舞台恐怖症

とにかくイヴ（ジェーン・ワイマン）が可愛いですね。
好きな人にかけられた殺人容疑を晴らすために頑張る姿。
その間に知り合ったスミス刑事にコロッと惹かれる姿。
女性ならではの軽やかな心の移り変わり、その可愛らしさと言ったら。
この映画はトリックというより、私はそれぞれの演技を楽しみました。売れっ子女優と見習い女優、刑事と犯人、父親と母親、いろいろな対比を楽しみながら。
ラストは思いもよらず“ひゃっ”という様な一瞬のゾクゾク感。
そうなんですね・・・。人って分かりませんね。
シャーロット（ディートリッヒ）のどっしりとした存在感、イヴ（J・ワイマン）のおきゃんで軽快な立ち振舞い、飽きさせない110分です。私はイヴの可愛さに妙にとりこになってしまって、楽しく鑑賞しました。

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冒頭、強烈なインパクトで犯人が脳裏に刷り込まれ、前提とされてしまう。
既にこれでヒッチコックの術中にはまっているわけだが、その目的を遂行しつつ
最後には意外な謎解きに到達する。
ヒッチコックならではの巧妙な演出ではあるのだが、やや違和感を感じる。
未完成というべきなのかもしれないが、これもまた演出なのだろうか。

「舞台（ＳＴＡＧＥ）」という言葉さえ終わってみれば非常に重要なワードで
ネタバレともいえるぐらいだ。こんなところにも謎解きのヒントがあるのだから
本当に油断ならない。

ラストの仕上げは意外な謎解きとはいえ、違和感が残ったのも事実。
もっとうまいもっていき方も存在したのではないだろうか。
更に登場人物が脚本のわりに多かったのも違和感のひとつかもしれない。

とは言え、シンプルなヒッチコックを堪能するには十分すぎるほどの作品。
日本未公開というのも妙に興味をそそる。
何故だ！？

1950年　イギリス映画（日本未公開）
原題：STAGE　FRIGHT
原作者：セルウィン・ジェプソン

シャーロット（ディートリヒ）は舞台女優の役で、いきなり血染のワンピースを着たままジョナサン・クーパー（リチャード・トッド）の元に飛び込んでくる。夫を殺してしまったと言うのだ。ここの掴みはOKでしたがこの後、女優の卵のイヴ（ジェーン・ワイマン）が父親（アラステア・シム）と組んで友人のジョナサンの為に事件の解決に挑んで行くという話です。
私にとって初のジェーン・ワイマンだと思い込んでいましたが、「チャーリーズ・エンジェル」に出演してらしたんですね。しかも元アメリカ大統領ロナルド・レーガンの奥様だったとは全く知らなかったです。本作では33歳、ディートリヒは49歳だそうです。
マレーネ・ディートリヒで作品を探していたらヒッチコック作品があったので、へ〜、こんなのがあったんだ！と試しに観はじめたら、面白かったです。
多少の中弛みはありましたが、初めからサスペンス色が濃く、終盤は意外な展開を見せてくれて、犯人は想定内ながら意外な人でした。
でもあのスミス刑事（マイケル・ワイルディング）とイヴとの絡みがもう一押しと言う感じ。悪くはないが、凄くいいとも言えない感じ。それより父親との絡みの方が面白かったし、そちらを重視して話が進んだらよかったのに。どちらかと言うと、主役は可愛らしい感じのジェーン・ワイマンより、やはりマレーネ・ディートリヒに演じて欲しかったです。
その方がもっとスパイスの効いた作品になったんじゃないか、と生意気ながら思ってしまいました。

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雨やら雪やら寒いやらで　こたつでおもちなんか食べながらビデヨでも見てるのが一番　そんなときは古い映画を再見が面白いんだよね　この作品はヒッチコック自身が評価してないんだけど　なんのなんの全然面白いよ　「めまい」なんかは神の位置に達しているから　このへんのが欠陥品の味があっていいのよ

フラッシュバックのトリックがやっちゃあいけないこととしてマイナスなんだけど　この時代にこのトリックはすごいよね　現在の観客が画面における　見る/見ない問題を先取りしてるね　あまりに現代的なトリックなので見破れないのよ　ははは　まあヒッチコックにしてはドンくさく珍しい試みです

お話がもたつくのも　例によってヒッチコックの主題である家庭劇の部分に演出の切れがないからなんだけど　父と娘の物語でもあるのでボクは点が甘い　「青の恐怖」を見たとき　この癖のある英国俳優はどこかで見たなあと思ってたら　この作品であったのね　ヒッチもトリュフォーもここでの彼や演技に辛口なんだけど　バザーでの血の人形をめぐるシークェンスも演出が弛緩してるんだけど　アラステア・シムのくどい演技は　ジェーン・ワイマンの娘を思う気持ちとしては　良く感じ取れる演技です　ボクには

そのジェーン・ワイマンは　可愛く撮れてるんですけど　ディートリッヒに比べたら　ど田舎娘みたいに見えると　本人がまったく気に入らなくて　どんどん綺麗に見えるように化粧とか変えていって演技設計もなにも失敗してしまっているんですってW
まあね　出番は少なくても　マレーネは圧倒的な存在感で　ラストのほうのワンカットのアップだけで　映画を締めてしまいますからものすごい　貫禄ですな

事件に関係する人々がなかなか出会わない　すれ違いの設定が面白いんですけど　そのため犯人の出番も少なく　ヒッチコックいわく悪役に魅力が無いのがこの映画の最大の弱点となってしまいました　　

ヒッチコック自身はこの作品を評価しなかったそうですが、
すごく楽しく観られました！
初期作品ですが、既にヒッチらしいハラハラシーンもたくさん
ちりばめられてます。

主役のジェーン・ワイマンの駆けずり回る
奮闘ぶりと対極の「気だるい女」ディートリッヒの
ゴージャスさがスゴイ！　モノクロ作品ですが、彼女のショー
場面ではまるでカラー作品を観ているような錯覚さえあるかも。
（凝視していると、だんだんドラァグ・クイーンに見えて
しまいましたが・・・ははは）

そして警官役のマイケル・ワイルディング、クラシック映画
らしい美男だなぁ、と思ってみていたら、特典で「エリザベ
ス・テイラーと結婚していた」と知ってビックリ。リズの元
ダンナさんですか、ほぉぉ〜。

とにかく、どんでん返しにハラハラに、と飽きさせません。
そしてお父さん役の活躍も見逃せない。
ぜひお試しあれ！！