シライサン

女子大生・瑞紀（飯豊まりえ）は、怪談好きの友人・香奈（江野沢愛美）の死を目撃する。
眼球が破裂した香奈の死に顔は無惨で、瑞紀の衝撃は強かった。
落ち込む瑞紀の前に、春男と名乗る青年が現れる。
彼は「香奈とバイト仲間だった弟が、彼女と同じ死に方をした」と言う。
二人は、香奈たちの死には「怪談」が関係すると知り…

『不気味な女の名が「シライさん」だと知ってしまったら死ぬ』という怪談は本当だった！
白い着物に長い髪のシライさんは、拝むように両手を合わせている。
彼女の両手には穴が開けられ、鈴の付いた紐が通されているのだ。
特徴的なのは、宇宙人グレイを思わせる大きな目。ちょっと可愛いｗ
チリーンと鈴の音が聞こえたら、シライさん登場の合図！
特殊メイクと言うかマスク感満載のシライさんは、あまり怖くなかった…

脚本・監督は、小説家・乙一として知られる安達寛高。
眼球の破裂描写は、グロさ少なめの安心仕様で品がよい。
「いいね」が一個ももらえない瑞紀、明るくて社交的な香奈、対照的な二人の友情。
香奈の霊に切々と語りかける瑞紀が良かった。
春男の瑞紀への優しい想いが溢れるラストも素敵。
だが、トントン拍子に判明するシライさんの謎、単調な恐怖演出が少々退屈…

春男の父が印象的だった。
眼球が破裂した次男の死に顔を見ても父親は平常心。
妻を亡くしている彼は「大事な人が死ぬと死を受け入れられるんだよ」と微笑む…
すげー、解脱者かよｗ

流血して倒れた患者を前にして腰を抜かす看護師、
息子の部屋から苦悶の声が聞こえてもドアを開けない母親、
個人情報を漏らす病院関係者、旅館の従業員、マンション住人にも違和感を覚えた。
こういうのは1、2個ならスルーだけど、何個もあると気になるｗ

香奈たちに「シライさんの怪談」を教えた渡辺（染谷将太）という男がいい感じ。
聞いた者を不安な気持ちにさせる「巻き込み系怪談」を語る彼からは、
かすかな悪意を感じるわーｗ
このシーンが最も雰囲気があって好き。
でも、香奈の背中のはみ肉が映り込んでいて可哀想だった…

★チェック

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個人的にJホラーには辛口で、あんまり気に入る作品がないんですけど。
当作品はなかなか意外に楽しめました。
とりあえずタイトルがいいねー。こういう平凡なタイトルが逆に怖さを増長させる気が。それにしても、何でカタカナで書くとホラー要素上がるんだろ。

ベースは都市伝説的な怖い話。
それを面白半分＋怖い話聞きたさで聞いてしまった者が次々と呪われるというストーリー。
劇中で何度も語られるシライサンの話は、あるあるでいつかどこかで聞いた様な内容だから、一層リアリティを感じさせます。
加えて、Jホラー特有のじめじめした、いや〜な世界観。
なかなかです。
何故かオープニングから退屈せず惹き込まれるのは構成の上手さかなー。

シライサンの登場シーンも個人的に好きです。
これぞJホラー的な。
こんなのに絶対追われたくない。
ただ、目が潰れる演出は安っぽくて残念。まだまだ日本の技術は低レベルなのかなーと実感。


クライマックスが意外にあっさり物静かに終わったのも心残りだけど、ゾクッとしたオチは楽しめました。




おすすめ度 70％

　心不全での死亡。眼球破裂というショッキングな状態で。

　親友を目の前で亡くした女性と、弟を亡くした男がその事件の真相に迫っていく。

　その中で知る名前『シライサン』。
　過去にも多くの犠牲者がいた。

　基本的にそんなに怖くない。
　不思議な感じはあるけども。

70数分の短いＢ級ホラーですが
何故か話題大だったドッグのトンネルものより鳥肌立ちました。
最近、怖いものなしで、森の無灯の露天風呂でもひとりゆっくり浸かれる身なのですが、
なんなんだろ、相性かな！？