雨鱒の川　ファースト・ラブ

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最近の純愛ブーム作品のひとつとしてあげてもいい作品でしょう。誰もが経験する初恋をテーマにした純愛物語です。話の内容はありふれた内容で物語の先読みが誰でも出来るのですが見終わった後、とてもさわやかな感動が残る作品でした。この作品を見る前に「恋の門」を見ました。「恋の門」はかなりマニアックな純愛物語でしたが、この作品は正統な純愛物語になっています。「世界の中心で、愛を叫ぶ」とは違って誰も死なないのでさわやかさが残ったのかもしれません。初恋成就、いったいどれだけの人間がなしえる事が出来るのでしょうか？初恋を成就させるなんて至難の業だと思います。それがこの作品のテーマになっています。

僕は主役が玉木宏氏と綾瀬はるかさんだとばかり思ってみましたが、この作品の影の主役は子供時代を演じた子役２人でしょう。特に主人公心平役の子供時代を演じた須賀健太君の演技はとても良かったです。子供時代の話があそこまで長いとは思わなかったのでちょっと意外でしたが、この子供時代の素晴らしいシーンがあったればこそ最後のさわやかな感動につながったのではないかと僕は思っています。心平と母の関係（中谷美紀さんとのシーンは本当の親子のようでした）、心平と小百合の子供時代からの関係、小百合を小さいころから見続けている英蔵との関係が北海道の大自然の中でとても美しく伸びやかに再現されていました。とにかく心平と小百合の子供時代の仲睦まじさは何とも微笑ましく自分の子供時代を思い出させてくれノスタルジーな気分にさせてくれました。とてもさわやかで静かな作品ですが、心平と小百合の心の結びつきの強さが子供時代に強烈に描かれており、完全にこの２人に感情移入してしまい、大人になってもそれが続く２人を見ているととてもうらやましいと思いました。

この物語には心平・小百合だけではなく、川に生きる男秀二郎（柄本明）と小百合の祖母松子（星由里子）の恋模様、小百合の父（阿部寛）と心平の母（中谷美紀）の関係も描かれています。特に柄本明氏と星由里子さんの演技は登場回数は少ないものの見事な存在感を出していました。ラストシーンは賛否両論だろうと思いますが、この作品のレビューを色々読んできて、この作品の良さを感じ取れない人間が多いという事実はとても悲しい事だと思います。世知辛い世の中だからこそ色々な人に見て欲しい作品だと思いました。

この作品を観ようと思ってこの作品紹介ページまでたどり着いた人はたぶん原作ファンもしくは玉木宏・綾瀬はるかのファン（須賀健太くんという可能性もありますね）だと思いますが、そのどれもが消化不良に感じてしまいました。

ちょっと残念。

何度も見たくなるタイプの映画です。ストーリーの流れでなく、一つ一つのシーンがすばらしく、心にしみます。都会では、こんな初恋は出来ないないだろうな。北海道に育ったからこそって、思わせられます。北海道の自然満載の純愛物語です。

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祝福されない若き恋人たち。小百合の祖母、そして父親は生活のため、地域社会のため、それぞれの恋を諦めてきた過去を持つ。それらと対比させることで、心平と小百合の旅立ちがより鮮やかなものになっている。

雨鱒との交流。耳を当て互いの気持ちを確かめ合う大木の幹。川に映える花火。自然の中の神秘性も大切に描かれている。

葉加瀬太郎の情緒的なヴァイオリンの響きも良かった。

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小百合の子供時代を演じた子役、さぞ美少女に為るんだろうなあと思いながら観終わって、スタッフロールで「志田未来」とあって、え、と思った。失礼ながら、別系統に成長したなあという感想。確かに良く観ると面影がありますね。