パンドラ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

　この間から、DISCASのログイン画面で上の方に「パンドラ」の映像が流されてますよね。
「そんなにプッシュしたいのか？」
と思っていたのですが、かみさんがどこで仕入れてきたのか、
「パンドラ、観たい。借りて」
と言うのでさほど期待もせずに１巻と２巻をレンタル。
　ちょいと評価を見ようかなとレビューを見ても、よっちゃんさん１人しか書いてないんですよね。
「まあダメ元・・」
と思って見始めたら・・・はまりました（笑）
　よっちゃんさんの「メチャメチャ面白い」はおおげさじゃありませんでした。うちはケーブルＴＶなんですけど、wow wowには加入していないので（お金がもったいない・・・）見逃していたのですが、観るべきだったと後悔しました。３巻、４巻がリリースされるまであと１０日も待たなければいけないと言うと、
「なんでよ！」
とかみさんが怒りだしました（笑）

　まず、非常に発想がいいし、そのすべてのガンに有効な特効薬（DISCASにはイントロダクションが無いけど、サイトで調べると載ってるからいいですよね）を軸に展開される人間ドラマが立体的で奥行きがあります。
　特効薬が発見されるのは、素晴らしいことと単純に思っていたのですが、そうじゃない側面もあるんだってことに気づかされました（ガンで死ぬ人が居なくなったら平均寿命がもっと延びて、更に高齢化が進むなんて、気づきませんでしたよね）
　まあ、これは演じる役者の技量と脚本にもよるのでしょうが、
「次はどうなるんだろう」
と、目を離せないのです。
　三上博史、柳葉敏郎、平田満、國村準、小野武彦、山本耕史と実力派ぞろいですが、これだけのキャストを揃えるに足るドラマですねえ。
　小西真奈美って、正直あんまり好きではないんですが、やっぱりうまいです。この作品中では、皆がエゴイストなので、誰にも共感する必要が無いので（笑）そういう意味ではコニたんも好きです（笑）
　谷村美月は「カナリア」以来、注目してますね。視聴率は今ひとつでしたけど好きだった「太陽と海の教室」でも、好演してましたし。
（かみさんは、志田未来と見分けがつかないと言うんですけど、似てますかねえ？
　そういえば脚本の井上由美子は「１４才の母」も書いてましたね。どうでもいいか・・・。

　河毛俊作っていう監督は、たしかフジＴＶの人ですよね（もう離れたのかな？）トレンディドラマのはしりみたいな「君の瞳をタイホする」なんてのがありました。ああ、たしか三上博史と柳葉敏郎も出てましたね。それ以来の共演かな・・・？「君の瞳に恋してる」もそうですねえ。
　映画は「星になった少年」だけですか、ＴＶ屋さんとしては、立体的なドラマが作れるひとなんですかね。
　これ、フジＴＶあたりで作ったら、スポンサーに気を使ったり（製薬会社がからんだりすると複雑・・・笑）キャスティングにも口を出してくるでしょうから、ここまで緊迫感があるドラマにできなかったかもしれませんね。

　続きがたのしみです。
　あ、いかん。こんなレビュー書いて、リスト登録する人が増えたら、レンタルできなくなっちゃうかもしれない。
　つまんないから、観ない方がいいですよ〜、今月中は・・・・（笑）

　　結構期待していただけにいささか残念。別に多くを望んでいたわけじゃないんだけど、「すべてのガンに効く特効薬」という大前提についての詰め、考察があまりに浅薄で・・・・

　　それがまたベクターだのといった用語についてはそこそこ監修を受けているらしく、四半世紀前に生物を専攻していた身にはそのつかい方の間違いを指摘することは出来ないけれど・・・・

　　でもね、でもね、いくらなんでもマウスのデータが、それも一回だけうまくいった（みたいだ）からって、いきなりニンゲンでの治験してちょーだいはないでしょう。いや、それが主人公の変人ぶりをあらわしてるんだよ、ってならせめて「再実験のデータが出てから出直してこい」ぐらいのやり取りがなきゃ。

　　ま、ここは尺の関係とか大人の都合があったとして、でもね、でもね、どうやらデータが信頼できそうだ、ってなってからの学部長の行動がこれまたおかしい。
　　そりゃ自分の名誉も惜しいだろうけど、とりあえず本学からその成果が出ること、それも一番乗りで出すことがナニにも増しての優先課題でしょ。だって、自分ちでそれだけの成果が出てるってことは、よその機関でもゴール直前にいるかもって考えるのが自然ですからね。

　　そう、研究の結果がたとえパンドラの箱を開けるようなことだろうと、研究者にとっちゃそんなこと関係ねぇ。まずは一番乗りが大事なんであってその応用にはまだまだ先がある、まずはオイラの成果が重要。

　　この特効薬の与える社会的インパクトについても言及されているようでいてどうも表面的。実はちゃんとした考察はしてないんじゃないか。あるいは、したんだけどこれまた大人の事情でドラマに活かすことは出来なかったとか。


