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カナリア / 石田法嗣

カナリア /塩田明彦

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DVD

旧作

お届け率:100%

解説・ストーリー

母親に連れられカルト教団“ニルヴァーナ”の施設で妹とともに幼年期を過ごした12歳の少年、光一。教団はその後テロ事件を引き起こして壊滅し、光一は警察によって保護され、関西の児童相談所に預けられるが、祖父は妹の方だけ引き取っていった。一方、母親は行方知れず。ある日、光一は再び親子3人で暮らせる日を夢みて児童相談所を脱走し、東京にある祖父母の家を目指す。途中で光一は、同じように大人のエゴによって深い心の傷を抱えた少女、由希と出会う。2人はそのまま一緒に旅を続け、反発し合いながらも次第に絆を強めていくのだが…。

作品情報

製作年:

2004年

製作国:

日本

原題:

CANARY

キャスト・スタッフ

DVD

旧作

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ジャンル :

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「カナリア」 の解説・あらすじ・ストーリー

解説・ストーリー

母親に連れられカルト教団“ニルヴァーナ”の施設で妹とともに幼年期を過ごした12歳の少年、光一。教団はその後テロ事件を引き起こして壊滅し、光一は警察によって保護され、関西の児童相談所に預けられるが、祖父は妹の方だけ引き取っていった。一方、母親は行方知れず。ある日、光一は再び親子3人で暮らせる日を夢みて児童相談所を脱走し、東京にある祖父母の家を目指す。途中で光一は、同じように大人のエゴによって深い心の傷を抱えた少女、由希と出会う。2人はそのまま一緒に旅を続け、反発し合いながらも次第に絆を強めていくのだが…。

「カナリア」 の作品情報

作品情報

製作年:

2004年

製作国:

日本

原題:

CANARY

「カナリア」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

キャスト・スタッフ

脚本:

塩田明彦

撮影:

山崎裕山崎裕

音楽:

大友良英

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1〜 5件 / 全34件

他で興行収入を上げたから、こういう作品が撮れる・・。 ネタバレ

投稿日:2008/03/10 レビュアー:こんちゃん

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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 以前に「黄泉がえり」を観て、最近は「どろろ」・・・塩田明彦という監督の失敗作(?)を観ているので、
「これはどうかな・・・?」
という感覚で居たのですが、これはなかなかに映画的な広がりをみせてくれる秀作でしたね。

 パロさんが泣いた(!)と言うので、ちょっとは期待しながらも、「黄泉がえり」の作風なら困ったもんだろうなと思っていました(笑)
 冒頭のナレーションというかテロップで、ちょっと身構えてしまったのですね。なんというか、ナレーションやテロップに頼る作り方というのが、最近のTVのバラエティ番組を引き合いに出すまでもなく、好きではないのです。そういうものに頼らなければ、観客を理解させられないと言うのは、ある意味、製作者としての怠慢ではないのかと・・・。

 ところが、本作におけるテロップは非常に重要な意味を持っていました。あのテロップ無しに、作品の中でことの経緯を表現しようとすると、不自然に饒舌な映画になってしまったのでしょう。あのテロップで状況が飲み込めていたが為に、静かに流れていくストーリーに飽きることなく引き込まれていたことを考えれば、光一がいきなり走り出す冒頭の作り方や、寡黙な二人の主人公と共に、とても効果的なものだったと後になって思うのです。こういう使い方なら、テロップを流すことに異論を挟みますまい。
 あのテロップで、はじめに説明をしていたからこそ、りょうとつぐみが言葉もなく、いきなり叩き合ったり、その後、車中で光一がりょう(役名忘れた)の肩に、無言で手を置くようなショットが生きてくるのです。

 主役の石田法嗣も谷村美月も非常に存在感のある演技を披露してますね。谷村美月は、これ映画初出演なんですか・・・最近の子役(と言うには、ちょっと年がいってるか ・・?)はすごいですねぇ・・・。
 まあ、吟遊旅人さんがおっしゃるように、この光一を柳楽優弥がやっていたら、もっと突き刺すようにとんがったキャラクターを強烈に表現できたのかも知れませんね。

