羅生門の画像・ジャケット写真

羅生門 / 京マチ子

羅生門 /黒澤明

平均評価点: 

予告編を検索

全体の平均評価点: (5点満点)

91

DVD

映画賞受賞作品

旧作

お届け率:50~74%

解説・ストーリー

芥川龍之介の短編「藪の中」をもとに映像化。都にほど近い山中で、貴族の女性と供回りの侍が山賊に襲われた。そして侍は死亡、事件は検非違使によって吟味される事になった。だが山賊と貴族の女性の言い分は真っ向から対立する。検非違使は霊媒師の口寄せによって侍の霊を呼び出し証言を得るが、その言葉もまた、二人の言い分とは異なっていた……。ヴェネチア国際映画祭でグランプリを受賞した、黒澤明の出世作。

作品情報

製作年:

1950年

製作国:

日本

受賞記録:

1951年 アカデミー賞 名誉賞
1951年 ヴェネチア国際映画祭 サン・マルコ金獅子賞

キャスト・スタッフ

監督:

黒澤明

製作:

箕浦甚吾箕浦甚吾

出演:

京マチ子三船敏郎志村喬森雅之千秋実加東大介

脚本:

橋本忍黒澤明

原作:

芥川龍之介芥川龍之介

撮影:

宮川一夫宮川一夫

音楽:

早坂文雄早坂文雄

DVD

映画賞受賞作品

旧作

お届け率:50~74%

ジャンル :

新規ご登録はこちら

新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を

14日間無料お試し!
  • 無料お試し期間中『新作』はレンタル対象外です。
    新作をレンタルする方法はこちら
  • ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
  • @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
  • A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
  • B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
  • 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
  • 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。

「羅生門」 の解説・あらすじ・ストーリー

解説・ストーリー

芥川龍之介の短編「藪の中」をもとに映像化。都にほど近い山中で、貴族の女性と供回りの侍が山賊に襲われた。そして侍は死亡、事件は検非違使によって吟味される事になった。だが山賊と貴族の女性の言い分は真っ向から対立する。検非違使は霊媒師の口寄せによって侍の霊を呼び出し証言を得るが、その言葉もまた、二人の言い分とは異なっていた……。ヴェネチア国際映画祭でグランプリを受賞した、黒澤明の出世作。

「羅生門」 の作品情報

作品情報

製作年:

1950年

製作国:

日本

受賞記録:

1951年 アカデミー賞 名誉賞
1951年 ヴェネチア国際映画祭 サン・マルコ金獅子賞

「羅生門」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

キャスト・スタッフ

監督:

黒澤明

製作:

箕浦甚吾箕浦甚吾

出演:

京マチ子三船敏郎志村喬森雅之千秋実加東大介

TSUTAYAだから可能な圧倒的作品数!!

TSUTAYAだから可能な圧倒的作品数!!

洋画・邦画

35,500
タイトル以上

国内ドラマも一部含まれております

国内・海外ドラマ

5,400
タイトル以上

アニメ

9,200
タイトル以上

R-18

210,000
タイトル以上

CD

250,000
タイトル以上

※2022年2月 現在のタイトル数

新規ご登録はこちら

新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を

14日間無料お試し!
  • 無料お試し期間中『新作』はレンタル対象外です。
    新作をレンタルする方法はこちら
  • ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
  • @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
  • A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
  • B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
  • 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
  • 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。

関連作品

関連作品

社長忍法帖

からっ風野郎

上意討ち 拝領妻始末

男たちの旅路

勇者は語らず

ユーザーレビュー:91件

入力内容に誤りがあります。

内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。

  • 入力内容に誤りがあります。

この作品に関するあなたの感想や意見を書いてみませんか?

