シンデレラ

ディズニークラシックのこの名作に、どっぷりハマル数日が続きます。
きっかけは、500円（定価）で買ったDVD。ディズニーのキャラクターグッズを扱う店に並んでいたのを気軽に買って、仰天したから！
絵は同じなのに、「日本語吹替え」のセリフが、声が全然違う！歌のシーンは英語のみ！
ありえなーい！
結局
３種類の吹替えを比較する事になりました。

一番古いのは、日本語吹き替え版ビデオ
　シンデレラが独りの時、継母を「ままお母さま」と呼びます。
義母に面と向かっては「お母さま」と言うのにです。
そこにこだわる心理に共感します。
ガラスの靴を落として走り去るシンデレラを追う時、
「騎兵隊！」と叫びます。

次は、このスペシャルエディション。
　大筋は同じですが、差別用語（トンマ、召し使い、ブス等）は言い換えてあったりします。
独りの時でも「お母さま」と言ってます。
よいこのディズニーだから仕方ないか！
「衛兵！」と叫びます。

最後に噴飯物の廉価版！
　古い作品なので、著作権上は、絵とオリジナル英語はクリア。
ただ、吹き替え音声の許可が下りなかったのでしょうか？改悪されてます！歌える人もいなかったんですね、
現代的に変えられた台詞は「ディズニークラシック」を愛する者を失望させます。
「警備員！」と叫びます。（論外ッ！！）
………
好みの問題ですが、私はチョット毒のある初期の吹き替えが好きだな！

　子供と一緒に観ています。子供は楽しんでいますし、もちろんそれなりに楽しい作品です（イジワル姉のドリゼラとアナスターシャは最高）。その意味ではそれでよいと思うのですが、ちょっと大人目線で考えてみますと。

　他のレビュアさんもおっしゃるとおり、皆さんご存知のストーリーはシンプルでそのままでは短すぎるので、
・シンデレラがねずみや犬、小鳥など動物に親切
・その動物たちがシンデレラを助け、ドレスを縫う（結局イジワルな姉二人に破られてしまう）
・ねずみや犬が、かぼちゃの馬車の馬や御者に変身する
・継母に閉じ込められたシンデレラを解放する
　といったお話を挟み込んでおります。こうしなければならなかった理由はもうひとつあって、それは原作からすでに内包されていた問題によるのだと思うのです。
　つまり、シンデレラって、王子様に選ばれるのを待ってるだけなんですね。
　いや女の子はそれが夢なのよ、と言われてしまいそうですが、映画のシンデレラは「夢はいつかきっとかなう。そう信じ続けることが大切」と歌ったり語ったり、まるでそれが映画のテーマのようなんですね。
　ところがシンデレラの「夢」は「王子様に選ばれること」。設定上、努力してかなうようなものでなく、結局は王子様任せなんです。パーティに行くにしても、魔法使いや動物たちに助けてもらうばかりですし。
　それを「夢はいつかきっとかなう」などと、安い映画やダメなＪポップのような表現をされても、普通はしらけてしまうでしょう。
　おそらく、この部分への言い訳として、「動物に親切→だから助けてもらえた」という物語の構造を取り入れざるを得なかったような気がするんです。
　もちろん、子供とはそんな話はしませんけれども。未採点。

「どんな状況でも善なる主人公の夢は叶う」
　あえて、そんなディズニーが嫌い！…という方のためのレビューです。ご了承ください。


　ディズニー作品の所謂お姫様譚は6つ。多くの場合、悪役は魔女や魔法使いで、敵対理由は単に「悪者だから」に過ぎない。
　この作品の悪役は継母。最後まで人間のまま、禁じ手の魔法なんか使わない。そんな彼女の立場がなかなか興味深い。

　考えてみよう。若く賢く美しく働き者の主人公ですら、結婚しなければ社会的地位が得られない。そんな社会環境で、「夫を失い、もはや若くなく、しかも連れ子2人」の継母がどれだけ辛酸を舐めたか？
　シンデレラの父が彼女と再婚した理由もまた、「娘の面倒を見てもらうため」と明言している。愛でも優しさでもなく、家政婦扱いだ。それでも継母には現実的に拒否権がなかっただろう。
　そして継子の（先妻の面影を想像させる）賢さ・美しさを目にしたら。居並べたとき、実子があからさまに継子の引き立て役にしかならなかったら。
　継母の猛烈な、我が子贔屓と継子いじめも、得心がいかないだろうか？

　そして、主人公の「シンデレラ」という名前。
「灰だらけ」という意味の名を持つこの女性を、荒俣宏は（どの著作か忘れたが）『家の中心である炉を支配する、ギリシアの女神（後に魔的に解釈される）ヘカテーの眷属』と推測している。
　彼女こそが魔女なのだ。
　ネズミ（ペストの媒介者）と会話できるのも、動物を使役して危機を脱するのも、魔法で変身できるのも、当然だ。

　つまりこの物語は、「国の支配者に取り入ろうとする若い魔女を、妨げようと奮闘するオバサンの話」
　そう思って一度ご覧ください。

　無論「ディズニープリンセス」中一番優雅な映像美も素晴らしい。最近の作品は、スピード感重視なのかちょっとね。

このＤＩＳＣＡＳさん、シンデレラ２はあるのに本家のシンデレラがない！というのが長いこと不満でしたが、その不満は過去のものになりました。あとリトル・マーメイドもレンタルできるようになるといいですね。

