺害する。15年後、長男・大樹、次男・雄二、長女・園子の3人の子どもたちは、それぞれに事件によって運命を狂わされ、心に深い傷を抱えたまま今の人生を送っていた。そんな3人の前に、出所したこはるが突然姿を現わすのだったが…。 JAN:4943566311950
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「「ひとよ」」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
「凶悪」「孤狼の血」の白石和彌監督が桑原裕子の同名舞台劇を実力派キャスト陣の豪華共演で映画化したヒューマン・ドラマ。最愛の子どもたちを守るために暴力夫を殺害し警察に出頭した母親と、事件によって人生を大きく狂わされた3兄妹の15年ぶりの再会の行方を描く。出演は佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優、佐々木蔵之介、田中裕子。タクシー会社を営む稲村家の母・こはるは、3人の子どもたちの幸せのためと信じて、家庭内で激しい暴力を繰り返す夫を殺害する。15年後、長男・大樹、次男・雄二、長女・園子の3人の子どもたちは、それぞれに事件によって運命を狂わされ、心に深い傷を抱えたまま今の人生を送っていた。そんな3人の前に、出所したこはるが突然姿を現わすのだったが…。 JAN:4943566311950
「「ひとよ」」 の作品情報
「「ひとよ」」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
ひとよの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
123分 |
|
日:ドルビーデジタル5.1ch |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
PG-12 |
ASBX6180 |
2020年06月24日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
98枚
|
1人
|
0人
|
ひとよの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
123分 |
|
日:ドルビーデジタル5.1ch |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
PG-12 |
ASBX6180 |
2020年06月24日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
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|
1人
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ユーザーレビュー:22件
さすが、田中裕子
白石和彌監督「ひとよ」を見ました
佐藤健、田中裕子、松岡茉優、鈴木亮平、佐々木蔵之介、などなど
父からDVを受け、震えながら過ごす稲村家の3兄弟。タクシーの運転手である母は、夫が酔って帰った送迎の後で、故意的に轢いてしまう
「ほとぼりの冷めた15年後に帰ってくる。あなたたちはこれから自由に好きなように生きていける」と言い残し警察へ出頭。心に傷を抱えたまま過ごす3人のもとに15年後、母が帰ってくる。。
いや〜よかった。何がよかったって田中裕子。彼女はほんとに素晴らしい俳優です!!
松岡茉優と鈴木亮平もとてもよかった。ごめん。佐藤健君は及第点という感じ。食われたな〜〜
信念を持って行動する母親。「私は間違っていない。私が揺らいだら子供たちが迷子になってしまう」
親の背中を見て育つ、と言いますが、自分の中にも父親の狂気が宿ってるんじゃないかと思う子供たちもわかります。しかし多感な時期に母親が、というのもなかなかつらいです
周りの人々の(タクシー会社を継いでくれたおじさんがまたいい緩和剤)やさしさがあってこそ、戻ってこれたというのもあります。
人の感情は紙一重(介護に苦しむ女性など)という描写もあります
号泣したのは「私はそんなに立派な人間か!」と身をもって示す母親のきっぷのよさです
ここはきっとなくツボではないとは思いますけどね(笑)
いや〜しかし、やっぱ、田中裕子はいいなぁ〜
後味も悪くありません。いい作品だと思います
このレビューは気に入りましたか?
