ヒューマニスト　堕ちた弁護士　シーズン３

物語は淡々と進みますが、案件ひとつひとつは色々と考えさせられるものがあります。
心が痛かったのは。。。
【４年間、昏睡状態にあった妻の安楽死を望んだ男性。だが、裁判所命令により、安楽死は認められなかった。それから４年、仕事を掛け持ちし３人の娘を育てながら、日に２回は妻の看病の為に病院を訪れる男性。手一杯で、長女に妹達の母親代わりをさせた事で、ネグレストとして子供達と引き離される事となってしまう】
この案件は考えさせられる事が多かった。
誰も悪くないのだ。
妻の安らぎを求めた男性も、娘の死を受け入れられなかった両親も、状況に照らし合わせて判決を言い渡した裁判所も、長女の言い分も。。。
誰も間違ってはいない。
それでも、幸せではないのだ。
法律は、判決後の現実までは責任を取ってはくれない。
現状を受け入れ、出来るかぎりの事をした男性。でも結局は子供達と引き離されてしまった。
良い親も悪い親も、それぞれに言い分があり、子供達にも言い分がある。そして、どんな場合でも犠牲となるのは子度達なのだ。
その現実をしっかりと見せ付けてくれた今作は、なかなか見応えのある作品でした。
ヒューマンドラマとしてはオススメの作品です。

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社会奉仕が終わるのを心底喜ぶニック。
何年も勤めても、児童相談所の仕事に魅力を感じなかったニック。
これってある意味面白い。
そもそものあらすじからすると、【ドラッグで転落したエリート弁護士が、児童相談所での奉仕活動を通して、心を入れ替える物語】だと思っていた。
まぁ、ありがちな感じ^^;
ところが、結局ニックの心は変わらなかったのだ。
もちろん、児童相談所での仕事によって影響を受けた部分は多いだろうが、本質は変わらなかった。
ラスト、児童相談所を継ぐ事になったニックだが、それはあくまでも成り行きでしかないのだ。
【子供に寄り添う為】に継いだわけではない。
反面、予算委員会で委員を説得するニックは堂々としたもの。
大事なのは、【子供を想う心】ではなく【口のうまさ】なのかとも思ってしまう。
アルヴィンのように被害者に入れ込む事がない分、ニックの方がうまく経営していけるのかもしれませんね。
そういう意味では、ラストは思った通りであっても、意味合いは全然違うものでした。
これはこれで興味深いものがあります。

今回は、ニックの傲慢な態度が問題になります。
前回、ニックを優遇しているとジェイクに指摘されたバートン。
本人は、息子であれども他の部下と対等に扱っていると断言していたものの、正直、アマアマな父ちゃんにしか見えない。。。
一番有能なジェイクが問題を起こした時には、さっさと切り捨てようとしたバートン。
だが、息子となると、ドラッグをやろうが、殺人の容疑者になろうが、守り通してきたのだ。
仕事を取り上げる事はなかった。
そしてニックもまた、それを当然と思っているのだ。
それどころか、息子であるが故に、バートンは自分に対して厳しいとまで思っている。
端から見たらこんな甘い経営者はいないと思いますけど^^;
そういう事の繰り返しが今回の件に繋がったと言っても過言ではない。
周囲に対しての暴言がニック本人を追い詰めたのだ。
まぁ、それで心を入れ替えるようなニックではないけどね。
多分、本人は全然分かってないと思うし(-_-;)
ニックの言動は、弁護士以前に人としてどうなのだろうと疑問に思ってしまう。

今作を見ていると、子供の事なんてまるで考えない親が多い。
人としてもロクでもない人物ばかりで、子供にとって悪影響しか与えないような人間。
それでもやはり、親は親なのだろうか？
特に、シャナンと父親であるロイとの関係は興味深い。
ドラッグ中毒の母親の元で育ったシャナン。
その当時は、ロイはシャナンの事を一切気に掛けているそぶりはない。
だからこそ、バートンがシャナンを引き取ったわけだが、それでもシャナンにとってロイは【父親】なのだ。
真っ当な人から見たら、娘に悪影響を与えるだけの切り捨てたい人物だったとしても、シャナンはロイを愛している。
そして、ロイもまた、娘を愛しているのだ。彼なりには。。。
バートンに、金で娘を売ろうとするような父親でもね。
今回、問題を起こしてしまったロイ。本来ならさっさとシャナンの人生から追い出してしまえば良いところだが、【親子の愛】がそれを妨げるのだ。
バートン親子もそうだけど、【親子の愛】って複雑だよなぁ。。。





今回のゲスト。
第１７話【必死の捜索】
ヴァイオレットは【キック・アス】のヒット・ガール。

ジェイクという人物は、つくづく芯の強い人だと思う。
事務所の共同経営の件ではバートンに振り回され、新事務所の件ではニックに裏切られた。
そして、自分の性的趣向とは折り合いがつけられず、悩み多き人なのに、道を踏み外す事もなく自分を保ち続けているのだ。
バートンは暴行、ニックはドラッグという逃げ道を持つ中、ジェイクだけは暴走する事がない。
それはひとえに、【目標】があるからなのでしょう。
貧乏人の息子であるジェイクは、文字通り血の滲むような努力をして今の地位を手に入れたのだ。
そしてまだまだ目指す夢がある。
その夢の為には、しっかりと自分を抑える事が出来るのだ。
もちろん、自分のプライドを傷つけた人にこっそり復讐したりした事はあったけど、バートンやニックに比べたら可愛いもんだ。
この事務所にいるかぎり、彼の努力が報われる日が来るのかは疑問だけど。。。





今回のゲスト。
第１６話【思春期の闇】
エミリーは【ＴＡＫＥＮ　テイクン】のベッキー・クラーク。
オルークは【レイ・ドノヴァン】のフランク・バーンズ。
マルコムは【ボーンズ】のコリン・フィッシャー。
アリソンは【デクスター】のヴァレリー・ホッジス。