さて、シンデレラ。
もう５０年以上前の作品なんですね。私は３０代の主婦ですが、小さい頃ディズニーのシンデレラの絵本を持っていたので、なつかしかったです。ピンク色のドレスを食い入るように見ていたことを思い出しました。（結局、舞踏会に行くのは別のドレスですけどね）幼い私には小鳥やねずみたちが作ったピンクのドレスも夢のようにすてきだったんです。

この作品は、うちの６歳の娘もとても気にいったようで何度も見入っていました。優雅で夢があってとっても素敵です。

他の方が書かれたレビューをよみましたが、確かにシンデレラは待つだけの女に見えます。しかも一回会っただけの王子と結ばれて玉の輿って・・・お互いそれで良いのかしら？（ま、シンデレラ２では仲良く暮らしているようですけどね）
でもこれは５０年以上前の作品ですものね。もっと自分の意思で動いている、いきいきとしたお姫様を見たい！という方は「アラジン」のジャスミン王女を見てください。お姫様の描き方も、時代と共に変わったようで、比較するのも楽しいですよ。

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1950年　アメリカの長編アニメーション映画
原作：シャルル・ペロー

ヒロインを主人公とするディズニー作品は多くありますが、私が一番好きなのは「白雪姫」でも「眠りの森の美女」でもなく「シンデレラ」です！ウォルトディズニーはこの映画の構想に27年も掛けた。「シンデレラ」と言ったら日本ではディズニー作品がよく知られていますが、私は1976年実写版（イギリス制作のミュージカル映画）の「シンデレラ」が好きで、今回その再見と共にシンデレラの基本的な設定を確認したく鑑賞。誰でも大まかなストーリーは知っていると思いますが、シンデレラは義母と2人の娘アナスタシアとドリゼラと暮らしています。でもこの義母達と暮らすようになったのは何故か？ここは意外に知らない人もいるのではないでしょうか。（私もその一人です。というか、単に忘れたのかも）

設定に至った経緯は、シンデレラの父親は早くに妻を亡くし、シンデレラの為に母親が必要と考え再婚します。その再婚相手に2人の娘アナスタシアとドリゼラが居たと言う訳です。しかしながら病気になった父親は短命であっけなく亡くなってしまい、元々裕福だった事もあり、シンデレラの父親が亡くなった事で義母と2人の義娘は本性を表し、贅沢三昧。美しいシンデレラに嫉妬して辛く当たるのでした。ここまで遡って丁寧に説明されているのはとても嬉しいです。凄いなぁ、と思うのは、この1950年という時代に元々は一枚の絵とは思えない滑らかなアニメーションで、色合いも濃淡が美しい。絵の数は150万枚だったそうで長編アニメーション映画としては、1942年公開の「バンビ」以来だったらしい。
「シンデレラ」というと、いじめられて泣いているイメージがありますが、意外にタフで、自己主張もしっかりするのです。王子の帰国祝いとして舞踏会が開かれますが、その招待状には「国内の年頃の娘はすべて出席する事」と書かれてあり、「私にも権利がある！」とキッパリ言います。ここは「おっ、いいぞ〜！」と思った
そして脇役のネズミのジャックと猫のルシファーがまさに“トムとジェリー”さながらで、これだけで一本分の作品を観た気分になれる。いつも感心してしまうのは脇役の動物達が皆それぞれ立っていて、シンデレラが「いつかきっと幸せになれるわ」とポジティブに歌う時の小鳥達とのハーモニーや、ドレスを作る際に協力するシーン、ネズミのジャックと猫ルシファーの掛け合い等、素晴らしかった。
でも、クライマックスはこれからで、私は何と言っても魔法使いがシンデレラに魔法を掛けるところが大好きだ。カボチャが馬車になり、ネズミ達が白馬になる。屋敷で飼われている犬のブルーノは従者に変身し、最後にシンデレラが綺麗なドレスを身に纏い、ガラスの靴を履き、馬車に乗り込む。このシーンはワクワクして最高の気分になれる。そして12時を過ぎると魔法が解けてしまうと告げられ、シンデレラは王子のいる舞踏会に向かう。もうこの後は書かなくてもいいくらいの気分ですが、本当に丁寧だなと感心するのは終盤でシンデレラがガラスの靴を履くまでがしっかりと描かれています。大公がガラスの靴を持って来ると、義母がシンデレラを部屋に閉じ込めてしまうのです。ここはネズミのジャックが義母のポケットの中にある鍵を取り返しますが、ここはジャックの見せ場であり、ハラハラするシーンでもあります。ブルーノの手助けもあってシンデレラは無事部屋から脱出しますが、大公がシンデレラに靴を差し出そうとすると意地悪な継母がわざと杖を出し、ガラスの靴は粉々に壊れてしまう。ところがシンデレラはもう片方の靴を持っていたと言う訳で、ハッピーエンドを迎えます。このきめ細かな描写はウォルトディズニーの底力だと思います。魔法使いが歌う「ビビディ・バビディ・ブー」は懐かしく聴きました。
私が昔から何故「シンデレラ」が好きなのか、あまり考えた事はありませんでしたが、“惨めな娘が最後には花開く”という分かり易い筋書きと、簡単に言えば“ぎゃふんと言わせたのが気持ちいい”からかもしれません。幼い頃から知っている寓話を初心に帰って観る事が出来ました。