　　ドラマそのものとしては刑事ものの部分になると快調で、役者もとりわけ柳葉敏郎演じる刑事と國村隼の医学部長が（その行動はともかく(^_^;)）イイ味出してるだけに、肝心のネタのこの徹底したリアリティのなさがなんとも残念。
　　そう、なにもガンの特効薬である必要はなかったんだ。いっそ不老長寿くらい突拍子もないほうが人間ドラマに専念できたかもしれない。


　　評判の良いところに水をさすようでごめんなさい。重箱の隅つつくようなことスンナよ、といわれそうだし、ま、それもそうなんですが、でもね、おおようやく日本にもまともな医療サスペンスが出たかとちょっと期待して観たらこれ、でショ。しかもアチキみたいなシロートに突っ込まれるようじゃやっぱりまずいっすよ。
　　００７とかならともかく、一応「医療サスペンス」を謳うなら舞台の背景をきちんと作っておかないと、中身がどんなに良くても全部手抜きに見えちゃうしね。

　　敢えて苦言を。

　１巻と２巻をレンタルしたあと、３．４がリリースされるまで待てずに、パンドラＴＶ（韓国のサイトで、日本のドラマも数多くアップロードしてます。違法なのかな・・？）で最後まで観ました（日本語で話しているのに、ハングルの字幕がついてるんですよ。笑）
　そのあと、ちゃんと３．４もレンタルして、改めて見ましたけどね。

　最後まで、クォリティを落とさず、楽しめましたねえ。近年、まれに見る傑作ドラマでしょう。
　さまざまな人の、さまざまな思惑によって、物語は幾重にも錯綜していきます。登場人物も、いろいろな出来事によって翻弄されると、変貌してしまったり、一筋縄ではいかないんですねえ。

　ストーリーとは直接関係ありませんが、的場刑事が言ったせりふが印象に残りました。
「罰ってのはね、被害者のためにあるんじゃない。加害者が、許されるためにあるんです。わかりますか、真実を話さない者には、正当な罰は与えられないんですよ。・・・あんた、一生、許されないってことです」

　これ以外にも、各回に
「う〜ん、これは・・・」
と思わせるセリフがいくつもあって、含蓄が深いです。緑川先生の
「医療行為は、人の命を救いもすれば、殺しもする。だから、絶対に権力と結びついてはいかんのだ」
とかね。

　マックスさんがおっしゃるように、
「あとは、皆さんのご想像におまかせします」
的な終わり方じゃないだろうなと懸念していたのですが、まったくそんなこともなく、見事な終焉でした。しかも、
「はい、終わり」
ではなく、
「近い将来、本当にあるのかも」
とも思わせてくれるし、見た後もなんだか考えさせられ、もう一度最初から見ようと思わせますねえ。

　これは、本当にお勧めします。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

愛美は癌は治りながらも結局運命を変えることはできなかった。これまでに散り
ばめられたたくさんのものはそれぞれの形で収束を向かえた。これだけのものを
描きながら煩雑になることはなくわざとらしさもなく見事なまでの終演。さらにパン
ドラの所在と的場刑事とのやりとりは本作の集大成である。

医療サスペンスというジャンルではあるのだろうがそこに収まらない背景と人間
の欲や性。先が読めそうでよめない展開は最後まで維持されアメリカのドラマに
匹敵するどころか上をいってると思わされた。そもそも日本人が日本人に向けて
つくっているドラマなのだからわかりやすくて当たり前だが日本に面白いドラマは
なかなかなくアメリカのドラマに面白さを感じていた。しかし、このドラマはそんな
日本のドラマの世界に一石を投じるだけのクオリティがあった。必見。秀作。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

パンドラでは各回にキーワードがあり、パンドラの箱から飛び出た最悪という表現
になっている。ＶＯＬ３は「罠」と「怒り」。あの冷血な感じの秘書官までも当事者に
なってきているばかりか、鈴木医師自体が妙に覚醒してしまった。一度開けた箱
を閉じることは不可能（今のところ）ではあるが、柳葉演じる的場刑事が解決のキ
ーとなるのは見えてきた。彼も癌というのは本当だろうか、奥さんがらみで何かあ
ったようだがいまひとつはっきりしてないのでこれもどこかでつながるファクターな
のかもしれない。アメリカドラマでありがちなつくっていく途中でのストーリー展開
いきあたばったりなどはなく、当然の如く、最初から終わりまで巧妙かつ綿密に
つくられた脚本はテンポのよさとスリリングさが満載でここまで見てきても最初に
うけた抜群の面白さは維持されているのだから本物に違いない。

あえて突っ込むとすれば世紀大発見である特効薬であるが扱いが意外と雑で
簡単に見えてしまうのは私だけだろうか。もちろん国家規模の話になるのは間違
いないので政治家や公安（こいつらがまたダサい（笑）、ここかクールである意味
かなり格好いい役者をあてて欲しいものだ。）もでてくるのだがここらをどこまで
表現仕切れるかが終わりまでの課題ではないだろうか。描き方ひとつではここ
までやってきた作品の好印象をぶち壊しかねないから。作品をつくる上でのパン
ドラはここではないだろうか。

ところであの秘書官、こいつ気持ち悪すぎねぇか！？