天国の日々

ワタクシ この映画大好きなんです　別に ギアのファンだからじゃないですよ　どうして 誰もレビュー書いてないんでしょう？ 不思議だな … 　この作品が 夕方の数十分だけを選んで撮影されたというのは 余りにも有名な話ですが そんなウンチク抜きにしても 映像の素晴らしさは感動的　夕映えの田園風景が 目に焼きついて離れなくなります　悲劇的な最期を迎える主人公には 悲哀を感じるけれど 力強く生きていく 女の子達の語りに救われます　「 テス 」 とか好きな方にはオススメします

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　参ったなあ。ちょっと観るつもりが、引き込まれてしまいました。最初は名画座で、つぎにビデオで、少し前にＢＳで、だから四回目くらいだと思うんだけど。観るたびに発見のある映画です。
　物語の冒頭は、テレンス・マリックの前作『地獄の逃避行』と同様に（というよりほとんど同じ始まりですね）、聖書（旧約聖書）をベースにしているようです。
　・・・神の啓示を受けて約束の地を目指したアブラヒムは、その美しい年上の妻を「姉」と偽って旅をします。そうしなければ、自分は殺され、妻を奪われてしまうだろう。その予想通り、強大な権力をもつエジプト王が、アブラヒムの妻に恋し、彼らはその庇護を受けることになります・・・。
　ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の信仰を持っていれば、きっと慣れ親しんだ物語なのでしょう。それをとばくちに、哲学の教師でもあったというテレンス・マリックは、実に素晴らしいドラマを構築しました。

　アルメンドロスの美しい映像の数々、モリコーネの心に残る美しい音楽については、もう皆さんが指摘されている通りです。
　今回思ったのは、意外なほどにテンポが早いこと。美しい絵のため、のんびりした映画だと覚えていたのですが、実は結構きびきびした語り口なのではないでしょうか。
　もうひとつ、かなりカメラを動かしていることです。それも、少なからぬ場面で、ドリーではなく手持ちカメラで、美しい背景に埋没しないように、カメラは的確に人物を追っています。

　最初のほうで「審判の日」のことが、少女のナレーションによって語られます。映画の終盤、サム・シェパード演じる農場主の苦悩が、つかの間の楽園を焼き払わせることになります。その炎を呼んだのは、イナゴの来襲とともに帰ってきたリチャード・ギアの存在でした。このときギアは黒いシャツに身を包み、あたかも悪魔のようにも見えます。
　確かに・・・思いがけず悲劇の引き金を引いてしまったという意味では、ギアはここでは悪魔なのかもしれません。でももちろん、彼は悪魔ではなく、ただの、かつての恋人をなお愛するひとりの男に過ぎません。
　それでも悲劇は起こり、楽園は失われました。
　無信仰な僕ですが、今回は、神のみわざという言葉を思い浮かべてしまいました。俳優たちも実に素晴らしく、鑑賞後に感じられる希望も、心地よいものです。たとえば、キエシロフスキの映画に惹かれる人でしたら、ぜひお勧めいたします。９５点。

真正銘のマジック・アワーの瞬間に産まれ落ちた、珠玉の一品。シンプルなストーリーながら、普遍的で、いろんな意味で完成された作品だと思う。再見だったが、何度観ても唸ってしまう。

本作の主題は、（前出のレビュアーさんが述べられている通り）旧約聖書にある。創世記12章10節「エジプト寄留」。アブラムが寄留許可を得るため、妻サライを妹と偽ってファラオに差し出す。その所業に怒ったヤハウェは、ファラオと宮廷に、病と災いをもたらす。偽りに気づいたファラオは、アブラムをエジプトから追放する…。
聖書との違いがあるとすれば、ファラオは、アブラムを責め、サライも共に追放してしまうが、チャック（農場主）はアビーを追放したくなかったし、アビーもまたチャックの元に居たかったろう。
聖書の方が、まだ割り切っているとさえ思えてしまう。2000年以上経っても、男と女はある意味見苦しく、それゆえに人間らしい存在だ。

聖書の方では、もちろんアブラムは生き残る。ところがこの後、妻サライが自分は子供が産めないという理由で、仕え女をアブラムにあてがうのだ。つまり前段でアブラムがおこなったのに（動機こそ違え）似た様な事を、今度は妻が夫に対して行うのである。（今の感覚で読んだって、しょうがないが）このへんが聖書世界の残酷なところだ。実際の人間は、それほどにドライでは無い。だからより人間的な悲劇が起こるのだろう。

つい先日、古いサイレント映画を映画館で観た時に感じたことがある。フィルムに音がつけられない時に、当時の製作者はどうやってストーリーを語ろうとしたか。答えは簡単。「画面を見ているだけでストーリーが分かるようにした」のだ。人物関係、時間、場所、状況、全てを映像に込めてみせた。
映画は今や総合芸術になった。しかし、サイレントの頃の映像表現が現在より全く劣っているわけではない。画面だけの力では、むしろ昔の方が強いかもしれない。

この作品がもし、サイレント映画だったとする。だとしても観客は、さらりとドラマに入り込めると思う。それほどにこの映画は、映像の力が突出している。美しくも厳しい大地と、その懐で運命に翻弄される人々の姿が、完璧なまでに活写されているのだ。

小麦が風に攪拌されてうねる様が、運命に翻弄される人間の姿を象徴しているようで、美しくも哀しい。

テレンス・マリックの新作「ニューワールド」の評判はいまひとつ芳しくないようですが、私はけっこう好きでした。ラヴァースさんもお気に入りのようで、嬉しいかぎりです。

同じくテレンス・マリックのこの作品を、約２０年ぶりに見直してみました。
乾いた大地にゆれる麦の穂、夕暮れの風景など映像の美しさは天下一品。だたし、ハリウッド映画の派手なストーリー展開に慣れてしまうと、こういう起伏の少ない展開は退屈だと感じてしまうのでしょうね。そのへんは「ニューワールド」と共通。

物語は大恐慌前の１９１６年。当時の季節労働者の貧しさには本当に驚きます。雪がうっすらと降り積もるような時でも、外で寝起きしている。
そんな彼らがつかの間の「天国」を求めても、責められないのではないか。
綻びだらけの「天国」を出て、アビーとリンダはどこに流れていくのだろうか？

この作品が出た当時は、とにかくリチャード・ギアが好きで、彼の顔を眺めてるだけで嬉しかったものです。そういえばｌｉｎａさんがお探しだった「ミスターグッドバーを探して」にも、チョイ役で出演してました、確か。

ミスターグッドバーも読み終わり
ああ、やっぱりそんな話だったのねと　一安心。
でも　映画は強烈でしたね。
映画ならでは、　そしてまだまだ　お子様だったので。

パープルローズ様、コメントして頂いてありがとうございました。
いつかＤＶＤで観る機会があったらチェックしますね。
それから　トム・ベレンジャーも出ているらしいです。

この作品、まだ観ていないのですが　パープルさんに
是非ご挨拶しておきたかったので。