ポカホンタス

子供が小さい頃、家族で映画館に行ってみました。ジャズの名曲の中に「ポカホンタスとジョン・スミスが・・・」という歌詞があるそうで、それが何のことだかずっとわからなかったといううちの主人が、長年の疑問が解けたと喜んでました。
今回は「ニューワールド」とセットで見直しました。
ポカホンタスがジョンと出会って、心の中の声に耳を澄ませると同時に、言葉が通じるようになるなど、ありえない設定もあるけど、自然描写が非常に美しいです。子供が喜びそうな動物キャラ（あらいぐまのミーコ）も用意されていて、争いは無益だとというメッセージもしっかり。挿入歌も素敵。
ジョンの声をメル・ギブソンが、ジョンの部下のトーマスをクリスチャン・ベイルがやっています。

私は子供と一緒にディズニーで英語を学んだ人なので、どうしてもディズニーアニメには甘くなってしまうのですが。

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ディズニー式のフルアニメは意外に好き嫌いが激しい。あの独特のくねくねした動きが気持ち悪いという意見を結構聞く。私も作品によってはそう思うこともあるが、この「ポカホンタス」はそうした動きがとてもよく合っていた。ジョンとポカホンタスの出会いのシーン、風になびく髪の動きなど本当に美しい。
例によって、時代がいつであっても場所がどこであっても、「親による人生の押し付けはいや」的ニオイがする。そりゃいやだよだれだって。だけどどの作品にも必ず盛り込まなきゃいけないものかねえ。自由を標榜する人の中身は案外自由じゃないんだな、とまた思わずにいられない。
ポカホンタスはジョージタウンと名づけられることになったヴァージニアの生地を愛し、精霊をうやまい、まずは伝統的な土地の娘に見える。その保守的なところがポカホンタスの魅力なのだと思うが、それだけに冒頭の、外の世界に興味があるかのような、私は私の人生を行くの的な描写だけが変に浮いていた。自分は生地に残り、イギリスに帰るジョンを凛として見送る、それがポカホンタスなのだ。だからIIは絶対見ないぞ。
見逃しがちな描写だが、精霊信仰、精霊に祈りを捧げる儀式は実によく取材してある。監修のしっかりしたほかのネイティブアメリカン関連作品と見比べてみるのも面白いと思う。
特典は、メイキング・オブ「ポカホンタス」（28分）、「ポカホンタス」製作の舞台裏（21分）、「カラー・オブ・ザ・ウィンド　マルチランゲージバージョン」、ゲーム「ジョン・スミスを助け出せ」。特に「カラー・オブ・ザ・ウィンド」のマルチランゲージバージョンは聞いているだけで楽しいし素晴らしい。各国歌姫による華麗な競演。

ディズニーアニメ史上初めて実在の人物をアニメ化したとあるが、史実とはまったく異なるので、それを念頭に入れてオリジナルアニメとしてみないといけない。

ただアニメとしての完成度は高く、背景・動画・音楽ともにすばらしい。テーマは反戦で、そこに異文化の男女のラブロマンスがからむ。セリフでなく、動画で語ろうとするところなど、子供向けではなく、大人（特に女性）向けのアニメと言える。

ラストも余韻が残るようになっていて感動的だが、このアニメに感動したら続編の「ポカホンタス�U」は見ないほうがいい。絵も雑だし、史実のつじつまあわせをしたため、とってもストーリィが陳腐になっている。
興味がもてたら本当のポカホンタスおよびアメリカ開拓史について調べてみるのがいいかもしれない。

『ニューワールド』見たらこっちも見たくなってしまった！
やっぱ、さすがディズニー作品です…。
こっち、全然負けてない。

アニメなのに、４００年前の話なのに、ドラマチック！
ａｎｄミュージカルでした。

メイキングもナカナカためになったし、興味がある人には
参考になる事、超おススメです！

挿入歌『カラーオブザウィンド』はとても
心に残る素敵な歌です。
（とくにポカホンタス専門代役の人はすごい！）

ポカホンタスって本名ではなくあだ名？
『いたずらっ子』って意味だとか…。

ジョン・スミスにはじめてあった時、ポカホンタスは
実際は子供だったとか…。

いろいろな説があって結局は【謎の伝説の女】なのだそうです。

『ニューワールド』見てからでも、見る前でも
面白いですから…こっち。

こっちのスミスは【濃くないスミス】でした。

★★★★☆

「美しい色の映画だなぁ」というのが、最初の印象だった。音楽も優美。良い意味で、ディズニーのクラシカルな精神を受け継いでいる。やや小品だが、そのクオリティは名作と言えるだろう。

昨今、これだけ豊かなアニメに出会える機会は滅多にない。昔は、日本でも様々なかたちで良心的なアニメが制作され、地方の公民館などのホールで上映されていた。かく言う私も『ごんぎつね』で泣かされ、今井正監督の『ゆき』に感嘆し、『はだしのゲン』で戦争の恐ろしさを心に刻んだ。しかし、いまは『ドラ○もん』や『ポ○モン』ばかり。何とも嘆かわしいことである。
何も私は『ド○えもん』や『ポケ○ン』が悪いと言っているわけでは、ない。子供たちに人気があるからと、安易に作品を選ぶ大人たちの軟弱な考え方を嘆いている。子供、大人に限らず、私たちはもっと広く、さまざまな作品に接して、心や感情を豊かにすべきだと思うのだ。

――とはいえ、本作品は、当のインディアンからは、かなり批判を浴びているようだ。その多くが「史実に則していない」「先住民に対する差別的な表現が多用されている」というもの。要約し過ぎて誤解が生じたらゴメンナサイ。どちらかを擁護する意図などはありませんので、念のため。
私たち日本人は、米国における先住民の歴史を、教科書に記載されたほんの数行でしか知らない。それも大陸発見から始まる歴史なわけだから、既に学校教育の段階から公正ではないのかも知れない。
歴史を正しく学ぶことは難しいが、それにしても割愛のし過ぎだろう。ましてや、現在の境遇や立場は、全くと言っていいほど教えられない。義務教育 9年間のどこかで学ぶ機会を設けた方が良いのは確かだ。それは黒人やユダヤ人の方々の歴史についても同じ。国際化社会を標榜するならば、英会話よりも、それ以前に他民族の文化や歴史について理解を深める必要があるだろう。

さて、厳しい批判にさらされて不遇をかこつ本作品は、前述した通り、映画としては優れた作品だと思う。オスカーをはじめ数々の賞を受賞したことは、決して“政治的な配慮の結果”だけではないだろう。「ディズニーは好きじゃない」と公言して憚らない私ですら、映像の素晴らしさや美しい音楽には、ただただ感嘆するばかりである。
物語は、ポカホンタスにまつわる伝説と言うより、『ロミオとジュリエット』や『ウエストサイド物語』によく似ている。但し、ラストだけは、いかにもディズニーらしく、明るく大らか。やや別れが切ないが、希望に満ち溢れていて、鑑賞後も爽やかだ。

興収も奮わず、人気もイマイチのようだが、大人が楽しめるアニメは少ないだけに、未見の方には是非とも一度ご覧いただきたい。オススメ！