自転車吐息

先日ＤＶＤで『自殺サークル』を見た。
相変わらず日常における生のあらゆる光景に死が垣間見えてしまうという園子温の不気味で吐き気を催すひとを嫌ーな気分にさせる宿命的主題が自己増殖してゆく様を如実に無理矢理実感させられるという意味で充実した作品だと思う。園子温がどんなジャンルの映画を撮ろうとも、彼にとり憑いて彼がその観念なしには生きられなくなっている、あるいはその観念こそが園子温の実体で園子温の肉体はその観念が残存している限りにおいて存在可能なものとなってしまっている彼の唯一のとも究極のとも言ってもいいその宿命的主題の作品郡に花咲く豊穣な変奏がくりかえしつづけられるかぎりは、いつか必ず訪れることになっている彼の現実的な死によって限りあるショーだということがあまりに明白にわかりきっていたとしても、我々は彼の繰り広げる一世一代のショーのそのあまりの居心地の悪さとあまりの不快感とあまりの悪趣味に思わずこみ上げる胃液を無理矢理に押さえこんででもあたたかく見守ってやらなければならない。以上にあげた彼の宿命的主題その壱に関連しつつもどこかで孤立している彼の宿命的主題その弐は廃墟の主題である。廃墟にとり憑かれた作家としての園子温の一貫性は『自殺サークル』においてもあの地下にあるという設定の廃墟と化したボーリング場やこうもりという匿名の女二人が無能の父親と住んでいる廃墟にそのまま住みついたような部屋が夢のようにふっと現れる瞬間にそのあられもない純粋性が証明される。
　ちなみに『自殺サークル』はＤＩＳＣＡＳのＤＶＤのラインナップにはいまのところ存在しない。
　園子温に限らず他の奇特な映画作家の作品の充実をＤＩＳＣＡＳに熱くリクエストすることが僕たちの使命のひとつであるはずである。

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寺山修司が野球についてこんなことを書いていました。
「野球とはホームインする回数を競い合うスポーツである」
この自転車吐息に出てくる「一塁」という話は、そのホームインすることを拒否した人の話です。
透明ランナーの
「一塁はあそこにあるが、本来はずっと遠くにあるべきだし、二塁はさらに遠くに、三塁にいたってはかなたにあるべきだ」
という言葉が印象に残りました。
初めてこの映画を見た大学生のとき、僕もホームインなど目指さずに、ずっと遠くにある一塁を目指して旅立つべきなんだ、と思い、故郷を出て東京へきました。僕の人生を変えた映画です。

間違って借りたのですが、完成度の低い閉鎖的な作品だと思った。
わかるひとにはわかるかもしれないが、私にはよくわからない。

気の違ってしまった若者が
映画や恋や受験などに翻弄される、といった内容。

こんなのもありかなーという程度。
思春期あたりの感受性の強さや、創造力の豊かさを思い出した。

ＯＰから退屈な時間が過ぎていく。所々面白いと思う場面はあるがそれだけ。

園子温の監督作品というだけで観ましたが、内容が全く理解できませんでした。海外では評価されているみたいなので、日本人向けではないのかもしれません。