ポエトリー アグネスの詩 / ユン・ジョンヒ
ポエトリー アグネスの詩
/イ・チャンドン
平均評価点:
予告編を検索
全体の平均評価点: (5点満点)
(10)
解説・ストーリー
「オアシス」「シークレット・サンシャイン」の名匠イ・チャンドン監督が、一人の女性の魂の旅路を繊細に描いた感動のヒューマン・ドラマ。詩を学びたての初老女性が、次々と降りかかる過酷な現実に、詩作を通して答えを見出そうと苦悶する姿を詩情溢れる映像とともに綴る。66歳のミジャは、釜山で働く娘に代わって面倒を見ている中学3年生の孫ジョンウクと2人暮らし。ある日彼女は、偶然目にした広告がきっかけで詩作教室に通い始める。講師のアドバイスに従い、小さなノートを手に周囲に目をこらしては、感じたことをメモし、美しい言葉を探して求めていく。そんな中、孫のジョンウクが関わっていたあるおぞましい事件が発覚するのだが…。
「オアシス」「シークレット・サンシャイン」の名匠イ・チャンドン監督が、一人の女性の魂の旅路を繊細に描いた感動のヒューマン・ドラマ。詩を学びたての初老女性が、次々と降りかかる過酷な現実に、詩作を通して答えを見出そうと苦悶する姿を詩情溢れる映像とともに綴る。66歳のミジャは、釜山で働く娘に代わって面倒を見ている中学3年生の孫ジョンウクと2人暮らし。ある日彼女は、偶然目にした広告がきっかけで詩作教室に通い始める。講師のアドバイスに従い、小さなノートを手に周囲に目をこらしては、感じたことをメモし、美しい言葉を探して求めていく。そんな中、孫のジョンウクが関わっていたあるおぞましい事件が発覚するのだが…。
もっと見る▼
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- 無料お試し期間中『新作』はレンタル対象外です。
新作をレンタルする方法はこちら
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
「ポエトリー アグネスの詩」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
「オアシス」「シークレット・サンシャイン」の名匠イ・チャンドン監督が、一人の女性の魂の旅路を繊細に描いた感動のヒューマン・ドラマ。詩を学びたての初老女性が、次々と降りかかる過酷な現実に、詩作を通して答えを見出そうと苦悶する姿を詩情溢れる映像とともに綴る。66歳のミジャは、釜山で働く娘に代わって面倒を見ている中学3年生の孫ジョンウクと2人暮らし。ある日彼女は、偶然目にした広告がきっかけで詩作教室に通い始める。講師のアドバイスに従い、小さなノートを手に周囲に目をこらしては、感じたことをメモし、美しい言葉を探して求めていく。そんな中、孫のジョンウクが関わっていたあるおぞましい事件が発覚するのだが…。
「ポエトリー アグネスの詩」 の作品情報
「ポエトリー アグネスの詩」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
ポエトリー アグネスの詩の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
139分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/ステレオ/韓国語 2:ドルビーデジタル/ステレオ/韓国語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
PG-12 |
DRZS07367 |
2013年01月11日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
6枚
|
1人
|
1人
|
1:ドルビーデジタル/ステレオ/韓国語
2:ドルビーデジタル/ステレオ/韓国語
ポエトリー アグネスの詩の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
139分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/ステレオ/韓国語 2:ドルビーデジタル/ステレオ/韓国語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
PG-12 |
DRZS07367 |
2013年01月11日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
6枚
|
1人
|
1人
|
1:ドルビーデジタル/ステレオ/韓国語
2:ドルビーデジタル/ステレオ/韓国語
TSUTAYAだから可能な圧倒的作品数!!