17人の会員が気に入ったと投稿しています
母が『母ちゃんは間違っていない』と言う映画
茨城県の大洗を舞台に、白石和彌監督が『凪待ち』に続いて重いヒューマンドラマを見せる。
「ひとよ」というのは「人よ」ではなく「一夜」。元々は舞台劇だった。
ドラマの発端は15年前。タクシー会社を営み、自らドライバーもする稲村家の母こはる(田中裕子)。
その夜、こはるは包帯や絆創膏だらけの3人の子供たちに向かって言った。
「母ちゃん今日、父ちゃんを殺したよ」「これから警察に行きます」
「あなたたちを暴力から守るため、殺した。母ちゃんはとても誇らしいです。」
毅然とした母であったが、子供たちの方は右往左往した。
3人それぞれが事件によって運命を狂わされ、いやがらせや中傷も受け、心に深い傷を負った。
長男大樹(鈴木亮平)は吃音で、その後地元の電気店の婿養子になったものの、使用人からもバカにされていた。長女園子(松岡茉優)は美容師の夢を諦め、スナックで働くも毎晩酒浸り、次男雄二(佐藤健)は、風俗雑誌に原稿を書くうだつのあがらないライターだった。
過去の出来事などを挟みながら、稲村タクシーの人々の温かさも描かれる15年。
佐々木蔵之介演じる「堂下」と名乗る中年運転手。少しカゲがあり白石監督作品らしいキナ臭さを出してくれている。
彼が後半、『親なんて!親なんていくら頑張ってもムダなんだ!』
と絶叫しながら、だらだらと涙も鼻水も飛ばして泣いていた場面、さすが佐々木、名演だと思いました。
雄二が堂下にしがみついて、兄に「親父じゃないよ!」と言われてもなお、しがみついて、
(恐ろしい暴君だった父は、自分より弱い者にしかすがる事ができない、ただ弱い無力な中年男だった)と、
父を知った気になるのですね。切ないです・・・。
親という姿に、それぞれの家庭なりの共通する『弱さ』が内包しているという事でしょうか。
だけども、本作は母親の「間違っていない!」という毅然とした信念を描く作品でもあります。
(裁判所の描写が一切ないのは、善悪の議論をスルーしたいのだと思う)
(観客にしてみれば、制限された情報の上で物語を咀嚼するしかない)
母が長年計画していた事を実行したあの日は、家族が一夜にして壊れた日でもあった。
(父の命を失い、母の姿を見失った。)子供たちは母の本当の気持ちがわかるのか。
15年後のこの一夜をきっかけに、再び心が結ばれ再生へ向かう事が出来るのか。
どこにでもありそうなゴチャゴチャした部屋や、曲がりくねった細道。
朝早くからタクシーを洗車する従業員。極端な、変わった話を描いているように見えて、
日常の風景がそこにあった。
このレビューは気に入りましたか?
13人の会員が気に入ったと投稿しています
ひとよ
投稿日:2020/08/31
レビュアー:片山刑事
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
母親がDV夫を殺害して服役後に戻ってきた家族やタクシー会社の社員たちの話。
さすがの芸達者な役者さんたちの配役で殺人事件後の家族やその周りの人たちの存在感でした。旦那を殺害後、15年経って戻ってくる田中裕子さんとかはさすがの存在感ですし、その子供達も皆さん素晴らしかったです。バラバラで繋がっていない家族の傷と再生ものとして楽しく見ることができました。
ただ主人公家族だけではなく、タクシー会社の社員たちの家族とかの話が挿入されますが、そこが余計な枝葉に見えてしまいました。認知症の母親に悩む社員とか新入社員が息子との関係から元ヤクザで運び屋としての仕事を依頼されて…とか長い時間描かれて、クライマックスとしてその元ヤクザがトラブルを起こしますが、そこら辺の描写がお酒をラッパ飲みしながら暴走してカーチェイス。というのが映画的な見せ場なのかもしれないですが、無茶苦茶すぎると感じてしまいました。元ヤクザの息子さんも初登場はめちゃ良い子だったのに2度目に出てきたときはいきなりの狂犬になっていて変貌に戸惑うキャラクターでした。
主人公家族よりタクシー会社の社員さんたちがめちゃくちゃ良い人たちで恵まれた家族だなぁという印象の映画でした。
このレビューは気に入りましたか?
10人の会員が気に入ったと投稿しています
夫を殺めて、正しいことをした、言う母の《落し前》に感動!
殺人者の贖罪と更生を描いて秀逸でした。
そして罪を償って毅然と生きる母親(田中裕子)のどこかユーモラスでもある
様々なエピソード。
そのどれもが3人の行方を失くした子供たち(鈴木亮平、佐藤健、松岡茉優)に、
過去と決別して強く生きる・・・そのお手本を身を持って示していました。
決して暗くない映画です。
15年前のある夜(一夜)、タクシー会社を経営する稲村家の母親・こはる(田中裕子)が、DV夫を思い余って、轢き殺した。
警察へ向かう前に、「お母さんは正しいことをした。今日からあなたたちは自由。
好きに生きられる、何にだってなれる」
そう清々しい顔で子供たちに告げたのでした。
しかし3人の子供たち(15年前は子役が演じています)に現実はそう甘くはなかった。
優しい伯父さんがタクシー会社を引き継ぎ、生きるのに支障はなかったけれど、
何にでもなれる訳ではなかったのです。
長男(鈴木亮平)は自分に流れる父親の狂気と母親の殺人犯の血に、困惑を感じて未だに吃音に悩んでいる。
次男(佐藤健)はエロ雑誌のライターで、いつか小説家になりたいと思っているが、
15年前の「殺人者は聖母か?」と、こはるを書いた記事の呪縛から逃れられずにいる。
長女(松岡茉優)はいじめで美容師を諦めて、自堕落な日々を送っている。
ともかく3人とも屈折した人生を送っているのです。
刑期を終えて、その後、沖縄、北海道で働いていた母親・こはるが帰って来た。
案外あっけらかんと、そして起こる事件のエピソードがいちいち笑えて、
子供たちを過去からの呪縛から解いて行く。
エロ本万引き・・・
タクシー無線の公開説教・・・
悩める元ヤクザの新人ドライバー(佐々木蔵之介)との、カーチェイス・・・
重い内容なのにエンタメになっております。
監督は白石和哉。原作は劇作家の桑原裕子の舞台とのことです。
後味の爽やかな映画で、とても良かったです。
このレビューは気に入りましたか?
