ホステル

この映画は純粋なホラーやスプラッター映画を目指していないことは確か。グロさ、痛さ、またそのリアルさと言う点で『テキサス・チェーンソー』などのほうが断然上。むしろそのあたりは敢えて抑え気味に演出しているのかなと言うのが印象。ではこの映画の狙いはどこにあるのか。私は人間に潜む狂気、それが集団になった時にさらにその狂気がエスカレートする様を描いたクライム・サスペンスだと思うのです。ホラーとは一種の御伽噺だと思います。でもこの作品は実はそうした御伽噺の世界では無く、現実に起こりえる設定になっています。ですからこの映画にリアリティーを感じ、そのことに恐怖を覚える方も多いのでしょう。
この映画で本当に怖いのは一見普通に見える人々の中に潜む狂気なのです。町の人々、そしてこの町に通いつめる一見やさしげな老紳士、町の子供達。最後には主人公までも狂気へと突っ走っていきます。この町にある拷問博物館も昔から人間には狂気が潜んでいるということの暗示ではないでしょうか。

ホラーと言うジャンルに囚われてこの映画を評価してしまうと、この映画の本質を見誤ってしまうような気がします。是非先入観を捨ててご覧ください。

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Eli Roth監督の前作「キャビン・フィーバー」は(悪く言えば)往年のホラーのパクリ満載で、オリジナリティが乏しく、劇場公開時の評価は芳しくなかった。しかし(よく言えば)ホラー映画ファンのコア度が高ければ高い程、監督の才気が理解できる不思議な作品でも有った。私の評価は後者ですが、例えばJohn Boorman監督の「脱出」のテイストを感じた方も居たのでは？と思う。新作の今回も我らがアジアン・テイストのホラーを織り交ぜながら、再び面白い作品を作ってくれた。制作にはQuentin Tarantinoも参加してるが、うーん、それも納得の出来。映画の(特にホラーの)文法を巧みに打ち破る、ハイ・レベルな映画と言えば褒め過ぎか？。本作のキーワードは「わざと外す」ですが、例えば「コイツは生き残るな」と言う定番の演出を示唆した上で、意表をついた形で死んでしまう。それは死ぬ人、死ぬ場所、死ぬ展開のどれもが「わざと外す」演出なので、ホラー映画のルールに則って見てる人ほど、このトリックに引っ掛かり易い。しかし趣味の悪い事に(それが良いのだが)、前半は主人公のおバカ達に共感する様に、グイグイ観客を落とし込む演出も忘れてない。まあ男だったら・・・ね的な要素も満載だが、それが後半には落とし穴になる展開は、いい意味でこの監督は普通じゃないと気がつく。本作も前作同様に俳優の知名度に全く頼っていない。予算は有った筈だが、サプライズは監督の強い意向で「三池崇史」が出演してる程度(つまり監督も製作のタラちゃん同様に日本映画大好きなのだ)。今回もオマージュ節は健在で例えば、拷問は「ギニーピッグ」、報復は「オールナイトロング」を髣髴とさせるのも中々。監督の遊び心が満載の本作ですが、一方でホラーとしては珍しいシネスコだったりと大真面目に作ってる点もGood。また海外へ一人旅の経験がお有りの方は、別な意味で本作の恐怖感がお分かり頂けると思う、私もインドへ一人旅に行って大変な目に遭った事を思い出した(汗)。エンド・ロールで「本作で登場するのは架空の・・・」なんて但し書きが出てくるが、そりゃ〜スロヴァキアから抗議のお電話が殺到するだろうよ普通、こんな描き方したらね(笑)。だって内戦後で男が少ない、だから女は抱き放題(凄い設定だな、いいけどネ)を鵜呑みにする大バカ野郎達。まあ普通の感覚の人なら内戦後は警察もロクに機能しないから治安も最悪と気がつくだろう、けどね(笑)。見た目はグロさ程々、血も程々でソレを期待なさる方にはご不満だろうが、それも計算の内。本作はR-18指定の枠を上手く活かした、被虐と加虐が絶妙なバランスの作品で、新ジャンル「サディスティック・スリラー」の幕が遂に切って落とされる・・・。

早くも続編が制作され(Hostel Part�U)此方も大いに楽しみ。更にスティーヴン・キング原作で携帯電話を媒介に増殖するゾンビ映画「Cell」も控えてる。その後もリチャード・マシスン原作「The Box」と、監督もハリウッドで超売れっ子のご様子ですな。

