フォックスキャッチャー

1996年にアメリカで起こったデュポン財閥の御曹司ジョン・デュポンによるレスリング五輪金メダリスト射殺事件を映画化。

１９８４年の金メダリストであるレスリング選手マーク（チャニンググ・テイタム）は、大財閥の御曹司ジョン・デュポン（ステーブ・カレル）からレスリングチームの参加を要請されて快諾。デュポン邸に移り住み、特訓を始めるものの、デュポンの度重なる突飛な行動にいつしか心を乱され、同じ金メダルの兄を巻き込み、悲劇へと突き進んでいきます。

派手さはないですが、心理描写がとても興味深く、終始重苦しい雰囲気に包まれます。
富や名声、孤独で繋がった大富豪とメダリスト兄弟の病的な心理模様が面白いです。
ジョンは、生まれながらに莫大な富と権力を手にしているものの、母親の愛情が得られず、愛されたいのに愛されない苛立ちが見て取れます。彼の歪んだ性格は、母親との確執が根底にあるのかもしれません。
だからこそ、妻子と幸せな家庭を築き健全で常識的な兄デイヴは、ジョンにはないものを全て持っていて、嫉妬に襲われたのでしょう。
デイヴが加わることで、さらに息の詰まるような狂気が増していったような気がします。
付け鼻を用いてジョンを演じたスティーヴ・カレルの内面に秘める狂気が凄かったです。

1976年のデイヴ・シュルツ(レスリング選手・金メダリスト)
殺人事件を題材とした実話だそうです。

中心人物が大富富豪のジョン・デュポン。
日本でいえば、三井・三菱・住友・・・みたいな、3大財閥。
ロックフェラー・メロン・デュポンの１つデュポン財閥の相続人のジョン・デュポンその人が、主人公。

ジョンを演じたスティーヴ・カレルの名演技が高い評価だそうです。
ジョンに生き写しだとか・・・。

財閥の相続人の大金持の事件なら、連日、ニュース・ショーで報道されたことでしょう！

「ビッグ・アイズ」「デビルズ・ノット」そして本作「フォックス・キャッチャー」
アメリカの実話であり事件ですが、アメリカ人なら、「デビルズ・ノット」は法廷に始めてカメラの入った事件・・・だというし、
この「フォックス・キャッチャー」は大富豪の事件です。
どんなにかセンセーショナルに報じられ耳に目に焼き付いていることでしょう！

スティーヴ・カレルも大変な人気者のコメディアン(ほとんど知りませんが)だそうです。チャニング・テイタムは似合わな役柄で、精彩も魅力もありません。
日本人の多くにとって、面白みの無い、興味の持てない映画だと思います。

暗い、重い、陰湿な、鬱陶しい、重苦しい、憂鬱な、陰気くさい・・
そんな形容詞を全部ぶちまけたくなるほどの暗い映画。
オリンピックチャンピョンを目指すレスラーの話なれど、
スポコンもののような爽やかな感動とは遠くかけ離れた内容です。
それも、そのはず、実際にアメリカで起こった事実を元に作られたお話。
超大金持ちだけど、孤独で独善的な男ジョン・デュポンをコメディ俳優のスティーブ・カレルが怪演。
最初、あれ？顔がへん、この人顔変わっちゃったの？それに凄い老けちゃって、体もなんだかぶよぶよ・・って思ったら、本人に似せるために特殊メイクをしていたそうです。
本物のジョン・デュポンとやらの顔を知らないけど、相当にそっくりらしいですよ。
チャニング・テイタムもマーク・ラファロも、本物のレスラーにしか見えないし！
役づくりは完璧です。
この事件のことは全く無知だった私は、最後の結末には驚きました。
お金が余るほどあっても、愛の無い生活は、どこかで精神が病んでしまうっていうことですね。
ジョン・デュポンにとって、自分を理解し、本当に愛して欲しかったのは母親だったのでしょう。
チャニング演じるマークにしても、かつてオリンピックで金メダルを取りながらも、その栄光だけでは生活は成り立たず、自分に手を差し伸べてくれたジョン・デュポンを次第に父親のように慕っていきます。
ジョンに冷たくされたことで、すねた様になるマークもどこか異様な感じがしました。

とにかく重苦しい映画なので、気持ちが落ち込むようになること請け合いです（笑）

暗い映画。面白いところはない。頭のおかしい富豪を演じたコメディアンの演技が高い評価を得たようだが、それが面白味につながっているかというと、そうなっていない。たしかに精神が未熟なまま大人になってしまったワガママオヤジは非常に不気味であり、いかにも事件を起こしそうなのだが、これはホラー映画ではないし、ただ不快なだけ。
ただ、思った。
アメリカみたいに毎回のオリンピックで金メダリストが４０人以上も出る国では、金メダルの価値はかなり低いということ。金メダルをとっただけではスターにはなれず、世の中に埋もれて嫁もあたらない、というような選手がいくらでもいるようなのだ。世界の最高峰をきわめても不遇なまま暮らす人がいることに軽くカルチュアショックを受けた。

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　レスリング大好き大金持ちがソウル五輪金メダルを目指して、レスラーを集めて育てようとするけど何だか重苦しい展開になって行く話。

　モノトーン風の薄暗い映像が全編にわたって支配していて、金メダリストのレスラーをスカウトして広大な自宅を提供してオリンピックを目指してレスリングチームを作っていく。
　冒頭のレスラーの日常が寂しげで、そこに御曹司からスカウトされてトレーニングを積んでいく。
　この御曹司がどこか世間とはズレていて、なんか不気味な存在な異物感が怖かったです。

　雰囲気は怖いし役者さんたちのお芝居も素晴らしい映画だと思いますが、事件に発展するまでの嫉妬や愛憎みたいなのがよくわからず、結局この話は一体何だったんだろう?　と不完全燃焼な気持ちになってしまう映画でした。
　全編が静かに進む130分で引っ張るのは凄いと思いますが、レスラー兄弟と彼らに対してどんな気持ちだったのかをもう少しわかりやすく掘り下げてほしいと個人的に思ってしまう映画でした。