レ・ミゼラブル

2012年(イギリス/158分)

暗い重厚な色調。重いSTORY。158分間ボリューム。

ミュージカル映画を堪能しました。

ヴィクトル・ユゴーの小説というよりは、1960年初演のミュージカルの
完全映画化。ラストが小説と違います。

キャストの熱のこもった歌唱、ヒュー・ジャックマンの素晴らしさ。
アン・ハサウェイの演ずるような歌唱力。
アマンダ・セイフライドとエディ・レッドメインの清純派カップルも
歌唱力は実力派。

それにしてもラッセル・クロウ演じる悪役ベルナールの執念深さには、
怒りを覚える程だった。
ジャン・ヴァルジャンの逃げ続ける執念も凄い。
ジャン・ヴァルジャンは怪力の男として描かれ、その怪力が、
逃亡犯ジャンと気づく原因になる所も悲しい。

後半は1862年の6月暴動に移り、映画は盛り上がる。
エディ・レッドメインとアマンダ・セルフレイドの若いカップルの
恋が実るか？とかエディは助かるのか？
気を揉ませる。

なんといっても、撮影場所となった歴史ある建物、場所
ウィンチェスター・カレッジ、
ウィンチェスター大聖堂付近、
ポーツマス海軍基地、
などが暗く重い色調の映像を引き立てている。

ミュージカル映画として殆どの会話が歌なので、思いっきり、
アン・ハサウェイの歌う「夢破れて」などに聞き惚れることができた。

158分の長丁場を突っ走るエネルギーを堪能しました。
傑作ミュージカル映画。

評価７８点(100点満点)
仏の大文豪ヴィクトル・ユーゴーの名作をミュージカル仕立てにした作品。
レ・ミゼラブルは「悲惨な人々」という意で翻訳された原作の邦題は「ああ無情」なんてことは皆さんすでにご承知のところ。
たった一つのパンを盗んだ罪で20年の服役を余儀なくされたジャン・バルジャン、刑期をや終えても危険人物という烙印をおされまともに生きてゆくこともかなわない。
彼が人間不信に陥り憎悪のみの感情で生きてきたのもしかたのないところ。
しかし修道院の司教が彼に与えてくれた愛は、今までの彼の思いを全て打ち砕き、罪を悔い、正しい人間になると誓うところからジャン・バルジャンが偉大な聖人としての生き様が始まる。
しかし彼を追うジャベール刑事、その信念は悪人は絶対に善人になれぬという頑なさなのである。
時が流れ、名前を変え工場経営者でもあり市長にもなったジャン・バルジャンは自分の名声地位を捨ててまでも、自分の身代わりに逮捕された男を救う。
工場の女工から売春婦に身をおとさなければならなかったフォンティーヌの娘コゼットを育てると約束し再び逃亡の旅へ。
劇中にはいろんな「悲惨な人々」が登場し、善と悪がはっきりと描かれている。
ストーリーは成長したコゼットと革命戦士マリウスの恋へ、そしてフランス革命へと進展して行くが根底に流れるのはジャン・バルジャンの全ての人々に対する不変の愛と慈しみなのである。
それは仇敵ジャベール刑事にもむけられる。
彼がここまで変れたのは「神の啓示」ではなく司教に与えられた人間からの愛なのだが多分それは形を変えた神からの授かり物だったと言えるのだろう。
本作はもちろん原作の重要シーンの抜粋みたいにはなっているが原作の精神はしっかりと守っているし、なかなか巧みなまとめかただと感心してしまった。
意外にもラッセル・クロウがミユージカルに溶け込んでいたのは驚き。

ミュージカルなのを忘れてレンタル。
ミュージカル大嫌いな私のレビューです。
全ての台詞に抑揚をつけただけなので、
ラップをずっと聴かされているような、
全ての歌がへたくそにしか聞こえない、
この苦痛に耐えられず、途中断念。

2012年　　アメリカとイギリスによるミュージカル映画
原題　　　LES MISERABLES

純粋に素晴らしい！と思いました。
歌と音楽の持つ力を存分に発揮した映画ではないでしょうか。
歌だけでなく音楽がこの物語を盛り上げていると感じます。
『ミュージカル映画』という括りになっていますが、私はオペラに近いと思う。
皆様が言われている通り普通に話す台詞というものは殆どありません。
“囁き”や、ほんの少しの言葉も歌っているので、曲調こそクラシックではありませんが、形式はまさにオペラです。多分、「えっ、そこも歌っちゃうの？」という感じは私も分かる気がします。
賛否が分かれるのは、そういった部分が重たく、しつこく感じるからかもしれませんね。

あらすじは割愛しますが日本で例えると、大河ドラマの様な超大作で古典文学でもあるので、
長くて重いのは、これはもう仕方ありません。
それを“どう感じるかは個人個人それぞれ”だし、“好き嫌い”も理屈ではありません。
ただ、あまりに俳優をこき下ろすのはどうなんでしょうか。
ラッセル・クロウも執念深く執拗に追うジャベールを充分過ぎる程演じていたと思うし、私が凄く良かったと思うのはコゼットやマリウスよりもエポニーヌ。
彼女はマリウスに想いを寄せるもその想いは届かない、そんな孤独な気持ちを切々と独り歌う様は悲哀を感じずにはいられないし、マリウスの腕の中で息を引き取る所はたまらなく切なかった。
このエポニーヌの存在あってこそ、コゼットとマリウスが引き立つのです。

アンハサウェイが歌う「夢やぶれて」はもちろん好きですが、終盤での「民衆の歌」を配役それぞれが、それぞれの背景で歌い上げる様は最も好きなシーンで、もう何度も観ているのに、無性に観（聴き）たくなる時があります。
ミュージカルが苦手な方は1998年のリーアム・ニーソン主演のレ・ミゼラブルをお勧めします。
話の内容はこちらよりも細やかに描かれていて時間も134分とこちらよりも若干短いです。
私は1998年のレ・ミゼラブルも本作も甲乙つけ難い作品だと思っています。

この際もう
小難しい歴史ものや
コスチュームもの
伝記ものなどは
全てミュージカルにしてみてはどうでしょうか。
ミュージカルにすると
観る気もなかった題材の作品に
スンナリと入っていけます。
ましてやキャストは豪華そのもの
キャストには惹かれるけど
内容には全く響かないから
やぱり観ない・・・
なんてことが有り得なくなります。
メロディと歌声が素晴らしければ
小難しくてもスンナリわかる。
楽しくわかる。
迫りくるようなメロディ
儚げで美しい歌声
そして強く苦しい歌声
ヒューやアンちゃんにはさほど驚かなく
実力どおりって感じで安定していましたが
ボクが最も印象に残ったのは

乱暴に言ってしまえば
面白くなりそうになかったら
唄えばいいんです（笑）

アマンダ・サイフリッドってこんなにキュートでしたっけ？
薄化粧のほうが断然イイじゃないですか。

ヒューの髪型が何気にツボ。
ちょっと笑える。

なんとなくの印象ですが
ヘレナさんは最近こんな役ばっかですね（笑）