 オウム真理教の事件にインスパイアされての作品ですが、オウムに限らず宗教団体の中というのは、部外者にはうかがい知れない部分が多いのです。その教義を実践しようとするうちに、いつの間にか世間の常識とは乖離してしまうことが怏々としてあるようです。そして、そこにはまってしまうと、世間の批判や家族の反対すらも「法難」と言う、宗教者に取っては、誇らしいことにことに思えてしまうのです。反対が大きければ大きいほど、仏教用語で言う「三障四魔」のように、
「正しい行動をしようとすると、必ずそれを妨げる働きが出てくる。それは、あなたの行動が正しい証拠である」
と言うような、デス・スパイラルに陥ってしまうのですね。

 とはいえ、この作品は単純にカルト教団を非難する物ではなく、カルト教団という隔絶された物を現実世界との関わりの中で、昇華していく少年の葛藤を、家族と言う単位を織り込みながら描いているようです。そこに介在する存在として、由希という現実世界とカルト教団の中間に位置する少女を設定したことが秀逸なのでしょう。
 私たちはカルト教団に取り込まれるなんてことはあり得ないと思っていても、実はどちらかにちょっと振れることで容易に変化する可能性も秘めているのだと思えるのです。
 最後に光一が白髪になってしまうと言う表現は、安易に過ぎるような気もしますが、自分たちの一見幸福な生活も、実は非常にもろいものの上に立脚している物であり、ほんの些細なことで崩れかねないのだから大切に生きていかなければと思えるのです。

 「黄泉がえり」に比べれば、興行的な大ヒットも望めない作品でしょう。でも、「黄泉がえり」でのヒットがあったからこそ、こういう作品を塩田明彦が作れたと言うことも言えるのかも知れません。この「カナリア」のような作品が、もっと高い評価を得られるような邦画界であって欲しいなと、しみじみ思う秀作なのでありました。

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どこかゆるゆるしているのは残念だが最後まで惹きつけられる

投稿日:2006/03/07 レビュアー:吟遊旅人

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力強く生きていく ネタバレ

投稿日:2006/06/01 レビュアー:スターダスト

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本作品で特徴的なのは、捨てられたのは子供たちだけでなく、伊沢(西島秀俊)や岩瀬道子(甲田益也子)など、親の世代もそうであるということである。迷走する親世代とは違い、捨てられた子供たちは力強く生きていく。

何度も挿入されている光一(石田法嗣)と由希(谷村美月)の疾走。そして、手をつなぎゆっくりと歩いていくラスト・シーン。この対比が絶妙である。

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★★★★★ よくぞ、これを題材にしてくれた ネタバレ

投稿日:2008/07/18 レビュアー:ガラリーナ

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あまりに語りたいことが多い作品で困ります。まず「黄泉がえり」というミーハーキャストの作品を撮った後で、このような暗くマイナーな長編、しかも実に感動的な傑作を撮ったことが素晴らしい。ひとりの映画監督としての「ぶれのなさ」を強く感じます。

オウム真理教については、我々はまだまだ何のケリもつけていないと、強く思っています。あの事件を検証することも、熟考することも、反省することも、何もしていない。確かに本作の軸となっているのは、過酷な状況に置かれた少年と少女の生き様であります。親の身勝手で追い詰められる子供たちを捉えたストーリィは数多く存在しますが、やはりそれがオウム真理教であることで、私は再びあの事件の矛盾を深く考えざるを得ませんでした。教団内の様子など、本当はどうだったのかとも思います。しかし、一も二もなく描くことそのものが大事なのであり、またこのテーマに対して塩田監督が真正面から取り組んでいる覚悟が全編からびしびしと伝わり、それがとても感動的でした。

さて、「害虫」で感じた関西弁の「生」のイメージを、本作で再び感じることになるとは思いもしませんでした。谷村美月演じる少女の関西弁は、由希という少女の生きるエネルギー、タフさを象徴しているように思えてならないのです。吟遊旅人さんが、「うち」という一人称に違和感を持っておられますが、実は私が住む京都北部の田舎では、中学生くらいの少女が見事に自分のことを「うち」と言います。大阪で生まれ育った私はこちらに越してきて初めて彼女たちの「うちな〜」というしゃべり口調を聞いて、非常に驚いたものです。冒頭、少年が地図を指でなぞるシーンが出てきますが、まさに我が家の近くなのでした。由希という少女が発する全ての台詞は、光一の世界観を揺さぶる「リアル」そのものです。虚飾に満ちた光一の道しるべにざくざくと音を立てて切り込む由希の剥き出しな生が、実に印象深く心に残ります。力強く、生々しい谷村美月の演技を見て、関西弁という共通点もあるのでしょうが「大阪物語」でデビューした池脇千鶴を思い出しました。とてもいい女優です。