洋画・邦画
約35,500
タイトル以上
国内ドラマも一部含まれております
※2022年2月 現在のタイトル数
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- 無料お試し期間中『新作』はレンタル対象外です。
新作をレンタルする方法はこちら
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
ユーザーレビュー:10件
詩に救いをみい出した老婆
カンヌ映画祭で脚本賞を受賞したイ・チャンドン監督による人間ドラマ。
中学生の孫と暮らす66才のミジャ(ユン・ジョンヒ)は、病院でアルツハイマーの初期であると言われ、帰り道で詩作教室の広告を見て、受講を決め、言葉が出て来ない事に苦しみながらも試作に没頭しつつ、孫が自殺した少女の事件に係わっていたことなど、信じがたい現実の前にさらされます。
自殺の原因を知った加害者側の親たちや学校は、生徒の将来のためと男子生徒たちの関わりを隠ぺいしようとしています。そんな彼らをミジャは許せないし、反省を全く見せないどころか、口をつぐむ孫にいら立っているのだと思います。
そして、介護している老人の性欲を目の当たりにし、孫のために500万ウォンの慰謝料を手にするためにカン老人に抱かれたりと、問題解決を図るシタタカサも持ち合わせているようです。
そのうち、ミジャは自殺した少女ヒジンの足跡を辿り、彼女の心情に迫ろうとします。
15歳で死を選んだ少女はどんな気持だったのだろうか?孫が奪ってしまったヒジンの未来を詩に詠み、ミジャは彼女に同化しようとしていたのかもしれません。それは詩を完成させる事によってヒジンの苦しみを引き受けると言う意味があったのかもしれません。
けれどそのうち、悲しむ感情も忘れてしまうだろうと、記憶が薄れつつある不安も隠せません。彼女は「アグネスの詩」という詩を残します。アグネスはヒジンの洗礼名です。
アルツハイマー病と、孫が犯したあまりに重い罪の前で立ちすくみ、それでも一篇の詩を書きあげようと孫が犯した犯罪への複雑な感情を忘れまいとする姿が印象的でした。
このレビューは気に入りましたか?
14人の会員が気に入ったと投稿しています
抽象的
物語は、川を流れてゆく少女の死体から始まる。
66歳のミジャは、中学生の孫息子とふたり暮らし。
孫の母親である娘は、離れた場所で働いている。
腕に痛みを感じたミジャは病院を訪れるが、最近よく起こる簡単な名詞が出てこなくなるという症状を、アルツハイマー病の初期だと医師に指摘される。
その帰り道、詩作教室の広告を見かけたミジャは、教室に通い始める。
そんな時、孫の同級生の少女が投身自殺。
数人の男子生徒から性的虐待を受けていたことが、彼女の日記に綴られていたが、ミジャの孫もその虐待に加わっていたらしいことがわかる。
言葉を失いつつあるという事実に逆らうように、必死に言葉を集め、詩を作ろうとするミジャ。
ミジャの服装がとにかくカラフル、おしゃれで、まるで彼女自身がずっと夢の中にいるよう。
(娘からの援助もなく、生活保護で暮らしているのに、どうやって?と不思議に思いましたが。)
ふわふわと浮遊しているような、不思議な感覚に陥ります。
性的虐待と少女の死についての真相は一切明かされず、映画はただひたすらミジャを追いかけます。
虐待に加担した少年たちの父親たちが、ことを穏便に収めようと示談の相談をするあたりは、女性としてかなり憤りを感じました。
そして、そこに同席していた唯一の女性であるミジャの反応には失望してしまいました。
「波乱万丈の人生でした。」というせりふ。
「娘とは何でも相談できる友だちのような関係です。」というわりに、本当のことはなにも話せていないミジャと娘の関係。
詩作教室でミジャが語る幼少期の思い出と彼女の涙はなにを意味するのか。
それらのことは詳しく語られることはなく、観客の想像に任されています。
その上、題材が「詩」なので、映画全体がかなり抽象的な感じがしました。
「オアシス」「シークレット・サンシャイン」のイ・チャンドン監督の作品ということで、相当ハードルをあげてしまったのがよくなかったのか。
つかみはよかったのですが、終盤に近づくにつれてしんどくなってしまいました。
このレビューは気に入りましたか?
