京極夏彦　「怪」　赤面えびす

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京極夏彦　怪シリーズ第三弾！この作品は第一弾「七人みさき」同様、京極先生が執筆前の構想が基になり、京極先生ご自身が脚本を手がけた作品です。この作品が完成後執筆された原作は後巷説百物語に納められています。「赤えいの魚」がそれです。「必殺」っぽいとよく言われますがそれは当然です。必殺を意識して制作されているからです。京極先生も山田誠二氏も「必殺」フリークなのは有名です。それから主人公が誰かわからないとも言われますがそんなことはどうでもいいことです（笑）。百介だろうが又市だろうが同じです。同じグループとみていいですからね（笑）。それぞれが自分の役割をこなしていればいいのです。

島民は「ゑびす」を信仰し笑うことを禁じられ、島主に絶対服従を誓い、掟を破った時、ゑびすの顔は赤く染まり島が滅びるというような風説は似たようなのがいろんな島々にあるそうです。そこからヒントを得てその作品の脚本を書いたそうです。今回のポイントは火野正平さん演じる「算盤（そろばん）の徳次郎」と本田博太郎さん演じる「戎甲兵衛」です。火野さんのそろばんはじいてカチャカチャさせている姿はなかなか可愛いかったです（笑）。本田さんの妖演はさすがだと思います。この二人の相反する両極の演技があったればこその作品だと思います。この作品はおどろおどろしさが良く出ていて完成度は高いと思いました。

余談ですが、嶋田久作さんは前回に引き続き別の役柄で出ていました（前回同様同心役）。それから百介が版元に「姑獲鳥の夏」を持ち込むシーンは笑いました。しかもそのシーンに大沢在昌さんが登場するのです（笑）。しかも役名は「宿の鮫吉」です（爆）。洒落てますよねぇ〜（笑）。しかも彼は版元に「眠らない江戸」なる捕物帖の刊行を提案するのです。もう大爆笑でした。この怪シリーズこういうお茶目なところが大好きです(^○^)。あと前作に引き続き六平直政さんが出ていました・・・すぐにやられちゃうけど(^^ゞ。あと宇梶さんも子分役で出ていました。

主役の田辺誠一より、脇役の佐野史郎の出番の方が多いんじゃないかな？コメディリリーフとして、いい味だしてます。プロレスラーに扮した近頃のCMも強烈なインパクトですよね。
それと火野正平ってこんなに演技うまかったんだぁ、ってのも再認識できる１枚です。一風変わった時代劇！

京極夏彦原作の映画を見たときに、この作品に気付き、借りました。
必殺の摩訶不思議バージョンなんですね。

本田博太郎の迫力ある演技にはびっくりです。
この人、力はあるのに脇役がおおいんですよね〜。
『反落ち』といい、『男たちの大和』（これにいたっては、ほんとに１シーン）といい。。

織田無道には笑ったんですけど。。
宇梶くんもでてるし、けっこう豪華（？）キャストですよ〜。

なんと言っても本田博太郎の怪演で支えられている作品。
ストーリー自体はシリーズで一番無理が有ると思うし内容が薄い。
でもそれを補ってあまりあるのが本田博太郎の演技。一件の値打ち有り。
本来の本田博太郎ではなく、NHKの「茂七の事件簿」の勝蔵の乗りの延長だと思う。
やっぱ宮部みゆきさんとの関連からの出演かな？

これは面白かったです。
ただ、作りが少しB級っぽい感じでしたが、それよりも面白さが負けておりません。

勿論、お話が面白い故って事もあると思いますが…個人的には個性的な役者が適役に務まっていたからこそ！と思います。多分、お話以上に面白かったかもかも。

それにしても、京極さんの目指すイメージは…エログロなんでしょうか？毎回、ちょぃエロがあるんです。なんとなく気になるシーンです。