陽のあたる坂道

フラミンゴ君の　裕次郎脱力系には笑った　まあそう見られてもいいかな　めずらしく坂道を上がってくる　裕次郎の笑顔がとても素直で　可愛らしい

石坂の小説なんか読んだことないけど　その原作映画はみんな　こんな感じかなあ　やたら青春まっさかりな恥ずかしいくらいの　明朗さ　この映画実は３時間もあって　借りてぎょっとするぞ　コメンタリー込みかなとかね　いやたっぷりあります

田坂の丁寧な演出　美しい撮影　出演者もよろしい　ので気持ちよく見始めるのですが　さすがに一時間ほどでなんか変だとなります　要するに裕次郎は何を悩んでいるのか　出生の秘密だったかな　じゃが回りの人間はみんな暖かい人ばかり　お母さんはしっかりした意見の持ち主　お兄ちゃんなんか始め悪役いやなやつが　最後は　裕次郎にひっぱたかれて　一度お前に殴られたかったんだとかなんとか　ハッピーになったりして　結局悪い人も人間的な葛藤も　なし崩しに丸く収まってしまう訳で　あとの２時間は早送りとなってしまうのでした　現代の映画にはなりえません

「遠すぎた橋」は人気あるのかまだ来ない　３時間映画をレヴュー連続してみるかなとか

　裕次郎２５歳のころの作品だと思う。（裕次郎は１９３３年生まれだから）
　やたら裕次郎が若くてスマートで足が長くて日本人とは思えない体型です。
　
　私の知っている裕次郎は少し年が行き、下ぶくれのずんぐりむっくりでしたが、いや〜スマートで格好の良いのには驚き。

　しかも、この作品は単調な話の割りに中身のある作品だと思う。
異母兄弟なんて珍しくないけれども、わざとらしさがなく私はいいな〜と思いました。

　異母兄弟であっても、こんなに素敵な兄弟はいないな〜とか…
邦画もなかなか捨てたものじゃないと思います。

　気が向いたら、裕次郎の若かりし頃の作品を覗いて観ようかな
夜這いじゃなく、真正面から…なんちゃって。

５０，６０年代日活文芸映画の原作はほとんど石坂洋二郎だった記憶があります。身も蓋もなく主張するヒロインに当時違和感を感じたこともありました。しかし現在この作品の女性の何と潔く美しいことか。ママ（轟由紀子）なんか性別を超えたスケールの大きい人間性で圧倒されました。妙な日本的湿度が無いので、途中何度もこれ日本映画？イギリスかアメリカ映画かな？と錯覚させられました。人間肯定と不思議な開放感が気持ちよいです。

昔の邦画の楽しみは何といっても画像の美しさと女優さんの美しさにひかれます。

女性の私でさえ男優さんより女優さんに心うっとり・・。そして言葉遣いとか、仕草、ファッションにも女性らしさとか美しさを感じ、観た後はしばらく感化されます。

現代には無い明るい雰囲気とか、日差しの明るさにも惹かれます。

　陽のあたる坂道は石坂洋次郎がエデンの東にヒントを得て主人公の田代信次は裕次郎をイメ-ジして書かれたそうです。
田坂具隆監督は「裕ちゃん狂った果実を見たがとてもよかった。だけどあれはたいへんなシバイだったろう今度は地のままの裕ちゃんでいいんだよ」といって乳母車の撮影にあったてはじめて裕次郎に会ったとき言ったそうです。

裕次郎も「乳母車の宗雄こそオレの役だと思った。太陽族という色眼鏡で見られてきていたのを田坂監督がボクの内なるものをズバリと見透かしてくださったことはありがたかった。乳母車と陽のあたる坂道は自分の好きな映画の双璧だ。」（わが青春物語・石原裕次郎著）

とあり裕次郎といえば狂った果実や嵐を呼ぶ男のイメ-ジが強かったので以外な一面でした。

石原裕次郎って名前は有名だけれど、どんな人なのか知らなかったので見てみました。この時代（50年代）には珍しい脱力系？米国のジャームズ・ディーンを彷彿とさせるところがあります。ストーリーもなかなかいけてる！加えて、登場する女性が美しい。知的でしっかりしたかんじです。50年代の「美」の価値観を見てみたい人にはオススメ★