ナイチンゲーロ

本作品は、『オペレッタ狸御殿』のファースト助監督を勤めていた末永賢のデビュー作です。撮影所体制が崩壊してから映画制作の道に足を踏み入れた彼は、フリーの立場でこれ以外にも長い間多くの作品の助監督を務めてきましたので、文字通り満を持しての監督第一作ということになります。・・・なんて書き出しから始めたのには訳があって、実は彼とは個人的な繋がりがあるのです。それが何かと言うことは言いませんが、少なくとも客観的に物を言ったり、知らぬ顔をしてプロパガンダ的なレビューを書けるような関係でありません。ただ、上記のような状況、背景を踏まえた上で、一人でも多くの人に観て欲しい、とだけ書いておきます。

ここから先は余談めいた話しになりますが(と言うか、このレビュー自体が余談みたいなものなのですが(苦笑))、昨年あたりから邦画の復興が囁き出されているものの、内実はと言うとまだまだ過酷な状況が続いているようですね。現在『ゲルマニウムの夜』を六ヶ月以上にわたるロングラン上映を続けている一角座を荒戸源次郎が私財を投げ打って作った理由というのが、制作が完了しているのに公開の機会がない作品が余りに多かったことにあるらしいです。なんでも100本以上の作品が、公開の当てもないままの状態にあり、そのうちのその少なからぬ本数が日の目を見ずに蔵入りとなる可能性が高いらしいのです。中には『ゲルマニウムの夜』のようにお蔵入りするには余りにも惜しい作品があるので、それらに日の目を当てたい、と言うのが荒戸源次郎の志とのこと。この話を知った時には、こんな心ある映画人こそが、実は映画制作の根底を支えているのだなと感動してしまいました。

シンジケート(制作委員会)方式による幅広い制作費の収集、ミニシアターにおける単館上映、PFF等による新人の発掘と積極的な登用など、事態は徐々に明るくなっていると言えるのかもしれませんが、それはまだまだごく一部、一面に過ぎないのです。そして、一方では行定勲に対しては、数年先のスケジュールまでいっぱいになるくらい映画制作のオファーが出続けているという事態も。なんだか暗澹たる気持ちになってしまいます。

どこかの映画紹介サイトで”鈴木清順の申し子、鮮烈デビュー！”との走り書きを読み、即レンタルしましたが、本作「おんなだらけのこわいはなし」シリーズの第２弾だったんですね。
第１弾は森下千里主演で映画研究部員（勿論グラドル多数ご出演ｗ）が次々に惨殺される、なかなか見応えある『グロヅカ』と云う事で、本作もおきれいなグラドルさんたちがいかにして恐怖のるつぼと化すのか、清順の申し子はどのような映像美を見せてくれるのか、期待値は果てなく上昇気流に乗るです。

看護学生５人が夏合宿で訪れた合宿所で次々と現実に起きているとは思えない奇怪な現象に苛まれていく。
果たして現実なのか？夢なのか？はたまた幻なのか？

と、極端なくらい大雑把な内容ですがｗ、オープニングからして”夢幻の如く”な映像で、その後も頻繁にその手の判断しにくい映像を盛り込んでいくあたり、まさに清順風味な流れとなります。
ホラーと謳っているため、幽霊と思しき異形のモノも登場しますが、決して幽霊譚ではありません。
ホラーではなく幻想譚？それとも幻視譚？とも云うべき凝った映像で観る者の判断を煙に巻くのも愉しいのですが、女性ばかりの登場人物達の序盤の険悪なムードの意味、表層では分からない本音部分、心の最奥にひた隠しに隠していた秘密の吐露、そういった登場人物達の隠れていた相関関係が顕かになる展開も面白いのです。
まぁ、美女だらけと云う華やか過ぎる画も勿論愉しめる理由の一つですが、単なるグラドルのＰＶレベルの内容じゃ決してありません。

スラッシャー的ホラーが好物な御仁にはおススメしませんが、前記通り現実なのか、夢なのか、幻なのか、観る者に判断を委ねるような想像膨らませる映像がお好きな方には愉しめるはずです。
と云うか、ちゃんとどの世界での出来事なのかオチを付けてくれますから御心配無くｗ

本作が監督デビューと云う末永監督、本作後監督された作品が無いようですが、是非ホラーを再度撮って下さいな。
お待ちしてます♪

paroleさんのレビューを読んでしまったので、批評しにくいなぁ。
まあ、さらっとぎみに。。。(^^;)

中盤まではグラビアアイドルの起用ならではの展開。演技云々なんて語る世界ではなく男性なら楽しめるかな？という見せ方ですね。おじさんも面白かったです。
半ばを過ぎるとホーラームードが徐々にアップ。陰湿な怖さは結構ありました。
クライマックスは制作費の無さが暴露されてしまってますが、これはしょうがないかなと思いつつも、もうちょっと踏ん張って欲しかったという印象。

ストーリー的には、五人の個性を表面化してぶつけ合うために、軸になるものが欲しいのは分かりますが、この手のお気楽物ってもっと単純なことで良いような気がします。「人の命」とか「職の上下」を持ち出されてしまうと、安易な扱いに反感を感じます。仲良し五人組の上辺だけの友情が暴露されてしまうとか、そんな乗りで良いように思うのですが。。。演出的観点からしても、女ならではの嫉妬や恨みによって五人が崩壊していった方が、お色気ショットにも意味を持たせることが出来たのではないかな、と思うのが私の感想。
5段階評価は2。

「見ずして何の映画かな」ですから、どんどん見てください。＞みなさま

何がなんだか話が良く分からない。
グラビアアイドルだけで
はっきり言ってつまらない。
まぁ「女優」じゃないので、演技はこんな程度でしょうか。

「グロヅカ」が個人的には良かったので、この作品にも期待しました。
グラビアアイドルの演技は一生懸命で良いのですが、ストーリー展開がいまいちです。
約90分のうち60分はだらだらとした前置きに費やされています。
グラビアアイドルの水着姿をどうしても入れたかったのしょうが、まったくもって中途半端な作品になっています。
残り30分にようやくストーリーが動き出しますが、パニクった彼女たちが右往左往しているだけ。
まあ怖い箇所もあることはあるのですが、なんかはっきりすっきりしないストーリーです。
結局なんだったの？的エンディング。
積極的に観る価値は感じませんでした。