5人の会員が気に入ったと投稿しています
善人がひとりも出てこない
投稿日:2012/11/29
レビュアー:TOMY
モラルがぼろぼろになっている。
非常に後味が悪い映画でした。
ムカムカするような、何とも複雑な苛立ちがありました。
ある日、女子中学生が自殺する。
冒頭は静かにこのシーンから始まり、一気に物語に引き込まれた。
60代のミジャという女性は、介護ヘルパーの仕事をしながら、離れた都会で働く娘の息子、中学生の孫と二人で暮らしている。
孫も小さいうちはかわいかったろうけど、今はやや不良学生になりかかっている様子。
ミジャは美しいものが大好きで、いつもきれいな服を着て、それを褒められて心底喜ぶような、小さくてささやかな幸せを抱きしめて生きてきた。
だが、認知症の兆候が見え始める。
感情を激しく出さない(出せない?)彼女は、控えめで我慢強い女性なのでしょう。
電話で病気のことを娘に話すでもなく、一緒に暮らす孫に相談するでもない。
ある日、詩作の教室に目がとまり、ミジャは一遍の詩をつくろうと、様々なものに目を向けるようになる。
きっと、温かで幸せな家庭で育ったのではないのかもしれない。
だから綺麗なものしか見ようとしないのかもしれない。
詩作は、自分の奥底をも見つめる作業だから、ミジャは戸惑っている様子。
そして、女子中学生の自殺に、自分の孫息子が関わってるらしいということがわかり、事件に巻き込まれていくミジャ。
被害者である「アグネス」に心が寄り添っていき、詩作にも影響を及ぼし始める。
被害者宅に出向いたミジャが、本題とは異なる話をして、笑顔で別れてしまって、あとで思い出して困るシーンは、
病気のせいもあるのでしょうし、気の毒になるやら、おかしいやら、悲しいやら複雑な気持ちに。
監督は、韓国で実際に密陽で起きた女子中学生集団暴行事件から想起し、映画を撮ったとのこと。
韓国の10代の若年層の性犯罪数は、アメリカの3倍、日本の10倍。
いくらこういう犯罪での数値があてにならないからと言って、ここまではっきり差があると異常さがわかるように思う。
どこにでもあるが、地方や身分によって差別も激しい。
そのうえ、韓国では未成年者の起訴率が低く、被害者よりも加害者のほうが堂々としているとのこと。
映画の中でも、加害者である少年たちの親が、まぁ大変ひどい奴らばかり。
被害者を「不美人」と繰り返したり、まったく同情や反省を見せない。
私はもともと、人格を殺すレイプという犯罪にものすごく強い憤りを感じるので、加害者本人はもちろん、加害者の親に対する怒りがどうしようもなく込み上げてきた。
こんなろくでもない大人がいるから、子どももまともには育たない。
ミジャだって、責任がないわけではないでしょう。
かばう時点で失格。
離れて暮らす実母だって同じだ。
何でもかんでも戦えってわけではなくて、人生では、必要なところでは対峙しないといけない場面はいくらでもある。
不都合なものに背を向け、戦わない人が私はあまり好きではない。
それでも、必要なお金を何とか都合しようと、嫌なことを避けてきた彼女が大変な「仕事」をしたところは、胸が痛んだ。
この世は綺麗事だけじゃなく、醜いもの、影もあって、それを見つめなければ一遍の詩さえできないことを、ミジャは学んだということなのでしょうか。
だけど、許されるわけではないし、被害者に対する感情も私にはいまいち伝わってこなかった。
全編に陰湿な暗さが行き渡り、とても嫌な感触を残して物語は終わった。
人間ドラマであることは確かだけれど、ここ1年で、個人的に一番気分が悪かった映画です。
このレビューは気に入りましたか?
