ニューオーリンズ・トライアル＜スタンダード・エディション＞

最近私の中で、あまりいい映画に巡り会えてないなぁ…とちょっと嘆いていたのですが、
この作品がやってくれましたよ！
私の中での大ヒットどころか、超ヒット！
レンタルのきっかけはCMだったのですが、
ダスティン・ホフマンにジーン・ハックマン、ジョン・キューザックと、有名な俳優が主演しているのに、レンタル開始というCMまでこの映画の存在を知りませんでした。
特に話題にもなってなかったみたいだけど、この俳優陣だから観てみよう…と思ってレンタルしたんです。

…俳優陣の演技はもちろんのことながら、ストーリーが最高に面白い！
ジョン・グリシャム原作っていうのがミソなんだろうけれど、ここまで面白くできるとは…びっくりでした！
初めは、アメリカらしい民事裁判を核に、その裏で糸を引く陪審コンサルタントと、えげつない金目当てのイカサマ陪審員とのキタナイ話なんやなぁ…と思って観てたら…

およよよよ！
なんだかそんなに単純な話じゃないことが終盤で分かってくるのでありますよ！

ジーン・ハックマンの狡猾な陪審コンサルタントと、ダスティン・ホフマン演じる熱血正義弁護士とのやりとりも最高ですが、
高額も高額なお金が絡んで、腹黒いとしか言いようがないやりとりが、意外な展開になっていくストーリーは五つ星でした！
観終わってしばらく経っても興奮冷めやらない状態です！

さらに特典として収録されている、メイキングも必見！
かつては友人＆同居人同士だった、ジーン・ハックマンとダスティン・ホフマンとの仲良しユーモア爆裂トークに爆笑してしまいました。とってもステキ。
本編も特典も、1粒で2度おいしい超必見のDVDです！

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　法廷ものは、結構好きで良く見ます。以前観たときは、日本の裁判員制度がまだ具体的ではなかったので、あまり現実的に思えなかったのですが、身近な問題に思えてきたので引っぱり出して再見。
　ジョン・キューザック演じるところのニックが鍵を握っているのは途中からわかりましたが、ちょっと押さえた演技で好青年に見せているのがなかなか好印象です。

　ジーン・ハックマンとダスティン・ホフマンはさすがと言うしかありませんが、日本で裁判員制度が実際に施行されたとしてもこの作品のようなことは起こりづらいでしょう。石を投げれば弁護士に当たると言われるような訴訟社会であるアメリカでだからこそ、現実味のあるドラマなのでしょう。

　銃社会という側面もあります。自己防衛のためという理屈がまかり通るアメリカならではの設定で、身近には感じないものの、
「こういう社会にはなって欲しくないものだ」
という思いを強く持ちます。
　原作では、訴えられるのは煙草会社なのですが、この作品の２年ほど前に発表された「インサイダー」が煙草会社を相手取ったものなので、銃製造会社にと設定を変更したのでしょうか。
　まあ、物語としては銃製造会社の方が、ニックやマーリーの過去に関しては現実味がありますよね。煙草会社と銃製造会社、その功罪を言えば、銃製造会社には一分の理がありますが、（チャールトン・ヘストンのような人が擁護論を展開するような）煙草会社においては、全く理がありません。（私はヘビースモーカーですが）ですから、ドラマ性や原告・被告の理論闘争という面においても、銃製造会社に設定を変えたのは成功であったと思います。

　法廷劇と言えば「１２人の怒れる男」を、すぐに思い出します。あそこまでの名作ではないにしても、この作品も十分に評価できる秀作であります。「１２人の怒れる男」は、陪審員達が密室で議論を交わす中に、緊迫感が生まれドラマになるわけですが、それに対してこの作品は密室の中と言うよりは、裁判の外側で展開される謀略・駆け引きに主眼が置かれると言うところで大きく違います。
　別な切り口から陪審員制度の問題点を提示したドラマと言えるかもしれません。まあ、あんなに裏工作ができるとは思えませんが（笑）

　ニックがこの事件の「陪審員９番」に選定されたのは、単なる偶然では無いのでしょうが、そこらへんがわかりづらいですね。たまたま、そういう過去に関わりがある人間が陪審員に選ばれたと言うことだと、物語の緒必然性という点では弱くなっちゃいますよね。よく調べられたらはねられちゃうでしょ？

　kazuponさんがおっしゃるように、ジーン・ハックマンとダスティン・ホフマンが逆の役をやっても面白かったと思います。といよりも、逆の役柄であった方が、そのミスマッチ感が良かったのではないかと思いますね。「ザ・ファーム」で悪徳弁護士（根底は悪徳ではありませんでしたが）や「訴訟」で長いものには巻かれる弁護士を演じたジーン・ハックマンンの熱血弁護士を見てみたい気もします。
　私はバードケージの時のオヤジが好きなんですけどね。

　kazuponさん、速くmixiの「ラヴァデス」に参加して下さい。
　お待ちしてますよ。

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同じジョン・グリシャム原作の映画『ザ・ファーム』は
トム・クルーズのための映画化かと思うような感じで
原作に比べてちょっと見劣りする気がしますが・・・
こちらの『ニューオーリンズ・トライアル』はなかなか
良かったんじゃないでしょうか。

陪審コンサルタントってのは、現実社会でどの程度浸透しているのかな？かなりエゲツナイ商売ですね。裁判で争われる賠償額が大きくなればなるほど、こんな商売も幅をきかせちゃうんでしょうね・・・。ヤダ、ヤダーー・・・

ジーン・ハックマンがそんな嫌な奴ぶりを遺憾なく発揮して
ダスティン・ホフマンのちょっと青いくらい正義感な弁護士と対決。豪華なキャスティングで盛り上がらせてくれますね。

法廷の裏側がメインの法廷劇。見ごたえ充分ですよ。

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法廷ものは元々結構好きなんです。
だから、期待して観始めました。
でもひと味もふた味もそれをいい意味で裏切り、上回る法廷ものだったと思います。

初めのうちは、陪審員制度コワイ、でした。
その制度の裏にある、微塵も想像していなかった駆け引きや策略を描き、
テーマをミスリードしていて、
（これはこれでサブテーマだった気もしますが）
それで引き込まれまくって、
疑って見ることもしなかった彼らが実は！
な、終盤のちょっとしたドンデン返し。
感動しました。

憎むべき標的の特性を逆手にとり、始まりから練りあげて仕組んで臨んだ復讐劇。
騙し取った金に三重の意味があることも、
この計画の周到さが感じられて、また感動でした。

人間、人間、人間。
過ち、保身、欲、情、
思いあがりは弱点にもなるという両刃の剣。
怒りに穢れはなくとも、純粋なばかりでは成し遂げられない報復。

詰め込みきっているのに鑑賞後感はシンプルで爽やか。
ドンデンまではまったく感情移入していなかった彼らなのに、
今は同士気分です。

テンポがよくて飽きない。あの長い原作本をうまくまとめたもんだと思う。原作ではたばこ訴訟のところを、銃に変えているのもタイムリーだしインパクトがあったと思う。（ただし、私は嫌煙派なので、原作のままにしておいてほしかった。）
もう１本観るなら、アル・パチーノ＆ラッセル・クロウでたばこ業界の裏側を描いた「インサイダー」を。