1〜 5件 / 全91件

勝王さん、セリフはなんとか聞き取れました ネタバレ

投稿日:2008/04/09 レビュアー:こんちゃん

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

 タイトルは聞いたことはあっても、観たことがなかったのですね。
芥川龍之介の小説「羅生門」は読んでいたので、
「あんな短編をどんな映画にしたんだろう」
と思っていたら、「羅生門」は舞台設定だけで、物語は「藪の中」ですね、これ。

 原作に比べると、下人と木こり(?)が、扱いが大きくなって語り部と言うところでしょうか。
 一つの事件が、証言する人間によって全く違う内容になっているというパラドキシカルな人間の曖昧さが見事に描かれています。事実は一つであっても、真実は必ずしも一つでは無いとも言えるのでしょう。
 意図的に違う内容の証言をしている場合もあれば、自分の見たもの、覚えている事柄を正直に話しているつもりでも、微妙に内容が違ってくる。人間は、自分に都合の悪いことは忘れようとし、都合の良い嘘を実際にあったことのように信じ込むのです。
 本作における多襄丸、武士、その妻、木こりの証言のうち、どれが本当のことなのか映画では明らかにしません。たしか原作でも、その真偽は明らかにされず、どれが本当なのか証明しようと、いろいろな学者が仮設を立てたりしていたと思います。
 真実は、当人にとっては一つでも、関わった人間の数だけ存在するのかも知れません。
 今公開されている「バンテージ・ポイント」(未見です)も、予告等を観ると、この手法を使っているんでしょうね。

 映画として、公開当時は評判が悪かったそうですが(私ですら生まれていない。ラヴァ様も生まれていたかどうかというところでしょう)その後、国際的に評価され始めると、大映の永田社長や評論家達は、まるで自分の手柄のように吹聴したそうです(笑)評論家なんて、そんなもんでしょう。

 映像的に今観ても、中川一夫のカメラワークはいささかも古臭く感じませんし、その泥臭いリアリティは初期の黒澤作品の特色が表れていて興味深いです。三船敏郎が妙に若くて元気なのが可笑しいのですが、森雅之、千秋実、上田吉次郎、志村喬と、その熱演は画面から目を離すいとまをくれないのです。なんと言っても京マチ子の妖艶さですね。こういう魔性の女を演じさせたら、今でも匹敵する女優はいないんじゃないでしょうか。証言する人間の内容によって、か弱い女であったり、気性の激しい女であったり、あばずれのようであったり、いくつもの顔を見せてくれます。黒澤明は、男を描くことが好きなんだと思ってたんですけど・・・。
 この余韻を残させる終わり方は、普通の黒澤作品とは違うような(そんなに沢山観てませんけど)気がしますし、まあ名脚本家の橋本忍も、芥川龍之介の原作を大きく改編することは忍びなく、リスペクトしたと言うことでしょうか。

 うん、これはお勧めですね。

このレビューは気に入りましたか? 14人の会員が気に入ったと投稿しています

黒澤明監督生誕百年 ネタバレ

投稿日:2010/03/23 レビュアー:ロキュータス

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

きょう3月23日で黒澤明監督・生誕100年を迎えました。

最も好きでもあり評価するのは、やはり『七人の侍』『天国の地獄』で、『用心棒』や『影武者』などがそれに続き、正直に申し上げると本作は好みも評価も10番目くらいです。

芥川龍之介の「藪の中」を原作(脚色の橋本忍はこれがデビュー作)とし、一つの事件が語られる人間によって違ったものになるという話で、その語り口や表現の美しさはすばらしい名画ではあるのですが、一方あざけり笑いだとか、ラストでの僧のセリフとかに「ぎこちなさ」を感じてしまいます。
一見オリエンタリズムのようでありながら、新劇や油絵のようなバタ臭さ、登場人物に人情というより倫理観が感じられることが、むしろ「世界のクロサワ」となった由縁でしょうか。

またセリフも聞き取りにくく(実は『七人の侍』もそうですが・・・)保存状態が残念です。
実は当時撮影所内で火事があり、ダビングの機材は急いで運び出され、難を逃れました。
しかしその後作業中再びダビング用のフィルムに引火(エアコンのない時代)し毒ガスが発生、スタッフは中毒になってしまい、一時人事不省になる者が出る中で、徹夜作業で封切に間に合わせ、黒澤明をも驚かせたと言います。   それを美談と捉えていた、昔の映画人の熱気ですね。
そういう無理が作品にたたっているのではないか、という気も・・・・。