10人の会員が気に入ったと投稿しています
価値観の違いの悲哀さ
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
うーん、これは想像以上に奥深いというか考えさせられる…考えなければいけない内容。
典型的な「オレ様主義」の父親に日々耐え難いDVを受け、なすすべもない長男、次男、長女。DVの過激さは回想シーンによって垣間見る事となりますが、本当に酷い。実際いるんだろうなーと痛感。
いわゆる「毒親」
田中裕子演じる母親であり妻のこはるはそんな父親であり夫の姿をどう見てきたのかがオープニングですぐに解ります。
土砂降りの雨の中、とある小さなタクシー会社。
何やら喚き散らす男を無情にタクシーで轢き殺す。
それが夫と妻こはるが生きながらに対面した最後。もう意気消沈し尽くしたのかほとんど無表情で彼女はまだ幼さの残る子供達に告げます。
「たった今お父さんを殺した。貴方達はもう苦しまなくていいの。自由に、好きに生きていいの。もう誰も貴方達を殴ったりしないから」
そして母は「ほとぼりが冷める15年後に絶対戻ってくる」と言い残し罪を償うべく家を後に。
そして時は流れ、子供達も成長した15年後のある日、母親は本当に戻って来ます。白髪となり老いを隠せない容姿で。
反面、言動は何も変わらない母を前に成長した子供達は狼狽え、接し方に戸惑う。
以後、母親と子供達の考え方の違い、想定外の現実が浮き彫りにされていき、「人間」の様々な矛盾と苦悩を鑑賞者に次々とぶつけて来ます。
クズな父親を殺める事で、子供達は救われ怯えず幸せに、自由に生きていけると信じた母。
そんな母のせいで世間から誹謗中傷され続け、様々な非難の中で成長してきた子供達。
「子供達の幸せと自由」を望んだ母親は、逆に子供達から幸せと自由を奪っていた事に後半気付く事に。
「親父が生きていた方がましだった。暴力に耐えればそれでよかったから」
その言葉が印象的でした。
必ずしも良かれと思って行った事が開花する訳ではない矛盾さ。
クライマックス、従業員として働いていた佐々木蔵之介演じる元ヤクザの父親と、佐藤健演じる次男の他人同士ながら切ない本音のぶつけ合いが最も深く残りました。
ぶっちゃけユーモアも混じりはするものの本当に暗く重いストーリー。
普通のヒューマンドラマを思い描くなら観るのはおすすめしません。
でもこれは秀作です。
ヘタクソな今時アイドルや役者を使わず、ほとんど実力派のみでキャストを固めた事も大正解。
このレビューは気に入りましたか?
4人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
さすが、田中裕子
投稿日
2020/06/02
レビュアー
じゃじゃまる
白石和彌監督「ひとよ」を見ました
佐藤健、田中裕子、松岡茉優、鈴木亮平、佐々木蔵之介、などなど
父からDVを受け、震えながら過ごす稲村家の3兄弟。タクシーの運転手である母は、夫が酔って帰った送迎の後で、故意的に轢いてしまう
「ほとぼりの冷めた15年後に帰ってくる。あなたたちはこれから自由に好きなように生きていける」と言い残し警察へ出頭。心に傷を抱えたまま過ごす3人のもとに15年後、母が帰ってくる。。
いや〜よかった。何がよかったって田中裕子。彼女はほんとに素晴らしい俳優です!!
