皇帝ペンギン　ただいま

南極という過酷な環境に生きる皇帝ペンギンの
親子の絆に焦点をあてたドキュメンタリーの第2弾。
第1弾を見たときは、気高いペンギンたちの生きざまに思わず涙が出ました。
なのでとても楽しみにしていた第2弾です。
第1弾のときは、フランス語のナレーション（セリフ？）で見ましたが
今回はあえて日本語のナレーションで見てみました。
草刈正雄さんの落ち着いた語り口が、とても良かったです。

メスは卵を産むとオスにその卵を受け渡し
エサを取りに海へと向かいます。
氷ついた大地はつるつるとしていて
卵の受け渡しは、ややもするとコロコロと転がってしまいそうになるのを
くちばしで必死に抑えて、
自分の又下の温かい羽毛の中に卵を包み込んでいく皇帝ペンギンの父親。
そして大事に大事に育て、なんと父親は4か月も何も食べずに卵を守りぬくのだそうです。
やがて生まれてきた小さなヒナの愛らしいこと。
産毛に包まれたヒナを母親に任せ
今度は父親が何十キロも離れた遠くの海に餌を求めて旅立つのです。
夫婦で力を合わせて、必死に子供を守りぬこうとするその姿は
なんと神々しく気高い生き物なのだろうか、と改めて感動しました。
もっと海の近くで卵を産めばいいのに、と思いますが
そこは子供たちには危険がいっぱいの海辺。
これが天敵から我が子を守るための彼らの秘策なのでしょう。
極寒の日には、重なり合うように身を寄せて寒さをしのぐ彼ら。
その黒く猫背の後ろ姿には哀愁すら漂ってきます。
そして餌場の海を目指して、よちよち歩きで行進するその姿は
健気で力強く、逞しくもあります。
海ではその能力を発揮する彼らも陸ではヨチヨチ。
海と陸の両方で暮らす彼らに、何故神様はもっと歩きやすい脚を与えて上げなかったのでしょうか？
でも、そんなことはどこ吹く風。
家族のために、お父さんは氷の大地をひたすら進むのです。

そしてやがてくる別れのとき、子供の巣立ちです。
まず母が去り、そして父が去り、残された子供たちは集団で初めての海を目指して行くのです。
誰かに教えてもらったわけではないのに
はるか昔から繰り広げられていたペンギンたちの行動には
ただただ感動しかありません。

人間の親は、我が子を平気で傷つけ、壊してしまう人がいるのに
このペンギンたちの我が子への深い愛情たるや
人は見習うべきだと思いました。

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とにかく皇帝ペンギンのオスが哀しい程にいじらしく卵とヒナを守り続ける。
大きな卵を産み落としたメスはその卵をオスの元に預け、海へエサ取りに出掛ける。イヤ、出掛けるのでは無くて、帰ると言った方がイイだろうか。陸上では亀の様に歩が遅いペンギンも海中では魚以上のスピードで泳ぎ、潮にその身を任せる。
私達が「皇帝陛下」と言ってその前にひざまずきそうになるのは絶対に海中での皇帝陛下だ。そう思った。
海から陸上に上がる時、もれなく腹打ちで上がって来る（痛そう　．．．）そして海に戻る時も大半が腹打ちでかえって行く。これも痛そうではあるが、陸上に上がる時ほどでは無さそう。

後は、ヒナが超可愛い。今回主役にもなってるヒナは鳴き声までが愛らしい。自分が親だったら絶対に一鳴きしてくれれば場所が分かる。そのせいかどうか分らないが、このヒナがデッカく育つ。人間で言うとデブというものかもしれない。親鳥が母も父もせっせとエサを運ぶが、それでも追い付かない位にエサをねだる。
大きく育ってもヒナは可愛い。グレーの産毛が抜けていって段々とボロ雑巾の様になっても鳴き声がまだヒナの声の間は愛らしいと思える。きっと再び繁殖に親として戻って来る頃には低温の大人の声に変わっているだろう。最後にヒナが初めて海に入るのを躊躇して数日経つ頃、海から軽快に上がって来たアデリーペンギンが自分等より倍以上も大きな皇帝ペンギンのヒナにちょっかいを出してるのを見て何故だかイラッとしてしまった。