5人の会員が気に入ったと投稿しています
韓国社会が抱える現代的課題に一石を投じる
投稿日:2013/01/23
レビュアー:サランヘ
本作もそうですが、とかく“○○映画祭受賞作品”というと、“多くを語らずして視聴者に委ねる”という手法の作品が多いように思います。
本作は、2010年「カンヌ映画祭:脚本賞」をはじめ、「韓国映画評論家協会賞:最優秀作品賞」、「青龍映画賞:女優主演賞」、「大鐘賞映画祭:最優秀作品賞」などを受賞し、トロント国際映画祭マスター・セクションの招待作品にも選出されたという、いわば評論家好みの作品だと思います。
監督は42歳でデビューしたイ・チャンドンssi、これまでの15年間に撮った作品は、「グリーンフィッシュ」、「ペパーミント・キャンディー」、「オアシス」、「シークレット・サンシャイン」の僅か4作品ながら、いずれも韓国映画史に名を残す名作として刻まれています。
そして5本目の本作は、一人の初老女性カン・ミジャ(ユン・ジョンヒssi)が、同居する中学生の孫パク・チョンウク(イ・デビット君)が絡んだ強姦事件が原因で自殺した女子生徒(洗礼名アグネス)をめぐり、彼女の足跡を訪ねることによって初めて現実と向き合い、一編の創詩に心情を織り込む過程を描くという趣向の作品です。
主演のユン・ジョンヒssiはこれまで300本以上の映画に出演し、数々の映画賞に輝いた大女優で、16年ぶりの韓国スクリーン復帰とは思えない素晴らしい演技を見せています。
映画は、のっけからサスペンスを思わせる映像で、一気にストーリーに引き込んでいきます。
伏線として設定されたミジャのカルチャーセンター詩作コース受講で、講師が受講生に「あなたはリンゴを見たことがありますか?いいえ、あなたたちはリンゴを見たことはありません」と語りかけるシーンがあります。
これが中々詩的で深いですね。
形として見えているものとその内面にある本質的なものに気が付けるかという謎かけみたいなものだと理解しましたが、さてあなたなら、このイ・チャンドン監督の世界をどのように解しますか。
このレビューは気に入りましたか?
4人の会員が気に入ったと投稿しています
とりあえず、全速力で逃げながら、目一杯叫んでみる。
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
もともと、天才イチャンドンとはアタマの出来が違いすぎるので、
しんどいんすよね、こういう映画を観るのって←なんつーヒネクレタ言い訳!
まず、とりあえず、文字(字幕)と映像を同時に観るのが難しすぎるっつー「逃げ」をします!
情報量が多すぎるせいで、ラストの詩の内容が頭にも心にも全く入ってきませんでした!
ハッキリ言いまして、内容が理解できませんでした(ビシっと逃げる!)
満足度(&理解度)は高くありませんが、これは字幕の問題という「視聴環境の問題」なので、
作品そのものは良い映画のような気はしますな〜(字幕のせいにして逃げてみる!)
完全に逃げてますし、ラストが理解できてないので間違ってる可能性が高いけど、
現状の理解度の状態でレビューはしてみます!
まずは、誰か最後の詩を文字に起して欲しいな〜っと呟いておこう←
【ここから完全ネタバレします】
とにかく、ふと思ったのは「シークレットサンシャイン」が赦しの話しで、
「ポエトリー」が償い(贖罪)の話しなのかな?っつーこと(共に贖罪の話ではあるけど、重心の位置)
誠実に罪に向き合い、誠実にアグネスに向き合ったミジャ(それはまるで詩を紡ぐために対象物に向き合うように)は、
ミジャなりのやり方(人としてのあり方)で償いをし、
最後に、ミジャからアグネスへの詩と、アグネスからの詩(自分をアグネスに同化して詠った詩)を残して、
アグネスの後を追った(自殺した?)っつーことなのかな?
男に体を売る行為は、金銭的な償いと、アグネスがされた行為を受け入れる(同じ痛みを味わう)という償いかな?
アルツハイマーという設定は、罪の意識が消えぬあるうちに、償いを行うということと、
美しさ(人としてのあり方)を知っている内に、償うということと、罪の意識が消えても、
罪も美しさも消えないということの提示なのかな?
金銭的な償い(残された家族への償い)
社会的な制裁を受ける償い(孫の犯した罪の償い)
自らの死を以っての償い(娘や孫を生み出した自分の罪の償い)
ということやろうか?
人間としての在り方を問う映画であり、美しさの映画でもある。
どこにでも在る美しさのお話。
それは社会的な悪や罪とは、また別のお話。
個人的満足度 68点!
オススメ度 60点!(正直、オススメとかそういう映画ではない)
このレビューは気に入りましたか?
