ファクトリー・ガール

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６０年代の実在の人物の再現ドラマとして、アンディ・ウォーホルのミューズとして、若者文化の象徴となったイーディ・セジウィックの短い生涯を追った作品。

アンディ・ウォーホルのファクトリーで利用された使い捨てのアイドル。ボブ・ディランの恋人。ボストン上流階級の娘。「ヴォーグ」の人気モデル。２８歳でドラッグ中毒者となり短い生涯を終えた人。どれも本当の話らしいです。

こんなにも、センセーショナルに人生を駆け抜けた人とは、しりませんでした。
ガイ・ピアーズも凄かった。ウォーホルの気持ち悪い部分を見事に演じていて、かなり悪者のように描かれていました。
私の中では、未だに彼のイメージは「メメント」なんですけどね〜。

ボブ・ディランをモデルにしたシンガーも、ディラン本人によって、名前の使用を許されなかったので、ビリーになったとか・・・。
ボブ・ディランを描いた映画「アイム・ノット・ゼア」でも、イーディがちらっと登場していました。

ミューズとして頂点を極めた彼女が、一気に転落していく姿は、ドラッグもやりたい放題と共感もできる訳ではないのですが、残酷さを感じてしまいました。
更正施設のインタビューで、自分の人生を後悔していたのがちょっと痛かったです。

「イーディ：チャオ！マンハッタン(1972)」を先に観た人とまだ観てない人ではこの映画の評価がかなり違うと思う。一番違うのは、この映画のイーディの評価。あちらには本人が主演しているが、画面に映るそのカリスマ性と言ったらとんでもないものがあった。しかも映画の三ヵ月後には死んでしまうのである。

この映画ではシエナ・ミラーが一生懸命演技しているが、あのカリスマ性はまったく再現できていない。化粧もまったく同じにしているのに、似ていないどころかあの化粧は美しくも無い。不思議だが本当だ。

ボブ・ディランは目が雰囲気そっくり。ウォーホールは汚らしさがそっくり。
あとはイレーナ・ダグラス（ヴォーグ）とかメーナ・スバリ（友人のリッチー・バーリン）とか、役者は豪華だが、ほとんど素顔が分からないくらいのメーキャップ＋かつらなので気をつけていないと見分けられない。

この映画は役者はみんないいんだが、ストーリーが受け付けられない。これではただ破滅に向かって突き進んだだけの悲運な若い娘だということしか表現していないではないか。イーディはそういう人間だったのか？
違うと思う。

「イーディ:チャオ!マンハッタン」はイーディが生きて輝いて、死ぬ事によってアイコンとしての永遠の命を得たということを描いていた。それは「バージン・スーサイズ(1999)」や「マリー・アントワネット(2006)」が描いた世界と通じている。あれだけ輝いたのなら、生きている時間の長さなど関係ない、という「輝きと死の肯定」である。

けれどもこの映画には一直線に転げ落ちるイーディばかりが描かれている。金の管理ができずに破産。ヴォーグとの契約が打ち切られ、家賃も払えず知り合いに無心する。ウォーホールには公共の場で侮辱され、それがまたゴシップになる。入院。死亡。この映画にはイーディに対する愛情が無い。事実だって組み合わせを変えれば出来るものも違う。この映画で気分が塞いでしまった人は「イーディ:チャオ!マンハッタン」を次に観てみる事を薦めます。カリスマアイコンとは何か、それが分かります。

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アンディ・ウォーホールのミューズとして、彼の映画にも出演していたというイーディ・セジュイックのお話。
ウォーホールの主催したスタジオ「ファクトリー」や、当時のポップカルチャーの再現はなかなか楽しめます。
それにガイ・ピアース演じるウォーホールは不気味な雰囲気でよかったです。

だけどシエナ・ミラー、例のジュード・ロウとの一件で超有名になってしまったけど、女優としてはどうなのでしょう？？いまいち中途半端な気がします。
この役ももっとカリスマ性というか、光るところがあるべきだっただろうのに、それほどではありません。 エンドクレジットに出てきた実物の方が、数段美しい。

上流階級出身のイーディがアンディ・ウォーホールに見出され有名になっていくが、ロックスターと親密になってしまったことで見放され、薬でボロボロになってゆくという、あまりおもしろくないお話です。イーディの内面の葛藤があまり描かれていないので、男に依存し見放されて破滅してしまったバカな女にしか見えなかったのが残念でした。

イーディの生涯より、ウォーホールの方に興味があるので、ぜひともガイ・ピアース主演で映画を作って欲しいな。

イーディが親密になるロックスターは、単に「ロックスター」というクレジットでしたが、これはボブ・ディランですね。
ヘイデン・クリステンセンが演じていますが、「I'm not there」の６人のディランに続く７人めという感じですね。
ちなみに 、「I'm not there」の中では、ミシェル・ウィリアムズがイーディをやっていました。

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面白かった。

イーディ・セジウィックというひと全然知らなかったんだけど、すごくお洒落で可愛いひとですね。
ウォーホル、ボブ・ディランをも夢中にさせたひと。

Sienna Millerはなかなか好演。
大胆ヌードも披露して体張ってます。

このひと若いのに、私は、ホウレイ線が気になってしょうがなかったんだけど。
さすがにお洒落でどんな服も着こなしてます。

なんだろうなあ。
やはり、ウォーホルはあまりに個性的というか、凡人では理解できない領域です。
私は一時期、彼の作品に傾倒していた時期もありますが、人間としては到底理解不能。
凡人に理解できるような芸術家なんて、所詮天才にはなりえないんだろうけど。
Guy Pearce、神経質な挙動不審ぶりが、素晴らしかったです。

