三度目の殺人

何となく 殺した理由は
わかるが
結局 何がしたいのか
よく わからない

「誰が誰を、何のために裁くのか」

最近、法廷ドラマも多いのですが、これは「ドラマは嘘で、現実はこういうものかも」
と背筋が寒くなりました。

本当の殺人はだれが犯したのか、なぜ役所さん演じる「三隅」はコロコロと「自供を変える」のか。


裁判っていうのは決してテレビドラマの松潤がやるような弁護士はいないんでしょうかね。
というより、いたら、落としどころがない。

「出張に金がかかる、寒い」「勝てる方法は」「弁護して損があるかないか」
これが実際に生活をしてくために、とても深刻な弁護側の悩み。

そんなことが真実を捻じ曲げてでも、優先されるのかもしれない。
手抜きとは言えなくても、金がない暇がない、コネがない。これが大きい。

「見てみぬふりをしたくない、真実を述べたい」という少女（広瀬すず）
見てみぬふりをしてきたその母
一度は実際に殺人をしている三隅（すずを自分の娘と重ねているのか）
福山演じる弁護士の親（元裁判官の橋爪）

それぞれの、大義が絡み合い、
裁判とは、誰の幸せを求め、なんのためにおこなっているのか。。
真実はひとつでも、幸せにはつながらないのかもしれない。

実際誰を信じていいのかわからなくなってしまう、重い映画です。
でも最後まで目は離せないです。

にしても、暗い。
「楽しい」エンターテインメントからはかけ離れています。

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犯人役の三隅（役所広司）に、絶望を与えている「悪魔的な存在」を私は感じましたが…

「三度目の殺人」というタイトルについては「一つの殺人は見つかっていない」という意味でしょうか（説明は無かったようです）

三度目の殺人「山中社長」については「あんな男、殺されて当然だ」と犯人の三隅は罵る
犯人の三隅には過去に別れた娘がいるが左足が不自由で、三隅が殺した山中社長の娘（広瀬すず）も左足が悪い。三隅は自分の娘と山中社長の娘をダブらせている様子だが、助けるため殺したのが1番の動機らしく
山中社長は自分の娘（広瀬）に、性的虐待を行っていたらしい
それについて私は「山中社長の屋敷にひそむ悪魔的な存在」を感じた
それは母親（斉藤由貴）が娘（広瀬）を後ろから抱きしめるシーンが、奇妙に男的で嫌らしい演出がされていたからですが
その悪魔的な存在が行った「性的虐待」だと推測してみましたが

三隅（役所）が実は山中社長であり、広瀬は三隅の我が子だと、感じましたが…かばい続けます
深読みし過ぎでしょうか？微妙な演出を解釈すれば、私はそう考えてみました

三隅の人生に「絶望を与えている悪魔的な存在」も、ある気がしました
親も妻も全て他界し、娘にも出て行かれ
飼っていたオウムは何羽も、事件前に自分が（一羽は飛ばしたが）殺していた
墓にはキリスト教のような十字
「三隅は空っぽの器」というが、オウム殺害にも「三隅への悪魔の快楽リンチ」を匂わせたが…悪魔的なもう一人の自分（分裂病的な）？に弄ばれていると思いました
「人生への絶望」死を覚悟してまで山中社長を殺した様だが奪った金は娘に送ったらしい。
死刑になり「悪魔のリンチは終了」したか
三隅は、自らを追い詰めリンチしている（されている）様に思えた

山中社長の工場では、前科者ばかり雇い「食品偽装」をやらせていたらしい
三隅は偽装の片棒を担ぎ、金も貰っていたようだが
三隅に「死刑を覚悟させた人生への絶望」を思うといたたまれなくなった、
やはり役所広司さんの「名俳優」ウデでしょうネ

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殺された工場の社長が娘にしたことは殺されるに
値することだと私は思います。
この世の中で一番腹立たしいのは自分の子供に虐待
したり　幼い子供がらみの事件です。
見て見ぬふりをしている母親には強い怒りを感じます。
理不尽なことはこの世の中にたくさんありますが
でも　殺されてもいいような人間だから殺してもいいなんて
そこはやっぱりどうしても共感できません。
複雑な気持ちになりますね。