4人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
詩に救いをみい出した老婆
投稿日
2012/12/31
レビュアー
ミルクチョコ
カンヌ映画祭で脚本賞を受賞したイ・チャンドン監督による人間ドラマ。
中学生の孫と暮らす66才のミジャ(ユン・ジョンヒ)は、病院でアルツハイマーの初期であると言われ、帰り道で詩作教室の広告を見て、受講を決め、言葉が出て来ない事に苦しみながらも試作に没頭しつつ、孫が自殺した少女の事件に係わっていたことなど、信じがたい現実の前にさらされます。
自殺の原因を知った加害者側の親たちや学校は、生徒の将来のためと男子生徒たちの関わりを隠ぺいしようとしています。そんな彼らをミジャは許せないし、反省を全く見せないどころか、口をつぐむ孫にいら立っているのだと思います。
そして、介護している老人の性欲を目の当たりにし、孫のために500万ウォンの慰謝料を手にするためにカン老人に抱かれたりと、問題解決を図るシタタカサも持ち合わせているようです。
そのうち、ミジャは自殺した少女ヒジンの足跡を辿り、彼女の心情に迫ろうとします。
15歳で死を選んだ少女はどんな気持だったのだろうか?孫が奪ってしまったヒジンの未来を詩に詠み、ミジャは彼女に同化しようとしていたのかもしれません。それは詩を完成させる事によってヒジンの苦しみを引き受けると言う意味があったのかもしれません。
けれどそのうち、悲しむ感情も忘れてしまうだろうと、記憶が薄れつつある不安も隠せません。彼女は「アグネスの詩」という詩を残します。アグネスはヒジンの洗礼名です。
アルツハイマー病と、孫が犯したあまりに重い罪の前で立ちすくみ、それでも一篇の詩を書きあげようと孫が犯した犯罪への複雑な感情を忘れまいとする姿が印象的でした。
抽象的
投稿日
2012/11/30
レビュアー
パープルローズ
物語は、川を流れてゆく少女の死体から始まる。
66歳のミジャは、中学生の孫息子とふたり暮らし。
孫の母親である娘は、離れた場所で働いている。
腕に痛みを感じたミジャは病院を訪れるが、最近よく起こる簡単な名詞が出てこなくなるという症状を、アルツハイマー病の初期だと医師に指摘される。
その帰り道、詩作教室の広告を見かけたミジャは、教室に通い始める。
そんな時、孫の同級生の少女が投身自殺。
数人の男子生徒から性的虐待を受けていたことが、彼女の日記に綴られていたが、ミジャの孫もその虐待に加わっていたらしいことがわかる。
言葉を失いつつあるという事実に逆らうように、必死に言葉を集め、詩を作ろうとするミジャ。
ミジャの服装がとにかくカラフル、おしゃれで、まるで彼女自身がずっと夢の中にいるよう。
(娘からの援助もなく、生活保護で暮らしているのに、どうやって?と不思議に思いましたが。)
ふわふわと浮遊しているような、不思議な感覚に陥ります。
性的虐待と少女の死についての真相は一切明かされず、映画はただひたすらミジャを追いかけます。
虐待に加担した少年たちの父親たちが、ことを穏便に収めようと示談の相談をするあたりは、女性としてかなり憤りを感じました。
そして、そこに同席していた唯一の女性であるミジャの反応には失望してしまいました。
「波乱万丈の人生でした。」というせりふ。
「娘とは何でも相談できる友だちのような関係です。」というわりに、本当のことはなにも話せていないミジャと娘の関係。
詩作教室でミジャが語る幼少期の思い出と彼女の涙はなにを意味するのか。
それらのことは詳しく語られることはなく、観客の想像に任されています。
その上、題材が「詩」なので、映画全体がかなり抽象的な感じがしました。
「オアシス」「シークレット・サンシャイン」のイ・チャンドン監督の作品ということで、相当ハードルをあげてしまったのがよくなかったのか。
つかみはよかったのですが、終盤に近づくにつれてしんどくなってしまいました。
善人がひとりも出てこない
投稿日
2012/11/29
レビュアー
TOMY
モラルがぼろぼろになっている。
非常に後味が悪い映画でした。
ムカムカするような、何とも複雑な苛立ちがありました。
ある日、女子中学生が自殺する。
冒頭は静かにこのシーンから始まり、一気に物語に引き込まれた。
60代のミジャという女性は、介護ヘルパーの仕事をしながら、離れた都会で働く娘の息子、中学生の孫と二人で暮らしている。
