アメリカン・アウトロー

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　この『アメリカン・アウトロー』は目下のところ、何度も映画化されているジェシー・ジェイムズものの最新作と言えるようですが・・・。

　ジェシー・ジェイムズは実在した無法者で、南軍のゲリラとして参加した南北戦争後、ミズーリ州を中心に銀行や鉄道を襲い、名を成しました（ビリー・ザ・キッドと同時代ですが、あちらはニューメキシコ州）。兄フランクやヤンガー三兄弟と一緒に強盗団を組み、ジェイムズ・ヤンガー・ギャングと名乗りました。
　庶民を搾取する悪役である鉄道会社や銀行から金を奪い、貧しい人々に分け与えた義賊。ピンカートン探偵社に母親を殺されての復讐劇。足を洗おうとしたとき、仲間に背後から撃たれるジェシーの末路。虚実入り混じった伝説のアウトローです。
　本作より半世紀近く前、ニコラス・レイが『無法の王者ジェシイ・ジェイムズ』という結果的な失敗作で目指したのは、徹底的な調査による「真実の物語」（原題）でした。ジェイムズ兄弟は南北戦争後に近隣住民同士が襲撃しあうというミズーリの地域性から無法者となったこと、母親はピンカートンに殺されなかったこと、彼らは義賊ではなく、ジェシーの犯罪への衝動が罪を重ねさせたことなどを描きます。
　無論、レイの狙いは単なる墓暴きではなく、伝説が作られる瞬間や、そこに込められた人々の思いを捉えることにあったのでしょう。ジェシーが殺された途端に野次馬がどやどやと入ってきて、写真立てなどを記念品として盗んでいき、外ではもうジェシーの伝説を物語るバラードが歌われ始めるラストに、それはよく表れています。
　ところがこの『アメリカン・アウトロー』はどうでしょう。史実を無視したところは新たな挑戦とも思いましたが、映画はただの、志の低い青春アクションものになりました。冒頭の南北戦争シーンはなんら強盗稼業への動機となるわけでなく、追われる恐怖、隠れながら暮らす苦しさ、家族の絆など、一顧だにされないのでした。ただのチンピラが義賊の真似っこして「おれたちすげえじゃん、やってやったよーん」と自慢しているだけの映画。もうちょっとアウトローの内面に興味をもってほしかった。
　ブラッド・ピットもジェシー・ジェイムズをやるとか聞きましたが、こんな作品でないことを祈ります。２０点。

安物のテレビドラマのような代物でした。最初の５分で、「これははずれかも．．．」と思ったが、最後まではずれでした。コリン．ファレルの熱狂的ファン以外はみる必要ないです。

能天気な西部劇だが　けっこう面白い
しばらくするまで　これがジェシー・ジェームスの物語とは　わかんなかった　思い入れ一切なし　

単に物語の枠として　借りてるだけなので　西部劇に対する挽歌でもなければ　今アメリカが国論を二分する争いにあることへの
南北戦争にからめた言及でもないし　若者のいつの時代にもある反抗を描くってんでもない　製作意図不明の変な映画
ポストモダンもへったくれもないな　こりゃ

コリン・ファレルはさすがだが　これ二挺拳銃ならぬ四挺拳銃かい

実在の無法者ジェシー・ジェイムズについての知識もなしに見ました。
史実としての実在の英雄を描いたというよりは、ジェシー・ジェイムズの英雄伝説のかっこいいところを偶像化して現代的に描いた作品だと思います。
アクションも映像も迫力があり、愛と友情を描いた娯楽作品として難しいことを考えず、単純に楽しめます。
切り口が違えば、この時代の矛盾とか善悪の基準とかを観る側に投げかけるものにもなるんだろうけど、単純に楽しむならアリ。

キャラクターが魅力的。

ジェシー・ジェイムズ（コリン・ファレル）・・・森川智之
強盗団のリーダー。仲間思いで危機に立ち向かうと、笑顔になる頼りになる奴。普通の青年なのにカリスマ性を持つ。

コール・ヤンガー（スコット・カーン）・・・伊藤健太郎
ジェシーの親友でライバル。ヤンガー兄弟の長男。何かとジェシーに対抗心を持つ。

フランク・ジェームズ（ガブリエル・マクト）・・・楠大典
ジェシーの兄。インテリで冷静。ジェシーを時に抑え、時に支える。ジェシーのラブレターを書いてあげている。

ボブ・ヤンガー（ウィル・マコーマック）・・・檜山修之
ヤンガー兄弟の次男。檜山さんの声がよく合っている。よく叫んでいるけどムードメーカー的で人がいい。手配書の似顔絵が自分だけ似ていないと拗ねるところが面白い。

ジム・ヤンガー（グレゴリー・スミス）・・・石田彰
ヤンガー兄弟の三男。一番年下だが、鉄道を憎む気持ちは兄以上。ジェシーに憧れている。石田さんの酔っぱらい声が可愛い。

ジー・ミムズ（アリ・ラーター）・・・本田貴子
ジェシーの恋人。しっかり者で度胸もある。

最近、映画を吹き替えで観ることに嵌っているのですが、
キャラクターのイメージに声がぴったりで、この顔ぶれなので、声優ファンには十分に観る価値あります。

お約束な展開もありますが、コリンのアクションはかっこいいし、表情はかわいいし、友情あり、恋愛ありで楽しかったですよ。

ジェシージェームスを今の時代にあわせて、エンターテイメントとして映画化した西部劇。ヤングガンとテイストは似ているかな。主役に玉が当らないのはこの手の映画のお決まりだし、アクションものが好きな方にはそれなりに楽しめるかな。コリン・ファレルも良いしね