松岡茉優と鈴木亮平もとてもよかった。ごめん。佐藤健君は及第点という感じ。食われたな〜〜
信念を持って行動する母親。「私は間違っていない。私が揺らいだら子供たちが迷子になってしまう」
親の背中を見て育つ、と言いますが、自分の中にも父親の狂気が宿ってるんじゃないかと思う子供たちもわかります。しかし多感な時期に母親が、というのもなかなかつらいです
周りの人々の(タクシー会社を継いでくれたおじさんがまたいい緩和剤)やさしさがあってこそ、戻ってこれたというのもあります。
人の感情は紙一重(介護に苦しむ女性など)という描写もあります
号泣したのは「私はそんなに立派な人間か!」と身をもって示す母親のきっぷのよさです
ここはきっとなくツボではないとは思いますけどね(笑)
いや〜しかし、やっぱ、田中裕子はいいなぁ〜
後味も悪くありません。いい作品だと思います
母が『母ちゃんは間違っていない』と言う映画
投稿日
2020/06/25
レビュアー
くまげらの森
茨城県の大洗を舞台に、白石和彌監督が『凪待ち』に続いて重いヒューマンドラマを見せる。
「ひとよ」というのは「人よ」ではなく「一夜」。元々は舞台劇だった。
ドラマの発端は15年前。タクシー会社を営み、自らドライバーもする稲村家の母こはる(田中裕子)。
その夜、こはるは包帯や絆創膏だらけの3人の子供たちに向かって言った。
「母ちゃん今日、父ちゃんを殺したよ」「これから警察に行きます」
「あなたたちを暴力から守るため、殺した。母ちゃんはとても誇らしいです。」
毅然とした母であったが、子供たちの方は右往左往した。
3人それぞれが事件によって運命を狂わされ、いやがらせや中傷も受け、心に深い傷を負った。
長男大樹(鈴木亮平)は吃音で、その後地元の電気店の婿養子になったものの、使用人からもバカにされていた。長女園子(松岡茉優)は美容師の夢を諦め、スナックで働くも毎晩酒浸り、次男雄二(佐藤健)は、風俗雑誌に原稿を書くうだつのあがらないライターだった。
過去の出来事などを挟みながら、稲村タクシーの人々の温かさも描かれる15年。
佐々木蔵之介演じる「堂下」と名乗る中年運転手。少しカゲがあり白石監督作品らしいキナ臭さを出してくれている。
彼が後半、『親なんて!親なんていくら頑張ってもムダなんだ!』
と絶叫しながら、だらだらと涙も鼻水も飛ばして泣いていた場面、さすが佐々木、名演だと思いました。
雄二が堂下にしがみついて、兄に「親父じゃないよ!」と言われてもなお、しがみついて、
(恐ろしい暴君だった父は、自分より弱い者にしかすがる事ができない、ただ弱い無力な中年男だった)と、
父を知った気になるのですね。切ないです・・・。
親という姿に、それぞれの家庭なりの共通する『弱さ』が内包しているという事でしょうか。
だけども、本作は母親の「間違っていない!」という毅然とした信念を描く作品でもあります。
(裁判所の描写が一切ないのは、善悪の議論をスルーしたいのだと思う)
(観客にしてみれば、制限された情報の上で物語を咀嚼するしかない)
母が長年計画していた事を実行したあの日は、家族が一夜にして壊れた日でもあった。
(父の命を失い、母の姿を見失った。)子供たちは母の本当の気持ちがわかるのか。
15年後のこの一夜をきっかけに、再び心が結ばれ再生へ向かう事が出来るのか。
どこにでもありそうなゴチャゴチャした部屋や、曲がりくねった細道。
朝早くからタクシーを洗車する従業員。極端な、変わった話を描いているように見えて、
日常の風景がそこにあった。
ひとよ
投稿日
2020/08/31
レビュアー
片山刑事
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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母親がDV夫を殺害して服役後に戻ってきた家族やタクシー会社の社員たちの話。
さすがの芸達者な役者さんたちの配役で殺人事件後の家族やその周りの人たちの存在感でした。旦那を殺害後、15年経って戻ってくる田中裕子さんとかはさすがの存在感ですし、その子供達も皆さん素晴らしかったです。バラバラで繋がっていない家族の傷と再生ものとして楽しく見ることができました。
ただ主人公家族だけではなく、タクシー会社の社員たちの家族とかの話が挿入されますが、そこが余計な枝葉に見えてしまいました。認知症の母親に悩む社員とか新入社員が息子との関係から元ヤクザで運び屋としての仕事を依頼されて…とか長い時間描かれて、クライマックスとしてその元ヤクザがトラブルを起こしますが、そこら辺の描写がお酒をラッパ飲みしながら暴走してカーチェイス。というのが映画的な見せ場なのかもしれないですが、無茶苦茶すぎると感じてしまいました。元ヤクザの息子さんも初登場はめちゃ良い子だったのに2度目に出てきたときはいきなりの狂犬になっていて変貌に戸惑うキャラクターでした。
主人公家族よりタクシー会社の社員さんたちがめちゃくちゃ良い人たちで恵まれた家族だなぁという印象の映画でした。
夫を殺めて、正しいことをした、言う母の《落し前》に感動!
