ヴァンパイア

（完全に偏見レビューにて、あしからず）

　案外、岩井俊二節は洋画に馴染むのかもしれない。あのフワフワ感は、邦画の画面だから
どこかムズムズする（私見）のであって、ロケーションやキャストを外国に移してしまえば
案外こんなふうにすとんと落ち着いてしまう。これはこれで外国人が観たら、やっぱりムズムズ
するのかもしれないけれど。（なのに、蒼井優をむりやり出しちゃうから、また別のムズムズが）

　ヴァンパイア映画なのに、吸血描写は抑えられる。サイモンは暴力的に吸血する仲間を、
「それはレイプじゃないか」と言って、激しく嫌悪する。自分はと言えば、注意深く自殺志願者と
接触し、ナイーブに語りかけながら血を得るのだ。

　ここではつまり、吸血とセックスをだぶらせて描いている。牙を使うか、ペニスを使うかの
違いだけ。ペニスを使わないセックスもあるし、射精することが快感で無い場合もある。
　吸血（≒セックス）は本能にまかせればいいのか、それとも心を通じ合わせることが必要か、
そういうことを語っている。
だからこれはヴァンパイア映画でなく、恋愛映画と言うべきなのだろう。

　サイモンは道具を使って吸血する。直接、首筋から吸うことをしない。これはどこか、
直接的な愛撫をしない草食的なセックスを連想する。優しく、気弱な、吸血鬼。
　近年流行りのティーンエイジ・ヴァンパイア・ムービーの流れなのかもしれない。
そっちの方は未見なので、吸血をどういうものと位置づけているかの比較は出来ないけれど。

　「画角を縦に取った方が綺麗なシーンだから」と突然画面を横倒しにしたり、いかにもな「岩井
メロディー」が流れてくると、ああ、やっぱり、と思ってしまう。　そういうところがなぁ…ムズムズ。

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　今までの岩井監督作品らしさである暖かい映像はほとんどなくなり、むしろ冷たい無機質な映像になっているのが特徴でした。
　更に海外作品のため、今までとは違った印象を更に強める作品でした。

　映像では今まで例えば【花とアリス】で満開の桜の下にいる女子高生のカットであったり、蒼井優さんのバレエシーンであったり。【リリィシュシュ】のカイトの映像であったり、そこだけを見るだけでハッとさせられるカットなりがありましたが。今作はあまりそういった印象的な映像美は抑えられている印象でした。
　とはいえ、岩井監督お得意のハレーション、逆光の映像は時々ありました。
　ストーリーは地味だし鬱的な物語だし単純明快な物でもないので、退屈を感じる展開かもしれないです。

　ヴァンパイアというタイトルで、自殺志願者をネットで募集して自殺ほう助する主人公。彼が一体本物のヴァンパイアなのか映画を見て最後までわかりません。
　主人公が自殺サイトを通して出会う人々。

　彼女たちと出会っていくと、彼女たちはみなどこか病んでいる。
　印象的だったのは、部屋の天井が空が描かれ、鳥かごの中の鳥。空を自由に飛びたいという表れだと思いました。その女性のハンドルネームがレディバードというのも何かしらの意味があるものだと思います。

　とても静かな映画でわかりやすいものでもないですが、岩井映画独特の空気感、雰囲気は相変わらずの映画だと思いました。

映像はきれいで吸い込まれそうでした。内容は何と表現していいのか難しいのだけど理解しづらかったです。主人公の男性は本物のヴァンパイアなのでしょうか？それとも普通の人間でただ単に血が欲しい欲求が抑えられないだけでしょうか？輸血のために血液検査したら普通に人間と同じ血液なのでやはり人間なのでしょうか？自殺願望の人をターゲットにして慎重に行動しているからなかなか発見されず・・・。ようやく彼のことを理解してくれる彼女に出会えもう人を殺さなくてもよくなったのにやはり悪いことは許されず・・・。ジャンルはラブストリーなのかなと思うけど後味悪かったです。サイモンが人の血を飲んでむせてるところは生々しくて気持ち悪かったです。あと、狂った感じのヴァンパイア仲間の人が女性をだまして殺そうとしたり血を吸ってるのは見ていておそろしかったです。セリフにもあったようにレイプと同じだと思います。認知症のお母さんも少し怖かったです。風船の意味が分からなかったです。監督さんは映像はいれいで丁寧な感じしたけどこの映画は何を伝えたいのかが本当に分からなかったです。昨日「ドリームハウス」をホラーと書いてあって見たけどホラーじゃなかったにに対し、この映画のが比べたらある意味ホラーかもしれないです。気持ち悪いというか不気味というか何とも言えないです。出演者の演技は良くて特に主役のサイモンの薄気味さや認知症の母親のうつろな表情とか良かったです。この映画キャストが外人さんが多いからまだきれいに見れた気がします。

ちょっと、わかんない。
うーん、わかんない。
岩井俊二は、幻想的な映像と音楽が大好きなのだけど、「リリィ・シュシュ……」は嫌いな映画。
で、今回もどうかなぁ、と思ったのだけど、悪いほうだったかな。
嫌いまではいかないけど、わからん映画。

白い風船がふわ〜んふわ〜んとしてるところとか、
撮影地カナダの森の中とか、
俳優も芝居はいいところとか、
見た目の美しい若者ばかりが出てくるとことか、
ま、きれいなんだけどね。

ヴァンパイアは、本物のヴァンパイアなんだろうか？
どうしてそうなったんだろうか？
アルツハイマーの母親は、それを知っているのだろうか？
とかは、考えないほうがいいのかも。
そんで、
若者が刹那的なのはある程度仕方ない問題なのだし、
そう美しいことでもないので、
こういう描き方は、あまり好きではないな。

色んな種類の恋があるので、これは恋愛映画なのでしょうね。
そんな自分にも、理解者はいる……ってことなのかな。
うーん、私には合わなかった。
でも、何年後かに観たら、違う印象を受けるかもしれない映画。
蒼井優とのシーンはよかったし、
「クジラの島の少女」のケイシャが出てて驚いた。
ブロンドの女優さん、どこか観たような……？このコもよかった。

　主人公の動機がまったく分からない・・・。　自死因子の研究ってのもウソぽっいし、飲人血？願望ってのも違うようだし・・・。
　ラストの一瞬浮遊するのも、何だかな・・・。