孫も小さいうちはかわいかったろうけど、今はやや不良学生になりかかっている様子。
ミジャは美しいものが大好きで、いつもきれいな服を着て、それを褒められて心底喜ぶような、小さくてささやかな幸せを抱きしめて生きてきた。
だが、認知症の兆候が見え始める。
感情を激しく出さない(出せない?)彼女は、控えめで我慢強い女性なのでしょう。
電話で病気のことを娘に話すでもなく、一緒に暮らす孫に相談するでもない。
ある日、詩作の教室に目がとまり、ミジャは一遍の詩をつくろうと、様々なものに目を向けるようになる。
きっと、温かで幸せな家庭で育ったのではないのかもしれない。
だから綺麗なものしか見ようとしないのかもしれない。
詩作は、自分の奥底をも見つめる作業だから、ミジャは戸惑っている様子。
そして、女子中学生の自殺に、自分の孫息子が関わってるらしいということがわかり、事件に巻き込まれていくミジャ。
被害者である「アグネス」に心が寄り添っていき、詩作にも影響を及ぼし始める。
被害者宅に出向いたミジャが、本題とは異なる話をして、笑顔で別れてしまって、あとで思い出して困るシーンは、
病気のせいもあるのでしょうし、気の毒になるやら、おかしいやら、悲しいやら複雑な気持ちに。
監督は、韓国で実際に密陽で起きた女子中学生集団暴行事件から想起し、映画を撮ったとのこと。
韓国の10代の若年層の性犯罪数は、アメリカの3倍、日本の10倍。
いくらこういう犯罪での数値があてにならないからと言って、ここまではっきり差があると異常さがわかるように思う。
どこにでもあるが、地方や身分によって差別も激しい。
そのうえ、韓国では未成年者の起訴率が低く、被害者よりも加害者のほうが堂々としているとのこと。
映画の中でも、加害者である少年たちの親が、まぁ大変ひどい奴らばかり。
被害者を「不美人」と繰り返したり、まったく同情や反省を見せない。
私はもともと、人格を殺すレイプという犯罪にものすごく強い憤りを感じるので、加害者本人はもちろん、加害者の親に対する怒りがどうしようもなく込み上げてきた。
こんなろくでもない大人がいるから、子どももまともには育たない。
ミジャだって、責任がないわけではないでしょう。
かばう時点で失格。
離れて暮らす実母だって同じだ。
何でもかんでも戦えってわけではなくて、人生では、必要なところでは対峙しないといけない場面はいくらでもある。
不都合なものに背を向け、戦わない人が私はあまり好きではない。
それでも、必要なお金を何とか都合しようと、嫌なことを避けてきた彼女が大変な「仕事」をしたところは、胸が痛んだ。
この世は綺麗事だけじゃなく、醜いもの、影もあって、それを見つめなければ一遍の詩さえできないことを、ミジャは学んだということなのでしょうか。
だけど、許されるわけではないし、被害者に対する感情も私にはいまいち伝わってこなかった。
全編に陰湿な暗さが行き渡り、とても嫌な感触を残して物語は終わった。
人間ドラマであることは確かだけれど、ここ1年で、個人的に一番気分が悪かった映画です。
韓国社会が抱える現代的課題に一石を投じる
投稿日
2013/01/23
レビュアー
サランヘ
本作もそうですが、とかく“○○映画祭受賞作品”というと、“多くを語らずして視聴者に委ねる”という手法の作品が多いように思います。
本作は、2010年「カンヌ映画祭:脚本賞」をはじめ、「韓国映画評論家協会賞:最優秀作品賞」、「青龍映画賞:女優主演賞」、「大鐘賞映画祭:最優秀作品賞」などを受賞し、トロント国際映画祭マスター・セクションの招待作品にも選出されたという、いわば評論家好みの作品だと思います。
監督は42歳でデビューしたイ・チャンドンssi、これまでの15年間に撮った作品は、「グリーンフィッシュ」、「ペパーミント・キャンディー」、「オアシス」、「シークレット・サンシャイン」の僅か4作品ながら、いずれも韓国映画史に名を残す名作として刻まれています。
そして5本目の本作は、一人の初老女性カン・ミジャ(ユン・ジョンヒssi)が、同居する中学生の孫パク・チョンウク(イ・デビット君)が絡んだ強姦事件が原因で自殺した女子生徒(洗礼名アグネス)をめぐり、彼女の足跡を訪ねることによって初めて現実と向き合い、一編の創詩に心情を織り込む過程を描くという趣向の作品です。
