ニューヨーク・ドール

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何故　ドールスのアーサー・キラー・ケインの主演かな　と思っって興味を持ったんだけど　いやあいいおじさんでしたアーサーは　さてニューヨーク・ドールスはギンギンの化粧のグラムロックのはしりなんだけど　のちのジャパンの美形お化粧バンドとはどうも違ってたんだけど（同じデヴィッドでも美女と猿くらい違うもんね）　メール・プロステチュート（男娼）のノリでやってたんだ　ちょいわからなかったな　孤立してしまうわけだ

当時をボブ・ゲルドフいわく「アホなヘヴィメタが幅を利かせて　それにクズみたいなプログレが退屈で・・」　ほとんどメル・ギブソンと見分けがつかなくなってしまったモリッシーは「７３年頃世の中は暗くよどんでいて　ポピュラー音楽に危険な刺激など一切なかった」　そこに現われたドールスの斬新な魅力を称揚するのですがその通り　パンクが世界を一新するまで　７０年代ロックなんて退屈の極みだったんだよ　良い子のみなさん　ボクが何度も言ってる様に　ヘヴィメタやプログレが悪い音楽だっていうんじゃないの　それは趣味的な音楽ロックなんだよ　世界を変貌させたりしやしないんだ　ニューヨーク・ドールスにはその変革の予兆が確実に存在してたのね　耳は敏感にしようね

さてと　これからアーサーの話　メンバーの中ででかくてベースを弾いてる　ロック一筋融通のいたって利かないのが　アーサー　つぶしのきかない彼は何をやってもうまくいかず　他のコピーバンドが稼ぎまくるのに腹をたてても　自分ではどうにも出来ない　ただドールスの再結成を夢見るばかり　あるときＴＶを見てたら「三人のゴースト」に元ヴォーカルのデヴィッド・ヨハンセンがうすら馬鹿ずらの　タクシーの運ちゃん役をやってるのに　ショックを受け　女房をぶん殴って　そのまま三階の自宅の窓から飛び降りてしまう　幸い命は取り留めるも障害者に　その保険でいまのアパート代を払うというわびし〜い人生も　突然宗教に目覚めモルモン教に　教会の図書館のようなとこでコピー用紙の交換などの雑用で３０年　貧しく神の加護の元の平穏な人生

そこにザ・スミスの先述のモリッシーからロック・コンサートでのドールス再結成の話が打診される　晴天の霹靂の思いのアーサー　ここで今の神に仕える仕事の内容　３０年も時がたってる事　大喧嘩別れしたデヴィットとうまくやれるのか　ベースは弾けるのか　とかいった悩みは一切無し　ほいほいのってしまいますこの人複雑な考えをまったくしません　ドールスは偉大　神も偉大　俺はキラー・ケーン　ザッツ・オールやったろかいで　３０年預けっぱなしのベースを質屋から友人のカンパで引っ張りだしてきます＜＜預けっぱなしかいそんなもん

ほとんど映画の中身をばらしてますが　ライブまでの後半は映画を見てね　とにかく負け犬おじさんのロックの夢を捨てない姿に感動なのですが　ラストはモンゴル少女の映画「プージェー」と負けないくらいの涙涙なのですが　ニューヨーク・ドールスの再結成ライブ　それは彼アーサーの生涯の最後に起こった　まさに奇跡であったことが　結果わかることになる仕掛けになっています　彼は幸せでした　

音楽業界、ロック業界に興味があり、そしてドールズのファンならば是非。