アイ・アム・ニューマン　新しい人生の見つけ方

（少しネタばれ）

いわゆる「ミッドライフ・クライシス」（中年の危機）のオハナシでしょうか。
他の方も書かれていますが、イイ歳したオジサンの自分探しというのは見ていてツライ（苦笑）。
周到に準備して「新しい自分」になったものの、新天地での人生設計はずいぶんと甘チャンで
コリン・ファースにこんな浅はかな役やらせんなーと腹立たしくもなる脚本。

で、相手役のエミリー・ブラントは小悪魔的なキャラできっと男性にはウケるかもって感じだけど、
オバサンとしては「なにやってんのアンタ！」と喝を入れたいような女の子（笑）。
そんな２人の道行きは、やっぱそうなるのねって感じの安易さでエロ全開になっちゃうのでした。

んんー、やっぱりこの無軌道さは「若さ」で魅せないと、身も蓋もないと思う。
切ないハズの終盤の展開とラストシーンを見届けながら、私は心の中で
「ハイッ！終わり、終わり！みんな正気にかえんなさい！」っと手をパンパン叩く思いでいました（笑）。

アイ・アム・ニューマン 新しい人生の見つけ方（２０１２年アメリカ、カラー９３分）

コリン・ファース、エミリー・ブラント、アン・ヘッシュ、この３大スター競演にしてこのプロットは本当にもったいない。ロードムービーの形をとってはいるが、‘自分勝手な中年男’ の単なるわがままを描いただけ．．．そんな凡庸な作品だった。

元プロゴルファーで、今はＦｅｄｅｘに勤務するウォレス（コリン・ファース）。彼はこれまでの人生で仕事もうまくいかず、妻にも逃げられ、一人息子のケヴィン（ルーカス・ヘッジズ）からは疎まれる存在だった。偽造ＩＤを手に入れたウォレスは、海で水死を装い、‘アーサー・ニューマン’という名の新しい自分として生きることにする。彼はある夜、ドラッグの過剰摂取で倒れていたミカエラ（エミリー・ブラント）を助け、病院に連れて行く。翌朝、ウォレスは回復したミカエラを彼女の自宅へ送り届けるが、些細なことから自分の偽名がばれてしまう．．．。

コリン・ファースの役柄にまったく感情移入できず、多少の嫌悪感さえ覚える。
‘いい歳こいたオッサンが、仕事にも家庭にも責任を果たせんと、何しとんねん！（怒）’

エミリー・ブラント扮するミカエルも、本当の名前はシャロット・フィッツジェラルド。
複雑な家庭環境を背景に、彼女も投げやりな人生を送っている。

その彼女を助けたとはいえ、何故に ‘その後の繋がり’ が生まれてくるのか理解に苦しむ。
無理やり生み出されたようなストーリーの流れでは、観客の心をつなぎとめることは難しい。

１３歳のケヴィンを演じたルーカス・ヘッジズは、本作出演時１６歳。
４年後、２０１６年「マンチェスター・バイ・ザ・シー」で主人公ケイシー・アフレックの甥パトリックを演ずることになり、同作でアカデミー助演男優賞にノミネートされる。時に２０歳の若さ。

若い俳優さんが頑張っている。

設定が妙だったので、どういう展開で進んでいくのかと思ったのですが、退屈な展開でした。やっていることはハチャメチャなんだけど、そこに中身がないから、ふーーん、あっそ、って感じなんですね。新しい自分になるという動機の設定も面白いけど、それでもやる必要性から考えると弱いから、グダグダ感が出てしまう。

でもまぁ、だからこそ「なんだ、自分探しか」っていう感じで終わって、それはそれでハッピーエンドなのかも知れません。えぇおっさんのグダグダした自分探し。振り回された家族がかわいそうやな、ほんま・・・

普通に最後まで観ました。

基本的に主人公の２人しか出てこない といった感じのヒューマンドラマです。
エミリーブラント好きでなければ最後まで観るのは難しいかも。

話の内容としてはいいお話なのかもしれませんが
映画作品としては面白みに欠けると思います。