ラスト、絶望の淵に追いやられた光一が、ある衝撃的な変化を宿して、由希の前に現れる。それは、まさに生まれ変わりを示唆する劇的な変化なのですが、この展開にはやられました。エンディングらしい衝撃と言っていいでしょう。子どもを描く映画のラストは、希望であって欲しいと「害虫」のレビューでも書きましたが、手と手を取り合い、生きると宣言した彼の行く末は、一見希望があるように思えます。ですが、一方あの彼の姿、そして祖父にかけた言葉「我は全てを許すものなり」というセリフを見るに、あの忌まわしい教団の教え、彼の母親がそうなりたいと願ってやまなかった「解脱」の境地に達したかのようにも見えてしまい、何とも複雑な心境になります。最初から最後まで、様々な割り切れぬ思いが心を占めます。しかしながら、私にとっては非常に吸引力の強い魅力的な作品でした。ナチズムでもなく、カトリック狂信でもなく、オウム真理教は、紛れもなく我々日本人の問題だからです。

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泣きに泣いた ネタバレ

投稿日:2006/01/17 レビュアー:parole

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『カナリヤ』には泣きに泣かされてしまった。オーム真理教をモデルとする新興宗教における子供を主人公とした物語で、親が幹部となった子供が教団崩壊後に収容されたいた施設から抜け出し、教団には無関係だが同じような不幸な境遇に生まれ育った同年齢の少女(12才の小学生という設定)と共に、祖父に引き取られた妹を連れ出すまでのロードムーヴィー仕立ての作品だ。教団内部における回想シーンなども少なからずあるために、ともすればオーム真理教をモデルとした社会派ドラマ(って、いったい何だ?)と受け取られないものだが、実際には徹頭徹尾人間ドラマとして創り上げられている。
不幸や哀しみに彩られた設定であり、例えば片親に育てられその片親にすら疎まれていたという少女の境遇を自ら語るところなど、涙腺の弱い私にはそれだけで涙ぐむような仕掛けがあちこちに施されてはいたが、でも設定だけで泣くことなどは当然できるわけがなく、不幸や哀しみを敢えて突き放すように描写するその姿勢(スタイル)に涙を誘われてしまった。
冒頭、教団の顛末を説明するナレーションが入ったため、説明を排することを基本スタイルとしているはずの塩田明彦にしては珍しいと感じつつ、ちょっと嫌な感じ、『黄泉がえり』以上に観客に媚びていたら嫌だななどと感じていたがそれは杞憂に過ぎず、むしろ最低限度の説明を施すことによって以降は塩田らしいクールな演出が成されている。そしてその冷静で突き放した描写が積み重ねがラスト近くで一挙に破裂し、エンドロールも含めた最後の15分ほどは汲めども尽きぬ涙がこぼれ落ち続けていた。正直言ってこの作品、世紀の大傑作というような代物ではない。もちろんとても丁寧に作られよくできた作品だとは思うし、人にも胸を張って薦めることができる秀作だとは思うが、少なくとも同監督の『害虫』よりは作品としての強度は低いと思う。でも、こうした作品の客観的な評価とは異なるところで素直に感動し涙を流してしまうことだってあるし、それはそれで素晴らしい体験なのだと思う。

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ユーザーレビュー

入力内容に誤りがあります。

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ユーザーレビュー:34件

他で興行収入を上げたから、こういう作品が撮れる・・。

投稿日

2008/03/10

レビュアー

こんちゃん

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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 以前に「黄泉がえり」を観て、最近は「どろろ」・・・塩田明彦という監督の失敗作(?)を観ているので、
「これはどうかな・・・?」
という感覚で居たのですが、これはなかなかに映画的な広がりをみせてくれる秀作でしたね。

 パロさんが泣いた(!)と言うので、ちょっとは期待しながらも、「黄泉がえり」の作風なら困ったもんだろうなと思っていました(笑)
 冒頭のナレーションというかテロップで、ちょっと身構えてしまったのですね。なんというか、ナレーションやテロップに頼る作り方というのが、最近のTVのバラエティ番組を引き合いに出すまでもなく、好きではないのです。そういうものに頼らなければ、観客を理解させられないと言うのは、ある意味、製作者としての怠慢ではないのかと・・・。