好みも評価も中くらいの本作を今回のレビューに選んだのは、僕が生まれ育った、ここ太秦で作られた唯一の黒澤作品だからです。

制作は大映。    
公私混同の激しい、政界や野球界とも関わりの深く、また土木業者にしてヤクザだった千本組に籍を置いていたこともある、良くも悪くもワンマンだった”永田ラッパ”こと永田雅一がオーナーだった映画会社ですが、1942年初代社長として担ぎ出されたのは菊池寛であり、『羅生門』の企画には、重役だった川口松太郎が関わっていて、文芸的な土壌はある会社でした。

その京都撮影所。
「座頭市」や「眠狂四郎」、「悪名」や「大魔神」をつくった撮影所です。
また同時に稲垣浩、溝口健二、市川崑、などの名作を生み出してきた撮影所でもあります。

放漫な経営や、時代と合わなくなった作品づくり、などのため、1971年、大映は倒産しました。
(徳間書店の下で経営再建されましたが、それもその後破綻、コンテンツと多摩のスタジオは、現在角川映画に引き継がれて、大映という名称そのものもなくなりました。)
 
京都撮影所の跡地は中学校とマンションとなり、太秦で大映の名を遺すものは近くの大映通商店街のみとなりました。
そして中学の校門のそばには、グランプリ広場という、広場というには小さいですが、石碑が建っていて、
ベネチア映画祭の金獅子賞とアカデミー賞名誉賞(外国語映画賞)のレプリカが掲げられています。
倒産後、しばらくは労組が撮影所を管理してましたが、その自主上映企画でも『羅生門』は映されていました。

『羅生門』は黒澤監督をそして日本映画を初めて世界に知らしめました。
当時の記事には「ビリー・ワイルダー、エリア・カザン、ジャン・ルノワールなどと競争して、関係者すべてを驚かして勝った」ともあり、占領期の日本人にとっては湯川秀樹のノーベル賞などと並んで、自信を回復させる出来事だったようです。

そして倒産した撮影所のスタッフにとっては、自分たちの仕事は世界に通用したという証だったという気がします。
その後も『地獄門』『雨月物語』はグランプリを獲り、撮影の宮川一夫、照明の岡本健一、そして映画美術や衣装のスタッフら大映京都の「職人」たちは、娯楽作品にもその技を見せていきました。
数々のマエストロの下で名演を奏でたオーケストラのように、プライドの原点が、この『羅生門』だったのではないでしょうか。

最後に、個人的なことを申し上げてしまいますと、ぼくの父も大映京都撮影所に勤めていました。(クリエーターではなく、事務方の経理)
近所にある『羅生門』の栄誉を伝えるレプリカ像を見、もはや他に当時を思わせるものは何もなく、少なからず感傷に浸った生誕百年の今日でした。

このレビューは気に入りましたか? 13人の会員が気に入ったと投稿しています

誰が嘘をついているのか? ネタバレ

投稿日:2010/04/14 レビュアー:飛べない魔女

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

まるで東野圭吾の小説のようなサスペンスです(笑)

当事者3人の話を目撃者の僧侶ときこりが、後から雨宿りにきた荒っぽい男に、朽ち果てた羅生門の下で事件を語ります。
当事者3人の証言には食い違いがあり、また目撃者の話も違います。
いったい真実を語っているのは誰なのか?
事件はまさに藪の中。
人間は結局は自分のことしか考えない身勝手な生き物であることをまざまざと教えられる話です。
それでもラストの捨てられた赤ん坊をきこりが大切に抱いて帰るシーンは、雨も止んで一葉の光さえ差し込み、人間もまだ見どころがあるのさ・・という感じて少しほっとしました。