Musician というクレジットではありましたが、ボブ・ディラン役を Hayden Christensen 。
似てる。。。
かっこいいよね。
この人がとても普通の感覚を持っている人に見えました。JUST LIKE A WOMANは彼女のことを書いた作品。
歌詞が泣ける。


イーディというひとは、名家の資産家の娘だが、不幸だった。
お父さん、ひどいからね。
幼いころから虐待を受けていた、とあったが、どうなんだろ？兄弟とも肉体関係があったといわれてるしね。
お金ってありすぎても大変だなあ、といつも映画をみるとおもう。
イーディは、愛を求めていただけなんだろうなあ。
奔放なようでまじめで、世間知らずの彼女は、世の中にも利用される。
やっぱり自分の選択なんだけど、間違ったほうばかり選んじゃうんだよね。
ビリー（ボブ・ディラン）に差し出された手を、つかんで、そっちの世界にいってしまえたらよかったのになあ。

何を恐れていたのだろうか？
差し出された手は他にもあったはず。
彼女はあえて破滅を選んだのか？

前半のキラキラした彼女と、後半の落ちた彼女。
切ないです。 Sienna Miller、はじめて女優だなあ、と思いました。

エンドクレジットでは本物のイーディの写真が流れます。
すごく可愛い！もっと幼い感じで、もうちょっと小悪魔的です。
線も、もっと細い。壊れそうな彼女は、やっぱり壊れるしかなかったのかな。
考えさせられました。

　ポップ・カルチャーにはあまり関心がなく、アンディ・ウォーホルについても大した知識はない。彼が映画を撮っていたことさえ知らなかった。「クローザー」に主演していたキーラ・セジウィックが、この映画のヒロイン、イーディ・セジウィックと遠縁関係にあると何かで読んで、60年代後半にモデルとしても活躍し、当時のファッション・アイコンでもあったイーディが、どんな女性だったのか、ふと興味を覚えて今作を観る気になった。

　時折イーディのインタビュー映像を交えながら、彼女が1965年22歳でウォーホルと出会い、時代の寵児となり、やがて凋落して28歳で亡くなるまでの６年間が描かれている。イーディは、父方も母方も名門の旧家出身ながら過去に問題を抱え、マサチューセッツ州ケンブリッジの美術学校を退学すると、画家を志してニューヨークで暮らすようになる。（残念なことに、画家としての彼女については全く語られていない。）ニューヨーク社交界の花となったイーディは、パーティでウォーホルに出会うと、互いに惹かれ合い、ファクトリーと呼ばれる彼のスタジオに入り浸るようになり、彼の映画の被写体として脚光を浴びる。ファッション誌のモデルとしても活躍する。

　ところが、ファクトリーに出入りしていたボブ・ディランと親しくなり、彼と恋人関係になったことで、あれほど貢献したファクトリーから追い出されてしまう。やがて、ボブ・ディランとも別れ、その後は経済的にも困窮し、重篤な薬物中毒となり短い人生を終える。イーディが男性たちに不誠実だったとも言えるし、気ままに生きる男性たちの犠牲になったとも言える。けれど、多くの場合、関係は相互的なので、一方的にイーディが悪いとも、男性たちが悪いとも非難はできないような気がする。

　イーディは名門であっても機能不全家族に育ち、心のなかに空虚さを抱え、どんなにあがいてもそれを埋めることができなかったのではないだろうか。イーディの育った家庭については断片的にしか語られないが、彼女は子どもの頃、父親の浮気現場を目撃し、それを母親に訴えても妄想だとして信じてもらえず、激怒した父親に精神病院に入院させられている。そのことでイーディは深い心の傷を負った。また、兄のひとりミンティはホモセクシュアルで、両親からは異常とみなされ、収容された施設で1963年に首吊り自殺をしている。兄の葬儀で家族は誰ひとり泣くこともせず、イーディは、皆の分まで私が泣いたと、語っている。

　イーディとウォーホル、イーディの母親と父親の４人が、高級レストランで食事をする印象的なシーンがある。父親はイーディとウォーホルの希望も聞かずに勝手にふたりの料理を注文し、「愛娘が夢中になっている男性だからさぞかし立派だろうと思ったら、君はゲイなんだ」とウォーホルを侮蔑し、せせら笑う。あまりのことに席を立とうとしたイーディを、「私に恥をかかせるな」と威圧的に制する。いかに支配的な父親であるかがよく分かるエピソードだ。一方、母親は、プライドばかり高い上流婦人で、娘を冷ややかに無言で見つめている。

　60年代後半に、ポップ・カルチャーのアイコンとして華やかに煌めき耀いていたイーディ・セジウィックは、その恵まれた出自には不釣り合いの、深い闇と空虚さを心に抱えていたのではないだろうか。彼女のどうしようもない心もとなさや生の儚さに、もっと寄り添った描き方だとよかったのにと感じてしまう。はかなげな彼女の心の葛藤をもっと深く掘り下げてほしかった。