銀の匙　Ｓｉｌｖｅｒ　Ｓｐｏｏｎ

受験に失敗し、厳しい親から逃げる理由で大蝦夷農業高校に入学した
主人公の八軒勇吾（はちけんゆうご）が、慣れない畜産の実習に
悪戦苦闘しながら夢とは何かを考え成長していく青春ストーリーです。

原作は『鋼の錬金術士』でも有名な荒川弘先生の同名コミックで、
若手中心ながら原作ファンも納得のキャスティングだと思います♪

特に、タマコ役を演じている安田カナさんは
漫画の世界から飛び出して来たかのようにそっくりで驚きます！(≧∀≦)
（あれだけ特徴的なのに出番が少なかったのは残念…）

また、教師役として、吹石一恵さん、中村獅童さん、上島竜兵さん。
ヒロインであるアキのライバル役として、黒木華さん。
その他にも、哀川翔さん、竹内力さん、吹越満さん、など。
脇を固める俳優陣は豪華です。(*´∀`*)

ストーリーも原作をイチから順番におさらいするのではなく、
要所のポイントを抑えた形できれいにまとまっているので
原作を知らない方はもちろん、知っている方でも楽しめます♪

原作の漫画が、わりとセリフ量も多くギャグっぽいノリだったのに比べて、
映画は淡々と進行していくので、やや地味な印象はありますが、
実写ならではのリアリティは漫画では決して表現できないもので、
正直、ずるい！と思ってしまいました。((>д< ;)))

中でも印象的だったのは、やはり豚の屠畜シーンでしょうか。

漫画では、教材ビデオを見るだけでしたが、
本作は、実際に生徒達が屠殺場を見学する内容に変わっています。

今、まさに殺されようとしている豚。電気ショック等の道具。解体後の生肉。
それらを通して伝わってくる生の映像は深く心に刺さるものがあります。
（ぼかしたりしているので、映像自体はそこまでグロくはありません）

欲を言えば、八軒が、原作のような人一倍責任感が強い性格ではなく、
たんなる青春映画の主人公止まりに終わってしまっていたので
もっと八軒という人物のキャラクターが深堀されていれば最高でした。

頭の良い八軒が、畜産などの特定分野における知識では
他の生徒にかなわなかったりといった、農業高校ならではの
あるある的なエピソードも少なかったように思います。

「さんかく」「純喫茶磯辺」などの吉田恵輔監督が手掛けてるってことで観てみました。
人気コミックが原作で、主役がアイドル（といっても私はこの中島健人くんって子を全く知らなかったのですが）。
今までの作品とは勝手が違ったんじゃないかなと思いますが、それなりにおもしろく観れました。

印象に残ったことはまず何といっても屠殺のシーン。
よくぞ入れてくれました。私はもうちょっと詳しくみたかったけど、
ターゲットが中高生の映画だからこのくらいの長さが限度かな。

もうひとつはばんえいレースのシーン。
ばんえい競馬を扱った映画といえば、「雪に願うこと」が思い浮かびますが、
あの映画にも出演していた吹石一恵が教師役で出演。
ものすごーく細いのには驚きました。

あと、ほんの少ししか出てないのに強い印象を残すのが前野朋哉くん。応援してます。

映画というものも　時を経て進化を遂げ
観客を飽きさせないようにとあの手この手を編み出しております
それに慣れてしまった私たちは
盛り上がりの強さや　テンポの良さが当たり前となり
少しでもダレルと飽きてしまい
盛り上がりに欠けるとみるのをやめてしまったりします

この作品も　そういった意味で優秀な娯楽作品化というと
若干の？が付くことでしょう
でも広瀬アリスファンの僕はそんなこと気にはしません

そして例の理屈好きの爺がものを言います

近頃の冷凍食品の美味しさには目をみはるばかり
デパ地下のお惣菜もグルメの限りをつくし
カップ麺の利用者たるや…

こうして私たちは料理をすることを忘れてしまったかのような日々を過ごしています
ましてや　魚を三枚に下ろすなど　材料を加工するなど遠い世界
家畜をと絞めて枝肉にするなど想像もつかないことだろうと思います

でも
その過程なしに　黒毛和牛Ａ５ランクの焼き肉を食べることは（できないのです
昔の言葉に
駕籠に乗る人かつぐ人　そのまた草鞋を作る人
というのがあります

恩恵を受けることに慣れきった私たちの生活に
若干のブラック・ペッパーを振りかけてくれる
なかなかの映画だったと思います

全部が中途半端。やっぱり…農家や畜産農家の現実は現実的に描いても…もっと原作に忠実にしないとおもしろくない。ヒロインもびみょーです

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

　進学校をキックアウトした主人公が北海道の農業高校へやってきて様々な経験をしていく。
　
　農業の知らない世界を覗くことができる面白さのある映画で面白かったです。農業の大変さ、慈善事業ではなくビジネスとしての農業。ばんえい競馬。
　主人公が最初は嫌々やっていくけど、素敵な仲間たちと農業の経験を通して成長していく王道の展開は見ていて気持ちがいいです。仲間たちと文化祭を成功させるために努力したり、親友のピンチに何とかしてあげたいと動いたり。
　豚の屠殺だったりばんえい競馬の成績が悪い馬もすぐに処分されるなどの現実の厳しさ。農業で稼ぐ大変さを見ることができました。
　その中で吉田恵輔監督作品らしい主人公たちの背後で強烈なキャラクターなんかも笑えました。

　ただ若者たちの青春ものとしてもよくできていると思いましたが、目新しさという点では新鮮さは少なく。目標のない主人公が可愛いヒロインと熱い友だちとかと出会い、夏休みに泊まり込みでバイトして豚の命をどうするのか悩み、友だちの倒産があったり、ヒロインの諦めきれない夢の背中を押したり。わかりやすい展開が続き、物凄く心が動かされるという展開ではなかったです。素敵な仲間に温かく見守る先生たち。どんだけ幸福な環境なんだと。
　しかも何かを準備だったり時間経過だったりのモンタージュが結構たくさんあって、そこに音楽がかぶさり似たような手法が続いてだんだんと飽きてきました。

　けれども爽やかな映画で面白かったです。