冒頭の豪雨降り注ぐ羅生門のシーンには墨汁を混ぜて雨を降らせたとのことですね。
雨の羅生門を白黒映画ならではの迫力で表現したかったらしいです。さすが、世界のKUROSAWAです。

それにしても私はずっとあの小説『羅生門』を映画化したとばかり思っていました。
あの話はものすごく短く、たしか羅生門に捨てられている沢山の死体から髪をぬきとる老婆をみた青年(?)が自分もまた身勝手な人間に変身していく話でした。
あんな短い話をどうしたら映像に出来るのだろうか?と興味津々でしたけど、違う短編からの映画化だったのですね(^^ゞ


このレビューは気に入りましたか? 11人の会員が気に入ったと投稿しています

多襄丸の暴れん坊ぶり・・・

投稿日:2020/08/04 レビュアー:カマンベール

このレビューは気に入りましたか? 10人の会員が気に入ったと投稿しています

黒澤明監督生誕110年&三船敏郎生誕100年

投稿日:2020/07/24 レビュアー:kazupon

このレビューは気に入りましたか? 9人の会員が気に入ったと投稿しています

1〜 5件 / 全91件

ユーザーレビュー

入力内容に誤りがあります。

内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。

  • 入力内容に誤りがあります。

ユーザーレビュー:91件

勝王さん、セリフはなんとか聞き取れました

投稿日

2008/04/09

レビュアー

こんちゃん

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

 タイトルは聞いたことはあっても、観たことがなかったのですね。
芥川龍之介の小説「羅生門」は読んでいたので、
「あんな短編をどんな映画にしたんだろう」
と思っていたら、「羅生門」は舞台設定だけで、物語は「藪の中」ですね、これ。

 原作に比べると、下人と木こり(?)が、扱いが大きくなって語り部と言うところでしょうか。
 一つの事件が、証言する人間によって全く違う内容になっているというパラドキシカルな人間の曖昧さが見事に描かれています。事実は一つであっても、真実は必ずしも一つでは無いとも言えるのでしょう。
 意図的に違う内容の証言をしている場合もあれば、自分の見たもの、覚えている事柄を正直に話しているつもりでも、微妙に内容が違ってくる。人間は、自分に都合の悪いことは忘れようとし、都合の良い嘘を実際にあったことのように信じ込むのです。
 本作における多襄丸、武士、その妻、木こりの証言のうち、どれが本当のことなのか映画では明らかにしません。たしか原作でも、その真偽は明らかにされず、どれが本当なのか証明しようと、いろいろな学者が仮設を立てたりしていたと思います。
 真実は、当人にとっては一つでも、関わった人間の数だけ存在するのかも知れません。
 今公開されている「バンテージ・ポイント」(未見です)も、予告等を観ると、この手法を使っているんでしょうね。

 映画として、公開当時は評判が悪かったそうですが(私ですら生まれていない。ラヴァ様も生まれていたかどうかというところでしょう)その後、国際的に評価され始めると、大映の永田社長や評論家達は、まるで自分の手柄のように吹聴したそうです(笑)評論家なんて、そんなもんでしょう。

 映像的に今観ても、中川一夫のカメラワークはいささかも古臭く感じませんし、その泥臭いリアリティは初期の黒澤作品の特色が表れていて興味深いです。三船敏郎が妙に若くて元気なのが可笑しいのですが、森雅之、千秋実、上田吉次郎、志村喬と、その熱演は画面から目を離すいとまをくれないのです。なんと言っても京マチ子の妖艶さですね。こういう魔性の女を演じさせたら、今でも匹敵する女優はいないんじゃないでしょうか。証言する人間の内容によって、か弱い女であったり、気性の激しい女であったり、あばずれのようであったり、いくつもの顔を見せてくれます。黒澤明は、男を描くことが好きなんだと思ってたんですけど・・・。
 この余韻を残させる終わり方は、普通の黒澤作品とは違うような(そんなに沢山観てませんけど)気がしますし、まあ名脚本家の橋本忍も、芥川龍之介の原作を大きく改編することは忍びなく、リスペクトしたと言うことでしょうか。