 ところが、本作におけるテロップは非常に重要な意味を持っていました。あのテロップ無しに、作品の中でことの経緯を表現しようとすると、不自然に饒舌な映画になってしまったのでしょう。あのテロップで状況が飲み込めていたが為に、静かに流れていくストーリーに飽きることなく引き込まれていたことを考えれば、光一がいきなり走り出す冒頭の作り方や、寡黙な二人の主人公と共に、とても効果的なものだったと後になって思うのです。こういう使い方なら、テロップを流すことに異論を挟みますまい。
 あのテロップで、はじめに説明をしていたからこそ、りょうとつぐみが言葉もなく、いきなり叩き合ったり、その後、車中で光一がりょう(役名忘れた)の肩に、無言で手を置くようなショットが生きてくるのです。

 主役の石田法嗣も谷村美月も非常に存在感のある演技を披露してますね。谷村美月は、これ映画初出演なんですか・・・最近の子役(と言うには、ちょっと年がいってるか ・・?)はすごいですねぇ・・・。
 まあ、吟遊旅人さんがおっしゃるように、この光一を柳楽優弥がやっていたら、もっと突き刺すようにとんがったキャラクターを強烈に表現できたのかも知れませんね。

 オウム真理教の事件にインスパイアされての作品ですが、オウムに限らず宗教団体の中というのは、部外者にはうかがい知れない部分が多いのです。その教義を実践しようとするうちに、いつの間にか世間の常識とは乖離してしまうことが怏々としてあるようです。そして、そこにはまってしまうと、世間の批判や家族の反対すらも「法難」と言う、宗教者に取っては、誇らしいことにことに思えてしまうのです。反対が大きければ大きいほど、仏教用語で言う「三障四魔」のように、
「正しい行動をしようとすると、必ずそれを妨げる働きが出てくる。それは、あなたの行動が正しい証拠である」
と言うような、デス・スパイラルに陥ってしまうのですね。

 とはいえ、この作品は単純にカルト教団を非難する物ではなく、カルト教団という隔絶された物を現実世界との関わりの中で、昇華していく少年の葛藤を、家族と言う単位を織り込みながら描いているようです。そこに介在する存在として、由希という現実世界とカルト教団の中間に位置する少女を設定したことが秀逸なのでしょう。
 私たちはカルト教団に取り込まれるなんてことはあり得ないと思っていても、実はどちらかにちょっと振れることで容易に変化する可能性も秘めているのだと思えるのです。
 最後に光一が白髪になってしまうと言う表現は、安易に過ぎるような気もしますが、自分たちの一見幸福な生活も、実は非常にもろいものの上に立脚している物であり、ほんの些細なことで崩れかねないのだから大切に生きていかなければと思えるのです。

 「黄泉がえり」に比べれば、興行的な大ヒットも望めない作品でしょう。でも、「黄泉がえり」でのヒットがあったからこそ、こういう作品を塩田明彦が作れたと言うことも言えるのかも知れません。この「カナリア」のような作品が、もっと高い評価を得られるような邦画界であって欲しいなと、しみじみ思う秀作なのでありました。

どこかゆるゆるしているのは残念だが最後まで惹きつけられる

投稿日

2006/03/07

レビュアー

吟遊旅人

力強く生きていく

投稿日

2006/06/01

レビュアー

スターダスト

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本作品で特徴的なのは、捨てられたのは子供たちだけでなく、伊沢(西島秀俊)や岩瀬道子(甲田益也子)など、親の世代もそうであるということである。迷走する親世代とは違い、捨てられた子供たちは力強く生きていく。

何度も挿入されている光一(石田法嗣)と由希(谷村美月)の疾走。そして、手をつなぎゆっくりと歩いていくラスト・シーン。この対比が絶妙である。

★★★★★ よくぞ、これを題材にしてくれた

投稿日

2008/07/18

レビュアー

ガラリーナ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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あまりに語りたいことが多い作品で困ります。まず「黄泉がえり」というミーハーキャストの作品を撮った後で、このような暗くマイナーな長編、しかも実に感動的な傑作を撮ったことが素晴らしい。ひとりの映画監督としての「ぶれのなさ」を強く感じます。

オウム真理教については、我々はまだまだ何のケリもつけていないと、強く思っています。あの事件を検証することも、熟考することも、反省することも、何もしていない。確かに本作の軸となっているのは、過酷な状況に置かれた少年と少女の生き様であります。親の身勝手で追い詰められる子供たちを捉えたストーリィは数多く存在しますが、やはりそれがオウム真理教であることで、私は再びあの事件の矛盾を深く考えざるを得ませんでした。教団内の様子など、本当はどうだったのかとも思います。しかし、一も二もなく描くことそのものが大事なのであり、またこのテーマに対して塩田監督が真正面から取り組んでいる覚悟が全編からびしびしと伝わり、それがとても感動的でした。