主演のユン・ジョンヒssiはこれまで300本以上の映画に出演し、数々の映画賞に輝いた大女優で、16年ぶりの韓国スクリーン復帰とは思えない素晴らしい演技を見せています。
映画は、のっけからサスペンスを思わせる映像で、一気にストーリーに引き込んでいきます。
伏線として設定されたミジャのカルチャーセンター詩作コース受講で、講師が受講生に「あなたはリンゴを見たことがありますか?いいえ、あなたたちはリンゴを見たことはありません」と語りかけるシーンがあります。
これが中々詩的で深いですね。
形として見えているものとその内面にある本質的なものに気が付けるかという謎かけみたいなものだと理解しましたが、さてあなたなら、このイ・チャンドン監督の世界をどのように解しますか。
とりあえず、全速力で逃げながら、目一杯叫んでみる。
投稿日
2012/12/07
レビュアー
KASPAR
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
もともと、天才イチャンドンとはアタマの出来が違いすぎるので、
しんどいんすよね、こういう映画を観るのって←なんつーヒネクレタ言い訳!
まず、とりあえず、文字(字幕)と映像を同時に観るのが難しすぎるっつー「逃げ」をします!
情報量が多すぎるせいで、ラストの詩の内容が頭にも心にも全く入ってきませんでした!
ハッキリ言いまして、内容が理解できませんでした(ビシっと逃げる!)
満足度(&理解度)は高くありませんが、これは字幕の問題という「視聴環境の問題」なので、
作品そのものは良い映画のような気はしますな〜(字幕のせいにして逃げてみる!)
完全に逃げてますし、ラストが理解できてないので間違ってる可能性が高いけど、
現状の理解度の状態でレビューはしてみます!
まずは、誰か最後の詩を文字に起して欲しいな〜っと呟いておこう←
【ここから完全ネタバレします】
とにかく、ふと思ったのは「シークレットサンシャイン」が赦しの話しで、
「ポエトリー」が償い(贖罪)の話しなのかな?っつーこと(共に贖罪の話ではあるけど、重心の位置)
誠実に罪に向き合い、誠実にアグネスに向き合ったミジャ(それはまるで詩を紡ぐために対象物に向き合うように)は、
ミジャなりのやり方(人としてのあり方)で償いをし、
最後に、ミジャからアグネスへの詩と、アグネスからの詩(自分をアグネスに同化して詠った詩)を残して、
アグネスの後を追った(自殺した?)っつーことなのかな?
男に体を売る行為は、金銭的な償いと、アグネスがされた行為を受け入れる(同じ痛みを味わう)という償いかな?
アルツハイマーという設定は、罪の意識が消えぬあるうちに、償いを行うということと、
美しさ(人としてのあり方)を知っている内に、償うということと、罪の意識が消えても、
罪も美しさも消えないということの提示なのかな?
金銭的な償い(残された家族への償い)
社会的な制裁を受ける償い(孫の犯した罪の償い)
自らの死を以っての償い(娘や孫を生み出した自分の罪の償い)
ということやろうか?
人間としての在り方を問う映画であり、美しさの映画でもある。
どこにでも在る美しさのお話。
それは社会的な悪や罪とは、また別のお話。
個人的満足度 68点!
オススメ度 60点!(正直、オススメとかそういう映画ではない)
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- 無料お試し期間中『新作』はレンタル対象外です。
新作をレンタルする方法はこちら
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
ご利用の流れ
@ 会員登録
申し込みフォームへ記入したら登録完了!
A 作品をレンタル
借りたい作品をリストアップするだけ!
発送可能な商品を自宅にお届けします。
B ポストに返却
商品をポストに投函すればOK!
各プランはこちら
※1 無料お試し期間中の「新作」レンタルは対象外です。
ポエトリー アグネスの詩
(C)2010 UniKorea Culture & Art Investment Co.Ltd.and PINEHOUSE FILM.All rights reserved.
※ジャケットデザインは変更になる場合がございます。