オレンジカウンティ

　主人公を演じるコリン・ハンクスはトム・ハンクスの息子。
　主人公の彼女役のシュイラー・フィスクはシシー・スペイセクの娘。
　監督のジェイク・カスダンは『白いドレスの女』『ドリームキャッチャー』を監督した
ローレンス・カスダンの息子。というようにまさに演じる側も演出する側も二世。
　ということで親の七光りで作ったダメダメ映画化と言うと、これがなかなかいけてるんです。とっても青臭い青春コメディですが、老練な映画人達が拵えるいかにもな青春映画とはちがって本当に青臭くて爽やかです。
　脚本もちゃんと一本芯が通っていて、話しがしっかりしているコメディはドタバタだけのコメディとは違って安心してみる事が出来ます。
　二人の二世俳優が主役だが、その二人を盛り立てる競演人が上手い。その中でもやはり特筆すべきはジャック・ブラックでしょう。彼の存在の有無によってこの映画の評価はずいぶんと変わってきてしまうでしょう。この薬物中毒の兄をはじめ、若い女と不倫の挙句離婚した父、アル中の母、アルツハイマーの義父、そして友達の死や他人の不手際で入試に失敗してしまうという散々な人生をあくまでコメディとして軽く笑い飛ばしながらもその家族や故郷との絆をホロッと描いていて、とっても後味の良いコメディです。あととっても短い作品と言うのも、忙しい時に鑑賞するのに最適です（笑）。



　
tomioさんおもしろい映画お勧めいただきありがとうございます。このレビュー欄が無ければ私には全く出会う事も無かった作品だと思います。私も皆さんの参考になるようなレビューを掛けるよう努力していきますのでどうぞよろしく。

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　やっとレンタル出来ました。早速、観ようとしたら吹き替えは無いので、娘が寝てからにしよう（面白そうなので、６才の娘にも見せてやりたかったのですが・・・）ということで、一時おあずけ・・・ハウス！　　キャン！

　いやあ、面白かったですね。感動するとか、手に汗握るとか、
「傑作だ！」
と声を上げるような種類の映画ではありませんけど、なんとなく気持ちが暖かくなる秀作です。
　映画の楽しみというものをギューッと詰め込んだような、完成度の高い作品でしたね。特典映像を見ると、未公開シーンが満載です。そして、そのどれもがなかなか面白い。これを編集・オミットして８０分の作品に仕上げるというのは、製作者としてはいろんな葛藤があるんじゃないかと思うのですが、惜しげもなくばっさりいってます。
　自分の撮ったシーン・出演したシーンというのは、誰しも愛着があって、それを取捨選択して、削除していくって言うのはつらい作業なんじゃないかと思うのですが、よりクォリティの高い作品にするためには必要不可欠なことなんでしょうね。（ジェイク・カスダン監督も、「こんなにカットするのなら、撮影は一時間半で充分だった（笑）」と言ってますから）

　ストーリーとしては、大きな盛り上がりがあるわけでもなく、「自分の生き方の再発見」とでも言うような、特に目新しい物でもないのです。
「自分の人生を、より良い物に再構築していくために、今ある状況からどこかへ行かなければと言うことは無意味なことだ。もっと大切なのは、自分自身の魂のふるさとをっしっかりと認識することだ」
というテーマを、この短時間の作品で、みごとに描ききっていますね。

　監督、主演の若い２人と２世が活躍していますが、やはり、こういうクリエイティブな仕事に関しては、生まれ育った環境と親から受け継いだ感性というものは大きな意味を持っていますね。コリン・ハンクスは、しばしば若い頃のトム・ハンクスを思わせる表情を見せてくれましたし、シュイラー・フィスクは若い頃のシシー・スペイセクよりも綺麗だし（いや、絶世の美女とは言いませんが・・・）、ちょっと変わったキャラの女の子をうまく演じてます。他の映画では顔を見ないけど、あまり女優業には興味ないのかな？
　ジェイク・カスダン監督は、ローレンス・カスダン（「ドリームキャッチャー」の監督、「スターウォーズ・ジェダイの復讐・帝国の逆襲」の脚本）の息子ですけど、脚本のマイク・ホワイトとのコメンタリー映像を見ていると、
「すごく映画が好きな人なんだなあ」
と思いますね。マイク・ホワイトが教師役で出演している場面も笑えます。

　なんといってもジャック・ブラックですけどね。ジャンキーで弟の邪魔ばっかりしてるんだけど、本当は弟思いで（たぶん・・・）なんとかしてやりたいのに、思うようにいかないんです。彼の、おちゃらけているようなキャラクターを真面目に全力投球で演じる心意気が好きです。本作も彼がランスを演じたからこそ、ショーンの純粋さが際立ったのだと思いますよ。