さて、「害虫」で感じた関西弁の「生」のイメージを、本作で再び感じることになるとは思いもしませんでした。谷村美月演じる少女の関西弁は、由希という少女の生きるエネルギー、タフさを象徴しているように思えてならないのです。吟遊旅人さんが、「うち」という一人称に違和感を持っておられますが、実は私が住む京都北部の田舎では、中学生くらいの少女が見事に自分のことを「うち」と言います。大阪で生まれ育った私はこちらに越してきて初めて彼女たちの「うちな〜」というしゃべり口調を聞いて、非常に驚いたものです。冒頭、少年が地図を指でなぞるシーンが出てきますが、まさに我が家の近くなのでした。由希という少女が発する全ての台詞は、光一の世界観を揺さぶる「リアル」そのものです。虚飾に満ちた光一の道しるべにざくざくと音を立てて切り込む由希の剥き出しな生が、実に印象深く心に残ります。力強く、生々しい谷村美月の演技を見て、関西弁という共通点もあるのでしょうが「大阪物語」でデビューした池脇千鶴を思い出しました。とてもいい女優です。

ラスト、絶望の淵に追いやられた光一が、ある衝撃的な変化を宿して、由希の前に現れる。それは、まさに生まれ変わりを示唆する劇的な変化なのですが、この展開にはやられました。エンディングらしい衝撃と言っていいでしょう。子どもを描く映画のラストは、希望であって欲しいと「害虫」のレビューでも書きましたが、手と手を取り合い、生きると宣言した彼の行く末は、一見希望があるように思えます。ですが、一方あの彼の姿、そして祖父にかけた言葉「我は全てを許すものなり」というセリフを見るに、あの忌まわしい教団の教え、彼の母親がそうなりたいと願ってやまなかった「解脱」の境地に達したかのようにも見えてしまい、何とも複雑な心境になります。最初から最後まで、様々な割り切れぬ思いが心を占めます。しかしながら、私にとっては非常に吸引力の強い魅力的な作品でした。ナチズムでもなく、カトリック狂信でもなく、オウム真理教は、紛れもなく我々日本人の問題だからです。

泣きに泣いた

投稿日

2006/01/17

レビュアー

parole

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『カナリヤ』には泣きに泣かされてしまった。オーム真理教をモデルとする新興宗教における子供を主人公とした物語で、親が幹部となった子供が教団崩壊後に収容されたいた施設から抜け出し、教団には無関係だが同じような不幸な境遇に生まれ育った同年齢の少女(12才の小学生という設定)と共に、祖父に引き取られた妹を連れ出すまでのロードムーヴィー仕立ての作品だ。教団内部における回想シーンなども少なからずあるために、ともすればオーム真理教をモデルとした社会派ドラマ(って、いったい何だ?)と受け取られないものだが、実際には徹頭徹尾人間ドラマとして創り上げられている。
不幸や哀しみに彩られた設定であり、例えば片親に育てられその片親にすら疎まれていたという少女の境遇を自ら語るところなど、涙腺の弱い私にはそれだけで涙ぐむような仕掛けがあちこちに施されてはいたが、でも設定だけで泣くことなどは当然できるわけがなく、不幸や哀しみを敢えて突き放すように描写するその姿勢(スタイル)に涙を誘われてしまった。
冒頭、教団の顛末を説明するナレーションが入ったため、説明を排することを基本スタイルとしているはずの塩田明彦にしては珍しいと感じつつ、ちょっと嫌な感じ、『黄泉がえり』以上に観客に媚びていたら嫌だななどと感じていたがそれは杞憂に過ぎず、むしろ最低限度の説明を施すことによって以降は塩田らしいクールな演出が成されている。そしてその冷静で突き放した描写が積み重ねがラスト近くで一挙に破裂し、エンドロールも含めた最後の15分ほどは汲めども尽きぬ涙がこぼれ落ち続けていた。正直言ってこの作品、世紀の大傑作というような代物ではない。もちろんとても丁寧に作られよくできた作品だとは思うし、人にも胸を張って薦めることができる秀作だとは思うが、少なくとも同監督の『害虫』よりは作品としての強度は低いと思う。でも、こうした作品の客観的な評価とは異なるところで素直に感動し涙を流してしまうことだってあるし、それはそれで素晴らしい体験なのだと思う。

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