デアボリカ

「ビショップ」さんの疑問にお答えします。古い映画のＤＶＤの日本語吹き替えは、テレビ放映時の音声をそのまま使ったものが多いのです。テレビ放映版はオリジナルに比べ、カットされている部分があるので、その部分の吹き替え音声がなく、字幕で補われているのだと思います。わざわざテレビの吹き替え音声を使うのは、テレビ放映でその映画が好きになった人のイメージを壊さないようにするためです。『デアボリカ』は劇場公開時に「サーカム・サウンド」というシステム？で見ました。劇場にたくさんスピーカーを付けて、悪魔の声などが劇場をぐるぐる回るようにしたものだったと思いますが、突然大音量になったりするのでビックリしたりして、なかなか楽しかったです。昔はその手のギミックがいっぱいありました。公開時は子供だったので、『夢魔』ほどではありませんが、悪魔に取り憑かれたジュリエット・ミルズが何となくエロく感じられてどきどきした記憶もあります。それが、後年、テレビ放映されたのを見ると、『エクソシスト』のヘタな焼き直しで大して面白く感じられませんでした。やっぱりサーカム・サウンドでなければダメなのでしょうか。それとも、大人になったからでしょうか。子供のころはジュリエット・ミルズが道に落ちているバナナの皮を舐める場面でもドキリとしたものですが。今見たらどうなんでしょう。

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音楽プロデューサー・ロバートの妻ジェシカが三人目の子を妊娠。
しかし、ジェシカは胎児に不安を感じ、精神的に不安定になってしまう。
そして、兆候はますますエスカレート。
空中浮遊まで起こしてしまい、ロバート家は悪魔の存在を知るのであった。
ジェシカを助けることができると近づいた男の正体は？
と、こんな概略です。

１９７３年と古い作品で、『エクソシスト』と『ローズマリーの赤ちゃん』を足してクラッシュした感じですな。
ジャケ等で、脳波測定装置を頭に装着し、だらしない笑みを浮かべるジェシカの顔がクローズアップされておりましたが、これは結構怖いものがありました。
ひょっとしたら、エクソシストより下品で怖い作品ではないか？
勝手に想像し、今日まで避けてきましたが、悪魔憑き映画を制覇する必要性を感じて今回鑑賞の運びとなりました。

そして、感想。
全然、ちがう。
２０年以上対決を避けた作品なのに、これでは私の霊魂も浮かばれないではないか。
全体的な作りはオカルトで、時代を考えればグッとくる映像もあるにはあるが、刺激は弱すぎます。
もっとも、ラスト近くのネグリジェ・前開き・下着を着けていない確率９０％・空中浮遊はドキドキですが……。
下品おばさんと勝手に勘違いしていたジュリエット・ミルズは、変貌前はそのようなことはなく、美人でした。
別に変貌後も、そんなに下品ではありません。ただ、緑の汁をいつまでも口元に残していたのが気になりましたが。

『サンゲリア』で孤島の医師を演じたリチャード・ジョンソンが出演。
重要な役ですが、ラストがヘタレです。
盛り上がりがきちんと描けておらず、消化不良感残る作品でした。
本作の印象ポイント……思い悩むロバートに、ストリートミュージシャン（おそらく悪魔の力が働いている）達がつきまとうところ。
黒人ミュージシャンが、一心不乱に鼻で笛を吹きながら追っかけてきます。

デミィトリは、恋人のジェシカを悪魔に捧げようとするが翻意し、彼女を逃がしてやる。
彼は、悪魔の怒りによって車ごと崖から転落する。
死を覚悟したデミィトリに、悪魔は「10年を私のために使え」と言い、彼に猶予を与える。
10年後、ジェシカはロバートと結婚して二児をもうけ、幸福に暮らしていた。
ある日、ジェシカは避妊薬を飲んでいたにもかかわらず妊娠していることに気づく。
しかも、胎児は異常なスピードで成長しており…

1974年に制作された作品。
ジェシカに取り憑いた悪魔が、胎児となって現世に生まれでようとするお話。
「エクソシスト」と「ローズマリーの赤ちゃん」を凌ぐ作品という触れ込みだったとか…
首の回転、緑色の吐瀉物、空中浮揚、ポルターガイストなど既視感満載の描写である。
本作には悪魔を駆逐する神の力が登場しないせいか、悪魔は危機意識なしｗ
サンフランシスコの明るい日差しが陽気な雰囲気を醸し出し、不条理感…
赤い車が印象深い怪作だった。

10年の猶予を与えられたデミィトリだが、確実に死の期限は迫っている。
死にたくない彼は、悪魔のためにジェシカの出産を成功させようと必死である。
涙ぐましいなあ…

「合理主義者は見えない物は存在しないと言うが、やがて間違いに気づく」
「隣の人物が私かもしれない」という悪魔のモノローグで始まる本作。
やたらに悪魔のナレーションが入る。
悪魔は、身体を持たない存在の苦痛を訴えたりもする。
知らんがな…

後にＪ・キャメロン監督の黒歴史作品となる『殺人魚フライングキラー』の製作総指揮に関わる
オリヴァー・ヘルマンさんが監督をされていますが、
『エクソシスト』と『ローズマリーの赤ちゃん』を隠すことなく
パクってしまう大胆さは買いかも？

作品冒頭から悪魔による愚痴ナレーションで始まり、
終盤には悪魔ならではの苦悩、人間様には分かるまいとの愚痴三昧、
更には悪魔ならではの掟破りのオチ！
時代を先取りし過ぎていたのかも？？

悪魔の話なのに使われる楽曲が陽気一辺倒なのも
ある意味斬新かも？？

DVDの特典映像にある解説にもストーリーは「エクソシスト」に「ローズマリーの赤ちゃん」を
足したような作品で、当時のホラーのいいとこどりをしたようなお得な作品みたいなことが書かれていた。

確かにあらゆるホラー映画をごちゃまぜにしたような観たことあるシーンあったよ。。
もう呆気に取られること間違いなし。
当時のキャッチコピーでもそう謳っていたらしいから、確信的なパクリ映画であることは間違いない。
緑色のゲロ、動き出し目が光る人形、１８０度回転する首、グルグル動く眼球、空中浮遊。。
全体的にエクソシスト色が強めかな。

確かに１つ１つのインパクトは強くいんだけど、単純なストーリー展開だし、オチも含めてちょっと物足りない。
どうも本家を超えるパクリが存在しないように、この作品は不完全燃焼なんだなぁ。。