 うん、これはお勧めですね。

黒澤明監督生誕百年

投稿日

2010/03/23

レビュアー

ロキュータス

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

きょう3月23日で黒澤明監督・生誕100年を迎えました。

最も好きでもあり評価するのは、やはり『七人の侍』『天国の地獄』で、『用心棒』や『影武者』などがそれに続き、正直に申し上げると本作は好みも評価も10番目くらいです。

芥川龍之介の「藪の中」を原作(脚色の橋本忍はこれがデビュー作)とし、一つの事件が語られる人間によって違ったものになるという話で、その語り口や表現の美しさはすばらしい名画ではあるのですが、一方あざけり笑いだとか、ラストでの僧のセリフとかに「ぎこちなさ」を感じてしまいます。
一見オリエンタリズムのようでありながら、新劇や油絵のようなバタ臭さ、登場人物に人情というより倫理観が感じられることが、むしろ「世界のクロサワ」となった由縁でしょうか。

またセリフも聞き取りにくく(実は『七人の侍』もそうですが・・・)保存状態が残念です。
実は当時撮影所内で火事があり、ダビングの機材は急いで運び出され、難を逃れました。
しかしその後作業中再びダビング用のフィルムに引火(エアコンのない時代)し毒ガスが発生、スタッフは中毒になってしまい、一時人事不省になる者が出る中で、徹夜作業で封切に間に合わせ、黒澤明をも驚かせたと言います。   それを美談と捉えていた、昔の映画人の熱気ですね。
そういう無理が作品にたたっているのではないか、という気も・・・・。

好みも評価も中くらいの本作を今回のレビューに選んだのは、僕が生まれ育った、ここ太秦で作られた唯一の黒澤作品だからです。

制作は大映。    
公私混同の激しい、政界や野球界とも関わりの深く、また土木業者にしてヤクザだった千本組に籍を置いていたこともある、良くも悪くもワンマンだった”永田ラッパ”こと永田雅一がオーナーだった映画会社ですが、1942年初代社長として担ぎ出されたのは菊池寛であり、『羅生門』の企画には、重役だった川口松太郎が関わっていて、文芸的な土壌はある会社でした。

その京都撮影所。
「座頭市」や「眠狂四郎」、「悪名」や「大魔神」をつくった撮影所です。
また同時に稲垣浩、溝口健二、市川崑、などの名作を生み出してきた撮影所でもあります。

放漫な経営や、時代と合わなくなった作品づくり、などのため、1971年、大映は倒産しました。
(徳間書店の下で経営再建されましたが、それもその後破綻、コンテンツと多摩のスタジオは、現在角川映画に引き継がれて、大映という名称そのものもなくなりました。)
 
京都撮影所の跡地は中学校とマンションとなり、太秦で大映の名を遺すものは近くの大映通商店街のみとなりました。
そして中学の校門のそばには、グランプリ広場という、広場というには小さいですが、石碑が建っていて、
ベネチア映画祭の金獅子賞とアカデミー賞名誉賞(外国語映画賞)のレプリカが掲げられています。
倒産後、しばらくは労組が撮影所を管理してましたが、その自主上映企画でも『羅生門』は映されていました。

『羅生門』は黒澤監督をそして日本映画を初めて世界に知らしめました。
当時の記事には「ビリー・ワイルダー、エリア・カザン、ジャン・ルノワールなどと競争して、関係者すべてを驚かして勝った」ともあり、占領期の日本人にとっては湯川秀樹のノーベル賞などと並んで、自信を回復させる出来事だったようです。

そして倒産した撮影所のスタッフにとっては、自分たちの仕事は世界に通用したという証だったという気がします。
その後も『地獄門』『雨月物語』はグランプリを獲り、撮影の宮川一夫、照明の岡本健一、そして映画美術や衣装のスタッフら大映京都の「職人」たちは、娯楽作品にもその技を見せていきました。
数々のマエストロの下で名演を奏でたオーケストラのように、プライドの原点が、この『羅生門』だったのではないでしょうか。

最後に、個人的なことを申し上げてしまいますと、ぼくの父も大映京都撮影所に勤めていました。(クリエーターではなく、事務方の経理)
近所にある『羅生門』の栄誉を伝えるレプリカ像を見、もはや他に当時を思わせるものは何もなく、少なからず感傷に浸った生誕百年の今日でした。

誰が嘘をついているのか?

