夏物語

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軍事政権が、独裁を強める中、
ノンポリ(普通の学生)で、何も考えていない若者が、
村で疎外されながらも、けなげに明るく生きている娘に出会い、
学生運動に巻き込まれて、北のスパイではないかと嫌疑をかけられて改めて、自分の生き方を考えるようになったソギョン「イ・ビョンホン」。
彼女に生涯の愛を見出したソギョンが、自らを守るために、彼女との縁を切る。
裏切りともいえるこの行為が、ソギョンを苦しめ続ける。
自分の未熟さを、生涯悔やむ事になるソギョンの心情は、痛々しく、とても辛いものがあります。
しかし、前半は、ひのきの香りに誘われて森に足を踏み入れるシーンは、こちらまで木の香りがしてきそうな趣があり、
この森に、足を踏み入れた事が、運命の出会いの始まりであり、長い年月の後に、再び導いてくれるキーワードとなり、なかなかの演出です。
前半は、結構笑えるシーンも多く、ウイットに富んでいましたが、
軍事政権で引き裂かれる後半は、まさに明暗を分けています。
この落差が、すっかり、私の心を捉えてしまいました。
相手を思うが故に、自分が苦しむ選択は、とても切なく、
きっと、思い続ける事を糧に、生きて来た人生ではなかったかなぁ〜と。
人生で、一番輝きを放ったあの夏の光が心を照らす・・・
そんな作品です。

１００を超える出演オファーのシナリオからイ・ビョンホンが選んだ本作品はきれいな、きれいな純愛ストーリーです。
相手役はイ・ビョンホンが自ら推薦したとされるスエ。
はるか大先輩を向こうに回して、一歩も引けをとらぬ演技を見せてくれます。

前半はソギョンがボランティアで訪れた農村で身寄りの無いジョンインと出逢い、二人の気持ちを確かめ合うまでの経過が、長閑な人々や緑多い風景のなかで展開されます。
後半は、うって変わってその時の政治情勢に翻弄される二人。
それはジョンインの生い立ちにも関係するのですが・・・
その時の二人の演技が素晴らしい。
胸を締め付けられる思いでした。

ラストは熱い涙が頬をつたうことでしょう。

韓国でも日本でも興行成績は今ひとつということでしたが、
絶対に、観て損はないです。

製品版DVDは、思いっきり韓国四天王のひとり、イ・ビョンホンのお顔ジャケット。
この映画のウリは、ズバリ「韓流人気スター恋愛映画」（でしょう）。
しかし、劇場公開時の評価がとても良かった「積んどくビデオ」の中から、今の季節「夏」を感じたいタイトルに惹かれて観てみました。
ちなみに、私の「積んどくビデオ」は、劇場公開時のMovieWalkerユーザー（5段階）評価中、最高評価ランク5が50%を越えた作品を基準にWOWOW録画作品を中心に観ていてます。（正直、DISCAS[Mプラン]場合、WOWOWの方が、劇場で見逃した人気映画を先に観れる確立が高い）
で、この作品は、ナント、その劇場公開時の観客評価ランク5の投票数が「72%」の高評価作品でした。
（イ・ビョンホンのファン投票が多かったとも思いますが…）

で、私が観た結果も高評価、納得の良作でした。
（ほほえましい前半に自分もニッコリ、後半は涙がホホをの良作）

冒頭、大学生たちが駅舎から通り抜けるとカメラが上昇し、駅舎の向こう側＝いなかの風景（スネリ村）を映し出す。
（おっ、この村でこれからどんなことが…の期待のカメラワーク）

で、この映画は、起承転結のしっかりしたドラマですね。
前半[起承]までの恋愛ドラマは、例えるなら、昔の邦画スター映画「原作・石坂洋次／主演・石原裕次郎」の映画に似ている、イ・ビョンホンさまの「スター映画」かなぁと…。
（都会派おぼっちゃまでありながら反体制っぽさがカッコイイ…単純に、それからの連想…古すぎ？）

ところが、後半[転]の急転…。
少しネタバレになりますが、TVの前で、アポロ11号の月面着陸を村人みんなで見るシーンがあります。これで、初めて時代設定が1969年の夏であることがわかります。（上手い演出です）
たかだか三十数年前、お隣の国、朝鮮半島では、揺れる民主主義（南） vs 夢想社会主義（北）の時代で緊迫状態が続いていたんですね。
（韓国の軍事独裁政権の時代背景は『大統領の理髪師』を観ると、よくわかります。この作品も、良作）
時代背景を明確にしておいて、ほのぼの恋愛映画から「人生を賭けた純愛」映画に一気に転換。ドラマを時代の事件で語る単純な脚本なのですが、ここから、一気に引き込まれました。単純にみせかけての[転]の中に、さらに[転]がある脚本…。

そして、ラストでテーマを観せる[結]。
ジョンイン役のスエが、インタビューで言ってました。
「ジョンインを女性として見た場合、すごく幸せだった」と。
私も、同感です。
（それが、この映画のテーマと感じたから）
私が感じたテーマは「自分との同一化」の愛。
臨床心理学者の言葉を借りると「超越に触れる愛」。
この愛は、宗教の愛よりも強い愛で、満ち足りた本当の「幸福」を手にすることができるそうです。
（↑全く同じ事を、不倫映画と評されている名作映画のレビューで書きました）
私は、きっと、このテーマ（自分との同一化から超越に触れる愛）の映画を求め続けています。

チョ・グンシク監督は、本作が、まだ2作目で演出・演技も二人のアドリブに頼ったようです。なので、監督としては「韓流映画」得意の人気スター俳優の恋愛モノを撮ろうとしただけ…かもしれないと思えます。（だから、脚本も粗い）
それでも、その脚本が、意図せずに「超越に触れる愛」を描いていたラストになっています。

なので、私、この作品はテーマの良さで感動できてしまったのです。
（テーマ「超越に触れる愛」はネタバレなのでコメント欄記載）

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普段韓流にまったく興味のない私。
なので、まったく期待することなく、何気なく観てみたのですが、とても良かったです。

恋するふたりがとにかくキレイで、もどかしくって、涙が出ました。

イ・ビョンホンの老け役（青年期と老年期を演じてます）は、ちょっと笑ってしまいましたが、これが韓国ナンバー１俳優の理由かぁと、彼の男性的魅力をはじめて知ることができました。笑顔が素敵です。
あと、スエの儚げで健気でノスタルジックな気持ちにさせるカンジ、今の日本の女優さんで、こんなピュアさを出せる人はいないです！ハリウッドしかり！
アジアン・ビューティーは、こうでなきゃ。。

映画を観に行きましたよ！！
イ・ビョンホンが６０歳のおじいさんからの始まりです。衝撃的でした。
独身を貫いている、元大学教授、ユンソギョンの懐かしく切ない恋物語ある日、ソギョンの元に、テレビ局の人が訪れて、昔別れた彼女を探そう企画をしようと持ちかける。そして許可をもらい、探そうとする。

大学紛争の時代に戻る！！大学の仲間とやってきた田舎で彼女と出会うのだった。楽しい日々を過ごすのだった。
彼女を連れてソウルへもどるが、「此処で待ってて」と言って立ち去るソギョン。学内ではぐれてしまう。警察に拘束された二人だったが、愛するソギョンの為に、関係を否定する。
そして二度目も待たされる彼女は、不安だった。ソギョンと会えなくなる。時代が、悲劇を生んでしまったように思います。
夏の切ない恋物語である
ソギョンは、苦しみながら、彼女への思いを引きずっているのでした。
イ・ビョンホンさんがあそこまで、老け役やるとは、さすがです。
スエさん可愛いです。