あえて名前は伏せますが．．．さんのレビューは、マナー違反ですよ。米ホラー「．．．．の狂宴」のときも登場人物がどのように殺されるか、詳しく書いていて、たくさんの人が、ガッカリしたはずです。今回も重要なシナリオの、なかオチまで書いてるし。どうしてネタバレ表示しないんですか？ツタヤさんは、全くチェックしてないんですね。ホラー映画に限らず、ミステリーでもスリラーでもサスペンスでも、ストーリー展開をハラハラ・ドキドキしながら見る娯楽作品なんです。これからレンタルする人のこともよーく考えてレビューしましょう。　　　　　　　　　で、この作品の感想ですが、一緒にレンタルした「ソウ３」の方がグロかったかな。痛さは、「ホステル」の方がかなり伝わってきますが．．．．旧ソ連の国って今でも秘密警察の名残がありそうとかマフィヤは日本のヤクザよりメチャ残酷で非道とか、そんなイメージがあるから余計に不気味な雰囲気を醸し出してるよね。序盤は、バカエロだけど後半は、スリル満点。オチもいいし。ぜひ見てくださいな。　

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今更言うまでもないが、これはガチ恐ろしい凄い映画だ。

東欧独特の不気味な雰囲気。混浴温泉とか言って魅力たっぷりのオープニング。しかし恐ろしい映画である。世界中のサディスティックな富豪が拷問殺人を趣味で楽しむ。裏を返せば金持ちの権力や支配力とその汎用だ。金持ち拷問同好会に生贄を提供する安宿。もしかしたら実際にあるかも知れないと思わせるリアリティ。目玉をえぐられ発狂している日本人犠牲者も描く。

本作が全世界で大ヒットし今やホラー映画を代表する監督となったイーライロス。ホラーマニアのこの作り手は観客が何を望んでいるのか知り尽くしている。だからこんなＲ−１８映画が作れるのだ。本作は「暴行列車」や日本の「自殺サークル」に「バトルロワイアル」と韓国の「復讐者に憐れみを」に非常に影響を受けた作品らしい。だから三池監督にも本作にカメオ出演して貰っている。そして、本作公開後にパクリ映画が続出・量産される姿は・・非常にブザマだ。

人々の、心に潜む・妄想する・夢で見る“残忍さ”を本当に良く表現したんだと思います。
それで今回改めて再度鑑賞したヒマな私も、サディスティックらしい、フッ・・

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私としては、入門編として調度良かったかもしれません。
JUCE様のレビューにあるように純粋なホラーやスプラッターでは
無いのでしょう。小心者の私でも、目を背けずに見ていられ
ました。
　物語の冒頭の展開を見ながら、「ぜひ、スロバキアに行って
見たい！」と思ったのは、私だけでは無いはずです。でも、
こんなうまい話がある訳ゃない。絶対なんか落とし穴がある
よな、とかみさんと言っていたら、神隠しですか？
　物語の舞台がスロバキアということで、あまりなじみが無い分
ミステリアスというか、突飛な設定にも違和感を持たせないと
いう効果がありますね。
　エロさはそこそこ。グロさに関して言えば、まるさんには
全く持って物足りないんでしょうね。

　あちらの映画でよくあるんですが、日本人の設定に中国系の
役者さんを据えるのってどうなんでしょう。日本の役者の演技
力は、使えないと過小評価されているようで、不満・・。
　もちろん日本人が見ると、変なイントネーションで話す変な
日本人なので、違和感ありありです。

　タランティーノらしいと言えば、そう言える作品ですが、
スプラッターの部分はどうかな？カナの飛び出た眼球なんかに
してもちょっとリアリティが無いですよね。
（って、実際そんな物見たことがないから、想像の範囲での
リアリティ）電車に飛び込んだ時の描写も今ひとつ。なんで
そんな気持ちになるのか、よくわからんです。
　エンディング近くの展開はご都合主義的に飛ばしすぎですね。
痛快と言えば痛快ですが、会員のおっさんにあそこまでする
必要はないでしょう？パクストンも狂気に支配されてしまった
というシークエンスですか？

　一番怖いのは、大した根拠が無くても、犯罪やリンチが
できてしまうリトル・ギャングでしょうか。スロバキアは
知りませんが、東欧社会主義国では、今でも貧困から、公務員
がワイロをもらったりするのはよくあるし、そう言うところに
つけこんでマフィアがかなり力を持っている場所もあると
聞きます。そして、予備軍のリトル・ギャングも・・。
　そんなことを聞くと、この物語のような「会員制国立拷問・
虐殺倶楽部」なんてものがあっても不思議じゃないのかも・・。
　東欧ではないですけど、タイだかベトナムだかで金を払えば
拷問・殺人ができるらしいという話を聞いたことがあります。

　三池崇史の名前をエンドロールのVerry Spesial Thanks に
見つけましたけど、どこに出てたんでしょう。
わからなかった・・。

　勝王様、スロバキアの女性は綺麗で親切だけど身持ちは
固かったですか。それは残念・・・。でも、とりあえず
口説いては見たんですね？