投稿日

2010/04/14

レビュアー

飛べない魔女

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

まるで東野圭吾の小説のようなサスペンスです(笑)

当事者3人の話を目撃者の僧侶ときこりが、後から雨宿りにきた荒っぽい男に、朽ち果てた羅生門の下で事件を語ります。
当事者3人の証言には食い違いがあり、また目撃者の話も違います。
いったい真実を語っているのは誰なのか?
事件はまさに藪の中。
人間は結局は自分のことしか考えない身勝手な生き物であることをまざまざと教えられる話です。
それでもラストの捨てられた赤ん坊をきこりが大切に抱いて帰るシーンは、雨も止んで一葉の光さえ差し込み、人間もまだ見どころがあるのさ・・という感じて少しほっとしました。

冒頭の豪雨降り注ぐ羅生門のシーンには墨汁を混ぜて雨を降らせたとのことですね。
雨の羅生門を白黒映画ならではの迫力で表現したかったらしいです。さすが、世界のKUROSAWAです。

それにしても私はずっとあの小説『羅生門』を映画化したとばかり思っていました。
あの話はものすごく短く、たしか羅生門に捨てられている沢山の死体から髪をぬきとる老婆をみた青年(?)が自分もまた身勝手な人間に変身していく話でした。
あんな短い話をどうしたら映像に出来るのだろうか?と興味津々でしたけど、違う短編からの映画化だったのですね(^^ゞ


多襄丸の暴れん坊ぶり・・・

投稿日

2020/08/04

レビュアー

カマンベール

黒澤明監督生誕110年&三船敏郎生誕100年

投稿日

2020/07/24

レビュアー

kazupon

1〜 5件 / 全91件

新規ご登録はこちら

新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を

14日間無料お試し!
  • 無料お試し期間中『新作』はレンタル対象外です。
    新作をレンタルする方法はこちら
  • ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
  • @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
  • A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
  • B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
  • 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
  • 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。

ご利用の流れ

ご利用の流れ

@ 会員登録

申し込みフォームへ記入

申し込みフォームへ記入したら登録完了!

A 作品をレンタル

作品をレンタル

借りたい作品をリストアップするだけ!
発送可能な商品を自宅にお届けします。

B ポストに返却

ポストに返却

商品をポストに投函すればOK!

よくあるご質問

よくあるご質問

もちろん無料お試し期間中に退会することも可能です。 また、その場合は料金は一切かかりません。

無料お試し中も、都度レンタルは、有料でご利用いただくことができます。
また、無料お試し中に解約され、何らかの理由でレンタル商品を期日までにご返却いただけなかった場合に、追加料金が発生する場合がございます。

定額プランは1つの封筒に2枚入り、お届けいたします。
届いた往復封筒でポストへご投函いただき、当社配送センターにてご返却を確認できましたら次の封筒を発送致します。繰り返しでご登録のプラン枚数までご利用いただけます。

各プランはこちら

各プランはこちら

  • 宅配レンタル 定額4プラン
    月額1,026円税込
    • DVD/CDが定額で月4枚レンタルできる!※1
    新規登録する
  • 都度課金 プラン
    無料会員 月額0円税込 ※都度レンタル時の費用は発生します
    • 月額無料で単品レンタルを楽しみたい方におすすめ!
    新規登録する

※1 無料お試し期間中の「新作」レンタルは対象外です。

羅生門