　家族や友人達が、みんなとんでもないヤツで、スタンフォード大学に進学して自分の人生を変えようとするのをことごとく邪魔されて、台無しにしてくれるのを
「ここまでツイて無いヤツも珍しい」
と思わせるショーンの情けない表情は、見ているうちに妻夫木聡に見えてきてしまうのですが、今の妻夫木にはこの役はこなせないかな・・・。

　ベン・スティラーが消防士でカメオ出演、ケヴィン・クラインやリリー・トムリンも脇をしっかり締めてくれてます。私としては、最近見なかった何とも言えない色気を持ったダナ・アイビーを見られたことで幸せを感じました。

tomioさん、素晴らしい作品を教えていただきました。ありがとうございます。同じく日本未公開の「ドリームズ・カム・トゥルー」（原題「AKEELAH and the BEE」、この邦題は非難ごうごうですね）もとっても良いですよ。是非、観て下さい。

　

トム・ハンクスの息子が主人公ということで
そっちの話題が先行してるような作品ですが
なかなか面白かったですよ。

青春映画のようで青春映画ではないって感じ。
これでもかって巻き起こる家族が引き起こすトラブル。
スタンフォードに入ることを夢見ている主人公。

そもそも最初の成績の間違いだけであれを正せば
話は終わりだもんね。
そこをあえてトラブルの連続で最後には自分の故郷、家族を
愛してこそ真の作家になれると気づくのだが
なかなか核心をついていて最後は非常にすっきりと終わりました。
ジャック・ブラックはブッ飛んでて、かなりの時間、パンツ姿。
スタンドードの夜間受付の女性と勢いで寝ちゃうところなんて
喋りの天才ってことか。主人公よりもある意味、凄い。

この主人公の他の作品も一応見てみようかな。
是非はあると思うけど、まわりに完全に食われてるわけではないので
それなりの存在感ってことだと思います。

うーん、さすがトム・ハンクスの息子だなあ。コリン・ハンクスのうまいこと。表情がいいです。(トムの若いころによく似てる）なかなか今後が期待される若者ですな。
大物脇役人に囲まれての堂々の演技。
学校の成績取違えでなんと大学が不合格になってしまう不幸な少年。　母は半ばアル中気味のヒステリー気味、兄は薬づけのよっぱらいで無職、義理の父はボケ老人、実の父はお金持ちだけど息子には冷たい。　ガールフレンドは極端な動物愛護者。友達ははみ出しものの半端高校生。　周りの人たちはみんなはちゃめちゃなのに、彼だけは何故か優等生、ボケ老人にも優しい少年だ。
その彼が不合格という挫折を乗り越えて心を再生していく過程がおもしろおかしく描かれている。
ジャック・ブラック演じるはちゃめちゃ兄が最高におかしい。
デブなのに身も軽い。　デブなのになんか憎めない。
あとケビン・クラインが渋く年を重ねていたなあ。ショーンが彼の言葉に感激するシーンがなかなか感動的。
あり得ない設定だけど、見終わったあとは心がほんわかとなる作品です。

アメリカの大学って、試験を受けるわけではなく、高校の成績で不合格を判断するんですねえ。
だから日々の勉強をきちんとやっていないとダメなんですね。
一発勝負の日本の大学受験とは大違い。
（アメリカの場合知り合いのコネとか、寄付をいっぱいするとかで、入学許可されるみたいだけど。。）
でも卒業するのは日本の大学よりはるかに大変らしい。
日本の大学もそうすればいいのにね。これからますます少子化なわけだし。。大学受験のときだけ一生懸命勉強して、入学したらバイトと遊びの学生生活なんておかしいと思いませんか？

とってもいい感じでレビューの連鎖が起きていますね。
tomioさんのレビューでJUCEさんがこの作品に出会って
そのJUCEさんの素晴らしいレビューで私もこの作品に
めぐり合うことが出来ました。
日本劇場未公開作品ですからね、レビューを読まなければ
絶対に見ることはなかったでしょうね。
きっと、レビューを書いていない他のdiscas会員の方たちも
同じようにレビューを読んでこの作品を見たという人も
たくさんいることでしょうね。
discasさんの思うツボ、いやいや、discasさんにとっても
会員の方々にとってもレビューのメリットの大きさが
よくわかるというものです。

さて、この『オレンジカウンティ』ですが
『リトル・ミス・サンシャイン』とちょっと似た面白さが
あると思いました。
変な家族がいっぱい出てきて、家族崩壊？？かと思いきや
意外と根底には家族の温かさがあって、しっかりと絆で
結ばれているんですね。
そして、ラストには爽快感があるところも一緒。

『リトル・ミス・サンシャイン』が好きだった人には
間違いなくオススメ作品ですね。
もちろん、この私もどちらの作品も好きでしたよ。