マイレージ、マイライフ

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淡々と進んでいくストーリーなんだけど、クライマックスがちゃんとありましたね。
妹の結婚相手が結婚式の前日になって怖じ気づいてしまい、主人公がこれを説得するシーンです。

「今まででハッピーだと感じたときのことを思い出してみろ。そのときは、自分ひとりだったか？」
「いや・・」
「結婚やめようって考えたときは、どうだった？　そこにだれかいたか？」
「だれもいなかった・・」

孤独に生きることの身軽さを追求してきたジョージ・クルーニーが相手を説得しつつ自分が説得されているというイイ感じのシーンでした。

それはそうと、あの世界で数人しか持っていない特別のメンバーカードはスゴそうですよね。念願のそのカードを手に入れたというのに、さっぱりハッピーになれない主人公の姿がなんとも言えませんでしたね。

評価７９点（１００点満点）
ネット時代における人と人との心の繋がりのあり方に警鐘を鳴らし、ライアン（ジョージ・クルーニー）の生き方に焦点を当てた作品で、中高年層には評価の高い作品だろう。
年間３００日以上出張し、ホテルと飛行機の中が生活の拠点になっているような男、職業は依頼された企業に出向いて解雇通告を言い渡すターミネーターのようなもの、当然激しい抗議や非難にあるが、本人は実に軽く生きている。人間関係にも深入りせず、男女関係もワンナイトスタンド、さっそうとゴールドカードをふりかざし優先的に空港やホテルでチエックイン、ある意味完璧な生き方のように見える。彼の夢は７人目の１０００万マイルのマイレージ達成というのだから徹底している。しかし優秀な成績で入社してきたナタリーの提言はネットによる解雇通告、これなら確かに出張は不要、ライアンはナタリーを出張に同伴し実地教育を行う。同じような境遇であちこち飛び回っているアレックスと出会い気楽な情事を重ねるようになってゆく。姪の結婚やアレックスに対する思いが彼の気持ちを変化させてゆくのだが、完璧そうに見えた彼の生き様に潜んでいたのは紛れもない空虚さだった。
こんな彼をジョージ・クルーニーが見事に演じきっている。ラストに近いシーンで空港でフライト案内を見上げる姿が印象的。ネットで人に解雇通告をすることが日常化してゆく様な社会にはしたくないものだ。

どの人物にも、共感があまりもてなくって・・・
普通の主婦にはあまり感情移入しにくいかもしれない。
飛行機に乗るのはすごい好き！
でも何事もたま〜にだから・
楽しめるって。
１０００万マイルもためるってすごいけど、
達成したのに、気持ちに迷いがあったときだから、喜びが微妙でしたね・・・

“リストラ宣告人”のライアン(Ｇ・クルーニー)とナタリー(Ａ・ケンドリック)は、一流大学を成績優秀で出た学歴エリート。対して、彼らにリストラ宣告される社員達には学歴エリートタイプの人はあまりいなかった。ライアンとアレックス(ヴェラ・ファーミガ)がプレミア・カードを競い合う場面など、“ステータス”というものに興味のない私には不愉快な部分もけっこうあった。
リストラ宣告された人たちの多くが、まず何よりも家族の心配をするのだが、学歴エリート(と思われる)のアレックスは、家族は家族として確保しておきながら、仕事にかこつけて堂々と男遊びする偽善者。しかも、家族がいたことがライアンにばれると、「あなたとのことは息抜きよ」と平然と釈明するノー天気ぶり。
〈階級社会＝格差社会〉の現実を、映画でまで見せつけられたくはないですねえ。
それに、現実味がなくて、なんか薄っぺらいと感じてしまうのは、日本人だからかな〜。

それにしても、リストラ宣告も代行業者に頼むなんて、アメリカだな〜と。
やがて日本にも出てくるのかな、この商売　・・・　。

良き着想　役に相応しい俳優人に、期待に応える名演技。

リストラ請負業は良き仕事。

かどうかはわかりませんが、主人公が仕事で得た経験・話術を見ていると、
さすがの域に達した巧み技。会社の存在を自然と受け入れ、プロと謳うに申し分なし。
出張のプロが見せる移動のノウハウは楽しくて、空港やホテルが行なう上流階層への
待遇もまた、トリビア感覚でおもしろい。
アナログからデジタルへ変化しようとする業務スリム化の行く末にも目が離せない。

そんな上質満載の題材ですが、一点だけどうも説得性薄き展開を見たことで、
アマギン満足列車に急ブレーキ。以後盛り返すことなく終了。
あらゆる賞を獲った威厳を大きく感じることはできませんでした。

一瞬しょうもない邦画恋愛ドラマを見ている間隔に陥ってしまった該当シーンは、
主人公のような目指すべき目標が確固たる人にとってあまりにも安易な演出。
異なる価値観にシフトしていくこと自体は普遍的だとしても、主人公・観客共々
そこまで心を動かせる発端を見ることができない印象を持ちました。
幸いにもすぐに軌道修正されるので、ダダスベリ台からは救出されましたが、
その後は小盛りネタが続いただけで、出だしの面白さは間違いなく失速。
そこそこ楽しめましたが、感動するにはあと一歩でした。

・・・面倒・厄介というだけで外注対応に逃げ職責放棄するひ弱な上司。

マイライフに必要なし！

これ、意外？にも気づけばリストラ請負会社が組織的にも一番しっかりしてますｗ