カルロス 第1部 野望篇

カルロス 第1部 野望篇の画像・ジャケット写真
カルロス 第1部 野望篇 / エドガー・ラミレス
全体の平均評価点:
(5点満点)
累計評価件数:

2

  • DVD
  • シリーズ
ジャンル:

「カルロス 第1部 野望篇」 の解説・あらすじ・ストーリー

『クリーン』のオリヴィエ・アサイヤス監督が、伝説のテロリスト、イリッチ・ラミレス・サンチェス(通称カルロス)の半生を史実や報道を元に描く3部作の第1部。暗号名・カルロスを名乗り、プロのテロリストにのし上がっていく過程を描く。

「カルロス 第1部 野望篇」 の作品情報

製作年: 2010年
製作国: フランス/ドイツ
原題: CARLOS

「カルロス 第1部 野望篇」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

カルロス 第1部 野望篇の詳細

  • 旧作
収録時間: 字幕: 音声:
101分 日本語 1:ドルビーデジタル/ステレオ/フランス語
レイティング: 記番: レンタル開始日:
R-18 DABR4370 2013年04月26日
在庫枚数 1位登録者: 2位登録者:
14枚 0人 0人

関連作品

ユーザーレビュー:2件

入力内容に誤りがあります。

内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。

  • 入力内容に誤りがあります。

この作品に関するあなたの感想や意見を書いてみませんか?

1〜 2件 / 全2件

渾身のテロリズムクロニクル

投稿日:2013/06/23 レビュアー:TETSUYA

テロリストの側から描いた二十世紀・鉛の時代の総括。三部作計5時間半。
下手なバイオレンスアクション真っ青な娯楽エンタメ的な痛快で冴え渡りまくるショット、切れまくる小気味よい編集と斬新な選曲で華麗に幕開けて疾走する第一部。栄光に駆け上がる主人公とその終わりの始まりを緊迫ある映像でシビアに描く第二部。ゆるやかに下降線を辿り、ゆっくりと終わってゆく様を丹念に且つ冷徹な眼差しで綴り、アンチクライマックスに描ききった第三部。
実在した人物、事件を史実と綿密な取材に基づいてリアルに再現していながら、徹底的にどこまでも映画的に展開してみせるダイナミズム。「伝説のテロリストの栄光と挫折」という、下手すると紋切り型のB級アクションや凡庸な人間ドラマに陥りかねない題材を、時代性を敢えて無視した選曲、各作毎に異なるテンポ・トーンでまとめた編集、多面的に掘り下げた人物像で、見事なまでに普遍的な物語性を持つフィクションとして着地させてみせた監督オリヴィエ・アサイヤスの天才の爆発。
当時の時代背景を知る人も知らない人もすぐに入り込めてしまう映像の切り口。テロリストサイドから眺めていながら、あくまでもテロリズムの無意味さやテロ行為に対する怒り、否定といったテーマを通底させ、彼等を決して美化していないのに、それでもなおかつ体温のある魅力的なキャラクターとして登場させてみせる語り口など、作品の持つ素晴らしさと興奮を朝まで語り尽くせるほどの、丸一日を棒に振っても観賞するに値する傑作。

このレビューは気に入りましたか? はい 3人の会員が気に入ったと投稿しています

このレビュアーをお気に入りへ登録する このレビューへコメントする

稀代のテロリスト

投稿日:2013/05/19 レビュアー:よふかし

 オリヴィエ・アサイヤスの5時間30分の大作。もとはテレビのミニシリーズとして企画が出発したそうだが、スケールアップとともに三部作の映画として劇場公開された。日本での初上映は2011年の映画祭だったが、これは前年のカンヌで上映された再編集版で、2時間45分バージョン。半分しか上映時間がなかったので、たとえば、この第一部に登場する日本赤軍のハーグ仏大使館襲撃事件(1974.9)などはバッサリ削られていたし、人物関係も錯綜して分かりにくいダイジェスト版だった。面白いことは面白いのだが、大事件重視の構成になっていたため、印象はドイツ赤軍を追った『バーダー・マインホフ』と近く、アサイヤスらしさは薄いような感想を持った。
 だが三部作――完全版はもちろんはるかにダイジェスト版より面白かった。僕はダラダラ長い映画は嫌いで、どちらかというとキリリとまとまった短い映画が好きだが、この作品の場合、上映時間が長いというのは、それだけ意味がある。
「現代のテロリズムを内部から描く」というのがアサイヤスの狙いの一つだったという。極力事実に根差しつつ、当時のニュースフィルムも挿入しながら謎の多いカルロスの半生を追う。
 第一部はPFLP(パレスチナ解放人民戦線)のコマンドとして登場したカルロスが、親イスラエルのマークス&スペンサー社長を単独で襲撃、ハーグ仏大使館襲撃事件・オルリー空港襲撃(あまりにも大胆なロケット・ランチャーでのイスラエル機攻撃にびっくり)での後方支援を行い、トゥーリエ街でのDST(フランス内務省の情報機関)捜査官3名殺害を経て名をあげ、著名なテロリストとしてマスコミと各国情報機関に追われる存在になり、第二部のメインとなるOPEC総会襲撃事件(1975.12)に出発するまでを描く。
 史実的には日本赤軍・ドイツRZ(革命細胞)などとPFLPの連携がリアルで面白い(テルアヴィブ空港襲撃の恩を返すためにカルロスは日本赤軍のハーグ襲撃を支援するのだ)。また政治的に動くPFLP幹部と一兵士のカルロスの違いもまた興味を引く。第一部の終盤にはOPEC総会襲撃の真の狙いは石油価格の引き上げであり、その黒幕がイラクのサダム・フセインであることが描かれている。
 『レディ・アサシン』や『デーモン・ラヴァー』でアサイヤスのアクション映画への傾倒は見て取れたが、いずれもアクションを撮るための物語の構築に苦労しているようにも思えた。しかし実在のテロリストを扱った本作では、アクションは必然だ。トゥーリエ街での殺害事件のじりじりとしたサスペンス、暴発するようなバイオレンスは第一部のクライマックスといってもいいだろう。のん気に歌う学生たち、ひとりその時に備えるカルロス、4人を殺した後一度出て行ったカルロスが引き返してきて裏切り者の顔面に銃弾を打ち込むまで、このシークエンスの演出は実に素晴らしい。
 時代と事件を再現したセットや撮影、車やファッションなどの美術面もいい。よくここまで70年代を再現できたと思う。
 面白いのは人物の描き方だ。ベネズエラ生まれのカルロスの過去についての描写はほとんどない。その革命への信条をレストランで愛人と長々と議論するシーンもあるにはあるのだが、カルロスには中身がまったく感じられない。語れば語るほど、彼が革命を信じていないように見えてくるのだった(このシーンは出色で、レストランのオレンジ色の照明のもと、バーから席に案内され酒や料理が並ぶ間の言い争いはまるで恋愛映画のように撮られていると思う)。
 シャワーシーンや煙草を吸うシーンなど、アクション映画的でない日常に根差した肉体の動きが、稀代のテロリストを皮膚感覚とともに立ち上げている。80点。

このレビューは気に入りましたか? はい 2人の会員が気に入ったと投稿しています

このレビュアーをお気に入りへ登録する このレビューへコメントする

1〜 2件 / 全2件

カルロス 第1部 野望篇