ブローン・アウェイ　復讐の序曲

爆弾処理隊員・Jブリッジスと爆弾マニアの脱獄因・TLジョーンズの壮絶な攻防を描く傑作サスペンスです。

現代の役者の格を考えると配役は逆になるんでしょうね。
B級作品では無くMGMの７０周年記念作品なんで、チープさは感じない丁寧な作り込みが成されてます。
見どころは何と言ってもTLジョーンズのキレた悪漢ぶり。
復讐心だけで冷酷非道な行為を行う姿は、昨今の善人役が板についた彼からは想像出来ないリアルな恐怖を感じます。
ヒーロー役のJブリッジスは美味しいところを彼にもっていかれましたね(笑)
見せ場の爆破シーンに関しては”量より質”の演出ですので、終始ド派手な爆破シーンが織り込まれてる訳ではありません。
爆破シーンよりも、いつ、どこで爆破が起こるか分からない緊迫感溢れるスリルを味わう作品だと思います。

どうしても同様の攻防を派手な演出で描いた「スピード」の陰に隠れがちな地味な作品ですが、サスペンス好きな方は一見の価値有りと思います。

監督：スティーヴン・ホプキンス（1994年・米・121分）
原題：BLOWN AWAY

《あらすじ》
長髪の男ギャリティ（トミー・リー・ジョーンズ）は、かつて北アイルランド闘争の際に爆発物テロに失敗。自身の妹も死なせてしまった。
そして、妹はかつての仲間ダヴ（ジェフ・ブリッジス）の恋人でもあった。
その爆発の時ダヴは逃げて、ギャリティだけが20年という長い刑を下され服役中だった。
ギャリティは、ダヴへの復讐のために脱獄を計画、実行し、
現在はボストン警察で爆弾処理隊員として働いているダヴを付け狙うのだった。

トミー・リー・ジョーンズは、当時48歳。ジェフ・ブリッジス45歳。
私には二人とも悪党顔に見えるけど、本作ではトミー・リーの怪演（自由の女神のお面をつけての人形劇など）が見られて楽しかった。

爆弾処理に関しては、無鉄砲ながらも天才的な処理能力を発揮するジミー・ダヴ。時々、彼を襲うフラッシュバックは、恋人を死なせた時の爆発の様子だろう。
アイルランドからアメリカに逃亡し、ダヴと名乗っているのは偽名だった。自分がアイルランド人であることをひた隠しにしている。
片や、脱獄してアメリカにダヴを追って来たギャリティは、爆弾作りの天才。
ダヴの仲間やダヴの結婚相手の母娘など、ジワジワと周囲から狙って攻めて来るのが怖い。
ダヴの同僚アントニー（フォレスト・ウィテカー）の部屋に忍び込み、彼が音楽を聴くヘッドフォンに爆弾を仕掛けた時は、緊迫感が漂った。だって、爆発したら、アントニーの頭が吹っ飛ぶのだから。
直ぐにダヴが呼ばれたが、ヘッドフォンとスピーカーの両方に爆弾が仕掛けられていて、そのふたつを同時に解除する必要があった。
ダブがヘッドフォン、アントニーがスピーカーの線を切ることになり、少しでもタイミングがずれたらダヴもアントニーも爆死だ。
また、もう一つの見所は、ジェフ・ブリッジスとロイド・ブリッジスの親子共演だ。
ロイド・ブリッジスは叔父のマックス・オバノン役で、ギャリティの犠牲になってしまう。その爆死の様子が凄まじかった。
ラスト、ダヴの妻のケイト（スージー・エイミス）と娘リジー（ステフィ・ラインバーグ）の乗った車に爆弾を仕掛けられ、ブレーキを踏むと爆発するというハラハラドキドキが待っている。
あ、それから、一番ドキドキしたシーンは、ケイトとリジーの留守中にギャリティが忍び込んだ時だった。
冷蔵庫を開けても、ガスコンロに点火をしても、抜けた電話線を差しこんでも、その度に身構えて疲れた。（笑）

狂気の爆弾魔のSTORYです。

4人の名優とは、
ジェフ・ブリッジス(当時46歳)
トミー・リー・ジョーンズ((48歳)
フォレスト・ウィテカー(まだ33歳でした。)
ロイド・ブリッジス(ジェフ・パパ、81歳。4年後にお亡くなりに・・)

公開当時観ているのですが、1番覚えていたのは、
ロイド・ブリッジスの勇姿です。
狂気のトミーリーに背負わされた、10本の矢、グルグル巻の爆弾姿で、自ら、爆破を誘発して爆死するシーン。
この絵(シーン)は、今回観ても、かなりのインパクトでした。
名シーンのひとつでしょう。

ジェフとトミーリーは同じアイルランド過激派の、
同士でした。
ある爆弾事件の失敗で、トミーリーは妹を亡くし、
終身刑で投獄されます。
かたやジェフは、アメリカに逃れ名前をダグと変えて、
ボストン警察の爆弾処理班のリーダーに。
脱獄したトミーリーは、ジェフへの恨みから、
ジェフの同僚を次々殺し、ジェフの妻子にまで、
魔の手を伸ばすのです。

こういうと不謹慎ですが、
4回の爆破シーンが凄まじいです。
CGもない時代です。
最後のボロ船の爆破に何万トンのダイナマイトが、使われたやら？
歌い踊りながら爆破装置を作る、トミーリーの狂気。
ジェフは、ヒーロー役ですが、後半は同僚が次々殺され、
妻子を狙われる複雑な心理を、演じています。
音楽も場面、場面にピッタリの選曲で、
聖歌隊の合唱、アイルランド出身グループ、U2のヒット曲、
クラシックと、とても良かったです。

どことなく画面が古めかしいですが、十分スリルも、
ドキドキも味わいました。
個人的には大満足の再見でした。

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　爆弾処理班とロン毛のトミー・リー・ジョーンズの爆弾犯が戦う話。

　やたらとクローズアップして、スローになったりして。結構、緊張感あおる撮り方でドキドキしながら見てしまいました。意味深に撮りながら、何もないというのもよかったです。

　ストーリーが、犯人の復讐で。その背景が、アイルランドのIRAうんぬんってのが。イマイチ、入り込めず。もう少し、歴史に詳しければ深く見れたと思いました。

　主人公が、どうして爆弾を解除できるのかよくわからず。ただ、主人公だから解決できる風にしか見えないのも残念でした。

　それに、犯人に狙われ家族のピンチなんかが映画の序盤に出てきたりするので。流れ上、絶対に家族のピンチにならないとわかってしまったり。話の構成が、イマイチだったりしました。
　
　とはいえ、トミー･リー･ジョーンズのはっちゃけたお芝居も楽しんでみることのできる映画でした。

最近、昔観た映画も観直してレビューを書いている日々を送っています。
こちらもその一本。

爆発物処理の主人公に復讐する役を演じているトミ・リー・ジョーンズが怖くて不気味(^_^.)
Ｕ２の曲もバックに流れ、なかなか面白い、途中まで。

ここまで派手にきてるんだから、ラストも凄いのかと思いきや・・えっ？
普通に面白かったのですが、何だろう・・・もったいないなと思いました。

過度の期待はしなかったら、普通に面白い映画だと思います。