投稿日
2020/06/25
レビュアー
カマンベール
殺人者の贖罪と更生を描いて秀逸でした。
そして罪を償って毅然と生きる母親(田中裕子)のどこかユーモラスでもある
様々なエピソード。
そのどれもが3人の行方を失くした子供たち(鈴木亮平、佐藤健、松岡茉優)に、
過去と決別して強く生きる・・・そのお手本を身を持って示していました。
決して暗くない映画です。
15年前のある夜(一夜)、タクシー会社を経営する稲村家の母親・こはる(田中裕子)が、DV夫を思い余って、轢き殺した。
警察へ向かう前に、「お母さんは正しいことをした。今日からあなたたちは自由。
好きに生きられる、何にだってなれる」
そう清々しい顔で子供たちに告げたのでした。
しかし3人の子供たち(15年前は子役が演じています)に現実はそう甘くはなかった。
優しい伯父さんがタクシー会社を引き継ぎ、生きるのに支障はなかったけれど、
何にでもなれる訳ではなかったのです。
長男(鈴木亮平)は自分に流れる父親の狂気と母親の殺人犯の血に、困惑を感じて未だに吃音に悩んでいる。
次男(佐藤健)はエロ雑誌のライターで、いつか小説家になりたいと思っているが、
15年前の「殺人者は聖母か?」と、こはるを書いた記事の呪縛から逃れられずにいる。
長女(松岡茉優)はいじめで美容師を諦めて、自堕落な日々を送っている。
ともかく3人とも屈折した人生を送っているのです。
刑期を終えて、その後、沖縄、北海道で働いていた母親・こはるが帰って来た。
案外あっけらかんと、そして起こる事件のエピソードがいちいち笑えて、
子供たちを過去からの呪縛から解いて行く。
エロ本万引き・・・
タクシー無線の公開説教・・・
悩める元ヤクザの新人ドライバー(佐々木蔵之介)との、カーチェイス・・・
重い内容なのにエンタメになっております。
監督は白石和哉。原作は劇作家の桑原裕子の舞台とのことです。
後味の爽やかな映画で、とても良かったです。
価値観の違いの悲哀さ
投稿日
2020/06/26
レビュアー
Jigsawkiller
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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うーん、これは想像以上に奥深いというか考えさせられる…考えなければいけない内容。
典型的な「オレ様主義」の父親に日々耐え難いDVを受け、なすすべもない長男、次男、長女。DVの過激さは回想シーンによって垣間見る事となりますが、本当に酷い。実際いるんだろうなーと痛感。
いわゆる「毒親」
田中裕子演じる母親であり妻のこはるはそんな父親であり夫の姿をどう見てきたのかがオープニングですぐに解ります。
土砂降りの雨の中、とある小さなタクシー会社。
何やら喚き散らす男を無情にタクシーで轢き殺す。
それが夫と妻こはるが生きながらに対面した最後。もう意気消沈し尽くしたのかほとんど無表情で彼女はまだ幼さの残る子供達に告げます。
「たった今お父さんを殺した。貴方達はもう苦しまなくていいの。自由に、好きに生きていいの。もう誰も貴方達を殴ったりしないから」
そして母は「ほとぼりが冷める15年後に絶対戻ってくる」と言い残し罪を償うべく家を後に。
そして時は流れ、子供達も成長した15年後のある日、母親は本当に戻って来ます。白髪となり老いを隠せない容姿で。
反面、言動は何も変わらない母を前に成長した子供達は狼狽え、接し方に戸惑う。
以後、母親と子供達の考え方の違い、想定外の現実が浮き彫りにされていき、「人間」の様々な矛盾と苦悩を鑑賞者に次々とぶつけて来ます。
クズな父親を殺める事で、子供達は救われ怯えず幸せに、自由に生きていけると信じた母。
そんな母のせいで世間から誹謗中傷され続け、様々な非難の中で成長してきた子供達。
「子供達の幸せと自由」を望んだ母親は、逆に子供達から幸せと自由を奪っていた事に後半気付く事に。
「親父が生きていた方がましだった。暴力に耐えればそれでよかったから」
その言葉が印象的でした。
必ずしも良かれと思って行った事が開花する訳ではない矛盾さ。
クライマックス、従業員として働いていた佐々木蔵之介演じる元ヤクザの父親と、佐藤健演じる次男の他人同士ながら切ない本音のぶつけ合いが最も深く残りました。
ぶっちゃけユーモアも混じりはするものの本当に暗く重いストーリー。
普通のヒューマンドラマを思い描くなら観るのはおすすめしません。
でもこれは秀作です。
ヘタクソな今時アイドルや役者を使わず、ほとんど実力派のみでキャストを固めた事も大正解。
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