早春物語

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

　この「早春物語」というタイトルが心に残りますね。久しぶりにちょいと観るつもりが、懐かしさだけでなく、結構前のめりになって鑑賞してしまいました（笑）

　サラリーマンになって石の上にも三年たった頃に観た映画でもあります。知世ちゃん目当てというよりは、当時、お上手なピアノの弾き語りで洒落た人生物語を聞かせるシャンソン歌手としての顔に惚れ込んでいた「林隆三さん」の方が僕にはウェイトが重くて、20代半ばの男は隆三さんをカッコイイナァと思いながら観ていました。昔はしらず、今なら、こんな優しい中年サラリーマン、いますかねぇ、いないでしょうねぇ、瞳ちゃんは人生をあやまってしまうでしょうね。

　ドラマで隆三さんが演じた「梶川さん」は42歳、今ではもうその年齢を５歳も超えてしまった僕が今梶川を観ると、若い頃には解らなかった企業を中堅で支える世代が負うものの厳しさの中で、独り生きてきて挫折をひとつ乗り越えてゆく彼の強さや優しさが、年上の目から健気に見えました。

　そして知世ちゃんは特典映像などから当時の現場を見ると、失礼だけどプロとは言えやっぱり自分を自分の言葉では分析できていない幼さがあり、演技もうまくはないですね。

　でも、だからこそ、この切ない少女の恋物語は成立している。知世ちゃんも好きだというO.ヘップバーンの「ローマの休日」にも似た少女が大人へステップアップするときの「きざはし」に彫りこまれる「苦しい恋」が生きてくるのですね。

　「私、過去のあるおんなになったのよ」・・・イイ台詞でした。

人生の早春期にいきなり突入したヒロイン。春休みもまあ早春という季節です。ロケ地は鎌倉ときたら期待しました、瑞々しい鎌倉の自然を。残念ですがほとんど季節感出ていませんでした。スクリーンに映し出された季節と１７歳の季節とで重層的な印象になった筈なのですが。（映画評論家気取りでゴメンなさい）
原田知世は一生懸命で健気で清らかでした。

　も〜〜〜〜とにかくかわいい！！それに尽きます。

　４２歳の中年男性に恋をするというのは、それは憧れからくる恋なのでしょうが、ひたむきな沖野瞳の姿がなんともいえないかわいさです。展開からして、多少突っ走り気味なところもありますが、それはそれで楽しみましょう。

　主題歌もいいし、１９８５年頃の東京の様子も楽しめたし、温故知新としても楽しめると思います。

　８０年代、原田知世さんの大ファンで、よく映画を見ました。「時をかける少女」「私をスキーに連れてって」「天国に一番近い島」「彼女が水着に着替えたら」‥
　あのころは、映画は二本立て。
　原田知世さんの前歯が少しゆがんでいて、それになんだか親しみを感じていました。少女と大人の女性とハザマの微妙な、ちょっと危ういところを、胸がきゅんとするような感じでみていました。
　「早春物語」２３年振りに見て、あの頃の心のドキドキを思い出しました。娘に「知世」と名づけようと真剣に考えたくらいのファンでした。娘も成人し知世さんのようになって、親バカですが、自慢です。
　大人になった原田知世さんの「紙屋悦子の青春」を見て、昔を思い出して借りました。昔見た映画も、時々見ようと思いました。
　

会いたくて、会いたくて、会いたくて〜会えない〜
良い歌だね。
この頃の原田知世は、まさに早春といった透き通る感じのする女の子でしたね。透明感のある女優ってなかなかいないからなぁ。